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ごみ箱「妊娠しちゃった///」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 08:43:23.97 ID:5Q6BR2wV0
 帰宅。終電でいつもの駅につき、とぼとぼと家路につく。そしてぼろアパートのドアを開ける。それが男にとっての帰宅だった。
 しかしそんな日常は、きょうに限っていえば少し違った。
「わたし、妊娠しちゃった」
 ドアを開けて呆然と立ち尽くす男。微笑むのは十六歳くらいの女の子。
「いや……あの……」
 男は身に覚えがない。必死になってこの少女との妊娠の前段階のそれの記憶を探すが、見つからない。そもそも、男にはそういった経験が一度もないし、この少女との面識もない。
 なぜひとの家にいるのか問いただそうと、少女を真正面からみつめる。
 少女の容姿に、男はたじろいだ。
 肩まであるつやつやした黒髪。かすかに赤みのさした白い肌と髪とのコントラスト。
「あの、男さん」
 やさしげな目元をふちどるのは長いまつげ。そのまばたきですら美しい。
「あぁ……その……なんで……あー……」
 少女はかわいらしく首をかしげる。
「はい?」
 少女があまりに堂々としているので、少し自分を疑いながら、言う。
「ここは……おれの、家だよな?」
「はい、わたしの家でもあります」
 どういうことだろうか。男は頭をかかえたくなった。


あとはまかせた



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 08:45:25.01 ID:VBcFYXrP0
男「堕ろせよ」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 08:45:33.55 ID:XLITd5ea0
あぃです・w・ 北海道住みで、キャバで働いてます。
アラドで見かけたら、ぜひ、狩りに誘ってください。実に淋しいいです><
ネトゲ以外でも、なかよく出来たらな
あぃは、25で年下が好きです。東京までだったら遊びに行けます

|彡.+゜ニャラン.゜+


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 08:45:56.93 ID:eNn1aiq9O
それが男の最後の意識だった。
地球は爆発した。
(了)


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 08:46:40.72 ID:JZgD4QMr0
以前のスレは秀逸すぎたwww


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 08:47:07.01 ID:vBCA+vnBP
http://beebee2see.appspot.com/i/agpiZWViZWUyc2VlchQLEgxJbWFnZUFuZFRleHQYgOUZDA.jpg


ほらよ


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:01:15.31 ID:G2yPX85eO
まさかのSSスレだとは……


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:05:17.60 ID:5Q6BR2wV0
誰か書いて><


「……と、いうわけです」説明を終えて、男が出したメロンソーダを飲む少女。
「つまりおれの、あー……種を処理したティッシュが原因で?」
「妊娠しちゃいました」
 柔和な表情でさらっということではないんじゃないだろうか。
「で、あんたはごみ箱という?」
「はい」即答する少女。
「信じろと?」
「いえ、そんなすぐには無理でしょうから」
 男は混乱していた。
 自分はごみ箱と主張する少女がいっていることは、めちゃくちゃだ。しかしさきほどの説明をしているときの真剣な眼差しをみてしまうと、どうしても嘘だと決めつけることはできなかった。
 男は自他ともに認める煮えきらないやつだった。自分では決められないし、警察に通報したほうがいいのだろうか。


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:08:20.64 ID:dJC1tUOk0
つまりそれはポテチの袋とかペットボトルとかいろいろぶち込まれてたってことだよな


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:09:32.15 ID:hmHQNSvq0
前に見たな


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:10:10.98 ID:ECQk/a4D0
テッシュ越しなのに


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:10:18.80 ID:mnI6ssue0
前のは良作だった


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:16:35.55 ID:SoczM5Or0
なんで人化しちゃったんだ


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:35:06.06 ID:5Q6BR2wV0
誰も書かないのね・・・


 しばらくの沈黙のあと、男が口を開く。
「その、あんたはごみ箱だって言うけどさ、外見は人間じゃないか。どうしておれとしゃべったり、メロンソーダ飲んだりできるんだ?」
「わたし、何歳か知ってます?」
 男が部屋においていたごみ箱は、けっこうな年代物だったはずだ。実家からもってきたそのごみ箱は、男が生まれる前からあったらしい。彼女がほんとうにごみ箱なら、少なくともこの部屋のなによりも年長だろう。
「百六十歳です」
「ひゃくろくじゅ……?」
 うなずく少女。
「おどろきましたか? それだけの歳月を、わたしはごみ箱として過ごしてきました」
 メロンソーダを飲み干して、コップを男に示す少女。男は黙ってメロンソーダをコップに注ぐ。
「百年を過ぎたあたりで、わたしは自我に目覚めました。そうして気持ちを知ってからも、あなたの家でごみを入れていました」
 ひと息ついて、コップの中身をいっきに飲み干す。
「あるとき、わたしは家の外に出されました」
「おれの、引っ越し……」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:37:41.70 ID:qyCNndmt0
>>14
予想通りの付喪神展開ワロタw


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:38:46.90 ID:5CyaJeWD0
支援


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:53:10.81 ID:5CyaJeWD0
おいまだか


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:53:39.73 ID:oxVvUuOR0
期待age


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 09:57:41.58 ID:5Q6BR2wV0
「そうです」
 言って、ふっとほほえむ彼女。
「こんどはわたしが捨てられるのかと思って焦りましたが、それは違いました。ほっとしつつ、まえと変わらずごみ箱として役割を果たしてきました」
 男は彼女が言わんとしていることを、理解してきていた。
「そしてきょう、あなたが仕事に行った直後、わたしはひとの身体になっていました」
 付喪神というやつか。妖怪の一種だっただろうか。男は小学生のころに読んだ「日本の妖怪大百科」を思い出していた。
「それで、妊娠したって言うのは?」
「男さん、出社する前にいつもしていることがありますよね」
 男は自分の顔が熱くなるのを感じた。
「わかった。それ以上言わないで」


ながらで書くの疲れた


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 10:13:40.68 ID:5Q6BR2wV0
 女の子は、男しか知らないはずのことを話した。こうなると突拍子もないその主張にもいくらかの信憑性が生まれる。しかし男には疑問があった。
「元の姿、ごみ箱には戻れる?」
 これができれば、間違いないだろう。男は、めのまえの少女ができませんとうつむく姿を期待していた。
「ええ、やってみせましょうか?」
 なんてことだ。
「……じゃあ、やってみて」
 にこりとわらってうなずくが早いか、彼女の座っていたところには、見慣れた木のごみ箱が鎮座していた。
 男はため息を漏らす。どうやら自分は、オカルトのまっただ中にいるらしい。
「みてました?」
「うん……」
 これからどうしよう。男の頭の中には、不安が渦巻いていた。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 10:23:23.19 ID:Cqu3p6qMO
期待し過ぎで自分のSSスレに手がつけられないwww


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 10:29:07.26 ID:Iy0Hbux40
これからどうしよう…

→とりあえずオナニー
  とりあえず麺棒アナニー


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 10:30:11.91 ID:i6kroBtxP
>>22
綿棒でなく麺棒となwwwww


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 10:36:53.70 ID:5Q6BR2wV0
 次の朝。あのあと、いつものカップラーメンを食べる気にもなれず、寝た男。
 ひとの形になっていると場所をとるので、少女には寝るまえにごみ箱になってもらった。そのままでいてくれていると淡い期待をいだいていた男だったが、その期待は金属同士がぶつかる騒々しい音で粉砕された。
 その音で目が覚めた男。飛び起き、ねぼけまなこであたりを見回す。
「なにをやってるんですか、ごみ箱さん?」
 テフロン加工のフライパンと鉄の中華鍋をシンバルにして遊ぶ少女。
 止めさせないと、あの大家にアパートをおいだされかねない。フライパンと中華鍋を取り上げる。
「ご……ごめんなさい……」
 すぐに謝ってくるごみ箱。しゅんとしたその姿をみると、こちらが悪いことをしたような気分になってくる。
「あー、うん。もうやらないでね、ごみ箱さん」
「はい」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 10:45:06.33 ID:izJyx0JUO
期待age


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 11:01:50.82 ID:5Q6BR2wV0
 きょうは土曜日。特に予定のない男は、バナナをいっぽん食べたあと、布団のうえでごろごろしていた。
「あ、その……」
 反省しているのだろう正座していたごみ箱が言いにくそうに口を開く。
「ん、なに?」
「おなか……」
 身体を起こし、眉をあげて聞き返す。
「おなか?」
 彼女はうつむいてしまう。
「おなか、空きました……」
 おどろくと同時に、自分の気のまわらなさを自覚する男。
「ああっ、そうだよね。おなかへる……の?」いいかけで疑問がわいた。
「え、ごみ箱でもおなか減るの?」
「はい……。すみません」
 またしゅんとしてしまったので、顔のまえで腕をぶんぶん振って彼女の言葉を否定する。
「いやいやいや、そんなことないよ! うん、いま作るからまってて!」
 野菜炒めでも作るか、と腰をあげる男。


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 11:05:31.35 ID:NT67YDV9P
       
           ⌒ヾ
   Ц 。... γ


               ゴミの回収にきますた 

                       ゴミはゴミ箱へ





28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 11:43:33.18 ID:5Q6BR2wV0
そんなことないよ→謝ることないよ


 もやしとキャベツとほうれんそう。もやしはそのまま、キャベツはざくぎり、ほうれんそうは根を切り落とす。
 シンバルの片割れの中華鍋を火にかける。白煙がでてきたら油をひき、野菜を投入。しんなりしてきたら塩胡椒。そして最後に醤油をたらし、皿に盛って完成。
「デキタヨー」
 部屋の真ん中の小さな机に皿を載せると、目を輝かせて寄ってくる少女。
 箸を取りに行く男の背中に、声がかかった。
「……食べていいんですか?」
「いいけどちょっとまって」
 台所のどこかにあるはずの、客用の箸を探す。
「あの箸はどこに置いたか……」
 戸棚を開く。中皿が五枚、大皿が二枚。中皿はいま野菜炒めが盛られているのを含めればこの家には六枚ある。
「あの……」
「ああ、もう少しまって。あれー、おっかしいなー」
 スプーン二つにフォークも二つ。箸は男のが一対。
「わたし、お箸つかえません……」
「え、そうなの? ん、じゃあフォークでいいよね」
 フォークを取り出して戸棚を閉める。


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 11:53:08.76 ID:dpqt6tPKO
なんでごみ箱が飯食うんだよ
ごみ食わせてろや


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 12:04:49.05 ID:3LGPasjm0
ゴミ箱SSはこれがウケタ
http://burusoku-vip.com/archives/1188285.html


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 12:24:10.61 ID:MAsHjbwr0
>>30 お前のせいで作業に移行出来ない。どうしてくれるんだ


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 12:43:45.95 ID:5Q6BR2wV0
なにこの>>1つまらない
顔がみてみたいわ


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 12:47:06.79 ID:oxVvUuOR0
>>32
面白いから続けてくれw


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 12:50:50.37 ID:JZgD4QMr0
>>30とは違う良さがあるのに気が付かない>>1の顔を見てみたいわ


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 12:52:31.30 ID:oxVvUuOR0
お箸が使えない女の子萌え


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 13:43:35.44 ID:5Q6BR2wV0
 幼い子供のようにフォークを握りしめて、野菜炒めをぱくつく少女。
「おいしいです!」
「ん、ありがとう。ただ、その……」
「なんですか?」
 少女はフォークを止めて、男に顔を向けてくる。
「ああ、食べながら聞いてていいよ」
 不穏な空気を感じとったのか、顔を曇らせる。
「……はい」
「あのな、この部屋をみればわかると思うんだけど、おれは貧乏なんだな、うん」
 全体的にいろあせ汚れ、日に焼けた部屋。テレビすらなく殺風景で、文明を感じさせる物は電話とその携帯版だけ。例の戸棚とその収納物はもらい物だ。
「でな、あー、単刀直入に言えば養えないんだわ。あんた、なぜかおれの物じゃない服きてるけど、ずっとそればかり着てるわけにもいかないだろ。それに、おなか……減るんだろ?」
 フォークを置き、真剣な顔をして聞いていた彼女が言う。
「そうですよね……。男さんに負担をかけるわけにはいきませんよね……」
 沈黙が痛い。ごみ箱もそうなのか、視線を泳がせている。
 そのとき、聞き覚えのある大声が外からきこえてきた。
「男おおおおおお! おーまーえーはーなにをしてやがるー!」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 13:49:45.29 ID:5Q6BR2wV0
勉強するので落ちます
このスレは落としちゃってかまいません
用事をしながら書くと速度は遅くなるし、それじゃあ読んでくれてる人にも悪いと思うので


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 14:22:32.16 ID:3LGPasjm0
ほっす


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 15:59:33.44 ID:jSC2TTkci
保守


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 17:06:25.53 ID:HNsWPZrbO
ほし


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 17:19:21.53 ID:LGlOtXsii
ほっす


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 17:32:33.02 ID:5Q6BR2wV0
残ってた…だと…?
じゃ、書きます
相変わらずながらになるけど、それでよければ
あと、つぎ書き込んだら風呂にはいってきます

保守は素直に嬉しいです
ありがとうございます


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 17:35:40.51 ID:rNEe7hzw0
ほしゅ


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 17:38:37.00 ID:5Q6BR2wV0
 続いてドアを全力で叩く鈍い音。
「おら! でてこい! クソ野郎!」
 あの言葉遣いと低い声。あれで女だというのは、一種の詐欺ではないだろうか。男はこういうことがある度、毎回そう思うのだった。
「男さん。あれ、なんなんですか?」
 彼女は少しおびえているようだ。不安げに玄関のほうをうかがっている。
「すみません、すぐ行きますんで!」
 男が声を張り上げると、ドア叩きが収まった。
「あー、ごみ箱さん、おしいれに隠れてて」そう言って薄汚れた引き戸を指さす。
「はっ、はい。わかりました」
 男は走って玄関へ向かっう。サンダルを無視し、素足で踏み込みに立ってゆっくりとドアを開ける。
「おぅ男。元気か、ん?」
 片方の眉を上げて、見下すような視線を向けてくるのはこのアパートの大家さん。
 金色に染めた髪の毛をポニーテールにした彼女。背は高く、百七十四センチの男より、少し低いくらい。その勝ち気なつり目に睨まれると、生きた心地がしなくなる。
「はい、お陰様で。……それでその……用件は」
「あっそう。そうくるんだ。白々しいなー男よお」
 なんのことだ。家賃は滞納していないし、夜中に騒いだりもしていない。
 となると……。


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 17:41:11.10 ID:ChFLhp0X0
女か……


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 18:05:41.98 ID:RD9Bbbtki
wktkほす


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 18:10:53.07 ID:JZgD4QMr0
私怨じゃぁぁ


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 18:19:31.51 ID:5VA3VWcO0



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 18:22:20.66 ID:5Q6BR2wV0
「てめえ、あの女の子はいったいなんなんだ? あたしには未成年にみえたぞ?」
(もうばれてたよ。どーすんだこの状況……)男は蛇に睨まれた蛙だった。
「いや、ぼくにはなんのことだかさっぱり……」
 男はしらを切ろうとするが、大家さんは容赦ない。
「あぁ? いい加減にしとけよ男!」
 言うが早いか、表札をぶんなぐる大家。なにかがひしゃげる音がした。
「ひぃっ」男は小さな悲鳴を漏らす。
 かわいそうな表札から拳をはなす大家。
「まあ立ち話もなんだ。あがってもいいよな?」
「えーと、それはその……」
 大家は言いよどむ男を剃刀のような目つきで突き刺す。
「いいよな?」
「はいもちろんです」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 18:45:32.51 ID:5Q6BR2wV0
 例の皿が載った小さな座り机に大家を案内する。

「そこにどうぞ」

 さっきごみ箱がいた位置、玄関側のポジションを示す男。大家はそれを無視し、反対側の日光がよく当たる場所に座る。

「そこに座れ」

 大家が指さすのは、玄関側の、さっきごみ箱がいたところ。

 向かい合って座らせられた男の顔には、不安がありありと浮かんでいた。

 男はうなだれ、大家が無言でにらみつける。悪さをした子供を叱りつけるときのような雰囲気だ。

 そんななか、大家が唐突に口を開く。

「野菜炒め」

「はい?」

「野菜炒め食ってたのか?」

「え、あ、はい。食べてました」



こうした方が読みやすいでしょうか?


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 18:57:47.12 ID:i6kroBtxP
この方がいいね支援


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:04:02.12 ID:sb1hjYaO0
shien


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:10:31.32 ID:5Q6BR2wV0
「ふーん、フォークで野菜炒めを、食べてた。ふーん」

 おかしいだろうか。フォークで野菜炒めを食べるのはおかしいのだろうか。

(すこし変ではあるな、うん。箸が使えないわけでもあるまいし)

 思案する男の顔を、大家はじっとみつめてくる。

「おっおかしいでしょうかあっ」

 緊張で、言葉の最後がうらがえった。

 にやっとえんで、わざとらしく言う。「いいや、おかしくはないなあ」

(このひと絶対にサドだ。間違いないよ)男は確信した。

「で、本題だが。おまえ、あの女の子とやったのか?」

 男の身体がびくっとふるえる。と同時に、おしいれから物音がした。

「んん?」大家は音がした方向に目を向ける。

 そして音がおしいれからだったときづくと、男が制止するのも聞かず、ずんずん歩いていってそこの引き戸に手をかけた。


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:36:32.08 ID:oxVvUuOR0
支援


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:39:53.49 ID:5Q6BR2wV0
 ひらく。中にはふるえる少女がひとり。

「おい男、こりゃどーいうこった」

 振り返った大家の顔は般若のごとく。男には顔じゅうの筋肉をゆがめているように見えた。疲れないのだろうか。

「あたしはさあ、おまえのこといいやつだと思ってたんだよ。家賃滞納しても、夜中に猫と格闘しても、根暗で陰気で低収入のクズでも、そんなおまえでも根はいいやつだと思ってたんだが……」

 ひといきついて、呼吸をととのえる大家。そしておもいっきり空気を吸う。

「女の子監禁してるとはなあ!」

 大家は頬を紅潮させている。そしてこころなしか目を潤ませているようにみえた。

(いまの、このアパートの住人には完全にまる聞こえだな。社会的におれ終わったな)

 男は早くも自殺を考え出していた。


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:42:27.20 ID:naCXsDi/0
そこはゴミ箱にもどっとけよ


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:43:35.87 ID:F193wKGFi
なんという展開w


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:43:56.08 ID:JZgD4QMr0
完結ですね、わかります


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:47:57.21 ID:D5Ogqiya0
めでたしめでたし


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 19:54:44.50 ID:oxVvUuOR0
男とゴミ娘のセクロスシーンはまだですか?


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 20:18:36.99 ID:5Q6BR2wV0
「すまなかった」大家が土下座する。

「ははは……」

 男が社会的に死んだあと、ごみ箱は大家に必死に事情を説明していた。

 はじめは怪訝そうだった大家だが、ごみ箱が本来の姿に戻るところを見せると、すぐに信じた。

 ごみ箱と大家のやりとりのなかで男にとって初耳だったのは、ごみ箱と大家のあいだに面識があったことだった。

 きのうの昼間、お隣さんから苦情があったらしい。「一〇三が騒がしい」

 そして大家がここにきてみると、素っ裸のごみ箱がいたそうだ。

 大家はごみ箱に自分の服を貸すと、警察に通報しようとした。しかしごみ箱が男の帰りを待っていると言ったのでやめにして、翌日の土曜日に男を問いつめることにしたそうだ。

ぼくもう疲れたよパトラッシュ・・・
誰か続き書いて・・・


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 20:23:00.77 ID:ChFLhp0X0
ここまで話作っといてほかの人任せとか許されざるよ


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 20:51:09.74 ID:5Q6BR2wV0
 土下座からしばらくたち、大家はアパートの全住人に事情を説明すると言ってそそくさとでていった。

「男さん、誤解がとけてよかったですね」満面のえみで、そう言うごみ箱。

(よくねーよ。わりとマジで死にたい……)そう思っていたが、しかし笑顔の少女に心の内を吐き出すことはできなかった。

「そうだね。わかってもらえてよかったよ」

 疲れたほほえみを作る男。

「野菜炒め、すっかり冷めちゃいましたね……」残念そうな少女。

「もう食べたくないか? それだったらおれが食べるけど。おなか減ったし」

 緊張と、社会的に殺されたショックで疲れ、腹が空いていた。

「それなら、一緒に食べましょう。男さん」


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 21:14:28.28 ID:5Q6BR2wV0
「そうだね、そうしよっか」

 男は自分の箸と、水をいれたコップをふたつもってくる。机にそれらを置き、そして腰をおろす。

「いただきます」

「いただきます?」

 目をキラキラ輝かせ、教えての視線をむけられる男。

「いただきますっていうのは、料理に対する食べるまえの挨拶みたいなものなのね。料理の食材、育てた人、採った人その他にむかって、いただきます、ってわけ」

「おぉー!」

 目をくりくりさせて、よほどそれが気に入ったのかいただきますを連発するごみ箱。

「ははは……」

 まるで妹ができたかのようだ。男はそう思った。


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 21:21:33.24 ID:5Q6BR2wV0
目をキラキラ輝かせ、→目をキラキラ輝かせた少女に、

SSってマジで疲れるね
息抜きにと思ったんだけど・・・


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 21:25:27.06 ID:YPC8BGli0
定期的に応援してあげないといけないのか


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 21:38:20.01 ID:JZgD4QMr0
>>65
好きなようにやれ、別に直さなくてもいいよ


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 21:47:22.47 ID:5Q6BR2wV0
すみません
愚痴ウザいですよね


 無邪気なごみ箱をみて、男の心はすこし和んだ。

 そして箸を手にとり、皿に目線を落とし、気づく。皿の上の炒め物はもうほとんど残っていない。

 ごみ箱がいただきますを連発していたのは、野菜炒めを口に運ぶたびに挨拶していたかららしい。

 男の考えていることを感じ取ったのか、すぐに謝るごみ箱。

「あ、ごめんなさい……食べ過ぎました」

「いや、いいよ。また作ればいいんだし」

 箸を置いて台所に行き、冷蔵庫をのぞく。

(あれで最後だったの、すっかり忘れてた)

 冷蔵庫にはきのうのメロンソーダと、疲れたときの糖分補給用のチョコレートしか入っていなかった。


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 21:56:23.61 ID:c2zYaKMb0
>>30
まさかのオチ


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 22:18:00.77 ID:5C/cg0ZI0
>>1
疲れるとか愚痴ばっか言いやがって
誰か書いてくれとか甘ったれんな
























おまえのが見たいんだよ///


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 22:21:38.10 ID:Iy0Hbux40
エロはまだですか


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 22:44:28.53 ID:y0WZYb5r0
いつ出産ですか?


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 22:47:23.24 ID:5Q6BR2wV0
「ちょっと近くのスーパー行ってくるわ」

「スーパー?」

 またもやな教えて目線。いちいち説明するのはすこし面倒だったが、それが楽しくもあったので答えてやる。

「いろんな物が売ってるところ。食べ物がほとんどかな」

「お外に出るんですか?」

「うん」

 残念なことに、ここはほしいものを注文して、あっと言う間に品物が飛んでくる、なんていう魔法の世界ではない。

「おぅー……」

 腕を組んで目をつむり、顔をしかめているごみ箱。

「どした?」

「そのですね……この身体になったからにはお外に出て歩きまわってみたいので……いっしょに行きたいのですが……あの……やっぱり外はこわい……」

 彼女はごみ箱。確かに、外に出されることはあまりないだろう。こわいというのもわかる気がした。

「無理しなくていいよ。すぐ帰ってくるし、まってたら?」

「あぅー……」


寝ます


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 22:53:36.06 ID:5Q6BR2wV0
>>70
ありがとうございます

>>71
 俺 童 貞
だからちゃんと書けないので、たぶんない

>>72
ネタバレになるでしょっ!


明日もし残ってたら書く


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 22:56:46.68 ID:h6DRCJC30
ポケットティッシュが産まれるやつの続編ですか?


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:01:27.28 ID:tjIOyLa90
いいからゴミ箱に名前付けろよ
みーちゃんとか


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:06:54.55 ID:oxVvUuOR0
>>1はメロンソーダ好きか


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:15:43.38 ID:ymZtt/ZIQ
ボックスだから、僕っこ+語尾に「っす」と妄想した


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:24:49.54 ID:Lq8k0wWt0



80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:26:06.33 ID:kFNDbQ+p0
支援


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/26(火) 23:52:26.46 ID:jIoI/AkOi
>>73
このやりとりにやけるw



82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 00:42:42.13 ID:k090V5LW0
ほす


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 01:20:04.62 ID:k090V5LW0



84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 02:05:55.17 ID:JpdT+0yI0



85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 02:10:48.17 ID:JpdT+0yI0
m(__)m

保守目安
00:00-02:00 60分以内
02:00-04:00 120分以内
04:00-09:00 210分以内
09:00-16:00 120分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内



86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 03:05:10.04 ID:G4utgsLn0
ho


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 04:20:51.16 ID:Au160oHR0
保守


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 05:31:00.83 ID:Au160oHR0



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 05:55:37.19 ID:zVleprAe0
保守ありがとうございます
いまから書きます


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 06:07:22.15 ID:XwcSzrzi0
age


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 06:24:31.97 ID:zVleprAe0
 着たままだったスーツを脱ぎ捨て、うさぎのキャラクターがプリントされたダサいトレーナーと、うにくろで買ったジーパンを身につける。

 ごみ箱を振り向くと、まだ悩んでいた。外に出ることは、目をつむって眉間にしわを寄せ、うんうん言って決めかねるほどのことらしい。

(まあ、百六十年のうちほとんどを外に出ないでひきこもってたようなもんだしな)

「で、どうする? 行く? 行かない?」

 ごみ箱は口をとがらせる。そして数十秒ほどの静寂。

「……いきます」

 言ったごみ箱は、これまででいちばん真剣な目をしている。

「そっか」

 少女の服装を観察する。上下ともに灰色のスウェット。大家にかりたと言っていたが、やはりダボダボだ。しかし問題はない。ちらりと見えた鎖骨が魅力的なのはともかくとして。

「行こうか」

「はい」

 そして玄関まで歩いて行く。うしろをついてくる少女は妙に堅い表情だ。

 そして、玄関まできたときひとつの問題が発覚した。ごみ箱の靴はないということだった。


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 06:41:32.04 ID:U5AszGLM0
キター!!!!


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 06:56:10.95 ID:zVleprAe0
そして玄関まで歩いて行く→玄関まで歩いて行く

「あぁー……ごめん」

「男さんが謝ることじゃないです……」

 ごみ箱が落ち込んでいるのがもろにわかる。

 男はかなりゴツゴツしたスポーツメーカー製の靴を履く。そして確かめるように、靴をとんとんと下にうちつけた。

 すると、狭い踏み込みのなかで身体を反転させて少女に向きなおる。

「そっ、そんなに気を落とすなって。なんかおいしいもの買ってきてやるから、な?」

 言ってしまった。男はすぐに後悔する。『おいしいもの』とういのは往々にして値段の高いものなのだ。

「はい。じゃあ、いってらっしゃい」

 うつむき加減で目を潤ませた少女に、上目でじっと見つめられる。

 男はドアノブに手をかけることができなかった。

(すごく行きづらい……)


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 07:29:09.78 ID:zVleprAe0
「……どうしたんですか?」

 男がドアのほうを向かずにじっとしているので、疑問に思ったのだろう。

「いや……その……いってきます」

 少女は首をかしげるも、ほほえんでうなずいた。

「いってらっしゃい」

 鍵を開けてノブをまわし、ドアを押すと外の光がほんのすこし玄関に入ってくる。そのとき、きょう二回目の、あの大声が耳を刺激した。

「男おおおおおお! てめえ、あの子はあたしがあずかるぞー!」

 今度はいったいなんですか。男はそう思ったが、知りたくもなかったので、開きかかったドアを思い切り引く。

 しかし閉まらない。なぜなら指がはさまっているから。

 大家の指は意外なことに細く、きれいで繊細だった。指だけだされて、大家がなにもしゃべらないなら、男は惚れてしまう自信があった。

「いってーな、クソ野郎」


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 07:51:01.58 ID:jO67tRq4i
|彡.+゜ニャラン.゜+


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 07:54:41.33 ID:JBAR53fDO
ティッシュ「妊娠しちゃった///」


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 08:16:31.66 ID:z4TSkn+YQ
>>96それ前作のオチ


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 08:17:38.73 ID:JBAR53fDO
>>97
そうだったのかorz知らんかった


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 10:17:37.22 ID:2N3sWXdWi
靴ないとかwほす


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 10:35:11.21 ID:5CieJOei0
続きはどうした


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 11:01:21.07 ID:zVleprAe0
「す、すみませんっ。いま開けます」

 ドアを開けると鬼のような形相の女がひとり。この人は顔をゆがませる趣味でもあるのだろうか。

「てめえ、なんでドア閉めやがった。耳が聞こえねえわけじゃねえんだから、あたしが来るってわかってたよなあ、あぁ?」

 大家の睨みは強力だ。男はいますぐにでも逃げ出したい気持ちと戦っていた。

 言い訳をひねり出す。「あの……いま買い物に行くところで。財布を忘れてしまったのを思い出して……取りに戻ろうかと。ちょうつがいが大きい音をだして……声は聞こえませんでした。すみません」

 実際のところ、財布はスーツのポケットに入れたままのはずである。言い訳を探しているときに思い出したのだ。

「あ、そうなのか。すまん、それならしかたないな」

 意外なことに、あっさりと謝る大家さん。

(逆に怖いんですが)

「あーっと、そんで、なんであたしがここにきたのかというとだな……」


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 11:10:44.23 ID:GtJ+t2b4O
>>97
前作じゃなく別作な
一緒にすんなカスが


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 11:47:26.10 ID:zVleprAe0
>>102
落ち着け・・・
ていうか携帯で書き込まれると俺の自演が疑われる・・・


「あの子、付喪神って言っても未成年に見えるしさ、恋人でもない男と暮らすのはやっぱまずいと思うんだ、うん」

 これまた意外だった。外見からは想像できない普通の考え方だ。

「おまえ貧乏だろ? 女の子の色々もわからないだろうし。……でな、あたしんちであずかってやってもいいかなーと、思ったわけよ」

「マジで!?」

 思わず言葉が飛び出した。男はやはり、すぐに後悔する。

(タメ口をきいてしまった。おれにはまだやり残したことが色々と……)

 男のタメ口のせいかきょとんとしている大家に、うつむきながら慌てて言葉を向ける。

「いやっ、そのぅ、ぼくも困っていたところなので、是非お願いしたいというか」

 言い終わってそろそろと顔をあげる。


104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 12:29:33.77 ID:ZJt91N/k0



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 12:41:32.19 ID:5CieJOei0
    ,,,..-‐‐‐-..,,,
   /::::::::::::::::::::::::ヽ        _,..-‐‐-..,,,
  l::;;-‐‐-:;;::::::::::::ヽ//-‐,,__ /:::::::::::::::::::::ヽ
  l:l    ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
  ヽ   /   :::::::::::::::::::::::::::::::::::::;-'^~~^'‐;;:l
   ~ヽ/      ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽミ   .ll
    /         :::::::::::::::::::::::::::ヽ  ,.ノ
    /             ::::::::::::::::::::l'^~
  ‐/-,,   (●),    、(●)、 ::::::::::::l
   l  ~^''   ,,ノ(、_, )ヽ、,,       :l
  '''l^^~~~    `-=ニ=- '    -‐‐‐--l-
   ヽ、 ,,,,    `ニニ´     ~^'‐..,,_/
    / (:::::}           ,,,, イ~'''
    l:  ~~           {:::::) ::l
   l:                ~~  l
   l、                 ,l>
   /^‐-,,____,,,,,,,,..................,,,,,,,__,,,.--ヽ
   ~‐‐'~             ^'‐‐~

 とっととかけ太郎 (to toto upshiro 1990 - 不明)


106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 13:21:50.10 ID:ZJt91N/k0



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 13:41:07.89 ID:zVleprAe0
「そうか。なら……あっ、でも本人の意志も確認しねーとな」

 ずっと後ろで黙っていたごみ箱が、男の右側からひょいと頭を出す。

「わたしはべつに、男さんと一緒がいやなわけではないのですけど……男さんに負担をかけたくはないので、その、大家さんのところにおいてもらえると嬉しいです」

 ごみ箱に近くへ寄られた男は困っていた。そのくびすじからただよう色気に、理性が揺さぶられる。

「そうか、んじゃあ今からこい。あー……なんて呼べばいい?」

 そういえば少女の名前はなかった。男はごみ箱のことを呼ぶときは「あんた」と言っていた。

「ごめんなさい。名前はないんです」

 途端、大家の目付きが変わり、男をふるえさせた。揺れていた理性が土下座しろとわめく。

「てめえ男、それなら今までこの子のことをなんて呼んでたんだ?」

 内心ビクビクしながら答える。「あんたって……呼んでました」

「あぁ、あんただと? てめえ何様のつもりだよ。よぉ?」

(いや、あなたに言われたくないです……)

 もちろんそんなことは言えない。男は、この人に啖呵を切って病院送りになったチンピラをひとり知っている。


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 13:45:09.25 ID:zVleprAe0
ごめんなさい証明写真撮ってきます

>>105
すごく・・・かわいいです・・・


109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 13:52:42.43 ID:5CieJOei0
証明写真だぁ?
面接なんていく必要ないから書く作業に戻るんだ


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 14:13:22.33 ID:5CieJOei0
保守


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 14:36:43.31 ID:3vnVKh4g0
パソコンあるのに履歴書を手書きで書くの?
資格更新用の証明写真なら仕方ない


112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 14:37:23.29 ID:XBahkqTrO



113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 14:39:34.05 ID:Au160oHR0
DQNはプリクラを証明写真代わりにするらしい


114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 14:52:40.69 ID:5CieJOei0
ほすん


115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 15:45:22.82 ID:zVleprAe0
帰りに子供のころ遊んだ原っぱに寄ってきました
ベンチに新聞を読んでるおっさんが一人いたりして、なんかなごみました

>>111
履歴書じゃ茄子

四時になったらまた出かけます


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 15:48:33.97 ID:5CieJOei0
それまでに1~2レス分はとうかしてくだしあ


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 15:58:55.37 ID:zVleprAe0
「まあいい。てめえがなに買うか知らねーが、早く行ってこい。その間にあたしとこの子は相談して、新しい呼び名を考える。いいな」

 勝手に部屋へ入り、財布の位置を男に訊く大家。スーツのポケットのなかだと伝えるとすぐに見つけだし、それを男に投げつける。そして男は大家に蹴り出された。直後に鍵を閉める音は、男に有無を言わせない。

(なんつーか、横暴だよな)

 ごみ箱の名前はどうなるのか、そんなことに思いを巡らせながらてくてく歩いてゆく。

 ふたつ横断歩道をわたり、めっきり冷たくなってきた秋風にからだをふるわせていると、じきにスーパーマーケットが見えてくる。

 その店は今年八十歳になるお爺さんの個人経営だ。店はそのお爺さんの方針で、いつも活気にあふれている。

「いらっしゃいませー!」


118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 16:21:13.38 ID:5CieJOei0
保守


119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 16:52:22.41 ID:5CieJOei0
ほすん


120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 17:21:25.04 ID:W4dQp8L3i
どんな名前になるかwktk


121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 17:25:56.35 ID:zVleprAe0
ただいま

>>119
毎回ありがとう
そしてすみません
書くペース遅くてすみません

>>120
そんな突拍子のない名前じゃないですはい
vip的にははじけた感じがいいんでしょうけど、ねらうとスベるのよね


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 17:27:16.10 ID:5CieJOei0
           _,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙';;、
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            ヽ、`||ヾi;'(:::::゙'゙:::/;;i=i;;;ヽ:::゙'゙::::)゙i;/ |l'ノ/      構わん、続けろ
           /ヽ|l、 ゙i::;;;;/⌒⌒).ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/\
          /;;;/::ミヾ、./ / / )     '゙ /ミ"i;;;;;;;;\_
       _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ミ/゙ ,/ /  /_!/`   /,,l;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;~\
  _,、-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / /  /   /.__,,,..-/ヽ /;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,、_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ノ / .ノ  / ,,, /  ノ/';;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙'';;;,,、_
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123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 17:43:56.93 ID:5CieJOei0
書かないのか
保守


124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 17:53:20.49 ID:zVleprAe0
 自動ドアから中にはいると、買い物かごを取るが早いか、よく知った野太い声が男に向けられる。

「おう男! ちょっと見ないあいだに痩せたんじゃないか? きょうはいい大根がはいったんだ。安いから買ってけ!」

 男に話しかけてきたのは、経営者の爺さんの孫。男よりひとつ年上で、名前は堅利(かたり)。

 堅理は身長百九十センチを裕に越える恵まれた体格の持ち主で、顔も厳ついが、笑うと目尻にしわができ、とても優しそうな雰囲気をかもしだす。そして堅理はいつも笑っている。小さな子供にはスーパー熊さんと呼ばれているらしい。

 ちなみに男は堅理のことを、内心では熊男と呼んでいる。

「ああ、どうも堅理さん。大根がおすすめなんですか?」

「そうそう大根。……あっ、そうだ。むこうでさんまも売ってるから、それと一緒にどうだ?」

 男の返事も聞かず、魚介売場に声をかける。

「おーい姉貴! 男がきたからいいさんま選んでやってくれー!」

「まーかせといてー!」

 実に個人経営といったおもむきである。


125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 18:12:58.41 ID:c65V58/VO
マツダシエンタ


126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 18:14:50.84 ID:wr4/YsEL0
支援


127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 18:34:46.14 ID:zVleprAe0
「ほれ、大根」そう言い、男のかごに勝手に大根をいれる。

「はぁ……いい、大根っすね……」

 さりげなく値札を確認すると、そこには六十五円の文字が。お買い得である。

「きょうの晩飯はさんまの塩焼きに決定だな!」

(いや、さんまを買うなんてひとことも言ってないんですが。それに、朝食すらまだなのに晩飯って……)

 もちろん口には出さない。出せない。熊男はよかれと思ってやっているのだろうし、この人には恩もある。

 しかし、さんまに限らず魚の調理は面倒だ。安い大根は手にはいったので、適当に姿をくらまそうかと考えたが、そうは問屋がおろさなかった。

「さんま。うまいよ」

 男はいつのまにかそばにきていた姉の由利(ゆうり)に引きずられていった。

(あああああー……)


128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 19:00:58.15 ID:5CieJOei0
書き溜めてないのか
期待してる


129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 19:04:45.52 ID:zVleprAe0
 結局、会計の頃には、男の買い物かごはかなり重くなっていた。

 大根、にんじん、キャベツ、二尾のさんま、1リットルの牛乳2パック、卵1パック、メロンソーダ2リットル、バナナ、スナック菓子色々。

 しめて千五百円程度。スナック菓子は量あたりの値段が高いのであまり買いたくはなかった。がしかし、初めて見たアルバイトのかわいい女の子にのせられて買ってしまった。

(ここのスーパーの品物は全体的に安いのが救いか)

「ありがとーございましたー! またおこしくださいませー」

 荷物でいっぱいの袋がふたつ。右手で野菜の入った片方を、左手で飲み物が入ったもう片方を。両腕を疲れさせながら、とぼとぼとアパートへの道を行く。

 途中、どこかの市のスピーカーから鐘の鳴る音が聞こえてきた。正午の合図だ。

「もう十二時か……」男はそうつぶやいた。


130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 19:16:40.75 ID:EqOBtmu90
保守。
面白い


131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 19:43:58.92 ID:zVleprAe0
どこかの市の→市の


「ただいま帰りました。ドアをあけてくださーい」

 鍵は持っていたが、袋を地面に置くのはいやだったので、なかのふたりにドアをあけるよう呼びかける。

 すぐに開錠の音が聞こえ、ドアが開かれる。大家だった。「おう、帰ってきたか」

 大家はなんだか疲れているように見えた。眼にいつもの覇気がない。男の眼はいつも死んでいるが、大家がそうなってしまっては一大事だ。

「ちょうどいいところに帰ってきた。あの子、意外に頑固でな……」

 大家に問うような視線を投げかける男。彼女は肩をすくめた。

「あの子にきいてこい」


132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 19:48:00.48 ID:pxgwds210
ほっしゅ、オラごry


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:09:21.48 ID:zVleprAe0
 玄関から部屋へ移動する。

 大家の様子からすると、名前はたぶんまだ決まっていないのだろう。

「ただいま」

「おかえりなさい」

 ごみ箱のおかえりなさいは、どこかつっけんどんだった。

 出会ってから、時間にすると二十四時間も経っていないが、これまでのごみ箱とは雰囲気が違うのは、容易にわかった。

 とりあえず、冷蔵庫に野菜と飲み物とさんまをいれる。

「男さん」

 最後の牛乳を入れて冷蔵庫を閉める。そしてごみ箱のほうを振り返る。

「なに?」

 静かな口調で話し始める黒髪の少女。

「私は人の名前に詳しくはありませんが、酷いものくらいはわかるつもりです」

 大家が部屋に入ってくる。ごみ箱は彼女を一瞥して、続ける。

「だから、ごみ子とか、ご美とか、九頭火五(くずかご)とかは、ないと思うんです」


134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:14:35.21 ID:vJyem9jxi
名前ひでぇww


135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:16:02.60 ID:Ivenjheb0

※ 忘れられそうですが、妊娠してます


136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:18:38.37 ID:naj9zXus0
何てエロゲだったか忘れたけど五味(いつみ)って名前のキャラいなかったけ?
ゴミって呼ばれると怒るのが印象的だったんだが


137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:21:49.95 ID:qVb0SXDG0
この物語の舞台が2010年だとしたらごみ箱が作られたのは1850年
さぞ色んなものを見てきたのだろう


138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:36:03.77 ID:zVleprAe0
 なんと言ったらいいのか。下手をすれば大家に殴られかねない。

「くずかごって、そのまんまだね」

 慎重に言葉を選んだつもりだったが、これではただの感想である。

「いえ、そうでもありません。九の頭に火が五つと書くらしいので」

「はぁ……」

 内心あきれて、大家をチラッと見る。男の視線を感じたようで、彼女は不機嫌そうにそっぽを向く。

 ごみ箱が若干言いずらそうに言う。「それで、その……男さんに名前を決めてもらいたいのですが」

「えっ?」

「だめですか?」男をうるんだ上目遣いで見つめるごみ箱。

「いや、だめってことはないけど……」

(どうするよ。この子に合いそうな名前なんて、そんなすぐには思いつかない……)


139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:39:24.37 ID:Ivenjheb0
GOMIBAKO
GMBK OIA
がぎご
かきこ
まみも
ばびぼ
はひほ
センスでやるなりアナグラムでも考えるなり安価でやるなり好きにしな


140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:40:25.32 ID:uYKiTT4O0
ゴミ

ひっくり返してミコ


141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:56:49.47 ID:Hs1unoLM0
名前が気になって仕方がない。


142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/27(水) 20:57:19.42 ID:C84sGX8B0
追いついた!!
名前期待

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