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佐天「ジャッジメントです!」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:32:36.04 ID:8TzMmFMD0
「ねぇ、涙子ー。最近流行ってる“消失”事件だけどさ…」

朝早くからルーティンワークの如き授業が終了し、クラスの人間が校庭へ、別のクラスへと散らばり、教室には人影がまばらのこの時間。
午後にも授業があると考えると、アンニュイな気持ちになるが、ようやく訪れた憩いの時。せめて思いっきり羽を伸ばそう。
今は昼休み中、友人達と昼食をとりつつ、御坂さん御推薦のとある少年漫画を読んでいたらマコちんが「ねえねえ」と話しかけて来た。
なんだよー、この後主人公が力に目覚めたと思ったら敵も目覚めて、と思ったら主人公の血が騒ぎ出して…の強さの倍々ゲームが始まるのに…
面倒くさそうに本を閉じ、私は正面に座っている彼女に向かい合う。

「ん?なにそれ?」

消失事件って何?無くし物、落し物、忘れ物の類かな?
だとしたら、その件は風紀委員(ジャッジメント)が主に取り扱う事件でもないし、第一話題にする必要もないハズだ。
そんな事を気にしながら自分が口を開いたら、マコちん含むその場にいる皆の動きが固まった。それと同時に意外そうな顔してる。
あれれ?私なんか変なこと言ったかな?

「昔の涙子ならいち早くこの手の事件に首突っ込んだのにねぇ…」



それが、初春を取り戻すための事件の始まりだった。


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:33:33.35 ID:s7dT/QQs0
一方さんマダー?


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:34:02.40 ID:N17KgtQG0
保守


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:34:49.58 ID:8TzMmFMD0
いつぞやにスレ立てしました“佐天「ジャッジメントです」”の続編です。
レールガンの最終回に即発されてまた即興で書いていきます。
色々と酷い内容かもしれませんが読んで行っていただけると幸いです。
・ 佐天さんがジャッジメントでレベル4になってます
・ 皆綺麗なキャラ
・ 独自解釈アリ
という注意点があったりなかったり…ログとってないんで、前のやつの内容を知らない方はどうしよう…



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:35:49.77 ID:vmGRTHgE0
即発?
触発では?


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:38:44.18 ID:Hiy7MiTc0
続きか
まってた


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:38:53.35 ID:8TzMmFMD0
>>5
そうでした…


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:39:51.96 ID:dW1/x45X0
ktkr
待っていたぞ


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:42:15.68 ID:ECxjvvd7O
待ちわびたぞ


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:43:55.83 ID:qcJDhBYW0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:46:40.25 ID:8TzMmFMD0
放課後、起立、礼の掛け声とともに私はジャッジメント一七七支部へダッシュ。
道草も公園で少年少女と童心に返ることもなく、一直線で向かった。

「こんちはー!!!」

いつものように支部のドアを破壊せんばかりに全力で入室。いつもの面々が挨拶と阿鼻叫喚の様相を呈している
「お、はやいねー」とか「うわ、負けたー!」とか様々…というか、私の出勤時間で賭けしないでほしいな。

「あら、ごきげんよう。今日はお早い到着ですのね、佐天さん」

「お、今日は早いのね。佐天さん」

こちらは一方、2人していつも通りの反応。白井さんは優雅に紅茶を啜り、御坂さんは珍しくコミック雑誌を「買って」来ていた。
高校生になったから、立ち読みは卒業するのかな…なんにせよ相変わらずパッと見お嬢様には見えない人だ。
常磐台は付属ではない、なので御坂さんは相変わらず派閥争いが激しいらしいどこぞのお嬢様学校へ進学した。
が、もちろんこの人が派閥に属するはずもなく勝手気ままに過ごしているとか…
本来ならば孤立するはずのその状況だが、そんな彼女に憧れて新しく“御坂倶楽部”なる派閥が出来上がっているらしい。
弁護士組合か!と突っ込みたくなるが、早く進学して御坂さんの後を追いたい白井さんや、作った本人達は至って真面目らしい。
多分、この感性を共有できるのは御坂さんのみだろう。やっぱりお嬢様の考えることは私には理解できない…
白井さんは特に言うことなし、常磐台の寮で新しく相部屋になった人と仲良くやっているそうな。
まぁ、それは置いておいて……


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:51:02.61 ID:8TzMmFMD0
そんな2人の横を通り過ぎ、私は自分のデスクに向かい、パソコンの電源を付けた。
ジャッジメントとアンチスキルの共同データベースに接続、期間の絞り込みはここ2カ月くらい…あとの検索ワードは…画面の前で少し唸る。

「佐天さーん、どうかしたの?」

漫画を読んでいた御坂さんが顔をあげてこちらにやってきた。
本来、このデータベースを使っている最中は部外者が入ってくることは許されないのだが、御坂さんに限り特例みたいな風潮になっている。
実際に何度も助けられたし、信用のおける人だからいいんだけどね。

「いえ、最近流行ってる眉唾ものの事件をちょっと…」

「眉唾もの?」

「えぇ」と答えながら、さらにジャンルの絞り込みで“盗難”を選択する。
データベースの照合に意外と時間がかかっているようだ。その間に、今日の話を御坂さんにしておこうと思う。

「眉唾…と言っても事件の有無ではなくて、その手口…といいますか。噂されている説なんですがね」

「説?」

「はい。あ、出て来た」

ヒットした件数は23件。その内、私の興味ある項目が12件。紙切れに書いたメモと照合していく。
どうやら話の通り、ここ2カ月の間…正確に言うと一月と13日の間に事件は起こっているようだ。
その12件全部にとりあえず目を通していく。見た所普通の盗難事件。
部屋に置いてあったものがないだの、学校の備品がなくなってるだの、そんなものばかり。
知らないうちに白井さんも画面を覗き込んで「普通の盗難事件ですわね」とボヤいている



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/21(日) 23:55:21.71 ID:qcJDhBYW0
支援


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:03:36.04 ID:JbekhsiQ0
「珍しくもないって言い方は語弊があるけど普通の盗難事件ね。気にかかる所と言えば犯人が未だ捕まってないことだけど…」

「確かに…佐天さんがピックアップした12件、盗難物も被害者にも共通点はありませんわね」

「そうなんですよね。あ、あった。これかな?」

その内の一件、アンティークドールの盗難の被害届の項目の詳細をクリックする。
一瞬だけ白井さんが嫌そうな顔をしたけど何かあったのだろうか、人形が怖いとか?
御坂さんがページに表示された文字を読み上げる。

「“アンティークドール消失事件記録。10月12日 8時~15時、家主……さんの家に空き巣が侵入。
彼女のコレクションの一つのヴィンテージシリーズのアンティークドール盗難事件が発生。監視カメラ等に犯人の姿は一切映っておらず…

って書いてあることも普通の報告書ね。手際のいい空き巣だとは思うけど」

「えぇ、そうなんですけど…ほら、ココ。ココ見てください!」

画面を下にスクロールして、事件の経過報告の欄を二人に見せる。
今度は白井さんが読み上げる。



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:08:58.51 ID:JbekhsiQ0
画面を下にスクロールして、事件の経過報告の欄を二人に見せる。
今度は白井さんが読み上げる。

「あら…盗難物は…持ち主の元に戻ってますのね。よかったじゃありませんこと?」

「えぇ、まぁ、持ち主のもとに盗難品が戻ることはそこまで珍しくないんです。
この12件の内、4件がなんらかの経緯で戻ってますから。でも、この件の妙な所はその経緯って言われてるんです」

さらに下にスクロール。御坂さんと白井さんが黙々読み進める。私も当然目で追う。
読み終わった後、二人は若干小馬鹿にするような呟きを漏らした。

「なるほど、“眉唾”ね」

「そうですわね」

「でもでも!本当だとしたらこれ凄いですよね!?」

ここ2年間なりを潜めて来たゴシップ好き少女、佐天涙子爆現。
2人が呆れて溜息を吐く理由も分からなくもないが、コレはある意味SFの原点にして頂点と言うべきものではないだろうか?

「だって…タイムスリップですよ!!」


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:16:22.94 ID:TUNHkFAMO
初春


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:22:52.15 ID:JbekhsiQ0
「タイムスリップって…確かに技術の粋を結集したこの学園都市ではありますが、そんなものは現行の科学技術では到底不可能でしてよ?」

うぐぐ、と歯噛みするだけで何も言い返せない私…
画面にはまだその先があった。
それによると、アンティークドールは第10学区付近の孤児院の置き去り(チャイルドエラー)の少女によって確保されていたらしい。
特定方法はドールに刻まれたシリアルナンバー。
しかし、少女はそのアンティークドールを10月10日つまり、事件の起こる2日前に拾ったと供述している。
このことがアンチスキルの口から伝言ゲームのように伝わり、学園都市での都市伝説が出来上がった、と言う訳だ。
もちろん、少女の証言には曖昧な点も多かったため、これは“彼女の勘違い”として処理されているらしい。

「そうよねぇ。流石にタイムスリップなんて技術があったらレベル5どころか、レベル6…いや、それ以上だもん」

「そうですけど…」

悔しいが、何も言い返せない私。今あるのは状況証拠にすらない物ばかり…もしも実在したら面白いと思うのになぁ…タイムスリップ…
大きく溜息をついて、ウィンドウを消す私。御坂さんと白井さんは「もう興味ありませーん」と言った感じで先程の定位置に戻ってゆったりしてる。
薄情だ…薄情すぎるよ…
今日の自分のシフトを確認する。
今日は――――――支部待機か。久々にゆっくり過ごせそうかな。
「暇(平和)でありますように」ジャッジメントにあるまじきことを願いつつ、私は今日のおやつを探しに行くのだった。


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:24:53.10 ID:2eemk7vM0
おー!復活してる!(* ̄0 ̄*)ノ待ってたぜぃ!


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:28:25.60 ID:2eemk7vM0
のくす牧場より前作
佐天「ジャッジメントです」
ttp://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1267078717-0.html


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:32:23.26 ID:39kLSkto0
前スレはこれか

佐天「ジャッジメントです」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267078717/


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:41:50.63 ID:JbekhsiQ0
「それがさー…酷いと思わない!?」

私の願いが通じたのか、今日は支部待機のメンバーが出撃しなければならないほど、さしたる凶悪事件も起こらず終業を迎えた。
夕陽が差し込み、気持ち的にも少しセンチメンタルになるこの時間…
今は初春の病室で、彼女に今日あったことのひとつのタイムスリップの件について、愚痴をこぼしている。

「でもさ、きっと初春も“そんなものはありませんよー”とか言っちゃうのかな」

そう言って初春の髪を掻き上げた。本当に綺麗な顔をして寝ている。
今、この瞬間に目を覚まして

『何言ってるんですか、佐天さん。タイムスリップなんてそんな非科学的な…』

と私に注意してきそうなほどだ。もしかしたら、注意ではなく興味深々に私の話を聞いてくれるかもしれない。

「“かもしれない”か…こんなに近くにいるのに、辛いな…」

髪を掻きあげた手をそのまま初春の額に、そしてそのまま真っ白な頬を撫でる。
いかん、このままだと気が滅入りそうだ…。話題話題…

「そうだ!今日、白井さんに聞いたんだけどね…」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:43:16.35 ID:JbekhsiQ0
>>19
なん…だと…!?


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:45:40.70 ID:JM2QvyU90
ttp://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267078717
前スレこれか?


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:46:27.63 ID:JbekhsiQ0
急きょ話題を変更する。
この間行われた大覇星祭で常磐台のお嬢様(私と同じ風使い)が私をライバル視しているとのことだ。
お嬢様キャラに勝手にライバルキャラ設定されているのはどこかむず痒い。まるで漫画の主人公にでもなった気分だ。
その時の思い出に尾ひれをつけまくって、初春に一人語りをする。
兎に角、この日の私は非常に饒舌で、1時間どころか面会時間ギリギリまで初春と会話をしていた。
夕ご飯?聞くな…食材買い忘れて、ポッキーと魚肉ソーセージでしたよ、ちくしょー


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:47:24.95 ID:JbekhsiQ0
>>20
>>23
その通りです



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:49:50.38 ID:vgsHZj/J0
さくらとかりんお嬢様のような関係と聞いて


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:55:39.78 ID:JbekhsiQ0
「あぁもう!!怪我させないように、能力使うのは…!」

その数日後、私は狭い路地を走り回っていた。というか、犯罪者の能力者を追いかけていた。
右手をスナップさせ、準備運動…風を人差し指と中指に纏わりつくように起こす。
体調チェックみたいなもので、この感覚で自分の大まかなコンディションが分かる。
よし、大体いつも通り。好調だ。
自分の体調を確認して安堵していると、ドラム缶が飛んできた。どうやら私から絶賛逃走中の能力者が私に飛ばしてきたようだ。
確か能力者はレベル3になりたての念動力者(テレキネシスト)だったっけ…

「しんどい!!」

それを足に風の防壁をまとう。その他、能力でいろいろと自分の身体を風で押し上げる、そして一気にそれを蹴り上げた。
ドラム缶は「く」の字型にひしゃげ、向かってきた勢いを相殺される。それどころか、投げた人間に向かって一直線に飛んで行った。

「うそ!?」

目の前の光景が信じられずに男性にしては甲高い声をあげ、足の勢いが緩まる逃亡者。
こんな狭い路地裏、上半身ほどもある襲い来る巨大な物体を避けられる術は彼にはない。
当然そのまま直撃。バーン!という破裂音がし、彼は「声」と言うか「音」をあげて昏倒した。

「よし…確保ー…」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:57:33.68 ID:JbekhsiQ0
のびて死んだように大人しくなった犯人に手錠をかけ、連れて行ってもらおうと、携帯に手をかけた。
一応言っておきますが、死んではいませんよ。前歯が何本かかけてるけど…
アドレス帳から支部を選択し、いざ電話をかけようとした瞬間、いきなり私の携帯が着信を告げた。
携帯を持つ人間なら分かると思うが、この瞬間は非常に心臓に悪い。少し驚き、自分の胸の鼓動が早くなるのが分かる。
えーと…一七七支部からか…

「はい、佐天です。ナイスタイミングですね。ただ今犯人を確保しましたよ!」

少し誇らしげに今回の結果報告をする。周囲への被害もなく、短い時間で事を済ませられたのだ自慢したくもなる。
電話の相手は白井さんの様だ。今回の結果に「お疲れ様ですわ」と私を短い言葉でねぎらうと、少し急かすように私の現在位置を聞いてきた。
数年前ならば初春のサポートのおかげでGPSデータで即時の位置の割り出しが出来ていたらしい。優秀な人材だったんだ…と未だにしみじみ思う。

「えと、第七学区の…」

現在位置を告げると、「すぐ参りますわ」とだけ告げ白井さんは電話を切った。なにを急いでるんだろう?
なんて考えようとしている間に白井さんが目の前に現れた。
私の足元でのびきっている犯人を一瞥し、華奢な腕で米俵を持つような感じで抱えあげる。
そして、余裕ない表情で私に向き合うと手短に結論だけ言い放った。

「今日は私と一緒に早びけしていただきますわ」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 00:58:44.62 ID:JbekhsiQ0
反応も出来ないままに白井さんはテレポート、犯人の身柄をアンチスキルに預けて、すぐにまたテレポートをした。
着いた場所は…初春の入院している病院だ。ここに一体何が?昨日来た時点では特に変化なく眠り続けていたはずだ。
足早に受付へと向かう白井さんの後を追っかけ、さっきの事について聞いてみることにした。

「白井さん!早引けってなんですか!?私…」

「事情を説明せずにこのような事をしてしまったことには陳謝いたします。ですが、これは貴方が知っておくべきことだと思いましたの」

「??」

意味も分からないまま、自動ドアをくぐり、いつものように階段を上り3階、奥の部屋へと向かう。

「なにがあるんですか?」

「単刀直入に申し上げます、初春の意識が覚醒しました…」


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 01:01:09.23 ID:JbekhsiQ0
今日はとりあえずここまでです。
適当に書いた文章を書き変えながらだったので、投稿に時間がかかって申し訳なかったです。
明日は少しでかけるので、再開時間は未定です…


そういえば“五代「ここが学園都市か」”ってどこに行ったんでしょうか


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 01:10:12.87 ID:ie6MKkoT0


クロスは見てないんだ・・・・すまん


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 01:26:25.23 ID:VP8TNKV0P
乙乙


急に過疎り杉じゃね?


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 01:51:11.70 ID:xkLnIF9j0
乙でした
やっぱ面白い


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 01:59:37.02 ID:qArydKdP0
前スレの最後、佐天さん何年生/何月の設定だったっけ?
あとレベルは4のままでおk?
追記:"俺"さんの登場キボンヌ


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 02:01:44.33 ID:zc1SHD2yO
俺とか萎えるんでやめてください


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 02:03:39.90 ID:ie6MKkoT0
>>34のせいであのスレを思い出した


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 02:35:05.68 ID:qArydKdP0
>>35
いや、そういう名前のキャラがいたんだよ


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 02:47:19.45 ID:Gyn9Erv/0
おお。続きかwktk
前回は男登場後3レスくらいまでしか見れなかったが気になってたんだよ


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 03:03:50.30 ID:unw0uowK0
前スレ読んできたけどこれは面白い。
佐天さんの能力開発SSはいくつか読んだことあるけど、精神的にもここまで成長してるのは結構珍しいかも。

>>34
「幻想御手事件から大体1年後」に風紀委員試験に合格して一七七支部へ
黒子教官で研修開始して「2カ月」にスキルアウト突入作戦
だったから、前スレラストで佐天さんが中2の秋くらいかな。
で、このスレの第2部では、>>11で美琴が高校生になったとあるので、佐天さんは中3になってると。


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 03:47:23.63 ID:ie6MKkoT0
俺は寝る
お前ら保守頼んだ


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 04:12:35.83 ID:39kLSkto0
ほっしゅ


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 04:30:32.41 ID:8KhH/49FP



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 06:16:39.40 ID:ozuSZC4A0
ほっしゅ! 続きまってたぜ


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 07:24:06.86 ID:SMnrHN7w0
期待ほ


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 08:28:56.48 ID:tOfhGiC+0
☆ゅ


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 09:21:13.76 ID:j8GFE7lB0
保守ですの!


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 10:33:31.04 ID:j8GFE7lB0
保守ですの!


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 11:13:45.63 ID:CJ0uoSjs0
保守る


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 12:08:36.34 ID:SMnrHN7w0
ほs


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 12:32:00.96 ID:zc1SHD2yO
>>37
俺じゃなくて男だろ


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 13:23:05.49 ID:e0MitxwC0



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 13:56:13.89 ID:+3u/1FMA0



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 14:20:40.60 ID:tOfhGiC+0



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 14:29:43.44 ID:t0yKCvOI0
御坂が高校生になってるなら、常盤台の風使いさんも高校生になってるんじゃないの?
超電磁砲アニメ1話で黒子が 今年から2年に転入してきた って言ってる


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 15:21:46.40 ID:GRPFJJdh0
続編期待してたのが3つも建ってるのに進んでるのが1つだけか…


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 15:26:49.80 ID:caCNX9gD0
15個くらいタブ開いてるけど進んでるの3個


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 16:08:28.14 ID:Gyn9Erv/0
ho


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 16:54:35.36 ID:SMnrHN7w0



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 17:39:25.50 ID:fDv2FbxO0
前スレの話忘れたんだけど、初春って意識不明だったの?


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 17:58:07.75 ID:bKxIAwPs0
期待ほしゅ


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:25:07.59 ID:JbekhsiQ0
保守どうもです。
晩飯の準備まで投下していきたいと思います。


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:27:37.18 ID:JbekhsiQ0
>>24と>>27の間の話を投下し忘れていました
それを投下します。


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:29:39.97 ID:JbekhsiQ0
「それでは、進路調査票を明後日までに提出すること!」

先生の最後の締めで朝のホームルームが終わる。
一時間目の授業は移動教室なので、早速行動を開始している生徒がいる中、私は先程配られた「進路調査票」を眺めていた。

「進学か…」

思わず口に出して呟いていた。恐らく皆は進学だろう、もちろん私もそのつもりだ。
ただ…なんていうんだろうか、このまま高校生になっていいのだろうかという感覚が今の私にはあるのだ。
こう見えても、私はレベル4の能力者、風使いだ。スキルアウトの連中から恥ずかしい2つ名を頂くほどに有名でもある。
そのためにあたりの有名校からウチに来ないか?みたいな御誘いは頂いているわけだ。ありがたい話だよ、ホント。
でも、どうしても私はそれらのことと向き合えずに答を保留し、考えないようにしている。逃げ続けている。

「涙子ー!なにしてるの!早くいくよ!」

アケミがノートとペンケースを持って、教室の出入り口で私を急かす。プリントを手にしたまま放心していたようだ。
「ゴメン!今行く!」と返事をして、授業の道具の準備をし、プリントをファイルにしまい忙しく椅子から立ち上がる。
外が騒がしい…もう体育の授業が始まっているのだろうか。ふと校庭に目を向けえみた。
そこには必死に腕立て伏せをしている気弱そうな女の子と、それを見つめる気の強そうな彼女と仲の良さそうな友達がいた。
腕立て伏せにバテバテな女の子を「がんばれー」と応援している気の強そうな女の子。

「初春…」

知らず知らずのうちに言葉に出ていた。
目の前の光景から、そして思い出に浸かりきってしまいそうな自分を振り切るように…私は風を切る様に歩き出した。


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:31:07.32 ID:JbekhsiQ0
「これが器物損壊と押収物のリスト、そしてこちらが逮捕者のリストです」

「おう、佐天も随分効率が良くなってきたじゃん?」

私からレポートを受け取り満足そうにうなずく黄泉川先生。今は放課後、ジャッジメントの仕事でスキルアウトの支部を壊滅させ苦手な書類仕事をこなした所だ。
この先生は私が能力に目覚めてから今までの経緯を知っている数少ない人間なのだが、私が割とメンタルがタフだと悟ると結構からかってくる。
あやうく、不良に絡まれて泣きべそをかいていた話を後輩にされてしまう所だった。
まぁ、それはともかく…
私も成長して、報告書くらいは白井さん抜きで一人で書けるようになったのサ!

「あ、ここ字、間違えてるじゃん?」

「あ、今なおします。二重線にハンコ…っと」

ケアレスミスは御愛嬌だよ。


「それはそうと、お前の進学…引っ張りだこみたいじゃん?」

改めて私の報告書をチェックしながら、先生が私に笑いかけた。この笑みはからかうものじゃなく本当に嬉しそうな顔だ。

「はい、ありがたいことに…でも、どこも勉強厳しそうで…」

頭を掻きつつ、進学と言う現実から目をそむけている自分を隠して…いかにも「これからのこと考えてますよ」といった雰囲気で答える。
それに先生は「ふーん」と答えるだけ。う、なんか気取られたかな。この人勘が鋭いんだよなー。
おっぱいでかい女性は頭が悪いっていう雑誌情報は嘘だったんだよ。


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:32:49.20 ID:JbekhsiQ0
「ま、いいじゃんよ。よし、これでOK!お疲れじゃん」

先生はそう言って私の肩をポンポンと叩くと、手を振りながら去って行ってしまった。

「嫌な予感しかしないなー………ん?」

去りゆく背中にお辞儀をして、私は現場を後にしようとした…その時だった。
カツーンと足元で何かを蹴飛ばした様な感覚がした。自分の足の先を見ると、そこにはさっきまでここになかったゲコ太のストラップが…
第一さっきまで戦場であったこの場に放置されているならば無傷のはずがない。御坂…さんのかな?
兜や盾、鎧をつけており御坂さんがいつも持っているノーマルの物ではないのは一目瞭然。
拾いあげて手の上で何か持ち主の手掛かりはないか確認。
やっぱりストラップには名前は書かれていない。

「まぁ、一応もっておくことにするか」

ポケットから証拠物押収用の小さなビニール袋を取り出し、そこに放り込む。
さらにはサインペンで“私用 一七七支部 佐天涙子”と書き、無くした時の保険もバッチリ。
無くした時のことも既に考慮に入れてるウッカリさんととるか、用心深いと取るかは貴方次第。

「さてと…帰りますか…」

んーっと伸びをして、私は支部へ帰ることにした。今日のお仕事終了。
そういえば、これから数日間中はお見舞いはやめて欲しいって病院から連絡来てたっけ…大人しく帰って自主練しつつ、宿題でもする規則正しい生活でもするとしますか。


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:35:04.54 ID:04hgG7beP
なんで何百キロも出る車の外で運転手の声が聞こえたの?
あんなに風圧のあるなかでコイン上げたらどっかいっちゃいますよね?
あの車と同じ速度で走る(それ以上か)強化外骨格が着地した美琴に追いつくまでに時間かかり過ぎじゃないですか?
くろこー、なんて言ってる間に撥ね飛ばされると思うんですけど。
ていうかもう、ぶっちゃけ黒子が最強じゃないですか。
あの釘みたいな鉄の棒をあのベアトリーチェに埋め込めばいいじゃないですか。
それか、黒子があの強化外骨格をテレポートさせればいいじゃないですか。
話早いじゃないですか。
て言うか婚后さん人殺しですよね。
あのヘリ追撃はどう考えたって助からないじゃないですか。


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:35:16.25 ID:JbekhsiQ0
ここまでです



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:36:31.23 ID:j8GFE7lB0
覚醒wktk


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 18:49:14.43 ID:bKxIAwPs0
ほほほ


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 19:02:21.62 ID:JbekhsiQ0
待て…今白井さんは何と言った?
一瞬にして自分の足元が崩れさり、宇宙空間に一人放り投げだされたような五感を失った、虚無感にも似た感覚を覚える。
前後左右不覚どころか、上下すらも覚束ない私は病院の壁にもたれかかる。足腰に力が入らない。

初春の意識が覚醒…?それって目を覚ますってことだよね?

脳がようやく白井さんの台詞を理解してくれる。それと同時に、自分の感覚が戻ってきた。
前を見ると、先を行く白井さんが私を見つめていた。でも本来は嬉しいはずのその情報なのに、どこか寂しげな表情を含んでいた。

「初春が…目を覚ましたんですよね?」

私は一瞬にして乾ききった喉をいじめて声を出す。

「えぇ、なんでも脳外科の名医様が初春の診療をしてくださっているとか」

なのに、やっぱりだ。白井さんの表情は一向に明るくなる気配を見せない。
「ですが…」と白井さんはさらに言葉を紡ぐ。しかし、ここで彼女の言葉は止まってしまった。

「ですが…なんですか?」

余り見せない真剣な表情で白井さんと向き合う。瞳が少し揺れていた。やっぱり何か躊躇ってる?
この空気で聞き返せるほど私はプレッシャーに強くない。白井さんは溜息を吐くと、顔を伏せる。
その時間が異様に長く感じた。自分の胸の鼓動の振動が凄く痛い。
白井さんは震えながら、顔をあげ、そして意を決したように口を開いた。

「初春の記憶が失われているそうです」


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 19:13:10.94 ID:JbekhsiQ0
申し訳ないです。
もう一本投下したかったのですが、晩飯の準備してきます…


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 19:14:34.83 ID:9H6yt+tH0
記憶がなくなったら何咲かせたらいいかわからなくてチューリップとか咲いちゃうの?


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 19:21:47.07 ID:2eemk7vM0
>>71
え~と・・・>>29>>70>>63-65の順番?


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 19:26:28.63 ID:JbekhsiQ0
>>73
>>24まで

>>63-65

>>27-29

>>70から
の順です。
分かりづらくて申し訳ない。



75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 19:57:12.01 ID:j8GFE7lB0
保守


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 19:57:13.62 ID:SMnrHN7w0
ほs


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 20:22:21.79 ID:j8GFE7lB0
保守


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 20:40:54.62 ID:SMnrHN7w0
hs


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 20:58:45.81 ID:HxjIctgni
ほす


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 21:22:30.49 ID:qugDFb+y0
保守


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 21:22:45.81 ID:JbekhsiQ0
保守ありがとうございます
再開します


82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 21:23:33.64 ID:JbekhsiQ0
「失礼します」

私と白井さんは珍しく行儀よくこの部屋に入室する。お互いに胸に何か尖ったものが詰まったような感覚を覚えながら…
これでもまだマシになった方だ。さっきまでは思いっきり動揺して、再びへたり込んでしまったのだから。
力を入れようと思っても入れられず、悲しいはずなのに涙が全く出ない。理由がなんなのかはさっぱりわからない。
それが余計に私を混乱させ、行動はおろか全ての思考の混乱を引き起こしていた。
それでも、そんな私が復活するのを白井さんはじっと待っていてくれた。
今、私達が入った部屋は見慣れた景色なのに、今までとは全く違うものに見える…
いつもなら扉を開くと、すぐ正面に見える初春が眠っているベッド。
しかし、今日はカーテンに仕切られており、西日によって作られる影でしかその姿、形をうかがい知ることは出来ない。
視線を左に移す。すると、こちらの入室に気付いた若い男性がこちらに微笑みかけた。

「ようこそ。お忙しい中ご足労していただき、感謝しています」

良く見ると白衣を着ている…初春のお医者さんかな?
私は白井さんの横に並び、彼に挨拶をしようとする。まずは白井さんが口を開いた。

「いえ、こちらこそわざわざご連絡をいただきお礼申し上げますわ。私は…」

とここまで言いかけた所で、若い男性が「存じ上げていますよ」と口を開いた。

「常磐台の空間移動(テレポーター)、レベル4の白井黒子さん、そしてそちらがレベル4の佐天涙子さん…ですよね?」

どこかホッとしたような笑顔を見せながら、彼は私達の名前を先に言ってきた。
そして続けざまに彼は自らを私達に紹介する。

「僕は、彼女…初春飾利さんの担当主治医の男Aです。以後、お見知り置きを…」


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 21:23:51.13 ID:SMnrHN7w0
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 21:27:27.26 ID:NGhbd9Xl0
俺が出てこなくて安心した


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 21:40:16.11 ID:JbekhsiQ0
男Aさんは「こちらへ」と紳士的な所作で部屋の奥、カーテンの向こうへと私達を招いた。
そこには彼が持ち込んだ、小さなデスクとパイプ椅子が数席、そして机の上にはグラフが書かれた何枚ものレポート用紙とスクリーンセーバーに画面が移行したノートパソコンがあった。

「すいません、散らかしてしまってて…」

気恥ずかしそうに笑い、急いで紙束を纏める男Aさん。でも、私達の眼にはそんなことよりも、ベッドに眠っている初春の姿しか映ってなかった。
思わず、一歩踏み出してしまう。この間のお見舞いの時と同じ様に規則正しい呼吸をしている。
でも、少し肌の色に血の気が戻ってきているように思えた。

「今はよく眠っていますよ。検査で少し無理させすぎたのかもしれません」

両手で紙束を無理やり纏めて封筒に入れながら、男Aさんが私達に後ろから声をかけて来た。
どこか、申し訳なさそうに目を伏せながら、ベッドの横にある計器類に目を通す。
眠っているのは残念だけど、少し助かったと思っている自分がいた。
今のこの状況で、初春と正面から話し合える自信がない。


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 21:55:52.74 ID:NGhbd9Xl0
初春の下の人カワイソス


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 22:01:15.29 ID:JbekhsiQ0
それは恐らく、白井さんも同じだと思う。彼女は意識してないと思うが息がつまったような苦しそうな声をとぎれとぎれに出している。
本当に目覚めているのか、記憶を失っているのか…、まだ眠ったままなんじゃないか、そして、私が犯した罪のこと…
いろんなことが思い起こされて、自分の思考がまとまらずにいると、白井さんが良く通る声で男Aさんに話しかけた。

「それで、初春の記憶喪失の件ですが…」

資料を慌ただしく纏めていた彼の動きが止まり、顔から焦りの色が消え、凛々しい顔つきになった。
これがお医者さんの顔かぁ…
一件乱雑に纏めてあるファイルから一枚の資料を取り出し、それを白井さんに差し出した。

「えぇ、彼女…初春飾利さんは逆行性健忘だと思われます」

「逆行性…ですか?」

「えぇ、事故以前の記憶を全て失う、ドラマとかでよく見る典型的な記憶喪失の一例ですね」

「じゃあ!…私達の事も…」

思わず、私が声に出してしまった。答えが分かっているはずなのに…

「恐らくは。それどころかご両親の事さえも覚えていませんでした…」

再び襲い来る喪失感。初春を見返すこともできないまま、ただ残酷にも告げられた現実に打ちひしがれる。
ショックの様子を必死に隠しつつも白井さんは男Aさんに話しかけているようだ…
会話は聞こえるが脳が理解できない。右耳から入って左耳から抜けていく、そんな表現がまさに似合う感覚だった。


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 22:22:03.40 ID:VP8TNKV0P
だめだ「チャットしようずwwwwww」が頭に残ってる


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 22:25:47.84 ID:JbekhsiQ0
「ありがとうございました」

ある程度の事情を聞き届け、白井さんは私を引き連れ、その場を後にする。
先程意識を覚醒させ、会話にようやく参加で来た私としては、この引き際は大変無様だが、この場に長時間い続けるのは非常によろしくない。
大人しく白井さんと同じ様にお辞儀をして、病院をでた。
夕陽が沈みかけ、段々と闇に染まる街並みを黙々と2人は歩く。
何も会話がないまま、私と白井さんは歩き続ける。お互いに言うことがない…
いや、私は言うべきというか言いたいことはあるのだが、今一歩踏み出せないのだ。

「初春の御両親…先日いらしたそうです」

白井さんがポツリと独り言でも漏らすように、口を開いた。それに私は「そうですか」と聞こえるか聞こえないかの声でしか応えられない。

「泣いていた…そうですわ」

「そうですか…」

白井さんの口調は責任を追及するものではない。ただ、私が聞いていなかった事実を淡々と告げるだけだ。
それが逆に私にとってもつらかった。いっその事責めてほしい。罵って欲しかった。

「私の所為なんですよね」

「えぇ、貴方“達”の責任ですわね」


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 22:41:27.71 ID:NGhbd9Xl0
俺は見てるぞ


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 22:43:01.02 ID:SMnrHN7w0
俺も見てるぞ


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 22:43:14.20 ID:Kz/JbxQt0
俺も見てるぞ


93 :遅筆で本当に申し訳ない…:2010/03/22(月) 22:46:39.67 ID:JbekhsiQ0
これも責めるものではない。これも事実を告げる、あくまで第三者的な立場からのコメントだ。
“達”というのは幻想御手(レベルアッパー)を使用した学生全員、そして首謀者の木山先生のことだろう。
私は彼女の事を「先生」と呼んでいる。それは、あの人の過去を御坂さんづてに知ってしまってから、なんとしても笑顔を見たい人がいたからだ。
それから私はどうしても彼女を心の底から憎めずにいた。許せないが、憎めない…そんな二律背反な気持ちを抱えてしまっている。

「もう一度、初春の御両親とあってみます」

「その方がよろしいですわね」

1年前、私が一七七支部に研修が決まったぐらいの時、時間を見つけて御見舞に来た初春の御両親に自分のことを全て話した。
どんな叱責も受ける覚悟だったが、ご両親は「ありがとう」と私にお礼を言うとほろほろと涙を流すだけだった。
今と同じ様なすっきりしない気持ちを抱えながら、その後、思い出話に花を咲かせてた。
時々見せるご両親の辛そうに笑う顔が、とても痛かった…
だから、きっと今ももっと傷ついているはずだから、もう一度会わなくちゃいけない気がした。
今度こそ本当に恨み事を言われるかもしれない。それでも、私はこれ以上逃げたくなかった。

だけど、返ってきた答えは「ありがとう」の一言だけ。どうしようもなく辛かった。


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 22:47:04.32 ID:vgsHZj/J0
その目 誰の目


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:04:40.31 ID:NGhbd9Xl0
なんでこんなに過疎るんだ


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:06:32.63 ID:JM2QvyU90
春はガキばっかだから夜にはおねむなんだろ


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:07:54.28 ID:0wgsqh+D0
見てるぜお~



98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:09:37.86 ID:JbekhsiQ0
「初春!!やっほー!」

「こんにちはー初春さん!」

「あ、佐天さんに御坂さん!!いらっしゃいませ!」

初春覚醒の知らせを聞いてから数日、今日は土曜日で学校は休みだ。
なので、午前中から時間の空いていた御坂さんと一緒に初春のお見舞いに来ていた。白井さんはなにやらジャッジメントの仕事があるらしい。
数日前、記憶を失った初春から「どちら様ですか?」と聞かれるのは一同心臓を抉られるほど辛かったが、
それを乗り越え、好感度MAX7の内のレベル2ぐらいまでに到達することができた。
低いって言うな!これでも頑張ってるんだから!

「それで…今日はどういったご用件ですか?」

まだ他人行儀な初春に寂しさを感じつつも、私と御坂さんは持ってきた紙袋から冊子を取り出し、ベッドに備え付けの机に置く。

「コレは…?」

そのうちの一冊を取り上げて初春が聞いてくる。

「第6学区のお店のパンフレット、コッチは情報誌ね!あとこっちは第15学区の…」

「まぁまぁ、佐天さん、落ちついてってば…初春さんが困ってるし…」

あ、ホントだ…目の前の冊子を見て呆然としてる…上見て下見て、また上見て下見てどうしようか?みたいな目でパチクリしてる。可愛いなぁ、ちくしょう。


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:10:01.92 ID:9H6yt+tH0
面白いけどコメントしづらいんですもの


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:11:02.70 ID:JbekhsiQ0
>>95
A:>>1が遅筆だから


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:29:19.59 ID:ePwSSILe0



102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:29:40.32 ID:JbekhsiQ0
そんなこんなで陶酔してたら、私がそれにうっとりしてるのに初春が気付いた。「なに?これ?」みたいな目だ。

「初春ってさ、来週の日曜日にリハビリも兼ねて外出許可が出るでしょ?初春の御両親がこっちに来れないようだから、私達と遊びに行こう!」

「え!?事後承諾!?」という御坂さんの驚愕の声を無視して私は初春に、冊子の束から一冊持ち出し、それを彼女にさらに押しつける。

「そ れ で!これは初春が遊びに行きたい所を知るための資料なのサ!!」

無理矢理、私の持っている冊子を初春に渡しつけて、満足そうにふんぞり返った。
自分の持ってた1冊、そして私から渡された1冊の計2冊を交互に見比べながら、戸惑いの表情を私に向ける。
御坂さんにも同じ様な表情を見せるも、御坂さんもこの展開に驚いており何も言えない。

「と、言う訳で、今日はどこに行きたいか、興味のある所はどこか聞きに来たんだよ!」

そのままテンション高めで一気にまくしたてて、私の話を終わらせた。
これはもう強制参加の空気、ここで拒否するという選択肢は今の初春にはおそらくないはずだ。
さぁ、何処に行く!初春!


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:37:41.78 ID:qArydKdP0
佐天さんは中三になってCカップになりましたとさ。


104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:39:39.78 ID:2eemk7vM0
>>103
アニメでは既に中1の時にCぐらいなかった?


105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:43:44.82 ID:9H6yt+tH0
左天さんならD~Eはイケる!
御坂は頑張ってBだろ()笑


106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:56:10.33 ID:JbekhsiQ0
私はどうやら記憶喪失らしいです。目が覚めたら自分が誰かも、ここがどこかも分からない。
それでも最低限のモラルや良識は覚えています。これは「意味記憶」っていうらしいです。
でも、ここが超能力開発の街だなんて全く知りませんでした。これはビックリです
自分が記憶喪失だと聞いた時、皆が悲劇的な表情をしたが、当の私はそうは感じませんでした。

「そうか、私って記憶喪失なんだ…」

程度にしか感じませんでした。
今、目の前にいる御坂さん、そして佐天さん、今この場にはいないけど白井さん。
私のお父さん、お母さんでもないのに、私が目を覚ましてから毎日ここに来てくれています。
特に佐天さんは面会謝絶の時間ぎりぎりまでいてくれます。今日あったことや、感じたこと、時々私との思い出話を話してくれます。
そして本当に時々、凄く辛そうな笑顔を私に見せます。私を心配させないためにしている笑顔なのか、それとも他に理由があるのかは分かりません。
私はその理由が聞けません。まだ、そんなに知り合ってから時が過ぎていないという理由もそうですが、
なによりも彼女のそんな笑顔が私は見たくなくて、無理やり話題を変えています。

そんな中、今日いきなり「出かけよう!」と言ってきました。こんなノリな人なので、驚きはしませんでしたが、予想外のことではありました。



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:57:15.15 ID:JbekhsiQ0
「なんで、私が外出許可をもらっていることを知っていたんですか?」

なんて聞こうとしましたが。そんな暇を与えられなく、おしゃれなお店のパンフレットを渡されました。
御坂さんにどういうことか聞こうとしましたが、佐天さんのノリに圧されて何も言えないようです。
こんな状況、この間インターネットで見たことある気がします…そう、確か…無双…でしたっけ?
どうしよう…いきなりどこに行きたいかなんて聞かれても困ります。記憶ないですし。
もらったパンフレットと睨めっこしてると、佐天さんがとても嬉しそうにこちらを見ていた。
これは、私は甘えてもいいのでしょうか…

「えーと…それじゃあ、まず洋服屋さんに…」

頑張って甘えてみることにしました。


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 23:59:37.31 ID:JbekhsiQ0
本日はここまでです。
明日仕事があったり、もう眠かったりするので…


眠かったら寝ちゃいましょう


109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 00:00:18.52 ID:+F2dFxbN0
乙!おやすみ


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 00:19:46.39 ID:USDZr1Qk0
このスレで初めて初春が怪我する以前のいつもの佐天さんに出逢えた気がする


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 00:36:23.38 ID:cYx5zpFd0
ほす


112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 01:08:25.20 ID:2PMayoq0O
ほしゆ


113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 01:32:54.66 ID:GP3kHyIH0
保守


114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 02:10:34.73 ID:7c2fcSat0



115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 02:19:44.73 ID:0NkC70TI0
寝落ちか??


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 02:42:47.93 ID:aqgLHpdZ0



117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 02:46:46.12 ID:a+WMDUsx0



118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 03:15:47.71 ID:aqgLHpdZ0



119 :お前ら保守は任せたぞ:2010/03/23(火) 03:21:50.93 ID:Gz/1QOwuP



120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 04:28:13.23 ID:/+KC/1YI0
ダメだ眠い

保守は任せたぞ


121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 05:49:24.14 ID:iwk2A9R7O
任されよ


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 06:58:34.29 ID:B24X/z8o0



123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 08:37:53.27 ID:iwk2A9R7O



124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 09:19:18.76 ID:eNRlPg8O0



125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 09:41:22.60 ID:YzPc7uyj0
んま


126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 10:33:23.10 ID:uA6OaNYz0



127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 11:01:03.07 ID:m67J5sdt0



128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 11:58:19.55 ID:2PMayoq0O



129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 12:48:25.05 ID:iwk2A9R7O



130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 13:40:43.95 ID:XrWLA8zl0
保守


131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 14:20:38.56 ID:GP3kHyIH0
ほすゆ


132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 15:02:27.96 ID:R8uYo5tb0



133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 15:03:00.23 ID:a+WMDUsx0



134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 15:22:28.32 ID:mWoraSks0
保守


135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 15:49:06.14 ID:nUsRD6Jt0
捕手



136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 15:51:20.93 ID:ejDm8tfc0
全スレの話で美琴と上条さんが付き合い始めてたけど今もその設定なの?


137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 16:34:53.76 ID:nUsRD6Jt0




138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 17:18:30.86 ID:ALRJiIZ+Q



139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 17:19:54.84 ID:ALRJiIZ+Q
何故下げたし


140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:02:22.54 ID:SyAoBit10



141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:03:41.23 ID:O1PxllCp0
保守ありがとうございます。
少し書き溜めた分を投下していきます。



142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:05:49.22 ID:O1PxllCp0
「もう!いきなりビックリしたんだからね!」

病院から出た後、いきなり御坂さんのお叱りうけました。えぇ、御坂さんには「初春と遊びに行くんです!御坂さんもどうですか?」なんて誘いましたからね。
まさか、初春と“今から”遊びに行く約束を取り付けに行くなんて思わなかったでしょうよ。
孔明って言うよりかは馬超的な策でしたよね。

「すいません、でも、やっぱりああいうのって勢いだと思うんですよ。初春…どうも、まだ遠慮がちで、ちょっと壁作ってるように見えちゃって」

「それで、一気に仲良くなろうと?」

「えぇ、まぁ」

ちょっと急すぎたかな、と思うが、これくらいしなければ“今の”初春とは仲良くなんてなれないと思うし…
「ふぅん」と納得したんだか、してないのだか分からない受け答えをして、また御坂さんは歩きだした。
今頃初春は、来週の事を考えてワクワクしているんだろうか…そう考えるとこちらも嬉しい。
どんな服で行こうか、お昼ごはんはどこがいいかな、なんて考えていると前を歩いていた御坂さんが立ち止まった。少し思いつめた表情をしている。

「あのさ…ひとつ聞いていいかな」


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:07:05.00 ID:O1PxllCp0
「?」

「佐天さんはさ、初春さんに記憶を取り戻してほしくないの?」

「それはもちろん、取り戻してほしいですよ」

「そう…だよね」

「でも、今の初春とも仲良くなりたいんです。初春が目を覚まして…記憶がなくなってたっていうのはショックでしたけど
でも、それでも、こうして話せるのは凄く嬉しかったから、なんて言ったらいいか分からないんですけど、私が好きな初春は初春なんだなぁって」

ホント、自分でも分からない。でも、記憶を失っていても初春は初春で大切だっていう気持ちは本当だ。そして仲良くなりたいって言うのも…
記憶喪失に関しては寂しいのは本当だ、でもだからと言って今の初春を見て昔の初春と比べるなんてことはない。
御両親からの要望で記憶を取り戻せるようにリハビリをお願いしてるらしいけどね。
あ、こうして、改めて考えると文章になるな…

「そっか、初春さんもそうなんだね」

「も」というのに少し気にはなったが、御坂さんはどこか納得の言った表情をみせた。
去り際にみせた安心そうな微笑みに私も少しホッとした。


144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:09:36.02 ID:ALRJiIZ+Q
着た━━━━(゚~`)━━━━!1


145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:17:52.44 ID:O1PxllCp0
あ、そうだ。白井さんにも今度の月曜日のお出かけの事を伝えないと…携帯を開き、メールソフトを起動する。
今日あったことも含めつつ、文章を書いていると甲高い女の子の声が聞こえた。

「あれれ!?ないない!ってミサカはミサカはさっきまでお財布につけてたはずの宝物を涙目になって探してみたり!!」

ショートに纏めた活発そうな女の子だ…良く見ると御坂さんに似てる…ミサカって言ったよね?あの娘…
それを近くで聞いていた松葉づえをついた男性(といっても高校生から大学生くらい?)がイライラしながら乱暴に答える。

「あァ?あんなもン、どうせ暇つぶしにとった景品だろォが。さっさと帰るぞォ」

銀と言っても良い位に白く透き通った綺麗な髪、鋭い目つき、赤い瞳。どっからどうみても絵本から出て来た王子様だ…口の悪さを除いて…
そんな強面の彼に“ミサカ”と言ってた女の子はひかない。

「でもでも、アレは貴女から初めてもらった大切なストラップなんだよ!とミサカはミサカはもはや涙が零れ落ちそうなのを我慢して訴えてみる!」


146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:18:36.57 ID:O1PxllCp0
誤字でした
×今度の月曜
○今度の日曜

です


147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:20:27.41 ID:0lW3RhR60
おいその前に貴女ってどういうことかkwsk


148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:20:57.88 ID:O1PxllCp0
>>147
あ、それも誤字でした…


149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:31:22.95 ID:O1PxllCp0
本当に泣きそうだ…余程、その無くし物が大事なんだろう。少し助けたくなってきた。
しかし、白髪(もう白髪でいいや)の男性はそんな乙女のロマンなんざ関係ないと言った様子で

「だァから、あんなのゲーセンで取った安モンだろォが!なにムキになってンだよ」

「貴方はなんにも分かってない!あの勇者ゲコ太は期間限定品で、もうどこにも売ってないの!とミサカはミサカはゲコ太知識をひけらかす!」

その噛みつき様に白髪の男性は「ウッ」と息詰まる今更だが、この2人の関係が気になってきた。
なんだろ、兄妹かな?まさか…恋人?“あなた”って言ってるし、じゃああの人ロリこ…

「鎧着たそんなキャラクター?そンな変わりねーだろォが。新しいの買ってやるから行くぞォ!!」

ん?鎧着たゲコ太?そう言えば最近見た気がする…確かアレは制服の胸ポケットに入れた後、机に置いて…その後…
そうだ!このバッグに入れてたんだ!
その場に立ち止まり、急いでバッグの中身をひっかきまわす。確か、この目立つポケットに…あった!!



150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:40:50.40 ID:UnmDbhxC0
佐天×一方は大好物ですよ


151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 18:45:50.79 ID:O1PxllCp0
「もう絶対にここから動かない!ってミサカはミサカは駄々こねつつアナタに宣戦布告してみる!」

「おまえェなァ!いい加減に…」

「あの!!」

怖そうな男性に勇気を出して口をはさむ、そして、バックからビニール袋に入ったゲコ太ストラップを取り出した。

「お嬢ちゃんの探してるのこれ?」

そう言って、女の子の目の前に座り、ビニールからゲコ太を掌にとりだし女の子に見せた。
その瞬間、彼女の顔が輝かんばかりに笑顔になる。

「そうそう!コレコレ!ありがとう!ってミサカはミサカは言い表せない感謝の気持ちを一言で表現してみる!!」

「おォ、そうか…良かったな…」

と若干テンションが落ちつかない白髪の男性。
女の子に「良かったな」と言ってあげたいけど照れくさくて素直に言えないテンションと見た。

「そう!コレ本当にミサカのだよ!だってミサカのうっかりつけた引っかき傷が盾にあるし!とミサカはミサカはその部分を誇らしげに見せつける!」

本当だ…確かにある…どうやらこの娘の持ち物だったようだ。


152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 19:04:18.69 ID:R8uYo5tb0
2年後の打ち止めはまだセロリさんのストライクゾーンなんだな


153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 19:23:57.50 ID:O1PxllCp0
猿ってました…orz

また時間をおいて書き始めます…


154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 19:28:46.60 ID:KusRugcG0
猿避け支援


155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:02:39.31 ID:O1PxllCp0
「そう、よかったね」

と言って私は立ち上がった。その後ろから白髪の男性が声をかけてくる。

「おイ」

「はい?」

「ありがとォなァ、助かった…」

なんだ、しっかり御礼言えるんじゃないか…

「いえ!これも私の仕事ですから!」

少し誇らしげに胸を張った。
バイバーイ!と元気よく手を振る女の子を見送ってふと気付いた…確か、あの娘「さっきまで財布につけてた」って言ってなかったっけ?
……………あれ?いや、気のせいだよね?


156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:03:47.55 ID:O1PxllCp0
ちょっと飯食べてきます


157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:18:47.55 ID:R8uYo5tb0
今日の飯はなんだろうか


158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:31:47.79 ID:O1PxllCp0
佐天さんと御坂さんが帰ってから、私は雑誌類を読み耽る。まずは可愛い洋服やアクセサリーが欲しいです。
私の部屋にいろいろと私服はあるらしいですけど、心気一転の意味も込めて新しくしていこうって方針らのようです。
ちなみにこの方針は佐天さんから去り際に聞きました。でもあの様子から察すると、多分後付け設定です。
なにはともあれ、そのような経緯で私は自分に似合いそうな商品を物色中…あ、この花飾り可愛いかも。
来るお出かけ日に胸を膨らませていると、ドアをノックする音が聞こえました。

「どうぞ」

「失礼します。体調はいかがですか?」

部屋に入ってきたのは私の主治医さんの男Aさんだ。「良好ですよ」といつもの通り返答すると、ホッとしたように笑い返してくれます。
手にはノートパソコンと針金で纏められたコードが握られていました。
昔、記憶を持っていた頃の私はパソコンに関しては相当なスキルを持っていたらしいのですけど、今は全くもってさっぱりです。
病院のコンピューター室を使うのも一苦労。

「それでは、本日最後のリハビリ兼検査を始めていきたいと思います」

そう言って男Aさんは私の額にコードに繋がれた吸盤をペタペタを貼っていきます。
ここから漫画の様に電撃を出してショック療法みたいなことをするのではなく、どうやら脳波を測定するものらしいです。
そしてお医者さんが出す私の過去に関する質問の答え、その反応を見て今後の診療を決めていくのだとか…


159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:32:49.69 ID:O1PxllCp0
これを朝と夕方、計2回行います。
未だに成果が上がっておらず、非常に心苦しいです。
カーテンが閉められ、ベッドに備え付けられた小さい電灯が着く。これを見続けて集中力を高めるのだそうです。
そして、男Aさんがベッド脇の椅子に座り、先程のような穏やかな声ではなく、抑揚のない…医者と言うよりかは研究者の声で私に問いかけました。

「それでは第一問…」


160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:36:17.07 ID:dPeZDGH70
デデン♪


161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:36:27.00 ID:iwk2A9R7O
しえん


162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:42:34.45 ID:FGhlMQsz0
ミサカはミサカは支援してみたり


163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:46:23.23 ID:O1PxllCp0
日曜日、この日の私はジャッジメントの支部待機だ。休み?そんな物は返上ですよ。
学園都市の平和を守るためならば自分の身がどうなろうと惜しくない!
いや、そう考えてないと実際やってられませんですよ。
この際の宿題の持ち込みは一応了承されているので、暇な時間に一気にそれを仕上げていく。
数学は割と得意科目なので、この分だと午前中に全て終わりそうかも…ずっと宿題を残していたら初春とのお買い物がつまらなくなっちゃうもんね。
次の大問に差し掛かろうとしたその時、私のデスクにコーヒーを差し出してくれる娘がいた。

「お疲れ様です、佐天先輩」

この度、一七七支部に配属された“女”ちゃんだ。中学1年生なのにいろいろと気が利いて非常に助かりまくりです。
ちょっと頭が固くて気真面目すぎるのが玉にきずだと思うけど…
確かレベル3の発火能力者(パイロキネシスト)だったっけ。それなのに私を慕ってくれる良く出来た後輩ですよ。
コーヒーも頂いたことだし、ここで少し休憩でも入れるかな。ペンを置き、私専用のマグカップに口をつけた。

「今朝も朝錬やってましたよね?」

「あーうん…見てた?」

自分が持ち込んだお茶菓子を開封しつつ、苦笑いをして返す。正直な話、自分が汗かいて訓練してる所はあまり多くの人に見られたくない。


164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 20:58:13.78 ID:O1PxllCp0
訓練ということで、散々なほどミスをするから格好悪いし…
なので、なるべく早朝(なるべくというのは宿題とかテストとか色々あるため)、いつもの公園で自主練をしている。

「ハイ、バッチリ」

ちょっと居心地悪そうな雰囲気の私のことなんて気にすることなく、ハキハキと女ちゃんは応えた。
それどころか、ますますこちらに踏み込んでくる。

「それで、質問なんですけど…佐天さんってレベル4なのに、なんでいつまでも操作の基礎の訓練ばっかしてるんですか?」

「だって基礎は大事だもん。しっかり出来てなくちゃ応用なんてできないよ?」

私らしい単純な返答。なのだが…女ちゃんは全然納得いかない様子で少しおむずかりな感じだ。

「でも、佐天さんってレベル4じゃないですか!そんな訓練よりもその…御坂さんの超電磁砲(レールガン)みたいに派手な技を取得したいとか…」

あぁ、なるほど…女ちゃんの言いたいことがだいたい分かった。
ようするに高レベル能力者なんだからもっと格好いい技を磨けと言いたいんだな。
だけど…


165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 21:15:03.03 ID:O1PxllCp0
「んー…でも、私はそう言うのはまだいいかな。
私の大気を操るに限った事じゃないけど、力って言うのは、未熟な状態で変に特化させちゃうとただの暴力の道具になっちゃうからね。
だから、今の自分が納得できるまでは基礎を固め続けて、納得したら次のステップに進もうって思ってるんだ」

「そう…ですか」

まだ納得がいってない表情…思いっきりガッカリした顔してる。

「女ちゃんだってそうじゃない?力が強くても制御できない力なんて、怖くないかな?」

「…でも、レベルが…力がなくちゃ…なにも出来ないんじゃないかなって思っちゃって」

「んー、そりゃそうだよね。学園都市だもん。でもね、それで自分の守りたい人とかを傷つけちゃったら、何にもならないよ?
だったら、いくら遅くても自分のペースでゆっくり進んで行った方がいいと思う」

「私はちょっと急ぎすぎちゃったけどね」と言って、少し真面目になりすぎた雰囲気を茶化そうとする。
だからこそ、基礎を今やってるんだ、と最後に付け加えた。

「…………」


166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 21:24:38.04 ID:O1PxllCp0
やっぱり絶対に納得が言ってない女ちゃんだが、今の私ではコレ以上上手く本心は言えない。
固法先輩の言っていた格好いい言い回しを真似たが、効果はないようだ。結局、台詞っていうのはその内容ではなく、言った人によって力を発するものだとつくづく実感。
「ありがとうございました」とだけ言うと、女ちゃんはとぼとぼと洗い場に行ってしまった。
その背中はどこか寂しげだった。
なにか声をかけなくちゃいけない…本能的にそう感じた私だったが、それと同じタイミングで私の携帯に着信が入った。

「ん?メール…初春からだ!」

件名は「行きたい所が決まりました!v(^^)」
変に遠慮をせずに、私にこうしてメールをしてくれてるのを見ると少しは壁が取り払われたかな、と嬉しくなる。
そう…だから私は見逃してしまったのだ。声にならない助けを求める叫びを…



167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 21:25:13.50 ID:StiqCnu50
しえん


168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 21:47:49.67 ID:O1PxllCp0
翌日、午前10時過ぎ、部屋の掃除や洗濯を終えた私はすぐに病院に向かった。
が、しかし初春の検査の都合上、出かけられるのは11時からなので、この微妙な時間は手持無沙汰になる。
なお、御坂さんはちょっとしたイベント、そして白井さんは最近増えている“消失”事件でテレポーターとしての意見も伺いたいとのことで、アンチスキルの方に出向いている。
故に、この時間、このまま一人っきりだと私はとてつもなく非効率的な時間の使い方をすることになる。

「なんかないもんかなー…」

昼前にやっている主婦用のバラエティ番組に辟易し、病院のロビーを抜け、駐車場に出る。
校庭とまではいかないが、ドッジボールを2~3試合並べて出来るくらいの広さだ。
道路に面した入口以外は木が均等の幅で植えられており、病院に必要な癒しの緑を演出している。

「さすがにここでランニングはまずいしな」

なんか出来ないものかと、駐車場をうろうろする。なんと、落ち着きのない中学3年生だろうか…
でも、座して初春が出てくるのを待っているのは心臓に悪い…ワクワクしすぎて気持ち悪くなってくるし。


169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 21:50:08.45 ID:XrWLA8zl0
支援


170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:02:53.94 ID:O1PxllCp0
しばらく辺りを見回したが、駐車場になにもないと判断すると今度は病院の中庭の方に入っていった。そこで

「お、いいの見っけ」

そこにあったのは倒れた空き缶専用ゴミ箱とその周囲に散らばっている空き缶だ。
ゴミ箱をまずは立てる。そして、大体5メートル離れたベンチに私は陣取った。
あとは、能力を使ってその周囲にある空き缶をゴミ箱の中へ放り込むだけの簡単なお仕事。
言うのは簡単だが、操作や強弱のバランスが上手くいかないと出来ない…つまり器用な能力開発を行ってない私には非常にしんどい基礎訓練だ。

「よし!それじゃあ始めるかな!」

特に必要ないが、準備運動をして自分の調子を確かめる。そう、大丈夫…今の私なら出来る。
自分に言い聞かせて、訓練を開始した。



171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:05:47.97 ID:2PMayoq0O
4


172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:05:58.46 ID:O1PxllCp0
ちょいと風呂入ってきます


173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:25:59.93 ID:USDZr1Qk0
佐ポー天


174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:32:18.61 ID:O1PxllCp0
最初の1,2個は手間取ったものの、コツを覚えると案外簡単にゴミ箱の中に空き缶を放り込めるようになってきた。
しかし、一遍に複数個を扱うことは難しいらしく5個が限界らしい。
あんまり失敗してゴミ箱をもう一度倒して本末転倒な感じになったら元も子もないし…
しょうがないから、自分が出来る範囲で着実にタスクをこなしていく。
残りわずかとなっていたそんな時、後ろから声がした。

「佐天さん?何してるんですか?」

「女ちゃん!?あぁー…これはええっと…」

人様の敷地で、人様のものを使い「じしゅれん!」とのたまうことも出来ず、なんと答えようかと模索してると、状況を見て女ちゃんが事情を把握してくれた。
驚異的洞察力、頼もしいけど恐ろしいよ。

「また、自主練ですか?自己研鑽することは素晴らしい事だとは思いますが、一応病院内なんですから、能力の行使は自重なさってくださいよ?」

「……ハイ」


175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:33:24.49 ID:KusRugcG0
支援支援支援


176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:47:39.39 ID:O1PxllCp0
自業自得なのだが、後輩にたしなめられる先輩図というのに少し納得がいかないんだ、私は。
それに、これ以上先輩の尊厳を失わせるわけにはいかない。話題を変えるために、女ちゃんのお小言にかぶせて口を開いた。

「それで、女ちゃんはどうしてここにいるの?」

「え?私は、友達のお見舞いです。陸上部の友達が足を怪我したとかでここでお世話になっているんですよ」

計算通り、根がまじめな女ちゃんの気を逸らすことに見事に成功。あとは、話題を逸らし続ければおっけー。
時間が来ると真面目な女ちゃんは「それでは用事があるので」と言って病院内に入ってしまった。

「そろそろ私も行くかな…」

手元の時計を除くと、もうすぐ11時だ。結構女ちゃんと話しこんでしまったらしい。
焦る気持ちを抑えつつ、残りわずかなノルマを終え、私も病院内へと入って行った。



177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:54:32.29 ID:O1PxllCp0
「いやぁ、悪いな、美琴。まさか日曜の昼間からお一人様限定2ボックスまでの安売りインスタント麺抗争が始まるなんて思ってなかったんだよ」

私は今、この鈍感ツンツン馬鹿こと、上条当麻と昼前のスーパーを出た所だ。
休日の時間帯、年頃の男女であるというのに、この色気のなさは一体何なのだろうか…

「別に…アンタんところの大喰らいがこの量も一週間で消費しちゃうんでしょ?
餓死されても困るからね。付き合ってあげてるだけよ」

苛々を隠そうともせず、だが本心をひた隠しにしながら私はコイツに厭味事を言う。
それに二の句も告げずに「ホント、申し訳ないっす」と深々と平謝りする馬鹿。
そもそも、初春さんや佐天さん達と買い物に出かけなかった理由の原因はコイツにある。

昨日の夜、もう寝ようかと思ったら、いきなり電話がかかってきた。

『御坂、明日時間あるか?』

なんて聞かれたもんだから、それについ条件反射で「うん」と答えてしまったのだ。約束があるのに気付いたのは今朝、起床してからのことだ。
私と当麻(先日ようやく名前で呼び合える所まで行った)の関係を知っている佐天さんに事情説明メール。


178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:59:32.82 ID:O1PxllCp0
頑張ってください!と返信してくれた。ありがとう!頑張る、とそれに返す。
幸運にも黒子も遅れるらしいので、この事がバレることはなさそうだ。
いつも穿いている短パンを洋服ダンスに押し込み、この間買ったしょ・・・しょう・・ぶ下着を取り出し着用。
いつもは付けない香水も、ちょっとだけつける。香りはドギツいおばさん系の物ではなく、学生の爽やかさと清潔さを意識した柑橘系のものだ。
髪止めも少しおしゃれに…普通のピンではなく、花の飾りのついたものを選択。
さらに念いりに、使わずに埃をかぶっていた化粧水やら、リップクリームも使用。この際の注意点はあまり濃すぎないようにすることだった。
怨むべくは、この高校も常磐台と同じ様に、休日でも制服着用のしきたりがあることか…
最後に姿鏡で最終チェック

「よし!これならいける!いけるわ!御坂美琴!!」

格闘家がやる様な、自己陶酔をこなし、いざ戦場(待ち合わせ場所)へ!!!

……のはずだったのが、待っていたのはよくある「特売に付き合ってくれ!」だとは…
いつもとは180度どころか傾度も90度違う私の雰囲気に気付くこともなく、「よし!スーパーに行くぞ!」だもんね…
やっぱり制服か、制服がいけないのか。



179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 22:59:34.67 ID:ALRJiIZ+O
条件反射で応えるなw


180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:06:58.00 ID:USDZr1Qk0
まあレベル5として築き上げてきたパーソナルリアリティーと精神、それら全てを粉砕するほど好きなんだから仕方ない


181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:17:25.38 ID:O1PxllCp0
「まぁいいけど…」

野菜類を片手でぶら下げつつ、溜息をつく。ちなみに並んで歩いている当麻は私と彼の分、計4ボックスのカップ麺を運んで苦しそうにしている。

「それで、家まで持って行くんでしょ?」

「あぁ、そうしてくれると上条さんは凄く助かっちゃいますよー。昼飯くらいは作るよ。もちろんカップ麺以外で」

「当然でしょ?あと、美味しくなかったら電撃食らわすから」

軽口をたたき合いながら、彼の家へと向かう。今頃は朝食も消化しきった腹ペコシスターが「お腹すいたかも…」なんて呟いている頃かな。
思えば、コイツの家に行くのにもあまり躊躇いがなくなってきたもんだ…
高校に入って黒子の詮索から解放された私はなるべくこの関係を進展させようと、「暇な時にはご飯作ってあげる」だの猛アピールを開始した。(それでも、コイツは私の気持ちに気付いてないが…)
その結果、最初はしぶしぶ家にあげる感じだったが、今ではコイツの方から「俺に飯でも作る」なんて言ってくれるようになった。
マンションの階段をあがり、部屋の前まで来た所で急に彼の携帯電話が鳴った。


182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:34:53.11 ID:O1PxllCp0
「はい、上条ですが…ハイ、あぁせんs…エッ!?今日!!?いやいやいやいやいや、サボリはないですよ!ハハハハハ!今精神統一をしていて…ハイ!今行きます!ハイ!」

この会話でだいったい、読めた。
フゥ、とやりきって顔をして大きく深呼吸をする当麻に声をかける。

「補習…でしょ?」

「はい…」

「仕方ないわね…じゃあ、あの娘には私がお昼ご飯作ってあげるから」

「世話になっておいて、コレ以上は迷惑かけられねぇよ。今日の戦利品の一部を提供して我慢してもらうことにするさ」

片手でカップ麺の箱を器用に持つと、私から野菜の入った袋を取り上げ、部屋に入る当麻。
中からあの娘の「むー!」とか怒った声が聞こえた…と思ったら当麻の「ぎゃあああああ!!」との悲鳴が。
また、噛まれたか…悲鳴の大きさからしてまた頭かな…
数分後、当麻が部屋から出て来た。ばつの悪そうな顔をしていた。



183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:36:14.05 ID:O1PxllCp0
「じゃあ行ってくるわ」

「うん、いってらっしゃい」

急いで階段を下っていく後姿を突っ立ったまま眺める私。そんな去りゆく背中が、ピタリと止まった。
そして振り向くと、私に向かって叫んだ。

「少し化粧してんだろ?良いと思うぞ!」

そう言うと、また勢いよく階段を下っていた。
自分でも顔が真っ赤になってるのが分かる。何も言えない…動けない。

「あんの…バカ…」

照れ隠しに恨み事を言うのが、精一杯の私だった。



184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:37:02.13 ID:UnmDbhxC0
みにくいので改行してくれるとありがたいです


185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:38:55.29 ID:O1PxllCp0
とりあえず今日はここまでです
もう上条さんと美琴書けたので割と満足です

過疎ってる?ぽいので落としてくれちゃってもOKです


186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:41:42.91 ID:2PMayoq0O
ちゃんと見ているぞ


187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:49:45.36 ID:ALRJiIZ+O
(*゚∀゚)=3ムッハー
俺も満足
続きも読みたいが保守できるかな


188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/23(火) 23:56:44.23 ID:m67J5sdt0
良スレage!!!!


189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:12:27.49 ID:eEPjO/T10
眠れないのでもうちょい投下します


190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:14:02.88 ID:eEPjO/T10
「じゃあ行こっか!初春!」

「はい!」

私と初春は、そろって病院を出ようとする。交通費もあるし、買い物用の軍資金もある。
まず最初の目的地は第一六学区のショッピング街だ。
意気揚々と病院を出立しようとした時、男Aさんに止められた。

「あの、すいません。お二人とも、第16学区に行かれるんですよね?」

「はい」

「なら、僕の車に乗って行きませんか?もう少しすればこちらの仕事も終わりますし…」

なんという良い人だろう…お願いします!と初春と一緒にお辞儀をしたら、「じゃあ仕事終わらせてくるから」と足早に、自分のオフィスへと戻った。

「よかったね!初春!これでお昼は豪勢にいけるよ!」

「はい!すごく楽しみです!」

男Aさんの姿が見えなくなるまでお辞儀をして、初春と喜びを分かち合う。美味しいと評判の店の話をしながら、ロビーで二人待つことにする。
しばらくすると、初春が入口を見て「御坂さん?」と声をあげた。
私も入口方面を見やると、いつもと少し雰囲気の異なった御坂さんがロビーに入ってきた。
心なしか、いつもより顔が上気しているように思える。
この時間にここに来たってことはデートは出来なかったのだろうけど…でもこの様子はそれにイラついている物じゃないよね…


191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:15:11.03 ID:x0GfzT8lO
ちゃんと見てるぞ


192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:22:39.38 ID:nBlmX4uoO
支援するやで


193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:23:49.48 ID:ZOoQXeH30
近年希に見る良SSだな


194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:24:43.08 ID:eEPjO/T10
「御坂さん!コッチです!」

私が何があったのか考えを巡らせてると、こちらに気付いた御坂さんが「ごめんねー」と幸せオーラ一杯で近づいてきた。
やっぱりだ、この時間にこちらに合流したのに凄くご機嫌…でもちょっと不気味。
何があったか聞きたいけど、地雷踏んだら怖いから聞かない。

「出発には間に合ったみたいね」

「えぇバッチリです。
あと、もう少し待てば男Aさんの車で第16学区まで送って行ってくれるそうです!」

「へー、随分気前いいのね」

「えぇ、だからもう甘えちゃおうかと思ってまして」

自分で作った“初春の回りたい所一覧”を御坂さんに提出。
候補地から大きく離れてる所はとりあえず予定から外して、効率のいいプランニングを立てた。
ちなみにもう白井さんには昨日渡してある。
御坂さんもその内の数店に行きたいと思っていたようで回る所の順番を決めるのに、そんなに支障はなかった。
ただ、時間はかかった。これから回る店の評判やら期待やらを話していたらつい…
気付いたら男Aさんがロビーに降りて来ていた時には3人揃って驚いてしまった。

「お待たせしました。それでは行きましょうか」


195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:28:15.48 ID:4pbKS2KAO
続きキてるゥー!?


196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:32:44.90 ID:eEPjO/T10
流線形のボディが格好いいスポーツカーに4人乗りこみ、いざ出発。
時間帯やこの病院の位置を考えると、直線距離で一番近い市街のルートを走るよりも
多少迂回しても空いている高速道路が良いと判断し、車を走らせた。
その読みはズバリ的中、最短ルートよりも短時間で第10学区の高架橋に差し掛かる。
窓から見える景色が廃棄された建物が並んでいるところから、辺り一面更地という殺風景なものにかわる。
転々と原子力施設らしいと思われる建物が見えるだけの寂しい景色だ。
学園都市にもこんなところあるんだ…
ふと横を見ると、御坂さんが少し辛そうな顔をしていた。

「どうかしました?御坂さん…車に酔ったとか?」

「いや、ううん。なんでもない。平気だよ…」

御坂さんはそれに笑って返してくれるが、とても辛そうだ。
酔い止めの薬は持ってないけど、車を止めてもらうくらいは…
男Aさんに少し車を止めてもらえないかとお願いした所、それよりも先に彼が口を開いた。

「そう言えばここでしたからね。御坂さんがレベルアッパー事件を解決した現場は…」

「……!」


197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:33:45.73 ID:eEPjO/T10
御坂さんが苦しそうな顔を見せ、前の席に座っている初春が男Aさんの言葉に反応し、窓に貼り付いて外の景色を凝視する。
きっと自分の記憶を取り戻そうと必死なんだ。
私は驚くことには驚いたが、でも、「そうか、ここが…」ぐらいにしか感じることが出来ず、ぼんやりと外を今まで通りに見ていた。
車内に満ちる重苦しい雰囲気…それを振り払ったのは初春だった。

「あの…!ここを少し見て回ってもいいですか!?」


198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:34:37.29 ID:eEPjO/T10
ようやく眠くなってきたので、ここらで睡眠をとらせてもらいます…
気まぐれにお付き合いいただきどうもでした


199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:35:56.07 ID:nBlmX4uoO
毎度毎度いいところで終わりやがってコノヤロー


200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 00:51:29.07 ID:x0GfzT8lO



201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 01:30:30.45 ID:3upjgoO40



202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 02:07:19.83 ID:KLoHHsm+0
デースノ デスノ デースノー


203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 02:10:32.64 ID:UiuVrs830
デスノー セーイヤークー


204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 02:53:48.57 ID:3MGYINrf0
>>203のせいでそっちのメロディしか思い出せなくなった


のこりの保守は頼んだ


205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 03:24:39.76 ID:lZO2+hH30



206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 03:45:02.46 ID:4pbKS2KAO



207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 04:02:59.58 ID:3upjgoO40
ほしゅ


208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 05:04:26.70 ID:3upjgoO40



209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 05:54:45.75 ID:x0GfzT8lO



210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 07:02:51.47 ID:TEd5+w390



211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 07:48:51.52 ID:TEd5+w390
       / ,/              .    ヽ         ivヘ    ヽ
     /  /     /        i     ',     ! l  , ┐ '.
       /  ′   ′         !      l. i  ゝ ̄`ヽ レ  フ  i
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   | :|   |  l ! | !  :| ! :i| !| i| | | jj_ハ.ト、  l|   ?    !    |
   |  ! i lt¬ュト!、 ||j廴ェェT子丁Ti冖、:|     l   l. !       |
.     |  |l !|V{__下i` !||リ' ! |√7Z__y∟._ヽ!    l  l. /ヽ. i  ?
.    l  l l. |. ! アヘ7㍉Ⅵ !′   !' ア"´7゙ ̄ムヾ|、 l !  l/  } i   l
     !  iいトV{{  {!_j小          {!_j^゙リ.} jツ !| リハ  ′ !   :|
    l  |l  l    、t:リ             、'辷ノ.イ| :! | イ) ノ / :!?  :!
      ! i.|! /| ,. '冖'´           `^⌒´ !i! /!ノ´‘^´/  | !  |        ジャッジメントです!
    !!|V  !´′  i′           |ル′ ¬i1´!/   ! :!   |
      ぃ 〉   .                  ′ / {リレ/  ,  ! !  !
      V      、     、__                ′ /〃  / ,'   , |
             \    V^ヽ           /  /  / /|    ' |
                l\   ー′     /  /  /  /. |     l
             l|   丶.    _,.  '´   /  /   /|l  !    ,
              |   l `T 「 { |  .   ´,       /  l|  ,   '
                 l {.  ',  い丶ゝ'´   ´     / ./  !!   '     i
                  い、 ヽ. >'´ .         // /     ヽ         l
                  \ヽ / /        /// -―-、  \ ヽ    l
                    `/ /        // '´  '´ ̄`ヽ   ヽ     |



212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 08:45:44.40 ID:TEd5+w390
             人
       |  ̄`Y´ ̄  .. ===== . 、
       〈〉    |  . ≦.:7..: ̄ ̄ ミ:..、`n:.r(ヽ
.   一<>+<>ー/ ,  / .../ .i  i ...r‐ヽそ oう7
       〈〉   /../..:/ :/:/:ィ/|:.r廴:|:.. `フ トi⌒jん、
       |  '.::/..:/.:-イチl」 Lハ≧lーN:..|:Y⌒ヽ^ァ }
 __ i __     |:/|..::|V>ミ、    不=ミトLj:ア´ Y弋’ヽ
   !       | |小i :{イ'ん:r}     ん:ぅ}`y }八__人_人::」
.       ―+―ハ.:{ ヒツ    辷ツ ノ'/.::/:.{:.V:.{
.         |   ノ个 ::::  ′   .::::::.´./.::イ::从ト:V|
          フ从    i7⌒ヽ   /ブ 八{、:廴:ト   佐天さん!
            '⌒ヽ   、_ .ノ    . 、__彡'′
        十     > . __   イ::/::イ:i′
               r<ヾヽミ.ー┴ル'人{
             /`う i. } ∨   廴_
               / /´     ノ   厂≧、
            i _j  __r 爪_ノ〉ァ ' ´  }
           「 廴」 - ┴   //彡'   ノ
           / ー {    }、 /´    /



213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 09:15:50.33 ID:TEd5+w390
             _ -─…‐-
           /⌒    Z     \
.            //      /   \  ヽ
           // ' / /| ∧ {\ ハ  :i
.          iイ i ハ⌒i |ハ i⌒{ リ  i|
            │八i|ィ忱ト{  V忱Y/ │リ
            レ小j{ Vソ    Vソ Ⅳ j/ 
           ヽ|ハ""   '   "イ |/   後はお願いしますですー
              \ゝ.  V フ   .ィ|/
             ∨{>, -r<}∨     
          /⌒{  >v<  }⌒\
            {  ヽ人_人」_人_人/  .}
         /   r「 ̄ ̄ ̄ ̄「|  八
         (   { \  _/⌒}   ノ
         (_,ノしヘ _ `ー'ー--く_ノしJ
           {   >‐-   ,,__ノ
           /`ーr'´     |」∧
             /    ̄ ̄ ̄ ̄´//∧


214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 10:25:59.59 ID:nG1LcyYN0



215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 11:19:34.77 ID:nBlmX4uoO



216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 11:55:15.48 ID:4pbKS2KAO
保守など不要


217 :ちょいと書きます:2010/03/24(水) 12:28:42.71 ID:eEPjO/T10
高架橋の脇に車を止め、階段を下り、私達は更地に降り立つ。

「ホント、相変わらず何もないわね…」

御坂さんが誰にも言うでもなく呟いた。少しだけ苦しそうで悔しそうだった。
そうか…御坂さんは初春が事故にあうのを見てるだけしか出来てなかったんだっけ…
初春は御坂さんに自分が倒れていた現場を何か探し物をするかのように眺めていた。

「せっかくのお出かけなのに申し訳ありません…
ですが、一医者として初春さんの記憶回復のための手掛かりをみすみす見てるだけというのはどうしても我慢できなくて…」

「いえ、私はいいんです。初春さんがそうしたいって言うなら、そうさせた方がいいと思いますし」

現場にいなかった私はただそこら辺を歩きまわっていた。
さっきと同じ様に「ここが初春が事故にあった場所なのか」と漠然とした気持ちで…
もしかしたら漠然とした気持ちでなければ、自分が抱えている罪悪感とかに圧し潰されるかもしれないと、脳が必死に隠しているのかもしれない。
柱をぺたぺたと触りながら、辺りを見回す初春を見る。その横顔がとても辛そうではあったが、意を決したようにこちらに向き直った

「御坂さん!出来れば、ここで何があったか教えていただけませんか!?」


218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 12:37:24.44 ID:eEPjO/T10
当事者ではない私と男Aさんは、初春が御坂さんから幻想猛獣(AIMバースト)の話を聞いている間に車に戻ることにした。

「彼女と、飾利さんと仲良くしてあげてください。
最近になって…佐天さん達とお話しするようになってようやく僕にも笑いかけてくれるようになったんです。
記憶が戻らなくても、今を楽しんでいけるって希望があれば、僕もそれで嬉しいんです」

座席について、しばらくすると彼は照れたような、少し悔しそうな表情を見せながら、私にそんなお願いをしてきた。
自分の腕で、初春の笑顔を取り戻せなかったことに不甲斐なさを感じているのかもしれない。
もちろん答えなんて決まっている。

「それはもちろんですよ!初春は親友ですから」

「そうですか、そうだと嬉しいです。僕もあの頃の初春さんに戻って欲しいですから」

あの頃?もしかして男Aさんって初春の知り合いだったりするのかな?
それを聞こうとした瞬間、コンコンとドアを叩く音がした。
話を終えた初春と御坂さんだった。どこか重い荷物をおろしたようなスッキリした顔をしていた。


219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 13:30:21.84 ID:lXKF1HLyO



220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 13:54:29.38 ID:4pbKS2KAO

① ①
  ①
    ①


221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 14:48:22.79 ID:nG1LcyYN0
ほしゅ


222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 15:23:22.95 ID:FSmlKGW40



223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 15:40:04.79 ID:bwA+QKcR0



224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 15:51:42.49 ID:Yf2G0pkZ0
捕手


225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 16:05:48.21 ID:fKTigMoVO
パンパンドサッ!


226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 16:38:03.37 ID:PvL5RBmd0
書き溜めがそこそこになったので17時頃から再開したいと思います
ここから先は色々と厄い展開(厨的な意味で)


227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:00:39.13 ID:PvL5RBmd0
書き始めます。
支援よろです。


228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:01:25.21 ID:d+LaAAwe0



229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:01:55.06 ID:PvL5RBmd0
「この店ではこれくらいでいいかな?」

男Aさん第16学区まで送り届けてもらい、そこから気持ちを入れ替え女同士のショッピングを心行くまで楽しむ。
気付くともう1時間半が経過していた…しかし、ペース的には遅すぎる。なんせまだ3軒目なのだ。
楽しいのだが、効率的な時間の使い方はないかと模索しつつ、次に向かう店へと向かう。
と、その前にそろそろ小腹がすいた頃だ…御坂さんや初春に聞くと2人とも同じらしい。
特に初春は両手に手提げ袋を抱えつつ、移動しているから、それはもうカロリー消費が経げしいと思う。
一路、予定表に書いてあった喫茶店へ。
この時間帯だから、もしかしたら並ぶかもしれないな―とも考えていたのだが、そんなものは杞憂に終わったようだ。
なぜなら

「あ、ようやくご到着ですのね!ゆっくりしすぎですわよ!」

白井さんが既にそこで席を陣取っていたからだ。
そう言えば、白井さんに「今日回る予定表」を渡していたんだっけ…

「白井さん!アンチスキルとの会議は終わったんですか?」

御礼に頭を下げつつ、私達は席に着いた。すぐに「お姉様!会いたかったですわ!」とすぐに御坂さんに抱きつこうとする白井さん。
そんな白井さんにカウンターで電撃を食らわせる御坂さん。ここまで来ると様式美だよね。
初春もクスクスと笑っている。


230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:03:19.60 ID:PvL5RBmd0
「えぇ…まあ…結局件の事件はテレポーターとは無縁のものだと判明しただけでしたから…」

身体に流れる電流に「ん!ん!」と嬌声(言い間違いではないハズ)をあげながら、白井さんは応えてくれた。
格好いいお仕事のハズなのにしまらないなぁ…

「それで…今はどの程度店を回っていますの?」

「えぇと…この程度…」

気を取り直して、表を取り出して今日の買い物の進捗情報を聞いてくる白井さん。
それに少し後ずさりをしながら、私は行った所に赤ペンでペケマークをつけた表を見せた。
それを見た白井さんの表情が固まる。

「まだ3軒しか回ってないではありませんの!もう昼過ぎですのよ?もう少し時間配分をですね…」

やっぱり怒られた。分かってますよ。つい盛り上がって長居しちゃってることも謝りますよ…

「まぁまぁ、黒子…私達もちょっとテンションあがって暴走しちゃった節があったから、佐天さんが一人悪いわけじゃないんだって。
なんならこれから黒子がタイムキーパーしてよ、それなら安心できるしね」

「お姉様…!黒子をそこまで信頼してくださって…!あ、あぁん!痺れますわ!この刺激が…!あぁあああああ!!!お姉様!」

説明不要。
私と初春はそんな光景を無視して、ブザーを押して店員さんを呼ぶことにした。


231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:11:24.51 ID:PvL5RBmd0
「よし、回復した。さてと!次行くわよ!」

昼食後、店を出た後の御坂さんの音頭にオー!と腕を振り上げる私と初春。
白井さんは「またはしたない…」と頭を抱えていた。

「それで次はどこに向かいますの?」

「洋服類は見たので、次は小物類、その次にアクセサリーなんかを少しみたいなって思ってます。まだ何を買うか決めてないんですけどね」

白井さんの問いに、初春が私の代わりにあの独特な甘ったるい声で答えた。
この雰囲気が懐かしくて、嬉しくて無性に初春を抱きしめたくなるが必死にこらえた。
こんな風に思うのも、今の初春に対する冒涜なのに、実際に行動を起こしたら人間として駄目だと思う。

「ん、じゃあ早速行きますか!時間は限られてるんだし!」

御坂さんの姐御肌が本領発揮、ずんずんと休日のために人ごみに溢れる歩道を恐れることなく先に進む。
凄いなぁ、御坂さん…あんな人ごみを恐れずに直進してってるよ…歴史の教科書で見た自由の女神もあんな感じだった気がする。

「佐天さん!行きましょう!」

御坂さんに見惚れてる私に初春が声をかけて来た。本当に楽しそうで企画した甲斐があったと思う。

「うん!」

2人手を繋いで私達はその背中を追いかけた。



232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:15:51.22 ID:d+LaAAwe0



233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:16:52.37 ID:PvL5RBmd0
「すいません。結局買ったのは、本立てだけで…」

「別にいいって、今日の主賓は初春なんだから。しっかり接待されなさいって」

「そうですのよ。この外出次第で復学も出来るとお医者様もおっしゃっていましたし…
面倒なことは考えずに楽しみなさいな」

回った時間こそ少なかったものの、2軒回って初春が買った商品は1つだけ。
散々連れ回して、結果が一つだけと言うのは彼女的には申し訳なかったらしい。

「ハイ!じゃあ次はどこに行く?」

仕切り直しに御坂さんが大きな声を張り上げ、初春の背中を押した。
「わわっ!」と驚いた声をあげるが、そこには嬉しさが多分に混じっている。
しかし

「昔の私もこんな感じに楽しかったのかな…少し羨ましいです…」

ポツリと、だがはっきりと私達の耳に届いた初春のその台詞は、今までの雰囲気を凍りつかせるのに十分な破壊力だった。
皆が心のどこかで感じていたことではあったが、必死に目を逸らそうとしていた事実だから…
御坂さんの笑顔が凍り、白井さんがつまったような表情をする。私は…今どんな顔をしてるのか分からない。


234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:18:37.42 ID:PvL5RBmd0
必死に笑顔を作ろうとして、不細工な顔をしてはいないだろうか…初春がこちらを向く前に体勢を立て直さなければ。
擁護するように言えば無邪気な、悪く言えば鈍感な初春が、一瞬にして変わった雰囲気に気付いた。

「どうしたん…」

そこまで言いかけた途端、急に初春がその場に倒れこんだ。
操り人形の糸が切れる、とはよく言った表現だとは思う。力を入れられない足が、自重を抑えきれずに崩れていく。

「初春!!?」

うつぶせに倒れた初春に一斉に駆け寄り、身体を私は抱き上げて何度も名前を呼んだ。
しかし、初春は気を失っていて、ただ私の腕に力なく身体を預けるだけ。
どうしよう…無理させすぎちゃったのかな…でも、こんな急に…

「まずは病院に連絡しますわ!お姉さまは念のためにタクシーの配備を!」

「うん!分かった!」


235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:19:26.79 ID:4pbKS2KAO
連騰紡糸


236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:20:06.25 ID:nBlmX4uoO
しぇん


237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:20:35.33 ID:PvL5RBmd0
いち早く意識を取り戻した白井さんが明確な指揮を御坂さんにする。そのおかげで私も冷静さを取り戻す。
お姫様だっこ状態から彼女を背負うと、御坂さんに続き人通りの多い道中から、なるべく車の往来が多い所に出る。
御坂さんが必死に「すいませーん!」と声をかけるが休日のこの時間、どのタクシーも利用中で止まってくれる車なんてない。

「あともう少しで救急車両がこちらに来てくれるそうです!なるべく拾ってもらいやすい位置に向かいましょう!」

先程まで携帯で病院と連絡を取っていた白井さんがこちらにやってくる。
早く来て!!という急く気持ちが胸中の大半を占めつつも、助けが来るという安堵感に少し笑みがこぼれる。

「よかった…」

思わず呟いた瞬間、ふと、自分の周囲…半径10メートルが暗くなった。
それと同時に大通りをはさんで向こうにいる人が叫び声をあげている。「上!」「逃げて!」と必死にこちらに声をかけていた。
言われた通りに見上げると、ビルの上にある看板と同じくらいのでかい長方形の板きれが自分達の真上から落っこちて来ていた。


238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:21:43.06 ID:PvL5RBmd0
「え…」

先程、初春が倒れたショックで、脳がトラブルに慣れてくれたのか、自分の頭は冷静を保っていた。
しかし、私の能力で看板を切り裂こうとするも、その際に破片が辺りに飛び散り大惨事を引き起こすかもしれない。
横にいる御坂さんもそれを危惧し、既にゲームセンターのメダルを手にして入るのだが、レールガンを使えずにいた。
白井さんの瞬間移動を使おうにも、この範囲にいる人数を纏めて、しかも一瞬で飛ばすことなど出来ないだろう。
解決策が出ないまま、それでも勢いを増して目の前の物体と私達との距離は近づいてくる。

終わりを覚悟した、その時だった。

目の前の物体が急に消えたのだ。いや“消えた”というのは、少し言い方が違うか…そう、“燃え尽きた”という方がいいだろう。
看板に火がともったかと思うと、その火はあっという間に看板を包み、それを炭化、灰化させた。
上を見上げていた私達は、その光景に呆気にとられるしかない。今のは能力?それとも…


239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:23:43.42 ID:PvL5RBmd0
そんな中、もう諦めて地面にしがみつく様に倒れ伏していたしていた人たちが顔をあげ
自分達が無事であること、そして落ちてくるはずの看板が消え去っていることに気付いた。

「助かった…!俺たち助かったよ!!」

一人男性の歓喜の叫びに呼応するように、同じ様に地面に付していた人々が顔をあげる。
そして自らの身の無事を確認すると、周りの人間と声をあげて自分の喜びを表す。
中には感極まって泣き崩れている人もいた。

『緊急車両通ります!緊急車両通ります!』

まるで狐につままれたような光景にまだ唖然としたままの私達だったが
遠くから聞こえて来た救急車の拡声器の声で我に帰る。

「ここです!こっちです!」

背中で力なくもたれかかる初春に気遣いつつ、私達は音のする方向へと走って行った。


240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:28:00.76 ID:PvL5RBmd0
救急車に乗っている間、私は涙で溢れそうになるのを必死に耐え、御坂さん達と一緒に初春の名を呼び続けていた。
病院に着き、数人のスタッフと一緒に集中治療室に初春が運び込まれた瞬間
力の抜けたように入り口付近に備えてある長椅子に腰をおろす。
救急車を呼んでいた白井さんも相当堪えていたらしい。優雅とはかけ離れた様で…私と同じ様に座り込んだ。
御坂さんだけは尚も心配そうに、立ったまま『治療中』と灯る電光板を見つめていた。

「きっと…大丈夫だよ…少し無茶させちゃっただけだって。ほら、知恵熱みたいなさ」

御坂さんが自分に言い聞かせるように口を開く。
気休めだとは分かっているが、それでもこの状況でも少しでもいい方向に思考を向かせてくれることが何よりもありがたかった。
私も白井さんも「そうですね」と力なく答えることしか出来なかったが、本当に初春が無事でいることを祈っていた。
それ以降はもう3人とも体力・精神力の限界で、ただ項垂れてただ時が過ぎるのを黙って過ごした。
1時間もしないうちに『治療中』の表示が消える。
それを見た瞬間、3人とも自分の身体の疲れを忘れて治療室の前に並ぶ。


241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:29:53.56 ID:TEd5+w390
しええん


242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 17:36:49.76 ID:vkJUPxCV0
みんな仲良しってすばらしい


243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 18:00:40.22 ID:PvL5RBmd0
また猿ってました
時間をおいてかきはじめます



244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 18:02:01.98 ID:KLoHHsm+0
イヤッフー


245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 18:23:40.43 ID:BeHZI+aY0
ζ┳┷┳゚λ そんな事より卓球やろうぜ!!!


246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 18:48:59.06 ID:x0GfzT8lO
私怨


247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:05:14.12 ID:9zh2C6w20
wktk


248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:13:23.02 ID:UiuVrs830
astk


249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:22:08.40 ID:PvL5RBmd0
それでは晩飯まで投稿開始します


250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:25:45.62 ID:PvL5RBmd0
扉が開く。緑色の防菌服を着た男Aさんが姿を現した。どこかその雰囲気は明るい。
それだけで、結果は見えた様なものだが、口から直接聞かない限り安心はできなかった。
私達は固唾をのんで見守るばかりだ。
私達の前に立つと彼は首を少しコキコキと鳴らして、口を開いた。

「飾利さんは大丈夫です。記憶にもなんら支障はありません。身体的な疲労と人ごみの多い所に急に出たためにストレスを過度に感じてしまったのでしょう」

私達は「良かった」の言葉すら出て来ず、大きな溜息をつき、今度は長椅子に座ることもなくその場にへたり込んだ。
3人とも顔を見合わせる。皆、涙で瞳が潤んでいた。

無事であることは嬉しくはあったが、初春はこれからの数日間は経過を見るために面会謝絶。
そして、外出許可も再び見直されることにもなった。
自分達の所為で初春の自由を奪ってしまったのかもしれない…
そんな罪悪感を感じながら私達は家路につくことになった。



251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:27:32.64 ID:PvL5RBmd0
翌日、学校終了後一七七支部に私が出向くと、もう既に白井さんがいつもの定位置でいつもの様にパソコンに向かって資料づくりをしていた。
だけど“いつも通り”と心がけているのが丸わかりだ。
ひたすらにキーボードを叩くその光景が逆に余裕がないということを知らしめていた。
いつもならば、それでからかって日ごろの鬱憤を晴らしたりするのだが、今はとてもそんな気にはなれない。

「おつかれさまでーす」

極めて平静を装って、白井さんに挨拶。
彼女もいつも通りに「ごきげんよう」と優雅に挨拶を返してくれる。
バッグを置き、今日のシフトを確認。今日は……パトロールか…

「お茶を飲んで一息ついてから出ることにしよ」

学校から来たその足ですぐに行くのは辛いので、少しエネルギーを補充してから向かうことにしよう。
いつものようにお茶くみ場へ向かう。ここに来る途中で草もちを買ったから、今日は緑茶にしよう。
急須を軽く洗い、お茶っ葉を少し入れ、ポットのお湯を注ぐ。
ここですぐに入れると色が濃くならないので、しばし蒸らすのが私流だ。
急須から昇る湯気を眺めていると、後ろから気の抜けた声が聞こえて来た。


252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:32:19.40 ID:PvL5RBmd0
急須から昇る湯気を眺めていると、後ろから気の抜けた声が聞こえて来た。

「おー、佐天ー出勤早々お茶かー?いいご身分だなー」

「うるさいなぁ。ってか、舞夏どうしてまたいるの?」

この後ろから声をかけて来たメイド(メイド服を着たと紹介すると怒る)は土御門舞夏。
繚乱家政女学校の生徒さんで、数ヶ月前白井さんがこの支部に連れて来たのだ。
なんでも、主の仕事場における実地訓練だとか何とかで…
最初は相手の格好に気圧され、距離をおいて付き合っていたのだけど、
彼女特有の雰囲気にあてられいつの間にか普通の友人として接していた。

「だーかーら言ってるだろー。メイドはいかなる所においてもその仕事を120%にこなさなくてはいかない」

「うん」

「だから定期的に、具体的には仕事そろそろ忘れたんじゃねーの?って思ったくらいでまた繰り返すんだ」

「なるほど、反復学習をするってこと?」


253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:45:42.37 ID:PvL5RBmd0
「おー、流石だなー、佐天ー。お前にこの兄と義妹がドロドロの愛憎劇の同人誌をプレゼントだー」

そう言って、どこに仕舞ってあったのか、いかがわしい表紙の本を取り出した。
思春期の男衆が物欲しそうな目でコッチ見てるし…!
あと、反復学習の場にウチをしょっちゅう利用するな!

「いらないから!!ってかジャッジメントの支部でそんな物出さない!!」

恥ずかしいモノを見せるな!!興味はないわけじゃないけど!その手に持つ物を力一杯に無理やり突っ返す。
しかし、そんな私の気迫も彼女には暖簾に腕押し、特に反省した様子もなく「ちぇーつまーんないのー」と言って渋々とメイド服に仕舞った。
反省してないな、コイツ…絶対にいつか同じことを誰かに繰り返す…!可愛い後輩がこの毒牙にかかる前に何とかしなくては…
急須でいい感じに蒸らしたお茶を自分のマグカップに注ぎながら、今後の立てるべき策を考える。
そういえば…この手の事に非常に厳しい後輩がいないことに気付いた。


254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:47:31.36 ID:nBlmX4uoO
支援


255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 19:50:14.43 ID:PvL5RBmd0
「そう言えば…女ちゃんは?」

「おー、女か?今日は見てないなー。あの娘が遅刻とは珍しい…佐天じゃないのに」

「ほっといてよ!」

これ以上、舞夏のペースに乗せられての会話は体力を削られるだけだ…
淹れたてのお茶を手に自分のデスクに戻り、コンビニの袋から草もちを取り出す。
さぁ、これを食べ終わったらお仕事だ。


256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 20:26:33.97 ID:PvL5RBmd0
その翌日…昼休み中に病院から電話があった。どうやら初春との面談は明日から許可されるらしい。
初春は初春で自分の所為で私達に不快な思いをさせてしまった、と思っているとのことだ。
今すぐにでも彼女のもとに飛んで行って、そんなことはないと言ってやりたいが、それは何とか我慢する。



「それで…また女ちゃんがいないんだけど…本当に舞夏ってなんかしらないの?」

一七七支部につくとまた舞夏がいた。そしてまた、女ちゃんの姿がない。白井さんも白井さんでパソコンの画面に食らいついている。
ちなみに私は今日は支部待機だ。だからこそ、こうやって舞夏と話すことが出来るんだけどね。

「うん、なんもー…まさか特訓で倒れてるとかじゃないよなー。自己管理は出来る子だし…」

「特訓?」



257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 20:27:20.39 ID:PvL5RBmd0
私がそれに聞き返すと、「う!しまった!」と舞夏にしては珍しいいつもののほほんとした口調ではなく、低い声で唸った。

「ねぇ、舞夏…」

なるべく静かに私は彼女に接近する。舞夏は「あわわ」と言いながら後ずさる。当然逃がすつもりはない。
出口方面を自分の身体でふさぎ、舞夏にジリジリとにじり寄る。

「私だってプライベートは詮索されたくないし、する気もない。
でもね、私達の仕事って人を守らなくちゃいけないの」

「う…そんな澄んだ目で見るなぁ…」

「少数でやってるから必ず一人一人の肩にのしかかる責任は重くなる。
この意味分かるよね?」

「うぅ…」

「女ちゃんが単独で何か事件を追ってるのかもしれない。
でもそれでも、私達には何があったのか知らせてほしいの。
それに私自身、可愛い後輩に何があったか心配っていうこともあるしね」


258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 20:44:50.42 ID:4pbKS2KAO
支援斬 三三 ズバッ 三 ④


259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 20:49:45.23 ID:PvL5RBmd0
「わかった…はなすよぉ…」

「うーうー」唸っていた舞夏の肩がガクンと落ちる。そして、両手をあげ、「降参」のジェスチャーをした。

―――――――――――――――――――

「そういうことか…」

「わわっ!もうちょっと小さい声で話せよな!!」

この台詞くらい別に声に出してもいいじゃないか、とは思うが、舞夏の様子を見ると反論するのが憚られる。
舞夏によると女ちゃんは先日のシステムスキャンでどうやらレベルが2にまで下がってしまったらしい。
自分をすぐに追い詰めてしまう女ちゃんは、必死に訓練を開始したとのことだ。
なんとか短期間でレベルをあげようと無理をしすぎた女ちゃんは力を制御しきれずに、怪我もしたり、疲労がたまったりとコンディションがボロボロの時があったと言う。
舞夏がこのことを知っていたのは精のつく料理だったり、傷跡の残らない治療法を教えてもらっていたから。

「だから、私に…能力のことを…」

前にレベル4なのに、基礎練習をしてる私の事について聞いてきたんだ。
私の訓練から自分のスキルアップに繋がることがないかと必死に模索して…


260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 20:55:58.59 ID:PvL5RBmd0
「ありがとね。少し、女ちゃんと話してみるよ」

礼を言って席を立ち、自分のデスクへと向かう。
とりあえず、今日は少し早引けさせてもらって、女ちゃんの家に行かないと…
何を話すかなんてまだ思いつかないけど、これ以上女ちゃんの身体に無理させるわけにはいかない。

「まずは書類整理でもしますか…」

そしてデスクの上に積まれた書類の束を上から順に片づけ始める。とりあえずは、ここ最近の報告書の整理を…
白井さん曰く、何か目的がある時の私の集中力と仕事のスピード(主に書類仕事)は目を見張るものがあるらしい。

「えーと…ここは…確か白井さんと一緒に解決した事件だから…」

数十分後、自分の記入すべき所は全て記入し終わる。
残るは白井さんの証明印の欄のみ。早速もらおうと席を立ち、彼女のデスクに向かう。
移動しながら「白井さーん」と声はかけていたのだが、それに応答してくれない。
さっきからパソコンの画面に夢中なのだ。
学園都市のマップを出してはグラフを出し、またマップを出してはグラフを出し…の繰り返し…


261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 20:57:28.08 ID:PvL5RBmd0
「白井さーん、ハンコくださーい」

「あぁ、佐天さん…申し訳ありません。今お出しいたしますわ」

白井さんの横で名前を呼んでようやく気付いてもらえた。
白井さんは机の引き出しを開けて、ハンコを取り出す。
私は自分の報告書を差し出し、白井さんが全部の欄に判を押すのを暫く待つ。
その間に、先程まで白井さんが夢中になっていたグラフをのぞき見た。

「これって…」

「えぇ…最近になってまた多発してますの。“消失”事件が…」

「うわ、ここのところ多発してますね…もう20件以上も」

「えぇ…ですが前とは違い、その範囲は第16学区、第6学区、第7学区に集中しています」

「ホントだ…」

学園都市のマップで恐らく被害のあった場所と思われる赤い点が、その3つの学区に集中している。
しかし、相変わらず報告されている遺失物は商品だったり、電源コードだったり
看板だったりと多岐にわたっていて、統一性があるとは思えない。


262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 20:58:47.66 ID:PvL5RBmd0
「なんでしょうね?なんか探し物でもしてるんでしょうか?」

「探し物…ですか…愉快犯と言われているというのに随分とロマンチックなことをおっしゃりますのね」

この事件を窃盗と言わずに“消失”と言われているのには2つの理由がある。
それはまず唐突に消える手口だ。
監視カメラが其処ら中に設置されている市街地やアミューズメント施設で頻繁に起こっているのに、被害にあったと思われる時刻には誰も映っていない。
そしてもう一つは消失した品物。
さっき上げた遺失物にもあるように、実際に売っている商品などもあるがそれ以上に取るに足らない物も“消失”している点である。
商品以外全てブラフとも考えたが、商品も高級ブランドのバッグなどではなく
花束とか果物とかケーキとか…換金しようにも出来ない物ばかりだ。
故にスキルアウトはこの事件を“愉快犯による犯行”と睨んでいるらしい。

「ロマンチックですかね…」

「えぇ…少なくともこの事件を追っている大人達には到底できない想像でしてよ?」


263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 20:59:09.50 ID:x0GfzT8lO



264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:00:24.56 ID:PvL5RBmd0
「はい、どうぞ」と全ての書類に印を押し終えた白井さんが、私に返してくれる。
それが少し恥ずかしくて私は苦笑いをするしかなかった。
一日ぶりなのに、久々に白井さんの笑顔を見たような気がした。感慨にふけっていると支部の緊急コールがけたたましく鳴り響く。

『緊急連絡!第20学区でスキルアウトのグループが能力を行使!手の空いている前線メンバーは至急向かってください!』



265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:01:33.29 ID:PvL5RBmd0
アンチスキルの装甲車に乗せてもらい、私と白井さんはすぐに第20学区へ向かう。
現場の状況を聞くと、無能力者の学生がレベル3と計測できる能力を行使して暴れまわっているらしい。
一件、レベルアッパーの事件を彷彿するけど、件の物とは違うと言われた。
能力を扱っている人間には意識がなく、ただ猛獣のように只管暴れまわるだけ。
そしてその状態がある程度続くと、電池が切れた玩具みたいにパッタリと倒れて、動かなくなるとのことだ。
今、病院にその症状の人間が10人ほど運ばれているらしいが、その彼ら全員に共通する点がある。
まずは頭に手術痕があると言うこと、そして、それを隠す様に電気治療に使うような吸盤が貼り付けられていたらしい。
このユニットが暴走を引き起こしていると考えられている。

「とりあえず厄介な事件であることに違いありませんわ…」

「そう…ですね…」

横で渋い顔をする白井さんに相槌を打ちつつ、自分のスポーツシューズの紐を結ぶ。
猛獣のように暴れまわる相手をどう組みふせればいいんだろ…


266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:04:08.72 ID:PvL5RBmd0
ヘッドセットを取り付けつつ、携帯電話をスキルアウトの先生方に預かってもらう。
スピードが下がったと思ったら、途端に爆発音と甲高いスリップ音、それにかかる遠心力。
まるで戦争映画の登場人物になったみたいだ。

「そろそろ着きます!!準備はいいですか!」

運転手さんが後ろにいる私達に叫ぶ。

「はい!!」

それに負けじと、白井さんと叫び返す。後ろの扉が勢いよく開かれた。


267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:06:17.32 ID:d+LaAAwe0
あれ?先生はスキルアウトでいいんだっけ?


268 :>>267 病院の職員さんでさぁ:2010/03/24(水) 21:08:00.19 ID:PvL5RBmd0
ヘッドセットを取り付けつつ、携帯電話をスキルアウトの先生方に預かってもらう。
スピードが下がったと思ったら、途端に爆発音と甲高いスリップ音、それにかかる遠心力。
まるで戦争映画の登場人物になったみたいだ。

「そろそろ着きます!!準備はいいですか!」

運転手さんが後ろにいる私達に叫ぶ。

「はい!!」

それに負けじと、白井さんと叫び返す。後ろの扉が勢いよく開かれた。


269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:08:56.45 ID:TEd5+w390
>>262
10行目のスキルアウトはアンチスキルのこと?


270 :>>268 間違えた…:2010/03/24(水) 21:09:17.06 ID:PvL5RBmd0
『アルファチームクリア!』

『ブラボーチームは第3陸上施設を迂回して、目的地まで進行してください!
一七七支部のお二人は、そこの掃討が終わったらチャーリーの援護を!!』

「了ッ解!」

広域での制圧任務…ゲームとかでしかやったことのない未知のものだ。
ヘッドセットから聞こえてくるリアルタイムに変化する戦況に
脳がパンクしそうになりながらも、対峙する相手…暴走している能力者を鎮圧しなくてはいけない。
正直、怖いしさっさと終わらせて帰りたいよ。
もちろんそんなことは出来ないし、まずこの場の状況がソレを許してくれない。

「これで…」

襲い来る鉄片を風でばらばらに弾き飛ばしながら、一直線に白目を剥いて手足を振り回して叫び散らしている能力者に走り込む。
風を自分の足元に集めて跳躍。彼我の間合いが一気に詰まり、身体を限界まで捻る。

「終わり!!」



271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:09:32.68 ID:jKq3OxYm0
アンチスキルだよな?


272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:10:17.85 ID:PvL5RBmd0
>>269
その通りです。ミスりすぎだろ
もげてしまえ、俺


273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:11:31.47 ID:TEd5+w390
よくあるミスだよ
奇にスンナ


274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:11:46.81 ID:PvL5RBmd0
その貯めたエネルギーを解き放つかのように、腰の捻りを利かせて足蹴りを側頭部に叩きこんだ。
叩き込まれた男性は「ギャッ」と小さな悲鳴をあげて、その場で側転のように一回転をし地面に倒れ込む。
ピクリとも動かなくなったのを確認し、懐から手錠を取り出し、後ろ手にそれを取り付ける。
一息つく暇もない、本部の指示ではこれからチャーリー部隊に合流だったハズ。
支給された携帯端末を確認し、位置を確認する。もう少しで全域の掃討が完了だ…

「佐天さん!終わりまして!?」

常磐台の制服を煤に塗れさせながら、白井さんがこちらに近づいてきた。
それに手をあげると、白井さんがその手を掴んできた。

「行きますわよ!」

その一言とともに再び私達は戦場の奥部へと駆けていく。


275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:13:15.28 ID:PvL5RBmd0
「黒子と佐天さんいるかなー」

病院から初春さんのお見舞いの報告を聞いてから、私は一七七支部に向かっていた。
さすがに昨日の状況では顔を出しづらかったが、今日は明日のお見舞いの話でもしに行くのも良いだろう。
なんて、思いながらどうやら20学区で事件があったようで黒子も佐天さんもいないとのことだ。
残念とは思ったが、2人ともこの学園都市の平和と安全を守るために頑張ってくれてるのだ。
改めて彼女達の日々の奮闘に感謝しつつ、明日のことについての予定兼労いメールを送ろうと、携帯を取り出す。
そんな時、急に後ろから声をかけられた。

「御坂…美琴さんですよね」

聞き覚えのない女の子の声に振り向く。晴れだというのにレインコートをフードまで被り、背丈は私よりも大分低い。
さっき聞いた声も含めて考えると、中学生1年生くらいかな?

「えぇ、そうだけど…どうかしたの?」

そう聞き返すと、女の子のフードの切れ間から見える口元が酷く歪んだ気がした。
思わず怖気がたつ。


276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:15:28.15 ID:TEd5+w390
さるさん


277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:16:22.33 ID:PvL5RBmd0
>>275
×なんて、思いながら
○そんなつもりで、支部の扉を開いたのだが


278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:42:09.38 ID:TEd5+w390
シレンダ


279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 21:56:53.11 ID:TEd5+w390



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                 └'


280 :猿りすぎ…死にたい…:2010/03/24(水) 22:00:01.71 ID:PvL5RBmd0
近づこうと動き始めていたその足の歩みがとまる。

「申し訳ありませんが…私のために協力してください…!!」

その瞬間、その娘の周りが炎の螺旋に包まれる。反射的に後ろへ飛びずさり身構えた。
発火能力者!!?能力の発動からその制度から察するにレベルは4くらいか?
ポケットからコインを取り出し、指に掴む。もちろんこれを直撃させるつもりなんてない、あくまで威嚇だ。

「準備はいいみたいですね?」

私の様子を見ると、満足そうに女の子は頷いて聞いてきた。
私はそれに答えない。自分の頭の中で発火能力者との戦い方を考えていたからだ。
しかし、それを彼女は肯定と捉えたらしい…その小さな体に纏う炎が生き物のように激しく揺れている。

「では…いきますよ…!!」



281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:08:18.86 ID:PvL5RBmd0
「負傷は学生から順に運んでくれじゃん!トリアージの確認を忘れるなじゃんよ!!」

黄泉川先生が声を張り上げて、主に怪我人の搬送の指揮を行う。
私と白井さんは煤に塗れた制服をはたきながら、自分の私物を受け取った。
2人ともお互いに無事ではあったが、ビル3棟が廃墟になったこの事件だ。
アンチスキル、ジャッジメントの被害はかなりの数にのぼるかもしれない。
死者が出たという報告がないのが不幸中の幸いだけどね…

「黄泉川先生!」

担架担ぎくらいは出来るはず…まずは見知った先生に指示を仰ぐことにする。
黄泉川先生は走り寄った私達の上から下までマジマジと見ると、安心した表情を見せた。

「お前らは無事だったみたいじゃん。とりあえずは自分の支部に戻ってやんな。
友達を安心させてやるじゃん」

「いえ、何か手伝えることはないかなって」

「ない!!とりあえず自分の支部に戻れじゃん!あとの面倒な処理はコッチがやっておくじゃん!」


282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:11:06.00 ID:PvL5RBmd0
おおっと、私の「手伝えることはないかなって思って」を遮って帰れと来たもんだ。
たしかに皆心配してるだろうけど…この状況で私達だけ帰るのは学生とはいえ心苦しい…
白井さんも他の先生方に指示を仰ごうとしているが、「帰れ!」と言われて相手にされない。
あ、目があった。お互いにどうしていいか分からない複雑な表情をしている。
しょうがない、帰るか…と渋々決断し白井さんに駆け寄り、テレポートをお願いしようとする。
その瞬間、彼女の携帯が鳴った。

「はい、黒子ですの。…えぇ、こちらは大丈夫でしてよ。佐天さんも無事ですわ。私達2人を侮らないでくださいましな」

どうやら支部の待機メンバーからの電話の様だ。“私達2人”ってなんか嬉しいな。
白井さんも電話の相手の声を聞いてホッとしている様子であったが、突如その表情が豹変する。

「なんですって…!能力者に!?はい、えぇ…わかりました。急いで駆け付けますわ!!」

乱暴に携帯をしまい、私の手を掴む。

「どうかしたんですか!?」

「どうかしたもなにも…お姉様が能力者に襲われているようです…!」

「え…?」


283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:11:59.72 ID:TEd5+w390
         , '´ ̄ ̄` ー 、
       /: : :/: : :`i、 : : \
      /: : /: :/ :/: |: : :|=ミ丶ヽ
     ,': :∧〉/ l/ }:l:/l,: }  ヾ : :|
      { :/:/ /ゝノイ ノ l/ -‐ .l :|
      |: :レ |   ●    ● l :|   ビリビリー
     |: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂l:/
    i⌒ヽ: :ゝ    (_.ノ  .ル|_/⌒)
     ヽ  ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
     ∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i  ハ
     ヾ    .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.}  ソ


284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:14:55.85 ID:PvL5RBmd0
「ちぃ!!」

迫りくる炎を、電撃を起こす際の分子の振動を利用し、無理やり方向を捻じ曲げる。
炎はそのまま明後日の方向に飛んで行き消える。
相手の攻撃がギリギリまで接近したこのタイミングにしか出来ない捨て身な作戦だが
なるべく周囲への被害を出さずに戦う方法なんて今はこれしかない。
ただ、こんな使い勝手の悪い戦法でも、産みの苦しみはしっかりとあるわけで…
左足を炎にとられ思いっきり火傷してしまっていた。

「うわわわわ!!」

その左足を庇いながら全力で走っていたために、バランスを崩してしまう。
体勢を立て直せない私は河原から転げ落ちた。
でも、これで狙い通りに周りに被害を出すことのない河原まで来ることが出来た。
分が圧倒的に悪いことは変わりないけど…

「凄いですねー…まさか、私の炎を分子運動の方向を無理やり捻じ曲げるなんて。
ホントデタラメなレベルですよね。レベル5ってー」


285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:18:22.80 ID:nBlmX4uoO
女ちゃん・・・


286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:19:33.83 ID:PvL5RBmd0
目の前の女の子は面白そうに感心するが、こちらはそんな悠長な会話に付き合える余裕なんてない…
「そりゃ、どうも…」と精いっぱいの強がりを吐くと、雷撃の槍を作り、彼女が纏っている炎を振り払おうと槍投げの選手よろしくぶん投げる。
運よく丸裸に出来ればそのまま突貫して動きを封じることが出来ることを狙ってのことだ。
しかし、能力の相性が悪い…すぐに私の雷撃はすぐに炎に消化され、無効化されてしまう。

「…!」

静かに舌打ちをして、この娘の出方を再び窺いながら間合いを取った。
そんな私の一挙手一投足のどこが面白いのか、女の子は静かに笑うだけだ。いや、違う。

「え…」

私の右の二の腕に炎の紐が巻きついていたのだから…
最初はその光景に信じられず唖然とする。何も感じずただ驚くだけだ。
時間が経ち脳がようやくその状況を把握して、現実だと判断した瞬間。
右腕が捥げるかと思うほどの痛みが襲う。


287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:22:57.42 ID:PvL5RBmd0
「うあ・・・あああああああああ!!!」

いや、痛みではない。文字通り熱いのだ。
だが、その熱に怯え火を振り払おうとしては逆効果だ。火ごと自分の身を抱きかかえて、消化を試みる。
声をあげることが出来ずにただ、喘ぐだけしか出来ない…このままじゃレールガンも撃てやしない…
私が苦痛に顔を歪めていると、目の前の相手が高笑いを始めた。

「凄い…凄いよ…!これならレベル5のレールガンを倒せる!!」

自分の両手を見て、自分の力を確認するかのように握りしめる。
しばらく笑い転げた後、彼女は大きく深呼吸をして、満足そうにつぶやいた。

「さぁてと…じゃあそろそろ終わらせようかな…」

手を上に掲げ、その上に炎が集中していく。
危機的状況にもかかわらず、高い所から水がこぼれる様を逆再生している様な幻想的な光景に目を奪われていた。

「それじゃあ、ありがとうございました、御坂美琴さん…
私、生まれ変わった自分と頑張っていきます…」


288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:24:28.60 ID:4pbKS2KAO
レベル4がごろごろ居やがりますなぁ

こやつまさか


289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:25:52.33 ID:PvL5RBmd0
そして、躊躇いなくその手を振りおろし、炎の光球がこちらにゆっくりと近づいてきた。
左足、右手を負傷し身体はボロボロ、さらには苦痛で地面に寝転んだ状態の私に逃げる術はもうない…
諦めきれないが、もう私の手札には切れるカードは何もなかった…

「詰み…かな…」

それでもなんとかして立ち上がり、向かい合う。
背中を見せて逃げ出すなんて御免だからだ。それでも怖い…久しぶりに感じる狩られる感覚…
静かに目を閉じた。

「と…うま…」

最期にもう一度、会いたかったな…


290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:31:30.03 ID:PvL5RBmd0
終わりの時を待つ。1秒、2秒、3秒…もしかしたらこれは走馬灯という奴なのかもしれない。
もう5秒ほど立っているのに私の意識は刈り取られてない。つまり生きているのだ…
そういえば、走馬灯って過去のことを見るんだよね。
出来れば、無理やりゲームセンターに連れて行って当麻とプリクラ一緒に取った時のことを見たいな…

「おい…だ…ぶ…み…と…お…!!」

あ、声が聞こえてきた…そうそう、そんな感じ。そんな声だった。
もっとイメージを明確にするために今度は行ったゲームセンターのレイアウトを思い出そうとする。

「おい!!聞こえてるのか!!美琴ぉ!!」

「ふぇ!!?」

私が必死にもうそ…瞑想をしていたのに、その集中力を散らす怒鳴り声。
驚いて目を開ける。しかし、そこに広がる光景はさっきまで私を吞み込まんとしていた光球なんてなく…
その代わりに、空気中に消えゆく帯状の火と…そして、今一番会いたかった背中があった。

「その様子だと…大丈夫そうだな、美琴」

「とー…ま…」


291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:32:17.86 ID:TEd5+w390
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           厶イ:::::::::ーヘ            ´/ノ.::::::\_/.::::::/イ  }        美琴!!!
            ノイ::/i:::ハ         {:::::::::::::::::::::::::::∧丿
                |/  |::::::|\     , -‐='::、::::::::::::::::::::/
                  x≦ハ| ::\     ー‐.:::::::::::::::::::/
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            /         >x:::.、   \::::::::::::::::::::{'/////////\



292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:32:49.74 ID:PvL5RBmd0
「なんなんです?アナタ?」

不愉快そうな声を隠そうともせず、フード被った少女は当麻に問いかける。
それはそうだろう。自分の能力がいきなり掻き消えたのだ。
私だって最初知らなかった時にあんな芸当見せられてビックリしたもんだ。

「ふん、火遊びも安全に出来ないお子さまに名乗る名は上条さんは持ち合わせちゃいませんよ」

おい、今のはツッコミ待ちか?それとも天然か?いや、当麻の事だから後者の可能性が高いかも……
その証拠に本人は魅せ場のつもりなのか、手首をスナップさせて思いっきり格好つけてる。

「あの…名乗ってるじゃないですか、“かみじょう”さん…」

「ウッ…!?」

ホラ、突っ込まれた…高校3年生が中学1年生(推定)につぶされてどうするのよ…
「いや、えと…」と慌てふためく当麻に、どこまでも“狙っての”いいカッコは似合わないんだなーと再確認。


293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:35:09.83 ID:PvL5RBmd0
「うん、だから、アレですよ。流石に名乗らないのは可哀そうだから上条さんは名乗ってあげたのですよ!!ウン!」

もう論理破綻が激しすぎて見苦しさが酷い。もう助け船を出せないレベルだ。
女の子も思いっきり呆れてるじゃないの…

「もう…いいです…2人やるのも同じなので一緒に消えてください」

そう言うと、さっき私の右腕をやった炎の帯を4つも作りだす。
彼女の後ろからこちらを威嚇するように大きく広がるそれは猛獣の尻尾のようにも見えた。
それでも、当麻の目が恐怖に染まることはない。真っ直ぐと相手を見据えていた。

「へぇ、よく出来たもんだな。ゲームの中ボスみてー」

「減らず…口をっ…!」

こんな状況にもかかわらず余裕しゃくしゃくな当麻の様子に彼女は、その4本の炎の帯を当麻に向かって一斉に走らせた。
「うお!」と驚いた声はあげたものの、すぐに当麻は腰を低くして全速力で相手に突っ込んでいく。


294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:37:45.33 ID:dDJ0Js2u0
おお、この前の人か!
前のスレラストの要望通りで助かった。


それにしても冷蔵庫の中のハンバーグが消失事件の布石だったとは…


295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 22:44:39.27 ID:PvL5RBmd0
まず正面から襲い来る2本…ビンタをかます様に右手を振り抜いた。翳しただけで炎の帯は根元からけし飛ぶ。
それと同時に当麻の背後に回り込んでいた1本が彼に襲いかかる。
だが、今まで何遍もこんな荒事をこなしてきた当麻だ。真正面からかかってくる2本が囮だと気付かないはずがない。

「よっと…!」

まるで計算されつくされた殺陣のように、当麻は左に身体をずらし、不意の一撃を難なくかわす。
それと同時に右腕を振り上げ、炎を打ち消した。だけど後1本がこない。
あと1本……どこにあるの!?当麻の周りを見るが、潜んでいる様子はない。
当麻も残り1本の強襲がないのを不審に思い、辺りを見回している。その時、私と目が合う。

「美琴!」

当麻の表情から冷静さがなくなり必死に形相で、こちらに走り込んでくる。
何があったのかと気を取られてると、後ろからゴゥと自分の後ろに何かがそびえ立つ感覚を感じた。


296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:12:13.62 ID:MwIOX9CNP
おいあぶない


297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:16:25.50 ID:PvL5RBmd0
また猿になってので打ち切ります…
もうゴールしてもいいよね…


298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:19:37.41 ID:IETS+1MV0
ちょくちょく他のスレにレスするのが一番の回避方法なんで・・・


299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:22:28.84 ID:m4bikrpF0
支援


300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:24:25.73 ID:IerXp0ea0
おもろい


301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:33:58.93 ID:6hGfemJz0



302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:40:58.74 ID:PvL5RBmd0
>>298
mjdsk
じゃあたくさんタブ開いてやってみます


303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:43:21.01 ID:PvL5RBmd0
「え?」

視界一面に迫るは先程見た炎の帯のラスト1本…
咄嗟に横に飛んで逃げようとするも、右足をやられており、力が出ない。

「ヤバッ…!」

「よっ…と!!」

その場に倒れ込もうとする私を間一髪のところで、当麻が滑り込みながら私抱きかかえる。
そして、その上から襲い来る炎の帯を凪ぎ払った。
「凪ぎ払った」とは言っているが当麻に抱きかかえられていた瞬間、意識が全てそっちに持って行かれたので、状況のみで言っているのだが…

「ふぃー…危機一髪。どうする?まだやるか?」

息を乱すことなく当麻は立ち上がり、再び相手を見据えた。
腕なんか組んでまたもあからさまな挑発なんかしてる。
コートの女の子は遠くからでも分かるほど、肩を怒らせ、身体を強張らせてる。

「くっ…いいですよ…次はっ!!・・・・・・!?!」

右腕を振り上げ、女の子の周りの空気がまた逆巻く。第2ラウンド開始…
かと思われたが、その場で急に頭を押さえ蹲った。
苦しそうに呻き声をあげ、乱暴に河原の草をむしり飛ばしている…
私がこんなボロボロな今でも、これだけ相手が苦しんでいる状況なら確保出来るかも…!
当麻に続いて立ち上がり、彼女との距離を詰めようと走り出そうとする。


304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:43:33.26 ID:ijWFsgUe0
避けろ!


305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:45:23.91 ID:PvL5RBmd0
「ふざけるなあああああ!!」

……そう、上手く行ってくれないようだ…
女の子は苦しい声を隠そうともせずに勢いよく立ちあがると、火球を作り出し投げつけてくる。
ただでさえ集中力を欠いた攻撃がこちらに飛んでくるはずもない。
それに、仮に飛んできても当麻の右腕で簡単に無に帰されるし…
さっきので普通の攻撃は当麻には効かないって分かってるはずなのに諦めきれずに攻撃する点、昔の私に似てるかも…
立ち上る煙をはらいながら先程まで彼女が暴れまわっていた所まで駆けよる。
しかし、コートを着た少女はそこにはおらず、河原の坂をものすごい勢いで登り逃げていた。

「あ!こら!待て!!」

なんて逃げ足…まるで小動物ね…ここまでされて黙ってられるか!
痛む足を無理やり動かしその後を追おうとする。

「はい、ここまでー。悔しい気持ちは分かるが、まずはその傷の手当な」

だけど、当麻が後ろから肩を掴み、行かせてくれない。
流石は現役男子高校生…力“だけ”は強い…


306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:50:56.39 ID:PvL5RBmd0
「なによ!アイツに誰にケンカ売ったか教えてやらないと!」

「それはまたの機会にやってやれ…そんなことよりもお前の身体の方が心配だ」

「うっ…」

『お前の身体が心配だ』の台詞がイケメン声で激しくリフレインする。
中学生のころの私ならば、この台詞だけで嫁入り寸前まで想像が逝ったろうが、今はもう高校生だ。
そこまではいかない。

「うん…」

「よし、それじゃあ落ち付ける場所に行くぞ」

そう言って当麻は私に肩を貸して運んでくれようとする。
しかし、こんな千載一遇のチャンスをみすみす逃す様な私ではない。今度は私が当麻の肩を引っ張る。

「うお!!…なんだよ…美琴サン…」

予感がしたのか、少し声が低くなる当麻。そうです、その予感を現実にしてあげましょう。
今のこの状況なら言える!!

「だっこ…」


307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:51:41.14 ID:PvL5RBmd0
首に手をまわして、上目づかいでなるべく可愛い声を出してお願いしてみた。


308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:55:00.68 ID:PvL5RBmd0
「いやあああああああああああああああああああ!!!!!」

御坂さんが能力者に襲われたという情報を聞いて私と白井さんはひとまず一七七支部へとテレポート。
その後、2人協力して市街を走り回り御坂さんを捜索を開始した。
支部の子からの話では御坂さんが追いつめられていたらしいので、先程の戦闘の疲労なんて吹き飛ばし走り回る。
私がパトロール中によくサッカーをやる河原へと差しかかった所で、白井さんが悲鳴にも似た大声をあげた。

「白井さん!?どうかしたんですか!!」

体中を痙攣させ、アワワワワワと震えた声を出している白井さんの横に並び河原を眺める。
原因が即判明。

「あー…」

そこにはツンツンの高校生さん(確か上条さんだっけ?)にお姫様だっこされた御坂さんが…


309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/24(水) 23:57:12.46 ID:x0GfzT8lO
しぇん


310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:00:06.92 ID:mVVdPvru0
御坂さんは言うまでもなく幸せそうな顔。まるで我が世の春とでも言わんばかりの表情だ。
上条さんの方も「やれやれ」みたいな疲れた表情はしているが、仕方ないな、みたいな年上の余裕みたいな顔をしている。
まぁ、何が言いたいかっていうと、凄く絵になってる。
こりゃ、白井さんの片思いもようやく終焉を迎えr…

「おんどりゃああああ!!!類人猿ぁああああああ!!!」

てなかったようだ…我に返った白井さんはテレポートも使わず一目散に上条さんに走り込む。
うわー、凄ーい…なんであんなバラバラなフォームなのにこんな早いんだろうか…

「お姉様!!今すぐにこの黒子がお姉様をおすく・・・・キャン!!」

あ、今のは御坂さんの電撃を喰らった悲鳴です。
あんな高速移動する対象でも正確に電撃をあてられるとは流石はレベル5…私も精進しなければ。

「御坂さん!大丈夫ですか!」

気を取り直して、白井さんよりだいぶ遅れて御坂さんに駆け寄る。
目がしっかり合う距離まで来てようやく気付いたか、彼女の左足と右腕の肌が痛々しくはれ上がっていた。


311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:01:26.06 ID:ytGV6xfBO
黒い白子自重www


312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:02:56.67 ID:kGd5Vo1U0
しえ


313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:04:08.64 ID:yfIs5lJ30
支援

でも現実的に考えると炎と雷では内包するエネルギーやらスケールやら桁が違いすぎて
勝負にならないレベルの差があると思うが、、


314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:04:14.50 ID:3MX7mGo+0
>>311
白子って魚の精子だっけ


315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:05:27.03 ID:mVVdPvru0
ここまで酷い怪我はあまり見ないので思わず息をのんでしまう。それに気付いた御坂さんは恥ずかしそうに笑うだけだった。

「御坂さん…それ…」

「ははは…ちょっとしくじっちゃった…」

恥ずかしそうに照れ笑いをする御坂さん。
上条さんに抱きかかえられてるとはいえ、この火傷だ。普通にしてても痛いはず…

「とりあえず一七七支部へ向かいましょう!上条さん!お願いできますか!?」

「あぁ、任せとけ!」

白井さんの瞬間移動を使った方が早いとは思う。
だけど心のケア、そして治療後にお礼参りに向かおうとする御坂さんを止める役割として
上条さんが必要だと判断し、このような感じになりました。
後ろから「おねえさまー私のてれぽーてーしょんをー」と叫ぶ白井さんの声がどんどん小さくなって行きました。


316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:09:02.88 ID:mVVdPvru0
「それじゃあ、そのレインコートを羽織った謎の発火能力者に襲われたと?」

一七七支部の客用ソファに御坂さんを座らせ、治療をする。
こんな時、弟の怪我の面倒を見ていた私の包帯スキルがいかんなく発揮された。
御坂さんの痛みを紛らわすために、その謎の能力者について話す。
悔しそうに、自分の不甲斐なさを悔いていた。

「まぁね…正直…アイツがいなきゃ死んでたわ」

アイツとは今、取調室で絶賛尋問を受けている上条さんのことだろう。
ヒロイン絶体絶命のピンチにさっそうと駆け付けるヒーローなんて格好良すぎる!
内心ではその時の情景を抒情的に聞きたかったのだが、その気持ちを抑えて手を動かす。

「そうですか…ってことは少なくともレベル4以上…ハイ、終わりましたよ」

「ありがとう。手際いいのね、佐天さん」

実家に暮らしていた頃の勘は鈍っていなかったようだ。
包帯止めもピッチリと取り付けることも出来たし、巻き部分もズレなんてほとんどない。


317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:09:26.20 ID:6TTjyDEh0
>>314
精嚢じゃないの?


318 :白子は精巣だったはず…:2010/03/25(木) 00:10:55.66 ID:mVVdPvru0
「うん、レベル4…のはずなんだけどねぇ…なんかこう…力を持て余してるっていうか」

「持て余してる?」

「うん。私にトドメさそうとした時、あの娘“これならレベル5のレールガンを倒せる”って言ってたの…」

「これなら…ですか」

“これなら”ってことは何かで自分の力を強化してるってことなのかな?
でも、レベルアッパーみたいな奴がまた流行っているなんて聞いていな…
いや、もしかしたら…

「うん、だから2年前のレベルアッパーみたいな奴を知らないかなって思ったんだけど…」

「あの…なんですけど…」


319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:13:07.17 ID:XkIjYtWu0
>>313
周りに被害を及ぼさないように気にしながら戦ってたから知らず知らずのうちに消耗しちゃったという事で脳内補完
その前にパイロキネシストは何を燃やしているのか?可燃物はどこから調達?さらに空気中の酸素分子だけを集める能力がある?
レベル5になるとサーモバリック爆弾並の爆発を起こせるのかな?・・・よくわかんね。


320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:14:07.52 ID:mVVdPvru0
「黒子!!少しコッチ来て!!」

私が今日あった事件の内容を話すと、御坂さんはすぐに白井さんに召集をかけた。
取調室の上条さんは「不幸だ不幸だ…」と何遍も繰り返しつぶやいており、
短時間とはいえここまで追いつめた白井さんの尋問のエグさと、彼女を敵に回さない方がいいだろうと改めて私に思わせた。

「ハイ!黒子はお姉様のためならばたとえ火の中水の中!!」

白井さんの足取りはまるで羽根でも生えているかのように軽い。そのまま御坂さんの両手を握りうっとりしている
さすがにここまで酷い怪我をしている御坂さんを気遣ってか抱きつきはしない。

「アンタと佐天さんが手がけた今日の能力者の事件について教えて」


---------------------------------------------------------------

「なるほどね…」

「えぇ、お姉様の対峙した能力者が、私達が鎮圧した連中と同じ様に何らかの手術を受けそのユニットを装備した可能性は多分にありますわ」

「でも!その…御坂さんと戦った能力者って私達のと違って錯乱してなかったんですよね?」


321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:14:41.62 ID:3MX7mGo+0
>>317
>>318
そうなのかー

ぶっちゃけ白子って食ったこと無いからわからぬ


322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:17:01.46 ID:mVVdPvru0
「えぇ、“私達が戦った”のはですがね…アンチスキルから頂いた資料を読み直してみなさいな」

そう言って私と御坂さんに、装甲車の中で読んだ資料を配る。
あの時は必要最低限の項目しか読んでなかったから、とりあえず最初から読むことにする。

「…コレって…」

数ページ捲って行くうちに白井さんが“同じ様に”と言った理由が大まかにだが理解できる。
そこには彼らの状態変遷について書かれてあった。
最初、スキルアウトや担当のジャッジメントが到着したときにはまだ意識があった。
能力を行使し、破壊と暴虐の限りを尽くし彼らに抵抗したが、一定時間たつとその活動が停止。(第1段階)
何人ものスキルアウトが頭を押さえて激痛を訴えたのだという。(第2段階)
このまま鎮圧の流れになるかと思ったが、ここでスキルアウトの症状が2パターンに分かれる。(第3段階)
このまま意識を失い昏睡状態に陥るパターンと、自我を失い能力が暴走状態に陥るパターンだ。
当然コレには個人差があるので、最後まで、正気を保って能力を使っていた暴徒もいたようだけど。
御坂さんと対峙した相手は頭痛を訴えたのだから、まだ第1と第2段階の間かな…
そして、私達が戦った連中は既に第3段階に入っていたと…

「と考えると例の発火能力者もこのユニットを使用した可能性が…」

「えぇ、お姉様のお話を聞く限り、その可能性は濃厚だと思われます」

「第2のレベルアッパー事件…」

まだ2年しか経っていないのに、同じ様な事件が起こる。
だけれど、もう2年と考えることも出来る。
ポツリと御坂さんが呟いた言葉。それは現実感と具体性をもって私達の間に漂っていた。

その日、私はこの現実の重さに圧し潰されそうで、女ちゃんの家に行くことを忘れていた。


323 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:18:08.35 ID:lDjuxSr20
>>321
白子の天ぷらはマジでヤバイから食ってみ


324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:18:53.31 ID:xIxEikPj0
>>319
あれじゃね? AIM拡散力場から何かしらの燃焼物を生成しているか
または力場その物を炎に変換してるんじゃね


325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:19:21.13 ID:mVVdPvru0
>>313
>>319
>>1は文系なのでこんな科学的考察は無理です…
電撃も発火も分子を運動を高めるんじゃね?ぐらいからの見切りなので…


326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:22:19.34 ID:mVVdPvru0
ようやく書き溜め分を消化出来ました。
これで本日分終了です。
保守&支援ありがとうございます。

明日は従弟の卒業式、その他諸々があるので帰宅遅いです。
それに帰ってきても書くペースは極めて遅い感じですが
それでも保守とか支援してくださるとありがたいです。


327 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:24:35.12 ID:yfIs5lJ30
>>324
前者だとそれそのもの(可燃物を生成する力)がそもそもの能力になってしまうし
後者だと力場の強さが問題になる(機械を使わなければ計測できないような微弱なモノでは
束ねても炎になりそうにない)気がする

確かに発火能力者が出す炎が何で燃えてるのかは気になるところだな


328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:25:07.73 ID:TIkhVjR/0
真空からでも電子と陽電子ぼこぼこつくっちゃうのかな


329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:31:14.27 ID:XkIjYtWu0
>>324
力場そのものを炎へ変換と考えると・・・赤外線或いはマイクロ波として放出するなら有り得るかも?
でも炎という現象から考えるとAIM拡散力場から何かしらの可燃物+酸素を「創造」するというのが有り得るかも?



330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:32:00.12 ID:lDjuxSr20
そういえば、砂鉄は580℃くらいで磁性を失うから、
炎の中に鉄剣をぶち込むとばらけるのでは?


331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:34:33.87 ID:XkIjYtWu0
>>328
揺らぎのある無からインフレーション現象→ビッグバン・・・ビッグバーンアターック!

ところでこの謎の少女パイロキネシストとステイルはどっちが強いのかな?


332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:36:59.21 ID:xIxEikPj0
>>326乙

>>327
それもそうかぁ
美琴とかは後者のような気がするんだが、こういった能力の発現に必要な要素って
どっから持ってくるんだろう、ってのがやっぱり気になるわな

って言いつつ禁書のIndexをチェックしてきたけど、能力者は「あり得ない事を実現させる」
から能力者足り得てるらしいので、パイロキネシストは燃焼物云々関係なく、
「燃焼している事実」のみを「実現」させてるんじゃないかな


333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:38:05.10 ID:TIkhVjR/0
太陽風とか宇宙線とか操っちゃったり夢が広がる


334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 00:58:46.40 ID:XkIjYtWu0
まあガンダムのミノフスキー理論同様AIM拡散力場は何でもありって事で。。。

>>333
レールガンさんやアクセラレーターさんは余裕で操れちゃいそうだね。


335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 01:21:56.42 ID:TIkhVjR/0
ジャッジメントですにょ

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