1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 08:43:23.97 ID:
5Q6BR2wV0 帰宅。終電でいつもの駅につき、とぼとぼと家路につく。そしてぼろアパートのドアを開ける。それが男にとっての帰宅だった。
しかしそんな日常は、きょうに限っていえば少し違った。
「わたし、妊娠しちゃった」
ドアを開けて呆然と立ち尽くす男。微笑むのは十六歳くらいの女の子。
「いや……あの……」
男は身に覚えがない。必死になってこの少女との妊娠の前段階のそれの記憶を探すが、見つからない。そもそも、男にはそういった経験が一度もないし、この少女との面識もない。
なぜひとの家にいるのか問いただそうと、少女を真正面からみつめる。
少女の容姿に、男はたじろいだ。
肩まであるつやつやした黒髪。かすかに赤みのさした白い肌と髪とのコントラスト。
「あの、男さん」
やさしげな目元をふちどるのは長いまつげ。そのまばたきですら美しい。
「あぁ……その……なんで……あー……」
少女はかわいらしく首をかしげる。
「はい?」
少女があまりに堂々としているので、少し自分を疑いながら、言う。
「ここは……おれの、家だよな?」
「はい、わたしの家でもあります」
どういうことだろうか。男は頭をかかえたくなった。
あとはまかせた
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