1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:32:36.04 ID:
8TzMmFMD0「ねぇ、涙子ー。最近流行ってる“消失”事件だけどさ…」
朝早くからルーティンワークの如き授業が終了し、クラスの人間が校庭へ、別のクラスへと散らばり、教室には人影がまばらのこの時間。
午後にも授業があると考えると、アンニュイな気持ちになるが、ようやく訪れた憩いの時。せめて思いっきり羽を伸ばそう。
今は昼休み中、友人達と昼食をとりつつ、御坂さん御推薦のとある少年漫画を読んでいたらマコちんが「ねえねえ」と話しかけて来た。
なんだよー、この後主人公が力に目覚めたと思ったら敵も目覚めて、と思ったら主人公の血が騒ぎ出して…の強さの倍々ゲームが始まるのに…
面倒くさそうに本を閉じ、私は正面に座っている彼女に向かい合う。
「ん?なにそれ?」
消失事件って何?無くし物、落し物、忘れ物の類かな?
だとしたら、その件は風紀委員(ジャッジメント)が主に取り扱う事件でもないし、第一話題にする必要もないハズだ。
そんな事を気にしながら自分が口を開いたら、マコちん含むその場にいる皆の動きが固まった。それと同時に意外そうな顔してる。
あれれ?私なんか変なこと言ったかな?
「昔の涙子ならいち早くこの手の事件に首突っ込んだのにねぇ…」
それが、初春を取り戻すための事件の始まりだった。
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