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男「本気で映画作る。主演女優はキミだ。キミしかいない!」

1 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:03:51.38 ID:2RAcRBUE0
男「ちょっとっ!そこのキミ!」

女「えっ!?わ、わたし…?」

男「……ふぅむ」

女「…?」

男「ちょっと、口開いて」

女「え?…は?」

男「ふぅむ…」ジロジロ

女「(あっ…びっくりしてちょっと開いちゃってた)」

男「運動は得意?」

女「…別に得意じゃないです。いきなり何なんですか?」

男「そうか……。バク転もできないのか?身体は柔らかいか?」

女「(あやしいのにつかまってしまった……)」



2 :14歳♀ ◆SrRByzYs0I :2010/02/02(火) 13:06:01.29 ID:4M8YuEdjO
つまんね


3 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:06:41.64 ID:2RAcRBUE0
友「…で、誰だったのその人」

女「わかんない」

友「めっちゃ不信人物じゃん!ほんとにこの学校の人だったの……?」

女「うん…」

友「もしや、新手のナンパ」

女「えーっ!ないない!」

友「女ちゃん可愛いんだから無理もないわねーっ」

女「だから違うってばーっ!そんな感じじゃなかったもん」

友「わかんないわよ?もうすでに、このクラスで先輩に手をつけられた娘いるもの」

女「えっ?まだ入学して一ヶ月もたってないのに…」

友「手がはやいわよね。…だから、あなたもきっと狙われてるんだって」


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 13:10:17.84 ID:2RAcRBUE0
女「…そうかなぁ」

友「で、どうだったの?カッコよかった?」

女「あ、あんまり……覚えてない」

友「…ふーん」

女「な、なに」

友「べつにぃ」

 ガラッ

先生「うーっし、朝礼はじめんぞ」

友「あ、先生来たっ。…何か発展があったらおしえてねっ?」

女「だからそんなの無いってばぁ」


5 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:16:59.54 ID:2RAcRBUE0
先生「もう知ってるだろうが、これから新入生歓迎会があるから」

先生「放送が入ったら静かに廊下にでて、体育館に向かうこと」

女「(…ほんと、さっきの人なんだったんだろ)」

女「(ネクタイの色が2年生の色だったから、先輩だと思うけど)」

女「(新入生歓迎会かぁ……)」

女「(どこかに、いるんだろうな)」

女「(……。)」

女「(また変なこと聞かれたらやだなぁ…)」


6 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:22:30.32 ID:2RAcRBUE0
 体育館

 『サッカー部はサイコーの先輩とサイコーの楽しさで、キミをまってるぜっ!』
 『マネージャーも大募集中なんだぜーーっ!』

友「うわ…。ああいうノリ、私苦手」

女「うん。私も……」

友「今のところ、気に入った部活あった?」

女「無いなぁ…」

友「私も…」

女「もう、帰宅部でいいかも」

友「なんか私もそんな気がしてきた。日陰者の私には、部活紹介のこの時間は苦痛でしかないわ…」

女「友ちゃん卑屈すぎだよ…」


7 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:32:46.18 ID:2RAcRBUE0
女「…でも、確かにそうよね。中学の時は入学してすぐバレーボール部に入ったけど」

女「練習キツくてすぐにやめちゃったのよね…。朝練とか、私には向いてなかった」

友「女ちゃんは朝に弱いもんね?」

女「低血圧なのっ」

友「へぇ。じゃあ、デートにも遅刻するんだ?」

女「それとこれとは…」


 『本 気 で 映 画 を 作 る !!』


女「ふぇっ!?」

友「な、なにっ?」

男『映画同好会だっ!!』

男『本気で作りたい奴だけ来いっ!!』

男『以上ッ!!!』

女「(きょ、今日の変な先輩っ…!?)」


8 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:40:23.87 ID:2RAcRBUE0
 『え、映画同好会の紹介でしたーっ。つづきましてはー』

女「あ、あの人」

友「知ってるの?」

女「今朝の…」

友「なるほど」

友「…だいぶ、個性的そうな人ね」

女「でしょ?」

友「でも、顔は悪くなさそう」

女「友ちゃんああいうのがタイプなの?」

友「そうでもないけどね」

友「一般的に見てよ。…ま、壇上であんなことする人、普通の女の子は寄り付きにくそうよねぇ」

友「肝が座ってるというべきか…。恥知らずというべきか…。目立ちたがりというべきか…」



9 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:46:19.49 ID:2RAcRBUE0
女「映画同好会かぁ…」

友「映画好きなの?」

女「うーん」

女「きらいじゃないけど」

友「…好きでもない、と」

女「うん。映画館ってほとんど行ったこと無いし」

女「テレビでもわざわざ映画みないしさ」

友「まぁ、確かに1時間半以上拘束されるのは、私も性に合わないんだよね」

女「TVだとCMの量がすごく多いしね」

友「…高校でも私たちそろって帰宅部かな」

女「…そうかも」


10 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:51:47.83 ID:2RAcRBUE0
 翌朝・学校の廊下

女「……あ」

男「おぉ」

女「(また会ってしまった…)」

男「うんうん…」ジロジロ

女「あ、あのぉ」

男「100メートルは何秒で走れる?」

女「は?」

男「え?」

女「……じゅ、じゅうはち秒、くらい…」

男「そうか……。そうか、そうか…」

女「(何がしたいんだこの人は…)」


11 :ちぢれ:2010/02/02(火) 13:56:45.22 ID:2RAcRBUE0
男「何か特技とかある?」

女「べ、べつに」

男「得意なスポーツとか科目は?」

女「あ、あのぉ…」

男「んむ?」

女「こ、こまります…。何のつもりか分からないですけど」

女「もうすぐ…HRはじまっちゃいますし」

男「大丈夫。HRの時間まであと5分はたっぷりある」

女「は、はぁ」



12 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:01:51.95 ID:2RAcRBUE0
男「……まぁ」

男「確かに朝の大事な時間を悪かった」

女「(やった。分かってくれた!話せば分かる人だった!)」」

男「だからゆっくり話す時間を作るとしよう」

男「今日の放課後そこの部屋に来てくれないか」

女「えっ!?」

男「大丈夫だな、空いているな」

女「えっ…?えっ…?」

男「では、待っているぞ」

女「えぇーーっ?」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 14:03:47.24 ID:ykMOEziB0
うむ


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 14:07:25.98 ID:KmMzgeeJ0
俺VIPEERだけどこういうのってそこらへんの携帯小説と区別できるほどのもんじゃないよね
女の口調を可愛く書いてなんだかんだで男とくっつきって奴
SS豚やゆとり女には好まれるかもしれないけど、恋空とかそういう系と何が違うのか分からん
別に高尚なもん書けとかは言わないけどさ
違うと思うならプリプリプリーズ


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 14:08:54.63 ID:T6aUYipT0
支援


16 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:09:06.03 ID:2RAcRBUE0
 教室

友「…展開はやっ!」

女「どうしようどうしようどうしよう」

友「どうしようって……それ、フラグじゃん」

女「折れるフラグなら折ってるよぉ!」

友「行くしかないわね、その部屋とやらに…」ニヤニヤ

女「すっごく怪しかったよその部屋…。誰も使ってなさそうな薄暗い部屋だった…」

友「押し倒すのに最適な部屋ってことか」

女「ひっ!?」

友「おぉ、いま下世話な想像したでしょ?」

女「し、してないぃっ」

友「なんにしても、私は行って欲しいけどね~。楽しそうな展開じゃない♪」


17 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:16:19.95 ID:2RAcRBUE0
 放課後

女「…放課後になってしまった」

女「どうしよう」

友「さっさと行きなって」

女「でも…」

友「大丈夫だって。ちょっと変な人かもだけど、誠実そうな人だったじゃない?」

女「友ちゃん遠目から見ただけじゃん!……確かに、変態さんみたいな感じじゃないけどさぁ」

友「ほらね?だいじょうぶだいじょうぶっ」

女「友ちゃん楽しんでる…」

友「失礼なっ!女ちゃんの恋路を応援してるんだって!」

女「だからそんなんじゃないってば……」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 14:19:44.39 ID:KmMzgeeJ0
>>1
きもいこと自覚してるんならせめてsageてよ…
スイーツ小説とギャルゲーを融合させたみたいな会話が繰り広げられているスレがトップに上がってると不愉快なんだよ
おk?




19 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:21:23.54 ID:2RAcRBUE0
友「意気地がないなぁ」

女「……そうだっ!」

女「友ちゃん着いてきてよ!」

友「えぇ!?」

女「私の安全が保証されるまで友ちゃは一緒に居てよぉ」

友「うぅ…どうしたものか…」

女「友ちゃんばっかり外野で楽しんでずるい…。たまには舞台に上がってきてよ」

友「……」

友「しょうがないなぁ……」

女「やった、やったっ」

友「世話が焼ける子ねぇ」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 14:24:37.73 ID:T6aUYipT0
支援


21 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:31:38.82 ID:2RAcRBUE0
友「…ここが、その部屋?」

女「そうそう」

友「……暗い。窓からじゃ何も見えない。」

女「でしょでしょ」

友「……」

友「やっぱりおとなしく帰ろっか?」

オト屋「かわい子ちゃんふたりでどったの~?」

女「ひゃぁっ!?」

友「ふぇっ!?」

オト屋「ははっ、ごめんごめん。驚かせたな」

オト屋「うちらの部室、興味津々で覗いてたみたいだからさ。いったいどうしたんだい?」

友「部室…?」

オト屋「そうさ。ここは映画同好会の部室さね」

女「(映画同好会…。あの人が所属しているところだ…)」


22 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:38:47.79 ID:2RAcRBUE0
女「えっと…その…私……」

女「呼ばれて、ここに来いって…」

オト屋「呼ばれて…?」

友「新入生歓迎会の時に、壇上で『映画作る!』って叫んでた人に呼ばれたらしいですよ」

オト屋「あぁーったく…。新入生に変な印象つけやがって。やっぱあいつにやらせんじゃなかったな」

オト屋「…んで、あいつに君が呼ばれてきた、と」

女「はい」

オト屋「そうか…君が、例の子か」

女「……?」

オト屋「ま、あいつはまだ来てないみたいだし。いま鍵開けるから、遠慮なく部室に入って待ってくれたまえ」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 14:41:57.09 ID:C81he9q00
おため④


24 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:44:56.07 ID:2RAcRBUE0
女「お邪魔します…」

友「…おぉ、思ったとおり何にもない」

オト屋「そう、なんにもない」

オト屋「…まだ、ね」

友「というと?」

オト屋「映画同好会はまだ出来たばかりなのさ」

オト屋「この部室をもらえたのも、つい最近の事だ」

女「そうだったんですか…」

オト屋「紹介が遅れたね。俺はオト屋。2年生だ」


25 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:52:14.24 ID:2RAcRBUE0
オト屋「女ちゃんと、友ちゃんか…。いやあ、新入生のかわい子ちゃんと一気に二人も仲良くなれるなんて、僥倖、僥倖」

女「あ、はは…」

友「オト屋先輩ったら、そんなこと言っても何にも出ませんよぉ」

 ガラッ

カメ男「……」

オト屋「おぉ、来たか」

オト屋「こいつはカメ男。同じく2年生だ」

女「は、はじめまして。女といいます」

友「友です。はじめましてっ」

カメ男「…ども」

オト屋「こいつはあんまり愛想良くないけど、まぁ許してやってくれ」

カメ男「…どういう事だ?」

オト屋「例の娘だよ」

女「……?」


26 :ちぢれ:2010/02/02(火) 14:58:53.21 ID:2RAcRBUE0
カメ男「……そうか」ジロジロ

女「え、えっと…?」

カメ男「……いい脚だ」

女「ひっ!?」

オト屋「おいっ!初対面相手それはやめろよな。悪い癖だぞカメ男」

カメ男「……」ニヤッ

女「……うぅ」

友「あのぅ…それで、例の方はいつごろいらっしゃるんでしょうか」

オト屋「おぉ、そうだったな。…さっき、掃除の当番をサボろうとして先生に捕まってたから、もうちょっとかかるかもしれん」

女「そうですか…」



27 :ちぢれ:2010/02/02(火) 15:10:03.37 ID:2RAcRBUE0

オト屋「映画同好会の会員は、俺たちを含めて全部で四人いる。皆二年生だ」

オト屋「四人じゃたいした映画は作れないからね。新入生を大募集してるんだがなぁ…」

友「…じゃあ、女ちゃんはもしかして、新入会員として誘われてたんですか?」

オト屋「ところがどっこい、そう簡単な問題でもない」

女「…?」

オト屋「まぁ、それはあいつに直接聞くのが一番さ」

 ドドドドドドドッ ガラッ!

男「ははははっはーーっ!!」

女「っ!?」ビクッ

オト屋「おぉ、早かったじゃないか」

男「なぁに、掃除など所詮は塵を集める作業よ」

男「作業は覚えればいいのだから、覚えるだけの仕事にいつまでもかまってられん」


28 :ちぢれ:2010/02/02(火) 15:16:49.14 ID:2RAcRBUE0
オト屋「それより、例の娘、来てるぜ?」

男「……おぉ」

女「ど、ども…」

男「そうかっ!」

男「ヒロイン役を引き受けてくれる決心をしてくれたか!!」

女「……」

女「は?」

男「ん?」

オト屋「おいおい、この娘飲みこめてないぜ…?お前ちゃんと話つけたのかよ」

男「したはずだが」

女「な、なにを…」

カメ男「……腋もいい」

オト屋「あぁ~ぁ~~。ちゃんと話を整理しようぜ?」


29 :ちぢれ:2010/02/02(火) 15:25:07.27 ID:2RAcRBUE0
男「あれだけアプローチしたんだ。スカウトしているも同然だろう」

オト屋「おまえなぁ…」

女「全然気が付きませんでした…」

友「残念だったわねー」

女「な、なにがっ」

友「べつにぃ」ニヤニヤ

男「…ふむ」

男「伝わっていなかったなら致し方ない。改めて、君に頼みたい」

男「俺の映画に、どうか出て欲しい」

女「えっと……あの……その……」

オト屋「おいおい、女ちゃん困ってるぞ」

男「なぜ困るんだ」

オト屋「はぁ……」


30 :ちぢれ:2010/02/02(火) 15:32:40.24 ID:2RAcRBUE0
オト屋「あのな、まずは自己紹介からだよ馬鹿。相手はナンもお前のこと知らないんだ」

オト屋「知らない相手の映画に出れるかボケっ!」

男「それもそうだな」

男「俺は男。職業は映画監督」

男「以上だ」

女「……」ポカーン

友「はは、こりゃすごい…」

オト屋「ほんっと、映画で飯食えてから職業って言えよな…」

女「えっと、わたしは…」

男「君はいい。見れば分かる」

女「…は?」

オト屋「お前、この子の名前知ってんのかよ」

男「……」

男「知らない」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 15:38:14.86 ID:T6aUYipT0
支援


32 :ちぢれ:2010/02/02(火) 15:41:44.11 ID:2RAcRBUE0
男「まぁ、名前など後でいい」

オト屋「お前なぁ…」

男「とにかく、この脚本を読め」バサッ

女「……『おもいなき戦い』」

男「そうだ。いい題名だろう?」

女「はぁ…」

女「じゃあ、さっそく」

男「いや待て、今はいい」

男「家に帰ってから、じっくり読め。映画の脚本は、読む分には初めて見る奴でも分かりやすく書いてある」

男「だが、隅から隅まで、しっかり読んでほしい」

男「決して、台詞だけ読もうとは思わないことだ」

女「わ、わかりました」


33 :ちぢれ:2010/02/02(火) 15:49:15.56 ID:2RAcRBUE0
男「よく読んだ上で、俺の映画に出るか出ないか決めるんだ」

男「まぁ、俺の脚本がつまらないなんてことはあり得ないがな」

オト屋「よく言うぜ」

女「えっと…じゃあ」

男「うむ。わざわざ来てもらって悪かった。今日のところはこれでいい」

オト屋「なんでまた呼び出しといて、そんなに偉そうなんだよお前は…」

男「俺は偉いからな」

オト屋「あー、そうかいそうかい。…わるかったな、お嬢ちゃんたち」

女「い、いえ」

友「そんなぁ。色んな先輩と知り合えて、逆によかったですよぉ。…ね?」

女「う、うんそうだね」


34 :ちぢれ:2010/02/02(火) 15:55:07.95 ID:2RAcRBUE0
 帰り道

女「なんだか、まだよく飲み込めない…」

友「ねぇ、女ちゃん」

女「なに?」

友「これは、親友として忠告するんだけど」

友「止めといた方がいいよ」

女「…やっぱり?」

友「うん」

友「ちょっと、あの人たち怪しすぎるよ」

友「…男さんもそうだけど、特にあのカメ男って人」

女「私、あのひとにすっごく見られてた気がする…」

友「でしょ?……止めといたほうがいいよ。なんだか、危ない気がする」

女「…だよねぇ。うん、分かった」


35 :ちぢれ:2010/02/02(火) 16:00:07.38 ID:2RAcRBUE0
 夜 女宅

女「おふろきもちよかった」

女「じゃ、寝る準備するとしますかっ」

女「あっ……脚本」

女「どうしよっかなぁ。断るにしても、なんて断ろう…」

女「……」

女「(とりあえず、脚本読んでみようかな)」


36 :ちぢれ:2010/02/02(火) 16:04:57.98 ID:2RAcRBUE0
 朝 学校

女「…っくちゅん!」

友「ありゃ、どうしたのー?風邪?」

女「う、うん゛……。ちょっと湯冷めしちゃって」

友「ありゃりゃ」

女「…それで、なんだけどね。私、映画同好会に入ろうかな……なんて思ってたりして」

友「え゛っ!?」

女「あわわわ、お、思ってるだけだよ、思ってるだけっ!」

友「…どういう心変わりなんだい、いったい…」

女「えっとぉ……そのぉ」

女「脚本が……すごくおもしろかったの……」


37 :ちぢれ:2010/02/02(火) 16:13:33.93 ID:2RAcRBUE0
友「うっそぉ…」

女「ほんと」

友「あの男だよ?…ろくに言葉も知らないような人だったよ!?」

女「友ちゃん、それ失礼だよ…」

友「そうだけどさぁ…。いったいどんな話だったの?」

女「アクション映画だった」

友「へぇ…。でも、アクションのヒロインっていったら……」

女「うん。私、運動そんなに得意じゃない」

友「だったら」

女「…でも、この脚本を映像にしてみたいって、すごく思ったの」

女「だから、その手助けができればいいなぁって」

友「…そっか。」


38 :ちぢれ:2010/02/02(火) 16:18:37.26 ID:2RAcRBUE0
友「でも、気をつけてね。あんな野獣の巣窟みたいなところに、ほんとは女ちゃんを行かせたくないんだけど」

女「大丈夫だよ。とって食われたりはしないと思う……たぶん」

友「しんぱいだなぁ」

女「…ほんとは、友ちゃんにも入って欲しいんだけど」

友「私はいいかなぁ…」

友「やっぱり、帰宅部の方が気楽でいい」

女「そっか…」

友「女ちゃんが決めたことだし、もう今更なにも言わないけどさ」

友「…不安になったら、すぐ止めるんだよ?」

女「うん…わかった。ありがとう、友ちゃん」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 16:24:42.52 ID:o0I47QY60
ちぢれちぃーすっ


40 :ちぢれ:2010/02/02(火) 16:25:07.43 ID:2RAcRBUE0
どうでもいいけど郵便局いってくる(ノд`)


41 :ちぢれ:2010/02/02(火) 16:25:53.38 ID:2RAcRBUE0
>>39
あ、おひさしぶりです


42 :ちぢれ:2010/02/02(火) 17:37:11.38 ID:2RAcRBUE0
ちょっと自らほしゅ
かっこわるい


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 18:07:30.69 ID:EQmVajPu0
まだ読んでないけどちぢれって見覚えがあるようなないような


44 :ちぢれ:2010/02/02(火) 18:37:10.61 ID:2RAcRBUE0
あーくそー
はやく続き書きたい


45 :ちぢれ@とりこみちう:2010/02/02(火) 19:02:26.34 ID:2RAcRBUE0
うまうま


46 :ちぢれ:2010/02/02(火) 19:21:15.29 ID:2RAcRBUE0
 放課後

女「…確かこの部屋だったと思うんだけど」

女「なんか……昨日とちがって、中があかるい」

女「ほんとにこの部屋かな」

 ガラッ

セイ作「何かご用でしょうか?」

女「あっ、え、えっと…」

女「ここ…映画同好会の部室ですよね…?」

セイ作「そうですよ」

女「あの……えっと……」

セイ作「…あぁ、あなたが例の。どうぞ、入ってください」

女「は、はぁ…。失礼します…」


47 :ちぢれ:2010/02/02(火) 19:36:49.22 ID:2RAcRBUE0
女「…部屋の中が昨日と全然違うんですけど」

セイ作「ははは、そうかい?」

女「えぇ…。なんというか、あの…ピカピカしてます」

セイ作「ワックス塗ったからね」

女「あと、ソファーとかイスとか机とかなかったです…」

セイ作「がんばって運んだからね」

女「…もしかして、私が帰った後ここを改装したんですか?」

セイ作「うん。…正確には、まだ改装中だけど、ね」



48 :ちぢれ:2010/02/02(火) 19:43:29.43 ID:2RAcRBUE0
 ガラッ

オト屋「おつかれーっす」

セイ作「オト屋くん。お疲れ様」

女「お疲れ様です」

オト屋「おぉ、短時間でこれだけのことをやるとは…やるなぁ、セイ作」

セイ作「ありがとうございます。でもまだ途中ですよ。」

オト屋「女ちゃん、来たか。今日は一人なんだな」

女「はい」

オト屋「こいつの事は知ってるか?セイ作って言うんだ」

セイ作「そういえば、自己紹介がまだでしたね。はじめまして。セイ作っていいます。話は男からよく聞いてますよ、女さん」

女「は、はじめましてっ。えっと…話を聞くって……どんな…」

セイ作「心配しなくても、悪いことは聞いてませんよ」

女「(どっちにしろ気になる…)」


49 :ちぢれ:2010/02/02(火) 19:52:11.59 ID:2RAcRBUE0
オト屋「しっかし、よくもまぁこれだけのものを一人で運んで、綺麗に掃除したなぁ。言えば手伝ったのによぉ」

セイ作「なんてことはないです。これくらいの事で皆さんのお手を煩わせていたら、映画なんて作れませんよ」

オト屋「まったく、ほんとに頼りになる奴だよお前は」

女「あのー、一人でって…」

オト屋「あぁ、まぁ、そういう奴なんだ」

女「えっ、でも…昨日の放課後の数時間で一人でこんなに……?」

セイ作「ですから、まだ途中です」

女「……すごい」

オト屋「おーおぉ、パソコン来てるじゃん」

セイ作「男が用意しておいてくれました。さわってみましたけど、なかなか高性能ですよ」

オト屋「いいねぇ、映画作りの環境が整ってきたねぇ」

セイ作「えぇ。……主演女優も含めて」チラッ

女「……ふぇっ?」


50 :ちぢれ:2010/02/02(火) 20:01:23.38 ID:2RAcRBUE0
女「あの、そのことなんですけど」

女「…私、お断りさせていただこうとおもって」

セイ作「…」

オト屋「おいおい、嬢ちゃん。そりゃなんでだい?」

女「脚本読んだんですけれど、…すごく、よかったです」

オト屋「じゃあ…」

女「よかったんですけど、……すごく良かっただけに、私なんかが演じるわけにはいかないって思って」

オト屋「ほぉ」

女「ですから、女優の件は…」

セイ作「はははっ。そんなこと、貴女が心配することじゃありませんよ」

女「…えっ」

セイ作「そうでしょう?貴女が適役だと思ったから、男は貴女を選んだんですよ」

セイ作「もし、貴女ではいけないという心配をするとしたら、男が心配するべきなのです」


51 :ちぢれ:2010/02/02(火) 20:07:04.95 ID:2RAcRBUE0
女「でも私は、演技の経験もないし」

セイ作「そんなこと問題じゃありません」

セイ作「脚本を読んで、良かったと思った貴女の気持ち」

セイ作「…問題なのは、そっちのほうなのではないですか?」

女「え……」

オト屋「おい、セイ作」

セイ作「…あ」

セイ作「すいません、益体もない事を言ってしまいました」

セイ作「忘れてください」

女「そんな」

オト屋「ま、あれだ。その辺はよく男と話すといい」

オト屋「男監督と、…な」

女「監督……。あの人が……」


52 :ちぢれ:2010/02/02(火) 20:17:31.10 ID:2RAcRBUE0
オト屋「映画制作ってのは、縦割りなんだ。役割分担がしっかりしてるんだよ」

オト屋「男の奴には監督っていう、役割がある」

女「オト屋さんは、どんな役割があるんですか?」

オト屋「俺は録音っていう役割だ。映画の音全般に責任を持っている」

オト屋「それと同じように、画全般の責任を持つカメ男は撮影」

オト屋「そこにいるセイ作は、制作という役割。…制作は、平たくいえば裏方だ。お金の管理からお茶出しまで、なんでもする」

女「あの、…なんで縦割りなんでしょうか?」

オト屋「いい質問だお嬢ちゃん」

オト屋「縦割りにすることによって、自分の仕事に対して責任が生まれるんだ」

オト屋「自分の中のテリトリーの失敗は、自分の失敗だ。…だから、失敗は許されない。他の誰かのせいにはできないんだ」

オト屋「…だから、皆自分のテリトリーを守るし、人のテリトリーを荒らそうとはしないんだよ」

女「なるほど……」



53 :ちぢれ:2010/02/02(火) 20:23:20.02 ID:2RAcRBUE0
オト屋「映画制作ってのは、何かの能力に特化した奴らの集団さ」

オト屋「…俺は音に関しての知識なら負けないが、カメラはさっぱりだ」

オト屋「でも、スペシャリストが集まって、縦割りの役割分担にすれば、最高のものができる」

女「うまくできているのですね」

オト屋「そうさ。…だから、さっきセイ作は、監督のテリトリーを、軽く荒らしちまった」

オト屋「……な?」

セイ作「お恥ずかしながら」

女「…そうなんですか?」

オト屋「まぁ、まだ分からないだろうけどな。…難しい問題なんだ、これは」

セイ作「……」


54 :ちぢれ:2010/02/02(火) 20:29:46.51 ID:2RAcRBUE0
 ガラッ

男「おはようっ」

カメ男「……」

オト屋「おぉ、いいところに二人とも来たな」

女「あ、どうも…」

男「来たな。あーっ…」

女「女、です…」

男「そうだった、女くん」

オト屋「…プッ、昨日名前なんてどうでもいいとか言ってたくせに」

男「それにしても、この部室はすばらしい環境になったな」

男「すばらしいぞセイ作」

セイ作「ありがとうございます。でもまだ途中です」

男「ははは、ではさっそく打ち合わせと行くか」


55 :ちぢれ:2010/02/02(火) 20:44:40.66 ID:2RAcRBUE0
男「…何っ!?女優を辞退!?」

女「はい。…その代わり、この同好会には入りたいと」

男「お前に何が出来る?」

女「え?」

男「お前は、女優としての価値しかないんだ。その事を分かった上で言っているのか?」

女「…そ、そんな」

オト屋「……」

セイ作「……」

男「俺は映画を本気で作ると言った」

男「俺の本気に、女優以外のキミはいらん」

女「(…確かに私は何の力もない。映画の事は何にも分からない。邪魔をするだけかもしれない)」

男「脚本を好きになるなんて当たり前だ。俺が書いたんだからな」

男「…だが、俺が必要としているのは、俺が俺の脚本を好きになってくれる奴じゃない」

男「俺の映画のパーツになるに足る奴だけだ」


56 :ちぢれ:2010/02/02(火) 20:52:41.78 ID:2RAcRBUE0
女「……そうですか」

女「では、私は影ながら応援することにして…」

オト屋「なぁ男。そうはいっても、人手は欲しいぜ?」

男「いらん」

オト屋「…そうか」

セイ作「……」

女「それでは、失礼…します……」

男「ふぅ……」

男「すまん」

女「いえ…」

女「では」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 21:01:52.07 ID:qAIEEvOA0
ちぢれ・・・ほshくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」


58 :ちぢれ:2010/02/02(火) 21:02:32.01 ID:2RAcRBUE0
女「……そっか」

女「そうだよ……ね」

女「(甘かったな…。映画作るのって、すごく大変なんだよね)」

女「(私なんかが、出る幕ないよね)」

セイ作「あのっ…女さんっ!」

女「あ、…えっと、セイ作さん。どうしたんですか、わざわざ追いかけてくるなんて」

セイ作「どうか、お願いがあります」

セイ作「映画に出てください。…お願いします…お願いしますっ!」

女「そんなっ!土下座なんてしないでくださいっ…!」

セイ作「男の奴に……映画を撮らせてやって欲しいんです」

女「…私が居なくても、撮れるじゃないですか」

セイ作「いいえ、撮れません」

セイ作「撮れないんです」


59 :ちぢれ:2010/02/02(火) 21:20:33.15 ID:2RAcRBUE0
女「…どうしてですか?」

女「例え撮れないにしても、スペシャリストの先輩達が居る中に、私が入っていても同じことですよ」

セイ作「たしかにそうかもしれません」

セイ作「…けれども、女さんが女優をしてくれるなら話は別なんです」

女「だから、それは…っ!」

セイ作「いままでずっと、私たちに足りないものは、役者だったんです」

セイ作「男がずっとずっと探していて、見つからなかったのは、役者なんです」

セイ作「カメ男やオト屋は、男が今の僕以上に頭を下げて手に入れた仲間でした」

セイ作「でも、役者だけはずっと見つけられなかった」

女「……」

セイ作「……あの脚本、あなたは良いと言ってくれましたね」

セイ作「実はあの脚本は、あなたの為に書いた脚本なのですよ」

女「えっ!?…で、でも、脚本を渡されたのは男さんと出会った次の日ですよ!?」


60 :ちぢれ:2010/02/02(火) 21:25:52.20 ID:2RAcRBUE0
セイ作「その一日の間に、彼は書いたのです」

女「あんなに良い脚本を一日で…信じられない」

セイ作「天才なんです、彼は」

セイ作「もしあなたが首を縦に振ったら、あの脚本をもっと煮詰めておもしろくするでしょう」

セイ作「…ですが、あなたがこのままお帰りになるなら、散りぢりに引き裂かれて、二度と日を浴びることはないでしょう」

女「そんな……」

セイ作「お願いします」

セイ作「彼に……男に、映画を撮らせてやってください」


61 :ちぢれ:2010/02/02(火) 21:32:11.13 ID:2RAcRBUE0
オト屋「いいのか?」

男「何が」

オト屋「やっと、見つけたんだろう?」

男「本人にやる気がないなら、どうしようもないだろう」

オト屋「やる気にさせるのも、あんたの役目じゃないのか」

男「…それを決めるのも俺だ」

オト屋「そうだったな、悪い」

オト屋「だが、一つ言っとくとな」

オト屋「俺もお前に頭下げられるまで、映画になんかこれっぽっちも興味なかったぞ?」

オト屋「俺の生き場所は、ライブのハコだった。…それをあんたが、映画に引きずり込んだんだ」

オト屋「責任とって、あんたにゃさっさと映画を作ってもらわにゃならん」

男「……」

男「分かってる」


62 :ちぢれ:2010/02/02(火) 21:42:21.00 ID:2RAcRBUE0
オト屋「いいや、分かってないね」

オト屋「お前さん怖いんだろう?」

オト屋「…作るのが、怖いんだろう?自分の実力の浅さを知るのが怖いんだろう?」

オト屋「だから、お嬢ちゃんを無理に引き止めなかった」

オト屋「…ちがうか?」

男「違う」

男「…とは言い切れない」

男「図星だ」

オト屋「なら」

男「天才にも限界はある」

男「…人の強い意思を動かす事は、人を泣かせる以上に難しい」

男「今すぐには無理だ」


63 :ちぢれ:2010/02/02(火) 21:50:45.79 ID:2RAcRBUE0
女「私、あがり症なんです」

女「小さいときから、人の前で何かをするのって苦手で…」

セイ作「でも、映画は観客の前で演じるわけではありません」

女「…同じです」

女「カメラや映画研究会の皆さんの前で演じる…」

女「考えただけでも、心臓がおかしくなりそうで」

セイ作「でも、できます。…時間をかければ、きっと」

女「…そんな時間をかけさせるくらいなら、きっと、別の女優さんを見つけたほうが早いですよ」

女「こんな、教室の前に立っただけで足がすくむような私より」

女「もっと良い人がいます」


64 :ちぢれ:2010/02/02(火) 21:56:24.90 ID:2RAcRBUE0
カメ男「……」ジー

女「だから、申し訳ないですけど……」

セイ作「そうですか……」

カメ男「……」ジー

女「……え」

カメ男「……」ニヤッ

女「ひゃっ!?」

セイ作「カメ男さん!?」

女「と、撮ってるんですか!?」

カメ男「……」コクリ

女「や、やめてくださいっ!や、やめっ…!?」

カメ男「……」ニヤニヤ


65 :ちぢれ:2010/02/02(火) 22:03:19.88 ID:2RAcRBUE0
女「そんな下から!?…ぱ、パンツ見えちゃいますからあっ!」

カメ男「…大丈夫。ギリギリ」

女「ぎ、ギリギリでも駄目ですからあっ!」

カメ男「……デュフ」

女「ひっ……」

男「どうだ、カメ男。女優の映え具合は」

女「あ、男さんっ!止めさせて下さい~っ」

カメ男「……エクセーレントゥ」

男「そうか…」

オト屋「声質も、滑舌も問題なしだ」

男「そう、か……」

女「はやく止めさせてください~~っ!」


66 :ちぢれ:2010/02/02(火) 22:22:55.11 ID:2RAcRBUE0
男「女くん」

男「…どうか、ヒロインをやってほしい!!」

男「どうか、どうか頼む……っ!!」

女「えっ!?…男さんまで、土下座って……や、やめてくださいっ!!」

男「キミがウンというまでやめない!」

女「そんな…」

男「どんなに時間がかかっても良い」

男「俺は、キミをヒロインにしたい…っ!」

オト屋「俺からも頼むっ!」

セイ作「もちろん僕も」

カメ男「…頼む」

女「みなさん、先輩なのに……。やめてください。…困ります」


67 :ちぢれ:2010/02/02(火) 22:30:31.46 ID:2RAcRBUE0
男「やめないと言った。…俺には、キミが必要なんだ」

女「……必要」

男「キミじゃなきゃ、駄目なんだ」

男「…キミが居ないと、何もかもが崩れてしまう」

男「頼む、一緒に前に進もう!」

男「本気で映画を作ろう!」

女「どうして」

女「私なんですか?」

男「……」

女「私じゃなくても、この学校には、もっと私より綺麗で、華があって、演技が出来そうな人が居ると思います」

女「…私である必要が、ないじゃないですか」


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/02(火) 23:08:16.26 ID:mZt7X1MJ0
さるさんくらったか


69 :ちぢれ@夏コミ申請してた:2010/02/02(火) 23:41:19.70 ID:2RAcRBUE0
男「綺麗だとか、華があるとか、演技ができるとか」

男「そんなものは、本当はどうでもいい」

女「…えっ」

男「脚本を見ただろう?」

男「あの話は、俺がキミを見て、初めて生まれた」

男「キミじゃなければ、俺を駆りたてることはできなかった」

女「…でも」

女「あの脚本のヒロインは、私なんかよりも強くて、輝いていて、…カッコいいです」

男「そうだ」

男「…でも、キミはヒロインのようになりたいと、誰よりも思っている」

男「そうだろう?」

女「……」



70 :ちぢれ@夏コミ申請してた:2010/02/02(火) 23:54:02.35 ID:2RAcRBUE0
女「なんで、そんなことがわかったんですか」

女「一度しか…それも、短時間しか会っていないのに」

男「俺が天才だからだ」

女「確かに…。天才じゃないと、そういう真似はできないでしょうけど」

男「だが…俺は、天才だが」

男「俺が良いと思う脚本と俺が良いと思った役者じゃないと」

男「映画は作りたくないんだ」

女「私が良い役者だって、思うんですか?」

女「あがり症の私が、良い役者でしょうか」

男「当たり前だっ!!」

女「ふぇっ!?」

男「天才の俺が見誤るわけないだろうがっ!!」


71 :ちぢれ@夏コミ申請してた:2010/02/03(水) 00:07:51.37 ID:P7dI2AR50
男「日常を、カットに分けて考えたことはあるか?」

女「カット…?」

男「映画は、カットのつぎはぎで出来ている」

男「だから、常に最良のカメラの位置と、カットポイントを考えている」

男「現実世界で映える女に興味は無い」

男「カメラの中で、カットに分けたときに輝く女にしか、俺は興味がないっ」

男「それが、キミだ」

女「…えっ、な、なに…?どういう事ですか?

男「えぇい!!」

男「歯並びの良い白い歯。アップに耐える肌質。マイク乗りの良い声。黄金比率のスタイル。痛みの無い艶ある黒髪。人の目線を引く表情!!」

男「そして心の奥に眠る、熱い志向!!」

男「それがお前の魅力だって言ってるんだっ!!!」


72 :ちぢれ:2010/02/03(水) 00:19:34.88 ID:P7dI2AR50
女「あ、あぅ……あぅあぅ……」

オト屋「ありゃ」

セイ作「気圧されてしまったみたいですね」

男「……」

女「ど、どうすれば……」

男「明日また、部室に来てくれ」

男「さっそく、キミに合わせたカメラテストをしよう」

女「は、はぁ…」

男「よろしく頼む」

女「え、えと……こちらこそ?」


カメ男「……絶景」ジー

オト屋「おぉぃ、土下座のドサクサでパンチラ撮るとは、良い根性じゃねえか」

カメ男「……赤シマシマ」ボソッ


73 :ちぢれ:2010/02/03(水) 00:27:01.24 ID:P7dI2AR50
 夜 女宅

女「…ごめんね、急に電話なんかしちゃって」

友「それは、いいんだけど…」

友「なんだか、すごい事になっちゃったねぇ」

女「うん…」

友「無理することないんだよ?嫌なら止めなよ」

女「それが、なぜか……」

女「嫌じゃないんだ」

友「そうなの?」

女「うん…」


74 :ちぢれ@コミケにボカロのジャンルコード無いんだけど:2010/02/03(水) 00:57:16.71 ID:P7dI2AR50
女「不安だし、心配ではあるんだけど…」

女「なんか、楽しみなんだ…」

友「へぇ…」

女「あのね、なんだか、男さんに見透かされた気がしたの」

女「…うぅん、見透かされちゃった」

友「というと?」

女「バレーボールが好きだったのに、バレー部やめちゃった時の気持ち…」

女「わたし、ずっと引きずってた」

女「そういうの、見透かされちゃったんだと思う」

友「そっか…」

友「じゃあ、ある意味では、男さんは女ちゃんの理解者なのかな」

女「そういうことになる…かな」



75 :ちぢれ@コミケにボカロのジャンルコード無いんだけど:2010/02/03(水) 01:08:40.93 ID:P7dI2AR50
 次の日 部室

女「こんにちは」

男「おぉ、来たな」

オト屋「待ってたぜ」

セイ作「では、さっそくカメラテスト始めましょうか」

カメ男「…用意は万全」

女「え、あ、あの……心の準備が」

男「ふぅ……」

男「今日はカメラテストだ、準備なんかいらないよ」

女「カメラテストって、なんですか……?」

男「一言で言えば、カメラが撮影に支障なく動くかテストする事だな」

女「あのぉ……それって、私がいる意味あるんでしょうか?」


76 :ちぢれ:2010/02/03(水) 01:15:08.67 ID:P7dI2AR50
男「おおいにある」

女「はぁ…」

男「いいか、ヒロインを美しく映せずして、カメラの資格は無いのだ」

男「ただ、カメラがカメラの機能として、動けばいいという訳ではない」

女「…なるほど」

男「まぁ、テストはテストだ。キミは窓辺にでもたたずんでいたまえ」

女「分かりました」

セイ作「急ぐ作業じゃないですから。トイレや水分補給は気軽にどうぞ」

女「あ、はいっ」

男「…さて」

男「ようやく始められるな」


77 :ちぢれ:2010/02/03(水) 01:21:19.86 ID:P7dI2AR50
男「どうだ、色温度は」

カメ男「…今はこれくらいだ」

男「もうちょっと、アンバーな方が好きだ」

カメ男「……分かった」

女「色温度?」

男「気になるか?」

女「え、えぇ。まぁ」

男「安心しろ、後々分かってくる」

女「そうですか…」

カメ男「…これくらいでどうだ」

男「まぁ、いいだろう。日光相手に細かく調節しても、しょうもあるまい」

女「(わからない…。何をやってるんだろう…)」


78 :ちぢれ:2010/02/03(水) 01:31:32.22 ID:P7dI2AR50
男「…ふぅむ、やはり広角にしたらこれくらいの歪みはでるか」

カメ男「……むしろ、これが良い」

男「なるほど、そういう考えもできるな」

男「…よしわかった。今日はこれくらいにしておくか」

女「ふぅ……」

男「女くん、なかなか良かったぞ」

女「えっと……ただ、立ってただけですけど」

男「立ち方にもセンスってものがある」

女「はぁ…」

男「表情は固かったが、姿勢は良かったな」

男「肩がちょっと上がり気味だったが、腰から頭までがスーッとしてて、卑しさを感じなかった」

女「(そういうものなのか…)」


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 01:43:55.47 ID:I7SjBKjDQ
支援
でも寝る
朝まで残ってますように


80 :ちぢれ:2010/02/03(水) 01:47:08.55 ID:P7dI2AR50
女「あの、そのビデオカメラって、結構良い奴なんですか?」

カメ男「……割と」

女「わりと、ですか」

男「SONYのVX2000。今はハイビジョンやらHDやらでないと駄目だからな」

男「ちょっと前までは、TVの簡易的な取材なんかでは、こいつをしょっちゅう見かけたもんだが…」

男「DV方式のセミプロ用っていったら、多分VX2000の右に出るものはいないだろうよ」

女「よく分からないですが…、すごいんですね」

男「別にすごくは無い」

女「はぁ…」

オト屋「同好会の予算で買える、ギリギリの価格の中古をよく探し出したもんだよ、ホント」

男「予算があと100万あれば……」

オト屋「無理言うな」


81 :ちぢれ:2010/02/03(水) 02:06:17.23 ID:P7dI2AR50
男「音の方はどうなんだ?」

オト屋「多分問題ない。後で聞いてみな」

男「わかった」

セイ作「スケジュールはどうします?…あと、脚本の決定稿はあがりそうですか?」

男「ゴールデンウィークまで、あと何日だ?」

セイ作「あと一週間ですね」

男「よし、明日までに決定稿をあげる」

男「皆、ゴールデンウィークはもちろん空けてあるな?」

女「はいっ、家族と旅行に行きますっ」

男「よし、問題ないな。では撮影はゴールデンウィークに行う」

男「それまでに各々の役割を果たすべく、準備の時間とする」

女「あのぉ……」


82 :ちぢれ:2010/02/03(水) 02:14:18.46 ID:P7dI2AR50
男「なんだ、家族との旅行がそんなに大事か」

女「大事といえば、大事です…」

男「安心しろ、撮影の方が大事だ」

女「えぇーーっ?」

男「俺はもう、脚本を書きに帰る。セイ作、後は任せた」

セイ作「わかりました」

男「……あぁ、そうだ。一つ大事な事を忘れていた。あいつを呼び出しておけ」

セイ作「あいつ、ですか」

男「あの、生意気な小僧だよ」

セイ作「彼は3年生ですよ」

男「俺からみたら小僧だ」


83 :ちぢれ:2010/02/03(水) 02:22:13.87 ID:P7dI2AR50
女「うぅ…家族旅行が……」

セイ作「私からもお願いします。撮影がゴールデンウィークに出来なければ、もう夏休みを待つしかありません」

セイ作「土日を使って撮ることもできますが、やはり、まとまって一気に撮ってしまった方が良いのです」

女「……でも」

セイ作「女さんには、迷惑をかけすぎているという以上に、かけていると思います」

セイ作「…ですが、私たちはここで止まるわけにはいかないのです」

セイ作「分かっていただけませんか?」

女「私も、皆さんの足をひっぱりたくないですよ。…だから、家族旅行をとりやめるなんて、やぶさかもないことなんです」

女「…でも、男さんが悪びれも無く、やめろっていうから」

オト屋「きひひっ、あいつも不器用だからな」

セイ作「彼は彼なりに、女さんに悪いと思っていますよ」

女「なら…」

セイ作「おそらく、ですが。監督と女優という立場が明確になってきましたから…」

セイ作「あまり下手に出たくはなかったんでしょうね」


84 :ちぢれ:2010/02/03(水) 02:36:38.30 ID:P7dI2AR50
女「監督と女優って…そういうものなんですか」

セイ作「さぁ……」

セイ作「ですが、彼の中ではそうなのかもしれません」

女「…むずかしい」

セイ作「そう、むずかしいんです」

セイ作「これは創作ですから」

セイ作「たとえ、人間関係といえども、正解の形なんていうものは存在しないんですよ」

オト屋「あぁーあ、奥深いこって」

オト屋「そんなに深く考える必要もなかろうに」

セイ作「人それぞれですよね」

セイ作「女さんも、これから撮影に向けて、『理想の関係』っていうのを模索してみてください」

セイ作「男さんの理想と同調するのも大切ですが、それだけではない事を、知っておいたほうがいいでしょう」


85 :ちぢれ:2010/02/03(水) 02:41:14.59 ID:P7dI2AR50
寝たら落ちるだろうな

撮影シーンの前に落とすのは不本意だけど、落ちたらそれまでって事なんだろう。
マイクのこととかやりたかったな
文体に魅力がないよね、ほんと。


おやすみなさい。残っていたら、また続きを書かせてください。


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 02:46:39.76 ID:6EOuMw9X0
ほしゅ


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 04:11:53.16 ID:8ywQKiOBP
続き気になるからわざわざ携帯から使いにくいP2.2chにログインして保守してやるよ


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 06:25:44.05 ID:2yGR6bMC0



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 06:45:48.79 ID:w4ZRyeMIO
全力で保守させて頂こう


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 07:54:46.04 ID:8tyLe1t60
ほし


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 08:22:58.29 ID:I7SjBKjDQ
残ってた☆


92 :ちぢれ:2010/02/03(水) 09:49:17.02 ID:P7dI2AR50
うわあああああ
せっかく残してくれたのに今急用がはいったあああああ



絶望した


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 10:49:17.03 ID:y+xapwdlO



94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 10:53:47.05 ID:YJ+mSszB0
同人幼女の話は結局どうなったんだ


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 11:33:41.18 ID:oVPDKBHx0
ほしゅ


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 11:43:56.22 ID:I7SjBKjDQ
ふむ、覚えてたら保守しとく


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 12:19:32.67 ID:I7SjBKjDQ
保守


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 12:22:33.95 ID:PUPdeKQ40
スレタイでハンドメイドマイ思い出した


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 13:08:57.32 ID:w4ZRyeMIO
保守


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 13:36:29.40 ID:TdAUkEUu0
すごく痛い


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 14:06:27.88 ID:I7SjBKjDQ




102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 14:08:09.31 ID:LeB4qAiM0
題材は悪くない
けど、何かどこか凄く痛々しい
とりあえず語尾に「っ」をつければ可愛いんだろうと思ってる>>1の意図が丸見えなのが課題点
次に厨二臭い喋り方をするキャラが多すぎ、何が「例の」だよww
>>1はリアル高校生か何かか


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 14:41:25.39 ID:1hUJ0/190
ちぢれはちぢれです



104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 15:40:57.73 ID:lcvny+AE0
ちぢれているのはちんg


105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 16:14:49.66 ID:I7SjBKjDQ
保守


106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 16:37:58.20 ID:mDFBFo7B0
とりあえずカメ男が気に入らないのでさようなら


107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 17:28:03.43 ID:I7SjBKjDQ
確かにカメ男はキツイ


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 17:52:37.23 ID:r+HK5ONy0



109 :ちぢれ:2010/02/03(水) 18:38:20.57 ID:9VIczggR0
 帰り道

女「男さんと、私の、理想の関係……か」

女「(どうしたらいいんだろう)」

女「(……)」

女「(わからない)」

女「(映画のこと、……それ以前に、映画を作るってこと)」

女「(監督と女優のこと)」

女「(……私、全然わからない)」

女「(こんな私がどんなに考えたって駄目だよね)」

女「(言う事を素直に聞こう。……うん、そうしよう)」


110 :ちぢれ:2010/02/03(水) 18:51:34.18 ID:9VIczggR0
 次の日 部室

男「決定稿だっ!!」

セイ作「先ほど人数分刷ってきました。皆さんにお配りしますね」

女「(…前のとどれぐらいちがうのかな)」

オト屋「相変わらず仕事が速いな。どれくらい修正したんだ?」

男「最初から書き直したっ!!」

女「えっ!?」

オト屋「おいおい、大げさだな」

男「お前には分からんだろうが、一部直すだけで済むような修正は修正とは言わん」

男「脚本は一本の木に等しい」

男「枝葉が多少枯れていても、根と幹が張っていれば、それでいいのだ」

男「しかるに修正とは、根を深く広く張らせ、幹を太く固くすることを言うのだ」

オト屋「わかったわかった。突っ込んだ俺が悪かったよ。セイ作、原稿をくれ」


111 :ちぢれ:2010/02/03(水) 19:00:08.72 ID:9VIczggR0
男「さて…時間もあまり無い。皆ここでよんでもらおう」

男「しばらく黙読の時間を設ける」

男「…分かってると思うが、時間はたっぷり取る。隅々まで、一言一句もらさず読む事っ!」

女「(……どれくらい変わってるのかな)」

女「(わっ、…前と違って、いきなりアクションだ)」

女「(でも、ジャンルはアクションのままなんだなぁ……)」

女「(蹴りをよけて、バク転でかわして……)」

女「(うひゃあ、わたしにできるかなぁ)」



112 :ちぢれ:2010/02/03(水) 19:07:55.67 ID:9VIczggR0
男「そろそろ皆読み終わったか?」

男「……いいようだな」

女「すごい。前のより、もっと……」

男「何か質問は無いか?」

オト屋「俺はないぜ?」

カメ男「……異常ナシ」

セイ作「僕も大丈夫です」

男「よし。ではこれで決定稿だ」

男「……そうだ、奴めそろそろ来るのでは無かったのか?」

セイ作「来るとはいっていましたが。…彼が時間を守らないのは今に始まったことではないですし」

男「だから小僧なのだっ!」

セイ作「携帯で呼び出してみます」

男「頼む」


113 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 19:12:29.35 ID:9VIczggR0
女「どちら様がいらっしゃるんですか?」

男「この映画を作るにあたって、足りないものがくさるほどある」

男「それは分かるな?」

女「えぇ、まぁ」

男「……だが、決定的に足りないものが、一つだけある」

男「何だと思う?」

女「えっ…?」

女「決定的に……?」

男「そうだ」

男「映画が成り立たないくらいに、決定的だ」

女「うーん……?」


114 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 19:24:20.61 ID:9VIczggR0
男「わからないか?」

女「はい……」

 ガラッ

ダン裕「アロハぁ」

男「やっと来たか」

ダン裕「いやぁ、スマーン。ちょっと災難にあってたのサ」

オト屋「どーせ、女難だろ?」

ダン裕「おーっと、オト屋ちゃん。久しぶりなのにご挨拶だネ」

男「こいつが、足りなかったもの、だ」

女「というと……?」

男「主演男優だよ」


115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 19:24:25.66 ID:FGkrkw2E0
カメ男がどう考えてもムッツリーニ




116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 19:25:20.81 ID:FGkrkw2E0
うわダン裕チャライ
イラネ


117 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 19:35:38.31 ID:9VIczggR0
ダン裕「まだ出演するとは言ってないし、脚本も読んでないンだがぁ?」

男「ほら、決定稿だ」

ダン裕「あとでゆっくり読むよ」

男「こっちとしては出演するか否かを即断してもらわなければ、進行に支障をきたすんだが」

ダン裕「ジョーダンだよ、あんたの脚本に俺が出ないはず無いんだゼ?」

男「冗談に冗談を返しただけだ。気にするな」

ダン裕「ハハッ、相変わらず男はおもしろい奴だネ」

男「お前はおもしろくもなんともないがな」

女「……あの二人、仲悪いんですか?」ボソボソ

オト屋「あれはあれで、お互い楽しんでるんだ。そのうち分かる」

オト屋「はたから見てるこっちは、ちっとも楽しくないがなぁ」


118 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 19:49:07.53 ID:9VIczggR0
ダン裕「ウップス」

ダン裕「俺としたことが、素敵なお嬢さんに気付かないなんてな」

女「……え?わ、わたし?」

ダン裕「新入生の娘だね、3年のダン裕っていうんだ。よろしくね」

女「女です、よろしくお願いしますっ」

ダン裕「女ちゃんか…、うん、今週末よかったらお茶とかどうかな?」

男「ダン裕、主演女優だ」

ダン裕「……ヒュ~」

女「あ、あれ……え、えっと…?」

ダン裕「イヤー、わすれて、今の忘れてネ」

ダン裕「相手役のダン裕。あ、ら、た、め、て、よろしく」

女「は、はぁ。よろしくおねがいします」

女「(いったいなんなんだこの人は……)」


119 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 20:04:01.55 ID:9VIczggR0
男「…さて、これでようやく、撮影できる最低限の要素は整ったわけだ」

セイ作「そうですね」

男「演出面・技術面は俺が統括するが…」

男「制作面はセイ作が統括というより、セイ作一人にやってもらうことになるが…」

男「大丈夫か?」

セイ作「大丈夫です」

セイ作「……といいたいところですが、助手が一人ほしいです」

男「お前が必要とおもうなら、そうしてくれ。心当たりはあるのか?」

セイ作「はい」

男「よし、では制作は安心して一任していいんだな?」

セイ作「そうですね。必要に応じて監督の指示も頂きますよ」

男「わかった。…では、俺はカメ男と絵コンテを今日中にあげる。昨日あらかた作ったが、カメ男のアドバイスが要る」

カメ男「……了承」


120 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 20:13:02.44 ID:9VIczggR0
男「女は俺とカメ男のそばに居て、絵コンテでも見てろ」

女「はいっ」

オト屋「俺は脚本から適当に録音設計立ててるぜ」

男「わかった。絵コンテをあげたら真っ先にオト屋に渡す」

セイ作「ロケ地はもう決まってますか?」

男「決めた。それも追って連絡する」

セイ作「では絵コンテの後は、私とスケジュールを一緒に決めてもらいますよ」

男「そうしよう」

ダン裕「俺はどうしたらいいかナ?」

男「脚本を100回読め」

ダン裕「へ~い、へい」


121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 20:19:44.96 ID:16e1qw3e0
しえん


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 20:19:58.25 ID:/P6ruGe60
がんばれ


123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 20:26:07.15 ID:N939pE2R0
さしすせしえん


124 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 20:30:31.28 ID:9VIczggR0
男「カメ男。とりあえず描いてきた絵コンテをチェックして欲しい」

カメ男「……腕が鳴る」

女「あの…」

女「絵コンテって、何ですか?」

男「そうか、絵コンテも知らないか」

女「申し訳ないです…」

男「これを見てくれ。言わずと知れた絵コンテなんだが、どんな情報が書いてあるか言ってみろ」

女「絵が描いてあります。四コマ漫画みたいです」

男「そうだな。他には?」

女「文字が色々書いてありますが…、これは台詞ですか?」

男「その通りだ。台詞の他に、SEや環境音を書いたりもするが、メインは台詞だ」

男「絵は、そのカットでカメラが撮る画を描いたものだな」

女「わぁ、この絵男さんが描いたんですか。上手いですね……」

男「作りたい画を伝える手段は、絵が手っ取り早い。監督は多少の絵心があって当然だ」


125 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 20:46:53.51 ID:9VIczggR0
男「他に、お前が知っておかなければいけないのは…」

男「ここに、数字があるだろう。カットナンバーと、タイムだ」

女「……?」

男「タイムは、そのカットまでの累計時間と思ってくれていい。」

男「カットナンバーは、そのシーンの何カット目かをあらわしたものだ」

女「えっと…、すいません。シーンとか、カットっていう表現があいまいにしかわからなくて…」

男「ふむ。分からないことを分からないと言う姿勢は崩すなよ。何よりも大事なことかもしれない」

女「わかりました」

男「映画は、カットとカットをつなげて出来ている、というのはわかるな?」

女「はい。…えっと、カットは……パッ、って絵が切り替わって、次にパッ、って切り替わるまでが1カットでいいんですか?」

男「しごく感覚的な説明だが、それで間違いない」


126 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 21:00:39.21 ID:9VIczggR0
男「作品は、カットの集合だ。一時間半の作品で、何百というカットになる」

女「そんなに…」

男「その烏合の衆であるカットを、キリの良いところでグループ分けするんだ」

男「そのグループのことを、シーンという」

女「なるほど……。ですが、そのグループ……シーンは、どういう基準で分けるんですか」

男「基本的に、劇中の舞台や場所が変わると、シーンも変わるな」

男「何百とあるカットで整理するよりも、シーン何のカット何という風に整理した方が、やりやすいだろう?」

男「シーンナンバーさえ覚えておけば、あの場面の何番目のカットか、と思い浮かべやすい」

女「うまくできてるんですね。知ってるようで知らなかったことでしたが、あやふやなまま撮影に入らないでよかったです」

男「映画はカットの集合で出来ているだけでなく、シーンの集合でもあるということが分かってくれたか」

カメ男「……このアングルは無理」

男「なんだと、どこだ」

カメ男「……ここ」


127 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 21:07:33.19 ID:9VIczggR0
カメ男「……そもそもカメラの動きが多い」

男「アクションなんだから当たり前だろう」

カメ男「……あと、ここはローアングルだ」

カメ男「……迫力と、太もも」

男「なるほど」

女「ふ、ふともも……?」

男「よし、そこはカメ男の案で行こう」

女「えっ!?」

男「だが、カメラには積極的に動いてもらわねばならん」

カメ男「……自信がない」

男「お前の手持ちを俺は買ってる。その上での絵コンテだ」


128 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 21:17:31.74 ID:9VIczggR0
カメ男「……手持ち、か」

カメ男「……三脚で撮れそうなのもある」

カメ男「……三脚で撮れるなら、それにこしたことはない」

男「よし、お前が三脚で撮った方がいいと思うカットがあるなら、リストアップしてみてくれ」

男「だが、手持ちじゃなければならないカットもある」

カメ男「……分かった」

カメ男「……だが、手持ちはあくまで最終手段」

カメ男「……乱用するなど、おこがましい」

男「そうか」

男「だが……」

カメ男「俺はお前の」

男「……なんだ?」

女「…?」

カメ男「……なんでもない。リストアップをする」


129 :ちぢれ@出先のマック:2010/02/03(水) 21:24:09.06 ID:9VIczggR0
女「すいません、手持ちって、何のことですか」

男「その名の通り、カメラを手でもって撮影する事だ」

女「ほんとにそのままですね。覚えやすいです」

男「カメラは基本的に、三脚の上に据えるものだからな」

男「手持ちってのは、実は例外なんだ」

女「そうなんですか?私はカメラって手で持つものだと思ってました…」

女「小学校の頃に運動会でお父さんがハンディカムで撮ってくれたのは、三脚なんか使ってませんでしたよ」

男「典型的な素人だな」

女「……そうなんですか」

男「素人の手持ちほど、撮った画を見ていて気持ち悪いものはないんだ」

男「……手持ちが綺麗に撮れる。それだけで才能だし、技術なんだ」

女「そんなに難しいんですか…」

男「難しい」

男「……すごく、難しいんだ」


130 :ちぢれ:2010/02/03(水) 21:25:58.91 ID:9VIczggR0
マックから出ます

遅筆でごめんなさい


131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 21:39:53.64 ID:nGdXLf14P
はやくしろかす


132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 22:00:02.67 ID:YRbLnOSL0
支援


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 22:51:17.17 ID:EKm/ppc40
しえん


134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 23:17:33.92 ID:2QSSq7Oy0



135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/03(水) 23:48:22.30 ID:0FOE3CeG0



136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 00:25:50.77 ID:M5H9rqRV0



137 :ちぢれ:2010/02/04(木) 00:28:38.76 ID:9mdFgXE30
男「そうか、ここも手持ちは駄目か」

カメ男「……駄目ではない」

カメ男「……だが、俺程度の奴が多用してはいけない」

カメ男「……使うべきところを厳選するべきだ」

男「わかった。カメ男の言うとおりにする」

カメ男「……」

男「俺はカお前を信じている」

男「確かに、俺は一つのカットに目を囚われて、全体を見通せていなかった」

男「カメ男が正しいだろうな」

カメ男「正解なんてない」

男「その通りだ。…だが、俺の表現思想を正確に表現する必要がある」

男「正解は、あるんだ」


138 :ちぢれ:2010/02/04(木) 00:41:45.41 ID:9mdFgXE30
男「よし、修正はこれくらいでいいだろう」

カメ男「……あとは現場に行ってみなければ」

男「そうだな、今夜にでもロケ地を覗きに行くか?」

カメ男「……行く」

男「わかった。では俺はこの絵コンテをオト屋に渡してくる」

カメ男「……分かった」


女「……」

カメ男「……」

女「(二人っきりになってしまった…)」

女「(きまずい…。なんだか前からこの人だけは苦手なんだよね…)」

カメ男「……ふぅ」

女「(なんだか、落ち込んでる…?)」


139 :ちぢれ:2010/02/04(木) 01:10:23.60 ID:9mdFgXE30
女「あの、何か問題でもあったんですか…?」

カメ男「……ん?」

女「あ、いえっ、その……、カメ男さんの言うとおりにの絵コンテになりましたし」

女「他になにか問題でもあるのでしょうかと思いまして」

カメ男「……問題」

カメ男「おおありだ」

女「そう、なんですか?」

カメ男「……俺に、実力が無いのが大問題だ」

女「えっ……」


140 :ちぢれ:2010/02/04(木) 01:24:47.77 ID:9mdFgXE30
女「実力が無いって…どうしてそう思うんですか?」

女「私から見たら、カメ男さんはカメラに関してすごく熟知しているように思えます」

女「…それに、情熱も人一倍あるように感じました」

カメ男「俺には尊敬する人がいる」

カメ男「……その人には、まだまだ遠く及ばない」

女「そんな」

女「尊敬するぐらいの方なんですから、それくらい当然じゃないですか」

女「…カメ男さんは、その方みたいになりたいんですか?」

カメ男「さしあたっての目標はそうだ」

カメ男「……だが」

カメ男「今までの様に好きなものを好きなように撮っていたのでは、あの人との距離は縮まらない……」

女「わたしには、カメラのことも、その方がどれだけすごいかも分からないですが」

女「カメ男さんのそのひたむきさって、素敵だと思います」


141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 01:26:01.19 ID:3w46pjUCP
やっときたか


142 :ちぢれ:2010/02/04(木) 01:33:26.24 ID:9mdFgXE30
カメ男「ひたむき、か……」

女「はい。…違いましたか?」

カメ男「いや……」

カメ男「俺は、女の子が大好きだ」

女「……ふぇっ!?なんですか突然にっ」

カメ男「だから、女の子を可愛く、綺麗に撮りたい」

カメ男「顔だけじゃない。限られた部位だけじゃない。女の子のすばらしさは無限にある」

女「は、はぁ」

カメ男「……カメラはいい」

カメ男「人の目では見えないものを見せてくれる」

女「カメ男さん…」



143 :ちぢれ:2010/02/04(木) 01:42:00.23 ID:9mdFgXE30
カメ男「精一杯、撮る」

カメ男「キミを」

女「……わたし、を?…あ、そっか。私、主演なんだった」

カメ男「気付いたよ」

カメ男「キミを精一杯撮ることに、今はひたむきになる事にする」

女「はいっ!」

女「…か、かわいく、撮ってくださいね。出来るだけ!」

女「本物が残念なぶんだけ……へへっ」

カメ男「……カメラのチカラにも限界がある」

女「うぐっ、…ちょっと傷つきましたよ」

カメ男「……冗談さ。ちょっと監督のところにいってくる」

女「…はい。がんばってください」

カメ男「……あぁ。ありがとう」


144 :ちぢれ:2010/02/04(木) 01:56:56.78 ID:9mdFgXE30
男「…そうか、そことそこは、手持ちにするか」

カメ男「やる価値はある。…いや、やらせてくれ」

男「わかった。信じよう」

オト屋「あぁ~あ、録音部の俺にとったら手持ちなんてやりにくくてしょうがねぇ」

男「お前も信頼してるからな」

オト屋「信頼なんて便利な言葉で済まそうったってそうはいくかい。いいよいいよ、音は後回しで」

オト屋「俺がケツを拭けば済む問題なら、それでいいよ。そういうことにしてやるよ」

オト屋「迷惑きわまりない信頼ってやつに応えなきゃならんしな」

男「助かる」

セイ作「…では、そろそろスケジュールの作成に移れますか?」

男「大丈夫だ」


145 :ちぢれ:2010/02/04(木) 02:09:05.94 ID:9mdFgXE30
男「スケジュールが決まった」

女「はいっ」

男「これが、明日から撮影終了までのスケジュール」

男「…それと、これが絵コンテの決定稿だ。今日の夜に脚本と照らし合わせて隅から隅まで目を通せ」

女「ぶ厚い…ですね。絵コンテって」

男「約120カットあるからな。1Pあたり4カットだから、30枚はある」

女「大変そうです…、でも、がんばります」

男「そうだ。頑張れ」

女「…あのぉ、一つ、質問良いですか」

男「なんだ」

女「えっと、私のあがり症の件についてなんですが」

男「なんだ、まだ治ってないのか」

女「そんな簡単に治りませんっ!!」」


146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 02:10:14.85 ID:txRGYEGo0
  ∧ ∧   食料の支援ですよ 一人一個まで
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       梅干  高菜 おかか こんぶ ごはんですよ わさび漬け 焼たらこ
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          鶏飯 明太子 ちりめんじゃこ ゆかり  柴漬  塩辛 牛肉しぐれ
      ,.-、   ,.-、     ,.-、    ,.-、    ,.-、   ,.-、    ,.-、   ,.-、
     (,,■)  (,,■)    (,,■)   (,,■)   (,,■)  (,,■)   (,,■)  (,,■)
      鮭 鶏ごぼう   野沢菜 天むす ツナマヨ エビマヨ  鮭マヨ  具なし


147 :ちぢれ:2010/02/04(木) 02:19:33.70 ID:9mdFgXE30
女「いつの間にか、ゴールデンウィークに撮影することになってしまいましたけど」

女「…いいんですか?」

男「何がだ」

女「私のあがり症ですよ!」

女「時間をかけてもいいって、言ってくれたじゃないですか」

男「あぁ、時間かけて治すと良い」

女「で、でもっ、治りきらないで撮影に臨んでいいんですか?」

男「いいも悪いも、そうするしかなかろう」

男「…今回キミの演技がダメだったのなら、また時間を置いて撮影に臨むだけの話だ」

男「それまで待つ。それがダメだったとき、さらにその次の機会まで待つ」

女「…そんな」

男「結局は場慣れだ」

男「逃げていたのでは、お前は何時までたっても、そのあがり症とやらは治らんだろう」


148 :ちぢれ:2010/02/04(木) 02:27:23.08 ID:9mdFgXE30
男「いいか」

男「お前はもう逃げれないんだ」

男「向き合うしか方法は無い」

女「向き合う……」

男「明日から、リハーサルだ」

男「アクションシーンが多い。ダン裕と一緒にいちから演技をつけていく」

男「……お前はもう、主演女優なんだ」

女「実感が、ありません」

女「……でも、やれることはやります」

女「私、この脚本が好きですから」

男「そうかい」

男「期待しないで、明日を待ってるよ」

女「あむむ……。で、でも頑張りますからね!」

女「私、頑張りますからっ!!すっごく頑張りますからっ!!!」


149 :ちぢれ:2010/02/04(木) 02:30:31.63 ID:9mdFgXE30
>>146
塩むすびウメェ
そしてベットに倒れこむ…


明日また残っていたら書かせてください……
こんな駄文に保守していただいて、ちぢれは幸せものです


150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 02:46:17.48 ID:jaGnwcBz0
明日までありますように


151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 02:52:24.18 ID:XajYGwCC0
追いついた
明日も頼む

>>146
まわりをとろろ昆布で包んで有るのが好きなんだ


152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 05:14:14.03 ID:M5H9rqRV0
ほしゅ
おい2時間もたってるじゃねえかもっとまじめに保守しろ


153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 05:40:03.02 ID:fQDrM7QxQ
ひとひらっぽいな


154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 06:32:46.66 ID:XajYGwCC0
期待あげ


155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 09:03:14.69 ID:it1IChyA0
ほほふう


156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 09:35:21.58 ID:fQDrM7QxQ



157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 11:41:51.96 ID:3w46pjUCP
怠けやがっで


158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 11:50:59.30 ID:A7nkMP5w0
ほしゅ


159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 11:51:03.05 ID:p8KEyPU60
ギリギリですなw


160 :ちぢれ@あばばば:2010/02/04(木) 11:55:09.37 ID:9mdFgXE30
夜 女宅

女「すごいな…絵コンテがあると、全然違う。映像になった時の形が想像しやすい」

女「(…でも)」

女「(私、こんな動きできるのかな……ほんとに)」

女「(台詞も、ちゃんと言えるのかな)」

女「……」

女「(うぅん、頑張ろう。きっと、できるよね)」

女「(明日からリハーサルだけど、精一杯がんばろう)」

女「(カメ男さんに、偉そうなこと言っちゃったし。私、しっかりしなきゃ)」

女「(男さんの言うこと、ちゃんと守ってれば、きっとうまくいくよね)」


161 :ちぢれ@あばばば:2010/02/04(木) 12:09:43.48 ID:9mdFgXE30
 次の日 部室

女「おはようございますっ!」

男「うむ、壮健だな」

女「はいっ」

ダン裕「おはようサン」

女「あっダン裕さん。今日からよろしくお願いします」

ダン裕「よろしく。ま、そんなに固くならずにいきたいんだ。ナチュラルが出せなくなる」

女「は、はいっ。心がけます」

女「他の皆さんは?」

男「カメ男とセイ作は午後から来る。オト屋は家で休んでもらってる」

男「土日の今日と明日は、この三人で集中リハーサルだ」

男「体育館を借りてある。存分にアクションできるぞ」


162 :ちぢれ@あばばば:2010/02/04(木) 12:17:28.88 ID:9mdFgXE30
女「体育館って……。バスケ部とか、バレー部とかは練習してないんですか?」

男「してる」

女「うぇっ!?」

男「何か問題でもあるのか?」

女「おおありですっ!!……恥ずかしいですよ、そんなの」

男「どうしてだ?」

女「どうしてだって、あ、あたりまえじゃないですか!人前で……しかも、関係ない人たちの前で演技なんかできないですっ!」

男「なんで演技できないんだ?」

女「それは……変な目で見られるじゃないですか。噂とかされたら恥ずかしいし…」

男「なぜ、変な目でみられるんだろうな」

女「えっ……」

男「変な目で見られたくなかったら、真剣にやれ。中途半端にするな」

男「人の真剣を笑う奴には、笑わせておけ。そいつの底が知れるだけよ」


163 :ちぢれ:2010/02/04(木) 12:43:06.23 ID:9mdFgXE30
 体育館

女「うぅ……珍しいものを見る目で見られてる…」

男「よし、マットが敷けたようだな」

ダン裕「まずはどーするヨ?」

男「最初から一つずつ確認していく」

男「…本当は、シーン毎に通し稽古といきたいところだが、そうもいくまい」

男「まだ台詞も頭に入ってなかろう?」

ダン裕「俺はともかく、お嬢ちゃんはどうかな?」

女「ふぇっ?…お、覚えてるわけないです!」

男「だろうな。よし、シーン1のカット1からはじめる」



164 :ちぢれ:2010/02/04(木) 12:54:31.97 ID:9mdFgXE30
男「カット1は、ヒロインのユキが走っている姿を撮る」

女「はい」

男「カット5まで、ユキは走っているから…、まぁ、通しで行こう」

男「いいか、全力で走れ」

男「アソコの端から、ここまで、全力で走ってみろ」

女「わ、わかりました。全力ですね、がんばります」


 ダダダダダダダダダダッ

女「はぁっ、はぁっ…はぁ……」

ダン裕「ははははっ、良い走りっぷりだったよ、ウン」

男「たしかに、全力ではあったな」

女「つかれっ、まし、た……」


165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 13:08:40.21 ID:p8KEyPU60
しえん


166 :ちぢれ:2010/02/04(木) 13:21:19.62 ID:9mdFgXE30
男「たしかに全力だったが……それだけだ」

女「はぁ…」

男「このとき、ユキはなんで走っている?」

女「それは…トウマと戦うためです」

男「そうだな。だが、それだけではない。」

男「お前は……ユキは、トウマを殺すために戦いに行くんだ」

男「ユキの走る先には、トウマが居る」

男「お前なら、どうやって走る?」

女「……えっと」

女「トウマに気づかれないようにします」

男「そうだ。ユキはトウマに奇襲したいんだ」

男「今のお前の走り方は、小学生の50m走だよ」

女「しょうがくっ、せい……」

男「もっと静かに、殺気を押し殺して走れ」

女「殺気を、押し殺す……ですか。や、やってみます」


167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 13:25:11.94 ID:14a0gwnY0
ーVIPPERで街を作るー
http://vipquality.sakura.ne.jp/town/start.htm
【初心者ガイド】http://vipquality.sakura.ne.jp/town/index.html


168 :ちぢれ:2010/02/04(木) 13:28:55.00 ID:9mdFgXE30
 タッタッタッタッタッタ

女「はぁっ……ふぅ……。どうで、したかっ」

男「さっきよりはましだな。ましってだけだが」

女「はぁ……」

男「よし、せっかくトウマ役のこいつが居るんだ。こいつを使おう」

ダン裕「こいつ扱いですかい。まぁいいですがネ」

男「こいつを殺そうと思って走ってみろ」

女「えっ……」

男「気づかれたら、逆に殺されると思って走ってみるんだ」

女「わ、わかりました」

男「いや、分かってない」

男「さっきも言ったが、真剣にやれ」

男「真剣に、命のやり取りを考えろ」

男「殺すだの殺されるだのは陳腐だが、ユキも、トウマも、命のやりとりをするだけの理由がある」

男「それを踏まえて、走れ」


169 :ちぢれ:2010/02/04(木) 13:38:36.50 ID:9mdFgXE30
また呼び出された…orz
昨日よりは早く帰ってこれると思う

ごめんなさい


170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 14:09:02.68 ID:ztjbIbWB0
了解。保守


171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 14:45:28.52 ID:1WeWMtBJ0
ほい


172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 15:22:59.73 ID:fQDrM7QxQ



173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 16:14:50.82 ID:fQDrM7QxQ



174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 17:11:08.17 ID:M5H9rqRV0



175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 17:53:43.80 ID:B7Yys67t0



176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 17:55:41.19 ID:PPpXzmZS0
保守時間目安 (休日用)
00:00-02:00 40分以内                   __
02:00-04:00 90分以内            _□.--‐<´ヽ`、
04:00-09:00 180分以内         ,.-"`: :.|___\  ヽ、_ノ
09:00-16:00 80分以内         /: : : :,ヽ、\/l`ヽ、  \
16:00-19:00 60分以内         /::/: :〆、 ,×l/:l : l : ̄ヘ<
19:00-00:00 30分以内       |/|: :/●  ●|_!_l_l=:-:‐i´
                  .,-、  |: :|@   @|::|=|: : : : l
保守時間の目安 (平日用)  ;|!:::::::`ヽ、|!_ ⌒  _/:/ : : : : : l
00:00-02:00 60分以内    |!:::::::::::::::::∥r:‐t-t//::ヽ, : : : : : l
02:00-04:00 120分以内     ヾー──'‐(::|×|:::ト==l: : : : : : l
04:00-09:00 210分以内       ./: : : : :ノ:|×|:::|:::::::|: : : :l : : l
09:00-16:00 120分以内      /: :/: : :._}=ェ==|:::::::::ゝ、: :l : : :l
16:00-19:00 60分以内      /: :/|:.__/:::/:/:/ヘ|:::::::::::ノ: : l: : : l
19:00-00:00 30分以内.     /: :/,|/_/_/_/_/∧_l_lエ´ヘ、:l l: : : l
                  /: :/ゝ、/_/_/_/_/_l_l_ヘ_ヘ_ヘ,.ゝl : : :|
                   ̄      .|:×|:×|      ̄ ̄
                         .ヽ_人_ノ


177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 18:51:05.32 ID:XajYGwCC0



178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 19:40:53.69 ID:Eig1e3APQ
ああ保守


179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 20:19:36.13 ID:ztjbIbWB0
ほしゅ


180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 20:44:22.54 ID:XajYGwCC0



181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 21:15:52.77 ID:XajYGwCC0



182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 21:40:33.50 ID:ztjbIbWB0



183 :ちぢれ@明日こそ休みだよねorz:2010/02/04(木) 22:03:26.62 ID:YVR2zgIL0
女「(命のやりとり…)」

女「(生きる、死ぬ……)」

女「(あの、ダン裕さんの背中に近づく前に気づかれたら、私は死ぬ)」

女「(死ぬ……)」

女「(死んじゃう…)」

女「わからない」

女「…でも、わかった気がする」

女「(…生きるとか死ぬとかって、すごく非現実的だし、ちょっと馬鹿っぽい)」

女「(でも、だからこそ、真剣にやる必要があるんだ)」

女「(私の役……ユキは、真剣にトウマを殺そうとしている)」

女「(……その、理由は)」


184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 22:10:30.42 ID:XajYGwCC0
待ってた


185 :ちぢれ@明日こそ休みだよねorz:2010/02/04(木) 22:14:34.25 ID:YVR2zgIL0
 タッタッタッタッタ ピタッ

女「………」

男「どうした?」

女「……だめです、近づけません」

男「どうしてだ?」

女「これ以上近づいて走ったら、絶対気づかれます」

女「走れません……。どうしたらいいんですか?」

男「お前、ちゃんと脚本読んだか?」

女「……え?」

ダン裕「くふふ、ヨミコミが足りないネ」

男「ちゃんと、『ユキ、トウマとのギリギリの間合いをとって止まる』って書いてあるだろうがっ!」

女「えっ……ああぁぁっ!」


186 :ちぢれ:2010/02/04(木) 22:28:04.33 ID:YVR2zgIL0
女「……ぐすん」

男「一応言っておくとだな、お前は正しかったんだぞ?」

女「えっ」

男「止まるまでは良かったんだよ。なかなかの走りだった」

男「脚本を意識していなかったのなら、止まったのはお前がユキの心境を真剣に考えていたからだろう」

男「…だが、そのあとだ」

男「なんとしてもお前はトウマを殺さなくてはいけないんだぞ?」

男「…ボーッと突っ立ってたら殺すどころか気づかれて殺される」

女「あ……」

男「いいか」

男「これからは、俺が『カット』と言うまで、演技をやめるんじゃない」

男「分かったか?」

女「はいっ!」


187 :ちぢれ:2010/02/04(木) 22:38:30.20 ID:YVR2zgIL0
男「…それにしても」

男「少し演技が変わったな」

女「あ、それは……」

男「言わんで良い」

男「今の感覚を忘れるなよ」

女「わかりました」

男「……さて、次だ」

男「シーン1、カット7……木の枝を削るトウマ」

ダン裕「俺の出番だネ」

男「トウマは石の上に座って、黙々と作業をしている」

男「このときはまだ、ユキの接近には気づいていない」

ダン裕「わかった。とりあえずやってみるヨ」


188 :ちぢれ:2010/02/04(木) 22:48:48.30 ID:YVR2zgIL0
男「…用意、スタート」

ダン裕「……」サッサッサ

ダン裕「……」ジーッ

ダン裕「フーッ」

女「(すごい…、さっきまでニコニコしてたダン裕さんの表情が……)」

男「カット」

ダン裕「どーだた?」

男「今の演技は、削るのが暇つぶし、って感じを受けるな」

ダン裕「ウップス」

男「トウマにとって、この行為はもっと意味があるはずだ。その辺を良く考えろ」

ダン裕「わかった、もういっかいやる」

男「いや、もういい。さっさとアクションシーンに入りたい」


189 :ちぢれ:2010/02/04(木) 23:01:58.02 ID:YVR2zgIL0
セイ作「衣装と小道具の類はどうにかなりそうです」

カメ男「……そうか」

セイ作「撮影の方は問題ないですか?」

カメ男「……足りないものもある」

カメ男「特に、照明」

セイ作「今回はすべて外ロケですよ?」

カメ男「灯体を立てるだけが照明ではない」

セイ作「そうでした。なんとかなりそうですか?」

カメ男「……あとで、買い物を頼むかもしれない」

セイ作「わかりました。……あっ、なかなかうまくやってるみたいですね」

男「もっと早く!もっと気迫を込めて殴れ!!」

女「はいっ!!」

男「トウマは不意を突かれた上に、相手が女だ。とまどいながら、必死で避けろ」

ダン裕「わかった」


190 :お風呂&寝る準備いってくる><:2010/02/04(木) 23:09:22.75 ID:YVR2zgIL0
セイ作「はかどっているようですね」

男「おぉ、セイ作か」

女「おはようございます」

セイ作「おはようございます、女さん」

セイ作「サンドイッチを作ってきました。もうお昼ですから、皆で食べましょう」

女「もうお昼ですか?……そういえばおなか空いたかも」

セイ作「お腹の具合を忘れられるっていうことは、集中してやれていたって事ですね。安心しました」

ダン裕「一休み一休み、っとォ」

男「よし、20分休憩をいれて、また再開する」

男「セイ作、模擬小刀は?」

セイ作「ちゃんと用意しましたよ」

男「よし。カメ男は午後のリハーサルをお前の思うように撮って良い。あとでかいつまんで見せろ」

カメ男「……了承」


191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 23:19:09.58 ID:7zmy5JYP0
sienn


192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/04(木) 23:55:52.01 ID:ivO+Dftu0
あげ


193 :ちぢれ:2010/02/05(金) 00:23:19.38 ID:VT1vf50g0
女「んーっ、サンドイッチ美味しいです」

セイ作「お口にあったならよかったです。作った甲斐がありました」

ダン裕「お嬢さん、思ったよりうごけるじゃン?安心したよ」

女「本当ですか?…でも、私まだ何がよくって何がいけないのか、まだ分からなくて」

ダン裕「そりゃ俺にもわからんヨ」

ダン裕「自分が良いと思っていた事をやるでショ。監督の意見を聞でショ。意見を聞いて、良いと思った事をやる」

ダン裕「その繰り返しさ」

女「…正解が分からなくても、自分なりの正解をやってみればいい、ってことでしょうか?」

ダン裕「そうだネ。まぁ、それもお嬢さんがいいと思ったなら、そうするといい」

ダン裕「それより、何かスポーツでもやってたン?」

女「バレーボールを、少し」

ダン裕「……バレーかァ。あれ、反射神経要るよネェ。まだ続けてるの?」

女「いえっ、好きだったんですけど…。練習がきつくて、すぐやめちゃいました」


194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 00:33:44.53 ID:yWLzcB4J0



195 :ちぢれ:2010/02/05(金) 01:00:19.33 ID:VT1vf50g0
ダン裕「もったいナイ」

女「ですよね…」

ダン裕「辛抱して頑張っていれば、きっと華開いたろうネ」

女「どうしてそう思うんですか?」

ダン裕「たぶん、素質あるヨ。…なんとなく、だけど」

女「そんなことないですよ。私、アタックが下手で…」

ダン裕「……でも、レシーブは得意だった」

女「えっ…?どうしてそれを?」

ダン裕「演技の相手をしていると、なんとなく分かる時があるンだ」

ダン裕「お嬢さんは、攻撃(アタック)よりも、受け(レシーブ)が得意そうだからね」

ダン裕「お嬢さんのパンチに迫力、無かったのサ」

女「あっ……」

ダン裕「これから俺のターンだからネ。お嬢さんのレシーブ、しっかり見せてもらうよ」


196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 01:23:57.89 ID:94wY6GyKQ
寝る
続き楽しみにしてる
支援


197 :おっぱい分が足りなくなってきた:2010/02/05(金) 01:38:38.58 ID:VT1vf50g0
ダン裕「…つああっ!!」シュッ

女「……っ」スッ

ダン裕「らぁっ!」ヒュッヒュッヒュッ

女「…くっ…はっ!」

男「カット!」

女「ふぅ……」

男「二人とも、なかなかいい動きだ」

男「…特にお前は、避けるほうになると、とたんに目が輝くな」

女「えっ……」

ダン裕「やっぱり?俺もそう思ってたんだよネー」

ダン湯「ネッ、お嬢さん」

女「えっ、あ…どうも性に合ってるらしいです」

男「それくらい俺も知っていたが……思ったよりもハマっていたな」

男「その調子で、この後のバク転も頼むぞ?」


198 :ちぢれ:2010/02/05(金) 01:50:55.88 ID:VT1vf50g0
女「あのぉ、私、バク転やったことないんですが」

男「そうだったな」

女「じゃあ…」

男「やったことないなら、やるまで、だな」

女「…やっぱり」

ダン裕「イイじゃない。バク転できる女性、とっても素敵~」

男「そうだな、手本を見せてやれダン裕」

ダン裕「オッケー」

 ピョンッ トンッ

ダン裕「…フッ」

女「うわぁ……すごい……」

男「さすがだな。鮮やかだ」

ダン裕「これくらい、モーニング前ですよ」


199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 01:51:25.49 ID:r4tAYvGp0
内容はいいけど陳腐なキャラ付けと恥ずかしすぎる台詞回し
普通の小説にしてうpしてくれれば読みたいw


200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 01:52:19.46 ID:nygCEQwv0
>>199
なんかかゆくなるよな


201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 02:01:17.64 ID:yWLzcB4J0
しえーんぬ


202 :ちぢれ:2010/02/05(金) 02:02:53.05 ID:VT1vf50g0
男「じゃあ、お前もやってみろ」

女「はいっ!」

女「……っ!!」

 ピョン ドサッ

女「…いちち」

ダン裕「ありゃ~、いい尻餅ネ」

男「うーむ、案外バク転とはできないものだな」

ダン裕「俺だって結構練習したゼぇ?」

男「そうか……」

男「よし、バク転は後にしよう。とりあえず、今日は全てのカットを消化してしまおう」

女「わかりました……いたた」

男「どこか折ったりしてないだろうなっ!」

女「えっ……だ、大丈夫です。おしり、だけです……てへへ」

男「そうか……それなら、いい。続きをやろう」


203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 02:43:48.61 ID:4h3PXzZs0



204 :ちぢれ:2010/02/05(金) 02:45:19.63 ID:VT1vf50g0
オト屋「……さて」

オト屋「どのマイクを持っていくか」

オト屋「……」

オト屋「しっかし、台詞の少ない脚本だ」

オト屋「殴って、蹴って…避けて、はじいて」

オト屋「はてさて、生の音はいかほどか……っと」

オト屋「……」

オト屋「(そろそろお嬢ちゃんたちのリハーサルが終わる頃か)」

オト屋「(俺は後で苦労するからな。悪いけど、今はしばらく休ませてもらうよ)」


205 :ちぢれ:2010/02/05(金) 03:02:15.50 ID:VT1vf50g0
セイ作「そろそろ時間ですよ」

男「わかった。今日はこれまでだ」

女「…ふぅ」

ダン裕「…ホッ」

セイ作「今日はどうでしたか?」

男「…まずまず、だな。カメ男、撮った絵を見せてくれ」

カメ男「……あぁ」

女「ふひぃー、つかれました…」

ダン裕「シャイな娘だって聞いてたけど、なかなかどうして、動くネェ」

女「もっと、台詞とか言うものだと思ってましたけど」

女「身体を動かすのはあんまり嫌じゃないんですよ」

女「…むしろ、楽しいくらいなんです」

ダン裕「ちゃんと監督は、お嬢さんのことを分かって脚本を作ってるみたいだネ」

ダン裕「…俺も、台詞なんかに頼らない方が、やる気ですシネッ」


206 :ちぢれ:2010/02/05(金) 03:08:27.79 ID:VT1vf50g0
色々と引き下がれない(´・ω・)



また明日、残っていたら描かせてください
明日こそ安寧の中で集中して書ける事を願う…



207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 03:10:28.91 ID:NZFkRYlr0
  ______
/_____/ |
|  ⌒  ⌒  |  |
| (∂) (∂)  |  |   / ̄ ̄ ̄ ̄
|   ∠    |  |  < >>1乙!
|  トェェェェイ  |  |   \____
|  \ _ ノ  |  |
|_____|_|
| ⌒  ⌒  |  |
| (≧) (≦) |  |   / ̄ ̄ ̄ ̄
|   ∠    |  |  < そして保守
|  トェェェェイ  |  |   \____
|  ヽ__ノ   |  |
|______|/



208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 04:10:40.55 ID:bx2RIJwi0
きたっくまーヽ(・∀・)ノ


209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 05:36:39.75 ID:qulYcSJq0



210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 06:59:55.58 ID:U2ePRu56O



211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 08:16:54.22 ID:bx2RIJwi0



212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 08:33:35.15 ID:94wY6GyKQ
支援


213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 10:33:32.39 ID:58b0Uw9P0
fffffffっふぃ


214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 11:41:15.70 ID:HLw8ty1XP
早く終わらせろ


215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 11:55:22.74 ID:4E0VbZ8d0
昼ごはん買いに行くか


216 :ちぢれ@指先ひとつでダウン:2010/02/05(金) 12:41:44.05 ID:VT1vf50g0
 「ねぇねぇ、女ちゃんっ」

女「…あ、あれ……クラスの」

 「ずっとバスケの練習の合間見てたよっ、なになにどうしたの?」

女「えっと…その、映画に出る事になって……」

 「うっそまじ?どんな映画?」

女「あー、えっと……」

男「おい、ちょっといいか」

女「あっ、はいっ!……ごめんね、行かなきゃ」

 「あとで聞かせてよね。ふふふっ」



217 :ちぢれ@指先ひとつでダウン:2010/02/05(金) 12:49:50.60 ID:VT1vf50g0
女「なんでしょうか?」

男「別に、なんでもないが」

女「…はぁ」

男「今日はもう終わりだ」

男「さっさと帰って、今日のリハーサルで俺が言ったことと、お前がやったことの一つ一つを反芻して、寝ろ」

女「はい、わかりました。」

男「俺はカメ男、セイ作と話があるから、先に帰っていい」

女「……あの、一つ良いですか」

男「なんだ」

女「私、ちゃんとできてたでしょうか?」

男「全然ダメだ」

女「あぅ……」

男「だが」

男「俺の言うとおりにすれば、必ず伸びる。それを信じて、頑張れ」


218 :ちぢれ:2010/02/05(金) 13:04:56.41 ID:VT1vf50g0
 帰り道

女「男さんの言ったとおりに、か……」

女「(前、セイ作さんが言ってた、監督と女優の関係って)」

女「(こういう感じで、良いのかなぁ)」

女「(でも、私が考えても始まらないよね……)」

女「(やっぱり、男さんの言うこと聞くしかないもんね)」

女「(あと…)」

女「(家に帰ったらバク転の練習しよう)」

女「(…たぶん、ずっとバレー続けてた私なら、バク転くらいできてたよ)」

女「がんばろっ」

女「……」

女「(男さん、あの時助けてくれたのかなぁ……)」

女「(バスケ部のあの子にまた聞かれたら、なんて言おうかなぁ)」


219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 13:22:45.27 ID:4E0VbZ8d0
支援


220 :ちぢれ:2010/02/05(金) 13:50:49.32 ID:VT1vf50g0
男「…もっと、息の詰まった感じにしたい」

カメ男「……分かった。もっと寄ろう」

男「うむ……」

セイ作「どうですか?」

男「……正直、不安だ。やはり、思っていたよりも上手く行かないものだな」

男「いつものことだが」

カメ男「そういうものだ」

男「だが……」

カメ男「俺が、お前の父親なら」

セイ作「カメ男さんっ!」

カメ男「……すまん」

男「いや」

男「確かに、あぁ、そうだな……」

男「俺は、親父の影を追いすぎているかもしれない」


221 :ちぢれ:2010/02/05(金) 13:59:32.91 ID:VT1vf50g0
 次の日 体育館

セイ作「これから衣装合わせをお願いしたいのですが」

男「わかった、そうしよう」

女「衣装合わせ…?」

ダン裕「本番用の衣装を選ぶのさ。ま、かるいファッションショーだネ」

女「なんだか楽しそう~」

セイ作「これが衣装です。着替えをお願いします」

女「はいっ、じゃあ、ちょっと行ってきますね」

セイ作「作りが浴衣に似てるんですが、大丈夫ですか?」

女「えっ…?」

セイ作「お一人で着付けはできますか?」

女「で、できないです…」


222 :ちぢれ:2010/02/05(金) 14:19:17.24 ID:VT1vf50g0
女「着てきました」

男「…うむ、まぁこれで良いだろう」

女「びっくりです…。セイ作さんが、すいすい着せてくれたんですよ」

ダン裕「……もしかして、下着拝んだ?」

セイ作「拝んでません!」

女「ちゃんと、下にスパッツはいてますからっ!」

男「よし、今日のリハーサルはこの衣装のまま行う」

男「ユキの衣装は、下の丈が短いとはいえ和装だ。動きにくい場面も出てくるかもしれないからな」

男「それにくわえ、ユキは武器の小刀、トウマは木杖を持ってアクションをしてもらう」

女「(えぇ……この格好で…?)」

女「(余計目立っちゃうよ……)」


223 :ちぢれ:2010/02/05(金) 14:37:13.91 ID:VT1vf50g0
男「どうした、動きが固いな」

女「えっと……それは」

男「真剣にやれ」

女「……はい」

男「ちょっと、休憩いれるか。10分休もう」

ダン裕「ふひぃー、つかりたつかりた」

セイ作「はい、お茶ですよ」

女「ありがとうございます、セイ作さん」

男「……どうした。何かあったか」

女「それは……」

男「…衣装が恥ずかしいか?」

女「あぅ」

男「図星か」


224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 14:50:48.17 ID:4E0VbZ8d0



225 :ちぢれ:2010/02/05(金) 14:52:32.72 ID:VT1vf50g0
女「さっきから、ジロジロ見られてる気がして」

女「思うように動けなくて……」

男「そうか」

男「…見られるのは、嫌か」

女「それは……嫌ですよ。嫌じゃなかったら、あがり症になんかなりませんよ」

男「だろうな」

男「まぁ、いい。このままいく」

女「えっ……」

男「言ったはずだ」

男「お前はもう、逃げれないんだ」

男「…心のふんぎりをつけない限り、お前は何時までたっても、お前のままだ」

男「ユキにはなれない」

女「あ……」

男「さて、そろそろ始めるぞ」


226 :ちぢれ:2010/02/05(金) 15:04:00.02 ID:VT1vf50g0
オト屋「どうだい調子は?」

セイ作「あぁ、オト屋さん。いいんですか休んでいなくて」

オト屋「良いもなにも、別に疲れちゃ居ないからな。ここに来たのもただの暇つぶしよ」

オト屋「……おぉ、おぉ、よくやってるじゃん、お嬢ちゃん」

セイ作「だいぶ攻めにちからがこもって来ました」

オト屋「やっぱり男の見る目は流石というか、なんというか」

セイ作「教え方も良いと思いますよ」

オト屋「俺は演技には興味はないが、こうくると、やる気も出てくるな」

セイ作「期待してますよ」

オト屋「そういや、セイ作。人手が足りないって言ってたよな。結局どうなった」

セイ作「あぁ、それでしたら、明日紹介しますよ」

オト屋「そうか。…使えそうなら、マイクマンも兼ねさせたいんだが」

セイ作「多分、大丈夫だと思います。制作部に常に必要なわけではないですからね」

オト屋「カメ男の方でも、そいつの手が欲しがるだろうな。いち部署につき一人じゃやってられんよ」


227 :ちぢれ:2010/02/05(金) 15:22:22.31 ID:VT1vf50g0
女「……ぐ、はぅっ!」

ダン裕「……っ!?」

男「カット!」


オト屋「…正直な話、この映画、ちゃんと撮れそうなのか?」

セイ作「撮れます」

セイ作「……多分」

オト屋「多分、か」

セイ作「僕だって、そこまで映画制作の経験があるわけではないですからね。分からないですよ」

オト屋「そうだな。ま、やってみるしかない、か……」

女「痛ッ…!?」

オト屋「おっ?」

セイ作「…大変だ!」

男「おい、どうした」


228 :ちぢれ:2010/02/05(金) 15:28:44.04 ID:VT1vf50g0
女「…あ、大丈夫です。ちょっと、着地にミスって」

男「馬鹿がっ!調子にのってできもしない事を!!」

女「あれ……おかしいなぁ。昨日布団の上でいっぱい、練習したのになぁ」

セイ作「女さん、氷嚢もって来ました。痛いのはどこですか?」

女「右足首、です。ありがとうございます」

男「…続けられるかどうかはともかく。すこし、休んでろ」

女「はい……」

男「とりあえず、トウマ一人のカットだけやっていく」

ダン裕「ン。……お嬢さん、無理しなさんな。無理が一番、危ない」

女「ありがとうございます。…がんばって、ください」

ダン裕「頑張るのは、お嬢さんだよ」

女「あ……」



229 :ちぢれ:2010/02/05(金) 15:37:33.77 ID:VT1vf50g0
女「(……私、頑張り足りなかったかな)」

オト屋「ダン裕の言葉、気にしてんのかい?」

女「あ、オト屋さん……」

オト屋「多分、お嬢ちゃんが思ってるような意味もあるだろうが」

オト屋「…たとえケガをしてでも、演じ続けなきゃいけないのが役者だ」

オト屋「そういう意味で、頑張らなきゃいけないんだろうよ」

オト屋「……そのケガは、言い訳にしかならないんだ」

女「そんな、言い訳だなんてっ!」

オト屋「…これで、お嬢さんが歩けなくなってしまったら、撮影は中止になるか先延ばし」

オト屋「うっすら、そんな考えがよぎらなかったかい?」

女「……ごめんなさい、否定……できないです」

オト屋「そうだろうね。…俺も言い訳を作ってでも逃げたい時があるからな」

オト屋「しょうがないんだ。人間だれしも、楽な道にすすもうとしちまうもんさ」


230 :ちぢれ:2010/02/05(金) 15:54:37.31 ID:VT1vf50g0
女「頑張らなきゃ……」

女「私、ずっと逃げてきたから」

オト屋「心配しなくても、頑張ってるよ」

女「昨日、いっぱい、いっぱいバク転の練習したんです」

女「でも、できなくて。でも、ケガはしなかったのに……」

オト屋「ダン裕の言うとおり、無理しすぎたんだよ」

オト屋「練習しすぎたからたぶん、弱ってたか、油断したか……」

女「でも」

オト屋「しばらくここで休むんなら、ちょっと俺の話しに付き合ってくれよ」

オト屋「俺が、まだハコに居た頃の話さ」

女「ハコ?」

オト屋「…まぁ、ライブハウスの事だな」


231 :ちぢれ:2010/02/05(金) 16:22:18.37 ID:VT1vf50g0
オト屋「俺自身も楽器を触ってたときもあったが、その時の俺は、PAの下っ端をやっていた」

女「PA?」

オト屋「いわゆる音響サンってやつさ」

オト屋「マイクから拾った音を、スピーカーから出す、単純な仕事さ」

女「前から音に関わっていたんですね」

オト屋「そうだな。俺が色々と無駄な音の知識を覚えられたのも、ハコにいたお陰さ」

オト屋「マイクのこと、ミキサーのこと、スピーカーのこと、楽器のこと」

オト屋「今となってはもう、昔の話だが」

女「どうしてやめてしまったんですか?…映画が、好きだったとか?」

オト屋「まさか」

オト屋「男に誘われるまで、映画なんて見たことも無かったぜ」

女「じゃあ、どうして……」

オト屋「耳、壊しちまったんだ」


232 :ちぢれ:2010/02/05(金) 16:33:20.28 ID:VT1vf50g0
女「え……、でも、今普通に話せてますよね。私の声、ちゃんと聞こえてますよね?」

オト屋「難聴ってやつさ」

オト屋「…今はだいぶ回復してきたが、大きい音が耳に入ると、今でも時々再発する」

オト屋「医者が言うには、どうもそういう、耳が弱い体質らしいが……」

オト屋「ハコの大音量に漬かるのは、もう無理だとさ」

オト屋「…若いから回復こそすれ、これから年をとっていくと、もっと酷くなるかもしれないらしい」

女「映画だったら、大丈夫……なんですか?」

オト屋「大丈夫じゃない」

女「……」

オト屋「同情するなよ、お嬢さん。俺がこの話をしたのは同情させるためじゃない」

オト屋「…所詮、俺の耳が難聴だからといって、それは言い訳にしかならない、って事だ」

女「だって、それは…しょうがないですか!そのまま、耳が聞こえなくなるよりは……」

オト屋「だが、言い訳は言い訳なんだ。リスクの無い戦いなんて、無いんだからな」


233 :ちぢれ:2010/02/05(金) 17:05:10.95 ID:VT1vf50g0
オト屋「…って言われたんだ」

オト屋「男に」

女「どういうことですか?」

オト屋「俺が、耳を壊して打ちひしがれている時にやってきて、そう言ったんだ」

オト屋「それは言い訳だ、ってな」

女「なんというか、その……」

オト屋「あいつらしいだろ?」

女「えぇ」

オト屋「だから、ある意味あいつは、俺の恩人なんだ」

オト屋「…どうか、お嬢さんもあいつの力になってやってくれ」

女「それは、もちろんなんですが…。未練は無いんですか?」

オト屋「そりゃあるさ。…だが、今は映画も楽しんではいる」

オト屋「一生の仕事にはできないかもしれないが、趣味ぐらいにはなりそうだ」

オト屋「…要は、楽しけりゃいいのさ。お嬢さんも、あまり無理をせず、楽しんだ方がいい」


234 :ちぢれ:2010/02/05(金) 17:28:24.86 ID:VT1vf50g0
男「何か余計な事を吹き込んでないだろうな?」

オト屋「おっと、監督。今ちょうど、余計な事を吹き込んでたところです」

男「まぁ、いいだろう。…足は大丈夫か?」

女「大丈夫……だと、思います」

女「いえっ、大丈夫です!」

男「なら再開だ!…もう時間が無い」

男「遅れた分、集中してやるぞ」

女「はいっ!」


オト屋「…ふぅ」

オト屋「不思議だねェ」

セイ作「何がですか?」

オト屋「なんでまた、こんな事を俺たちはしてるんだろうかなってさ」

セイ作「楽しいからですよ」

オト屋「…まぁ、そうか。そういうことにしとこう」


235 :ちぢれ:2010/02/05(金) 17:39:35.26 ID:VT1vf50g0
 次の日 朝

女「はふぅ……土日のきついリハーサルのおかげで、全身筋肉痛だよぉ……」

 ガラッ

女「おはようございまーっす」

セイ作「おはようございます、女さん」

友「おはよう、女ちゃん」

女「あれ、友ちゃん?どうしてここにいるの?」

友「えへへー、それがねぇ」

セイ作「今度の撮影に、手伝ってもらうことになりました」

女「ホントですか?」

友「マジマジ」

女「やったー、うれしいっ!」

友「主演の女ちゃんと違って下っ端だけどね。ヨロシク~」

女「うん、うんっ」


236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 17:41:25.16 ID:58b0Uw9P0
4o


237 :ちぢれ:2010/02/05(金) 17:46:51.18 ID:VT1vf50g0
女「…それにしても、どうして突然?」

友「それがねぇ、女ちゃんのことが心配で、一度ここに来た事があるんだ」

友「そしたら、この、セイ作さんがいて…」

セイ作「スカウトしました」

友「そいうことっ」

女「セイ作さん、友ちゃんを選ぶなんて、いい目の付けどころしてますよっ!」

セイ作「えぇ、もう色々と手伝ってもらって、友さんが働き者だって事が良くわかりました」

友「じゃあ掃除をぱぱっと終わらせちゃいますねっ」

セイ作「よろしくお願いします」



238 :ちぢれ:2010/02/05(金) 18:05:21.79 ID:VT1vf50g0
 放課後 部室

友「女ちゃんはどちらに?」

オト屋「男監督と、リハーサルさ」

友「土日は大変だったらしいですね」

オト屋「あぁ、あのお嬢ちゃん…相当疲れてるだろうな」

オト屋「だが君にもこれから疲れてもらうぞ」

友「望むところです。元気だけはありますから」

オト屋「その粋やよし」

オト屋「君には、撮影中マイクマンを頼みたいと思っている」

友「マイクマン、ですか」

オト屋「その名の通り、マイクを持ってもらう役割だな」

オト屋「基本的に俺が持つだろうが、場合によってはマイクが一本では足りなかったり、俺が持てないときがある」

オト屋「その時に、君に持ってもらいたい」


239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 18:11:19.53 ID:LwjBLd9r0
その意気やよし


240 :ちぢれ:2010/02/05(金) 18:20:04.08 ID:VT1vf50g0
オト屋「とりあえず、最低限のことは教える。分からないことがあったら、気兼ねなく聞いてくれ」

友「はいっ」

オト屋「じゃあ、まずこいつだ。今回使うマイク、AT815bだ」

友「えっ、これマイクなんですか?私が知ってるマイクって、こう…先が丸くて、もっと短いです」

オト屋「それはきっとカラオケ屋でよく見るタイプだな。マイクにも色々と種類があってね、それとは違うんだ」

オト屋「これは通称、ガンマイク、という」

友「ガンマイク……、銃の形みたいだからですか?」

オト屋「そういうことだな」

オト屋「狙った音を、ガンマイクの先に合わせるんだ」

オト屋「…すると、その音はクリアに取れる」

オト屋「逆に、その音以外はボケたり、聞こえなくなったりしてしまう」

友「…なるほど。どういう仕組みになってるんでしょうか」

オト屋「それを解説してたら、悪いけど日が暮れちまうんだ」


241 :ちぢれ:2010/02/05(金) 18:32:59.04 ID:VT1vf50g0
オト屋「…でもまぁ、簡単にだったら教えてあげよう」

オト屋「マイクについてるスポンジを取ってみな」

友「はい。……おぉ、穴がいっぱい」

オト屋「その穴の一つ一つが、実はマイクでね」

オト屋「その穴から入った音と、一番先のメインの穴から入った音」

オト屋「その差でもって、狙った音がクリアに取れるようになっているんだ」

友「…?」

オト屋「んー、これはちょっと、分かりやすく説明するのは難しい」

オト屋「次行っても良いか?」

友「はいっ、お願いします」

オト屋「じゃあ、次はこの棒だ」

友「……なんでしょうか。さお竹?」

オト屋「そう、通称サオって呼ばれてる。この棒の先にマイクをつけるのさ」


242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 18:46:43.35 ID:GNeCjMF10



243 :ちぢれ:2010/02/05(金) 18:49:22.93 ID:VT1vf50g0
オト屋「じゃあ、マイクをつけてみてくれ」

友「えっと……こうでしょうか」

オト屋「接続部に入れるときは、マイクではなくサオの方を回そう」

友「あ、そのほうが楽チンだし、危なくないですね」

オト屋「そういうこと」

友「できましたっ!」

オト屋「うん。じゃあさっそく俺の声を狙ってみてくれ」

友「えーっと、こうでしょうか?」

オト屋「うん、持ち方をちょっと教えよう」

オト屋「棒を地面と平行にするようにして、左手をサオの下、右手を上側を持ってみよう」

オト屋「すると、サオのお尻の方…右手の方に、重さがかかってくるのはわかるか?頭にマイクが乗ってる分、お尻が重くなるかな」

友「はいっ、ちょっと、重いです」

オト屋「いいか、左手は添えるだけ。右手はサオのケツが上がるのを押さえるだけだ。…これで、結構楽になったろう?」

友「あっ…ほんとだ……。不思議です」


244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 18:57:02.59 ID:cBfTZMdw0
左手は添えr
いやなんでもない


245 :ちぢれ:2010/02/05(金) 19:09:50.20 ID:VT1vf50g0
オト屋「うん、良い感じじゃないか」

友「ほんとですか?」

オト屋「あぁ。…でも、一つ気をつけなけきゃいけないのは、サオを持つ手を動かさないことだ」

オト屋「指を少し滑らしただけでも、マイクに音が乗ってしまうからね」

友「それだけで?」

オト屋「あぁ、空気中よりも、こういった金属とかの方が音が伝わりやすかったりするからね」

オト屋「だからほんとに、両手は極力添えるだけ」

オト屋「動かすときは、手のひらを動かすんじゃなくて、腕全体や体を動かすんだ」

友「なるほど……はいっ、頑張ります」

オト屋「いいね。物覚えが速いと、教えるのも楽で助かるよ」


246 :ちぢれ:2010/02/05(金) 19:17:40.53 ID:VT1vf50g0
友「…えっと、このマイク、高いんですかね」

オト屋「どうしてそう思うんだい?」

友「いえっ。……ただ、壊したりしたら、やだなぁ…って」

オト屋「あぁ、確かに壊されたら嫌だけど、大丈夫。そんなにしないよ」

友「ふぅ……よかった…」

オト屋「プロはこんなのあまり使わないんじゃないかな」

オト屋「長くて取り回しがわるいし、音もそんなによくないよ。ノイズも乗りやすいしね」

友「そうなんですか…」

オト屋「あ、そうそう。今回は外で撮影するから、風防をつけてあげないとね」

友「…ふーぼう?」

オト屋「今マイクについてるスポンジもそうなんだけれど、まぁ、風除けのことだよね」

オト屋「この、もじゃもじゃの毛を、マイクにつけよう。そのスポンジの上に重ねて、効果バツグン」

友「あ、これTVでたまに映るマイクについてるやつだ…」

オト屋「そうそう。ロケでは必需品なんだよ。…本当は、もっとしっかりしたものが良いんだけど、高いし重いんだよねぇ」


247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 20:21:33.96 ID:Vh+6o+Fr0
おい


248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 21:19:01.27 ID:iq2lP5lu0
おいおい


249 :ちぢれ:2010/02/05(金) 21:55:20.75 ID:VT1vf50g0
 女「ふひぃ。疲れたぁ」

友「お疲れ様、女ちゃん。あ、これお茶どうぞ」

女「わー、ありがとう友ちゃん」

友「すごい頑張ってるねっ」

女「そんなことないよぉ」


セイ作「友さんを加えたのは、女さんの精神的な面でも良いほうに働いてるみたいですね」

男「そうだな……疲れが溜まってきて、集中力に欠けてきた頃だからな。ちょうどよかった」

セイ作「一応、心配はされてたんですね」

男「そりゃそうだ。女優の心配しない監督が何処にいる」



250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 22:11:03.28 ID:ZrlUCPj60
スラムダンクを思い出した


251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 22:53:13.57 ID:o+rzMKDf0
おちちゃいやー


252 :ちぢれ@ゴメンちょっと色々あった:2010/02/05(金) 23:38:39.59 ID:VT1vf50g0
 帰り道

女「友ちゃんが来てくれてよかったー」

女「…やっぱり私、友ちゃんの隣が一番落ち着くかも」

友「なによそれっ」

女「……実を言うと、慣れないことばっかりで、ちょっと疲れちゃってた」

女「すごく、楽しかったんだけどね」

友「そっか…」

友「なんだか、女ちゃん少しの間で、変わったよね」

女「えっ……そうかな?」

友「うん。どう変わった、とか…うまくいえないけど」

友「それに、今日のリハーサルの女ちゃんは、私の知らない女ちゃんだったよ」

女「変だったかな……」

友「ううん、全然変なんかじゃないよ!…逆だよ、すごいよっ!」



253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/05(金) 23:50:38.16 ID:pz70nYCc0
色々だと?


254 :ちぢれ@ゴメンちょっと色々中:2010/02/06(土) 00:13:48.93 ID:j1LPr8bN0
女「…すごいかなぁ」

友「わたしね、ちょっと感動しちゃったんだ」

友「女ちゃんが、すっごく、すーっごくがんばってるの見てね」

友「感動しちゃったんだよ」

女「大げさだよ…そんなの」

友「だって、普通あんな動きできないよっ!……いっぱい練習したんだよね?」

女「練習っていっても、2日くらいだし…たいしたことは」

友「あるよっ!」

友「……私って、帰宅部だし、無趣味だし」

友「なんとなく毎日送ってるけど」

友「なんかね、女ちゃんを見て、私……自分変えなきゃなって思えた」

友「それくらいすごいよ。すごいんだよ」



255 :ちぢれ@ゴメンちょっと色々中:2010/02/06(土) 00:48:40.37 ID:j1LPr8bN0
女「そんな……」

女「でも、ちょっとうれしいかも」

女「やっぱり、辛かったからさ……」

女「何日も経ってないのに…何ヶ月も経った感じがするんだ」

友「すごく、がんばってるんだね」

女「うん……」

友「……えへへ」

女「……あははっ」

友「じゃ、また明日。よろしくね」

女「うん。また明日っ!」


256 :ちぢれ@ゴメンちょっと色々中:2010/02/06(土) 01:31:22.32 ID:j1LPr8bN0
 …3日後 夕方 部室

男「さて、いよいよ明日から撮影だ」

男「やれることはやったと、俺は自負している」

男「…セイ作、明日からの香盤表と日々スケを配れ」

セイ作「では、皆さん一部ずつ受け取ってください。香盤表と、明日の日々スケです」

女「(こうばん…ひょう?ひびすけ?)」

セイ作「香盤表は、どこで誰がいつどんな風に撮影するのかを、見やすく書いたものです」

セイ作「日々スケは、そのまま日々のスケジュールのことで、明日の詳細なスケジュールが書いてあります」

女「(すごい…明日やる事がカット刻み分刻みで書いてある…)」

男「ロケ撮影だからな、時間との戦いだ。日が沈んでは撮れない」

男「それから、カメ男と相談した結果、撮影は順撮り…物語の進行に沿って撮って行く事にした」

男「……ただし、少々順撮りとは異なる手法をとる」

男「物語の進行に最低限必要なカットを順撮りで撮った後に、それ以外のカットを撮っていく事にする」

男「大体の極端なアップは後回し、ということになるな」


257 :ちぢれ@ゴメンちょっと色々中:2010/02/06(土) 01:54:20.24 ID:j1LPr8bN0
女「はいっ!どうしてそういう撮り方をするんでしょうか」

男「簡単に説明してやる」

男「カットの一つ一つは別々に撮るが、つながってなくてはいけないんだ」

友「すいません……よくわかりません」

男「例えばだ。最初のカットは昼に撮ったとしよう。次のカットを、夕方に撮ったとしよう」

男「…後で編集で繋げたときに、その二つのカットは、つながるかな?」

女「あっ…つながりません」

男「そういうことだ」

男「アップならごまかしは効くが、引き画で光の向きや強さや色が変わっていてはつながらない」

友「なるほど…」

セイ作「詳細な撮影順は日々スケに書いておきましたので、ちゃんとチェックしておいてください」



258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 02:38:59.31 ID:3wMufXz+Q
支援!


259 :ちぢれ:2010/02/06(土) 02:57:51.48 ID:j1LPr8bN0
自由にやらせてもらってて、泣けてきます
どうした俺


260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 02:59:08.42 ID:W/67X1d00
つ④


261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 02:59:19.14 ID:/NtCp5Zk0
rom専が支援


262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 03:32:41.21 ID:Vc2p9ExnP
まだかよ


263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 03:49:20.09 ID:3wMufXz+Q
おやすみ
続き楽しみにしてる


264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 04:24:13.04 ID:A3Iqy5E50
寝る前の保守


265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 07:03:53.12 ID:0IpjHqq10
ho


266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 09:31:56.40 ID:TlVjPKao0
ho


267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 10:50:17.02 ID:BHUizaKu0



268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 11:46:18.51 ID:TlVjPKao0



269 :ちぢれ:2010/02/06(土) 12:12:19.44 ID:j1LPr8bN0
男「1週間は、普通の準備期間としては短い」

男「たかだか10分ちょっとの作品だが、もっと長く取るべきだったとも思う」

男「…だが、俺は天才で、お前たちは優秀なスタッフだ」

男「今を逃したら、撮るチャンスはどんどん先延ばしにされてしまう」

男「チャンスを最大限に活かすために、やれることはやったつもりだ」

男「よろしく頼む」

オト屋「優秀な、スタッフか…悪くないね」

女「私は自信ないですが…」

男「天才の言うことが信じられないのか?」

ダン裕「んジャ、遠慮なくおだてられて木に登らせてもらうネ」

セイ作「……それでは、明日はまず学校に集合です。それからロケ地に向かいます」

セイ作「ロケ地は学校から徒歩十分くらいの森林です。二日目以降は直接現地集合になりますので、ちゃんと道を覚えてくださいね」

セイ作「では、何か質問のある方はいませんか?」


270 :ちぢれ:2010/02/06(土) 12:41:13.81 ID:j1LPr8bN0
女「はいっ!」

セイ作「なんでしょうか」

女「あの……恥ずかしいんですが、……不安です」

男「…ほう」

女「何かやり残したことは無いか、とか…今のままで大丈夫なのか、とか…どうしても、考えちゃうんです」

男「他に不安な奴やつはいるか?」

カメ男「……不安だ」

オト屋「ま、当然ね」

ダン裕「安心してるはずないネ」

友「もちろん、私も」

セイ作「恥ずかしながら」

男「うむ、俺も不安だ」

女「えっ!?そうなんですか……」

男「自信はあるがな……確証が持てない限り、不安は常に付きまとう」

男「大丈夫だ。お前のその不安は、真剣に作品に向き合ってる証拠だ。」


271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 13:54:35.02 ID:98+LrqHo0
おい


272 :ちぢれ:2010/02/06(土) 13:56:42.52 ID:j1LPr8bN0
 帰り道

女「…真剣、かぁ」

友「どうしたの?」

女「うんと、あのね……」

 「ねぇねぇっ、ちょっとまってよ!」

女「あ、バスケ部の……」

 「今日も、練習すごかったね。ずっと見てたよ」

女「そ、そうかな…?」

 「友ちゃんも、映画に出るの?」

友「あー、ううん。私はただの手伝い」



273 :ちぢれ:2010/02/06(土) 14:13:22.36 ID:j1LPr8bN0
 「明日もするの?」

女「ううん、明日から…本番なんだ」

 「本番っ!?すごいすごいっ!」

女「え、そ、そうかな……」

 「はじめはちょっと珍しくてさ面白いなーって思ってたけど

 「…でも、女ちゃんすっごく頑張ってるの見てたらさ」

 「なんだか、応援したくなっちゃって」

 「本番頑張ってね!」

女「うん……。うんっ!!」

女「ありがとう」

 「じゃ、またゴールデンウィークあけにねっ!」

女「うん、またね」

友「またねっ」


274 :ちぢれ:2010/02/06(土) 14:28:44.51 ID:j1LPr8bN0
女「…へへっ」

友「どうしたの?」

女「んー、ちょっとうれしくて」

友「そっか」

女「あした…がんばる」

女「友ちゃんも…ほんとにありがとね。明日、一緒に頑張ろうね」

友「…みずくさいなぁ」

友「そんな、言葉に出さなくてもいいよ」

友「…ま、どっちにしろやるからには、しっかりやるけどね」

友「そういえば、結局バク転できるようになったの?」

女「んーっ」

女「さー、どうでしょう」



275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 15:12:39.49 ID:TCcP/V6N0
しっこ


276 :ちぢれ:2010/02/06(土) 15:36:37.33 ID:j1LPr8bN0
 次の日・早朝

男「遅刻者無し、と……優秀だな」

セイ作「本当ですね」

男「明日もこの調子で頼むぞ。…さて、行くか」

女「……」ドキドキ

ダン裕「キンチョーしてる?」

女「え、えぇ……」

ダン裕「イヤァ俺もキンチョーしまくりん」

女「(そうは見えないです…)」

セイ作「友さん、荷物運びを手伝ってもらってもいいですか?」

友「あ、はい。…なんですか、この……発泡スチロール?」

セイ作「ふふ、立派な撮影道具ですよ」


277 :ちぢれ:2010/02/06(土) 16:06:35.75 ID:j1LPr8bN0
 森林 朝

男「さて、ついたな。各自、準備だ」

セイ作「友さん、あそこにこのビニールシートを敷いてください。基地にします」

友「…基地?……なるほど、なんとなく分かりました」

セイ作「お願いします。皆さんも私物などは基地に置いてください」

男「女とダン裕は待機だ」

女「はいっ」

ダン裕「おっけい」

男「…いや、ちょっとまて。女、顔を良く見せてみろ」

女「え、あ…はい」

男「……」ジーッ

女「(な、なんだろう……。こんなの目があわせられないよぅ)」


278 :ちぢれ:2010/02/06(土) 16:22:04.41 ID:j1LPr8bN0
男「…ちょっと、ファンデーションを塗っておく」

女「えっ、えーっと」

男「お前は化粧要らずの役者で、化粧などしない役だが…まぁ、一応軽くな」

男「っと……」ガチャgチャ

女「(わっ、メイク道具…。私より持ってるんじゃないかな…)」

男「じっとしてろよ?」

 ポンポン サッサッサッ

男「……」

女「(すごいなぁ…男の人なのに……)」

男「……よし、まぁこれくらいでいいだろう」

男「しばらく基地でリラックスして休んでいろ。あったかくしてな」

女「あ、はい……」

男「うむ。……カメラの準備はどうだっ!」

カメ男「……もうちょっとかかる」


279 :ちぢれ:2010/02/06(土) 16:33:09.97 ID:j1LPr8bN0
男「準備が整ったらすぐ、カット1のカメ位置を決めていくぞ」

カメ男「……わかった」

オト屋「音はお先に、いつでもいけるぜ」

男「わかった。オト屋は待機だ」

セイ作「友さん、お茶出しの仕方を教えます」

友「はいっ、お願いします」

女「みなさん、てきぱき動いてますね…」

ダン裕「そやネー」

女「なんだか、ここでじっとしてるのが悪い気がします…」

ダン裕「良いんだヨ。逆によく分からないのに手をだしたら迷惑さ」

ダン裕「…それに、あの人たちは、役者に最高のコンディションで本番に臨んで欲しいのさ」

ダン裕「ここで手伝わせて疲れさせたり怪我させたら、ダメなのサ」

女「そうなんですか…。でもなんだか、寂しいです」

ダン裕「アハハ、お嬢さんはスタッフにも向いてるかもネェ。とにかく、今はどすんと構えてるのが一番ヨー」


280 :ちぢれ:2010/02/06(土) 16:59:56.20 ID:j1LPr8bN0
セイ作「このペットボトルの水は役者さん用のものなんですが」

友「はいっ」

セイ作「まず、ペットボトルの蓋をあけます。それから、その蓋をカッターで小さい穴を開けてあげます」

セイ作「その穴ににストローを通して、ペットボトルに蓋をしなおしてあげます」

セイ作「これで、ペットボトル飲料をストローで飲めますね」

友「わかりました。…でも、どうしてわざわざストローを通すんでしょうか?」

セイ作「衣装にこぼれてしまうのを防ぐためですね」

友「ははぁ、なるほどなるほど」

セイ作「スタッフ用のものは、プラスチックコップを用意したので、スタッフの名前を一つ一つに書いておいてください」

セイ作「それから撮影中、合間合間にお茶を汲んであげて、ここにあるお菓子といっしょにスタッフへ持っていってください」

友「お茶とお菓子、いかがですかー?……みたいな感じでいいですか?」

セイ作「そうですね。僕なんかが行くよりも、友さんみたいな可愛い子にお茶を汲んでもらった方が、スタッフの士気もあがるでしょうね」

友「あはは、可愛いだなんて……照れます照れます」


281 :ちぢれ:2010/02/06(土) 17:11:03.90 ID:j1LPr8bN0
カメ男「……あらかたできた」

男「よし、ではカメ位置を決めておこう」

男「一発目はユキが走っている引きの画だが」

男「…俺は、あのあたりをユキに走らせようと思う」

カメ男「多分、問題ない。あそこなら……カメラはこのあたりだ」

男「うむ」

カメ男「……ややあおりでいいか?」

男「そうだな。腰より低い辺りから少しあおり目だと、どうなる?」

カメ男「……」

カメ男「……こんなかんじだ。覗いてみろ」

男「あぁ、いいじゃないか。これで行こう」


282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 17:12:55.13 ID:csNptYUI0
おっ、まだ残ってたか。感謝感謝
つ④


283 :ちぢれ:2010/02/06(土) 17:16:16.70 ID:j1LPr8bN0
男「……そうだな、おい、友」

友「はいっ!なんでしょう」

男「スタンドインだ。あの辺りに立て」

友「スタ…ンド…?セイ作さん、いいですか?」

セイ作「えぇ、遠慮なく行って来てください。友さんには友さんを必要とする部署でフレキシブルに動いて欲しいですから」

友「はいっ、分かりました」

 トコトコ

友「…この辺りですか?」

男「……そうだな。カメ男どうだ?」

カメ男「今のところ問題ない」

男「友、…あそこから、あそこまで…走れ!」

友「走るんですか!?……うぅ……やりますやります」

男「よーい、スタート!」

友「うぅーーーっ!」ダッダッダッダッダ


284 :ちぢれ:2010/02/06(土) 17:26:39.79 ID:j1LPr8bN0
女「…あぁ、友ちゃんが走ってる……かわいそう」

ダン裕「その後は、友さんに代わってお嬢さんの番だヨ」

女「なんで、友ちゃんに走らせてるんでしょうか。私、いっぱい走るのに…」

ダン裕「さっきも言ったけど、スタッフの皆は俺たちにベストコンディションで望んで欲しいのサ」

ダン裕「だから、あるていど見切りがつくまで役者に背格好が似た人物使って、テストするンダ」

女「…でも、友ちゃんがかわいそう」

ダン裕「そんなこと言ったら、逆にしつれいダヨ」

ダン裕「女ちゃんに頑張ってもらうたために、友ちゃんがんばってる」

ダン裕「その分お嬢さんが本番で頑張ればいいのサ」

女「……はい」

女「そうですよね。友ちゃんに感謝しなきゃ。…うんっ」

ダン裕「俺の時はキット、オト屋かセイ作がやってくれるヨ。楽しみだなぁ~」


285 :ちぢれ:2010/02/06(土) 17:34:07.41 ID:j1LPr8bN0
ほんとに自由にやらせてもらっていて、その上保守支援していただいてすごくうれしいです

その上今から日が変わるくらいまで野暮用を済ませてこなくてはいけなくなりました
ごめんなさいorz

このままじゃまずいので、なんとかペースアップします
残っていたら続きを書かせてください


286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 17:35:33.77 ID:jzJoZgNG0
支援


287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 17:57:34.25 ID:3wMufXz+Q
把握保守


288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:08:11.31 ID:cVrpnPCwQ
保守


289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:08:45.56 ID:MAVKB8HJ0
ほしゅ


290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 20:48:12.78 ID:cVrpnPCwQ
ほしゅ-


291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:14:06.37 ID:cVrpnPCwQ
保守


292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 21:58:13.68 ID:AX17t4cL0
おっと


293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:39:54.54 ID:AX17t4cL0
とっお


294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 22:54:20.19 ID:cVrpnPCwQ
おとっ


295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:31:58.83 ID:AX17t4cL0
っとお


296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 23:38:06.84 ID:cVrpnPCwQ
とぉぉぉぉぉぉっ!!バキッ!

ふぅ…俺の勝ちな
という訳で後は任せた寝る


297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 00:15:26.91 ID:GVAcI4Tj0
うん


298 :前にはったのちょっと違ったから貼りなおす:2010/02/07(日) 00:41:27.37 ID:E9RVDZzp0
男「…もう一度だ!」

友「ひぇええ……」

男「ちゃんと走れよ!」


女「…あぁ、友ちゃんが走ってる……かわいそう」

ダン裕「その後は、友さんに代わってお嬢さんの番だヨ」

女「なんで、友ちゃんに走らせてるんでしょうか。私、いっぱい走るのに…」

ダン裕「さっきも言ったけど、スタッフの皆は俺たちにベストコンディションで望んで欲しいのサ」

ダン裕「だから、あるていど見切りがつくまで役者に背格好が似た人物使って、テストするンダ」

女「…でも、友ちゃんがかわいそう」

ダン裕「そんなこと言ったら、逆にしつれいダヨ」

ダン裕「女ちゃんに頑張ってもらうたために、友ちゃんがんばってる」

ダン裕「その分お嬢さんが本番で頑張ればいいのサ」

女「……はい」

ダン裕「俺の時はキット、オト屋かセイ作がやってくれるヨ。楽しみだなぁ~」



299 :前にはったのちょっと違ったから貼りなおす:2010/02/07(日) 00:51:04.55 ID:E9RVDZzp0
 ダダダダダダッ

友「~~~っ!」

男「…まぁ、いいだろ。友、ご苦労」

友「ひぃ…ひぃ……」

男「選手交代だ、おいっ!」

女「はいっ!」

男「よーし、リハーサルと同じように、走ってみろ」

女「わ、わかりました」

男「……」

女「え、えっと……?」

男「いや、いい。とりあえず走ってみろ」

女「は…はいっ、頑張ります」

男「……テスト!」

男「ようーい、スタート!」

 カンッ!!


300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 01:01:24.51 ID:aXgEYuFW0
志村ー名前ー


301 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 01:05:52.67 ID:E9RVDZzp0
 タッタッタッタッタ

女「はっ…はっ…はっ……はぁっ!」

男「カーット!!」

女「……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

男「今のじゃだめだ、やり直し!」

男「リハーサルのようにと言ったろう!!」

女「はいっ!すいません!!」

男「もう一回だ!」

女「はい!」

女「(……あ)」

女「(……だめかもしれない)」


302 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 01:15:28.46 ID:E9RVDZzp0
女「(あ…やばいこれ……)」ドクッ ドクッ ドクッ

女「(みんなわたしをみてる……)」

女「(ちゃんと、やらなきゃ……わたし、ちゃんとしなきゃ)」

女「(…心臓、すごいバクバクいってる)」

女「(あ……)」

女「(これ、ダメなパターン、だ)」

女「でも……がんばらなきゃ」

女「うん……」


 タッタッタズサッ

女「あっ!!」

 ドサッ

女「ー痛っ!!」

男「…くそ、やっぱりか!……女ぁっ!!」


303 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 01:21:47.29 ID:E9RVDZzp0
男「…おいっ!何処だ、何処が痛い!!」

女「え、あ……え、えと……」

男「えぇい、触るぞ!」

女「あっ……」

男「ここは…?ここはどうだ?」

女「だ、だいじょうぶ、です……」

男「足は大丈夫か……手はどうだ。貸してみろ」

女「あ……」

 ギュッ

男「…手首、大丈夫か?」

女「……」

男「おい」

女「あ、え、えと……」

男「大丈夫なんだな?」

女「……はい」


304 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 01:27:48.43 ID:E9RVDZzp0
セイ作「救急箱、持って来ました」

男「…うむ。だが、願わくばその箱のお世話にはなりたくないな」

男「よし、立ってみろ」

女「……あ、あ……あぅ」

男「立てないか?」

女「…ご、ごめ……ごめんなさ……」

男「…背中と腰に痛いところは無いのか?」

女「た、たぶ……ん」

男「じゃあ立て」

女「え……」

男「立て。一人で立て。痛いところがあったら、言え」

女「あ……」


305 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 01:44:14.02 ID:E9RVDZzp0
女「(立てる、かな)」

女「(わたし、立てる、かな)」

女「(そういえば、あちこち、痛い気もするし……)」

女「(これ以上、走ったりするの、むずかしい気もする)」

男「何を考えてるか知らないが!」

女「…え」

男「俺が知ってる女は、ここでしっかり立つ女だ」

女「そんなっ!」

男「…なぁ」

男「俺は知ってるんだ」

男「お前が、真剣過ぎるが故に、立っていられない時があるって事を」

女「……」

男「大丈夫だ。安心して立って良い。ここで立てれば、これからずっと、立っていける」


306 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 02:06:46.69 ID:E9RVDZzp0
女「(そうだ…私ったら、ずっと何考えてたんだろう)」

女「(逃げることばっかり、言い訳ばっかりで、私……)」

男「いや」

男「……悪い」

男「真剣になれって、良い過ぎだったのは俺だった」

男「お前に、余計なプレッシャーをかけちまったな」

女「(えっ…?男さんが、…あの男さんが、私に……謝った?)」

 スッ

男「…手、つかまれ」

男「どうせお前は一人で立てただろう?」

男「だったら、……俺が意地を張る理由も無いからな」

 ギュッ

女「じゃあ、……お言葉に甘えて」


307 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 02:17:49.05 ID:E9RVDZzp0
男「立ってみて、痛いところはないか?」

女「大丈夫です」

男「…だとよ。その箱のお世話にならずに済んだぜ?」

セイ作「どこか痛み出したら、遠慮なく言ってくださいね」

女「はい。ご心配おかけました」

セイ作「いいんですよ。女さんは、演技に集中してください」

男「…落ち着いてるか?」

女「さっきよりは、ですけど」

男「よし。…ちゃんと、リハーサルを思い出せ?」

女「…リハーサル……」

男「…ユキは、なぜトウマを狙うんだ?」

女「それは……」

男「焦らなくて良い。今だけはいくらでも待ってやる。俺はもうカメラの所に行くから…整理できたら声をかけてくれ」

男「考えが中途半端なまま、声をかけるなよ?いいな」


308 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 02:37:51.29 ID:E9RVDZzp0
男「…カメ男、オト屋。次本番いけるか?」

カメ男「……俺は平気だ」

オト屋「俺もだが……いいのか?」

男「掛け声は『テスト』でいく」

男「……記念すべき1カット目だ。魅せてくれよ、主演女優」


女「(ユキは、トウマを殺しにいく為に走っている)」

女「(気づかれたら、殺される)」

女「(殺すとか、殺されるとか、私には分からないけど)」

女「(ユキは、家族をトウマに奪われて……殺されてしまっている)」

女「(私も、家族を……大切なものを奪われたら、復讐したくなるような気持ちになるのかな)」

女「(お父さんお母さん、友ちゃん…映研の先輩達……男さん……)」

女「……」

女「(やっぱり、私はユキのように強くは無いよ。すっごい甘ちゃんだよ)」

女「(……でも)」


309 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 02:50:40.16 ID:E9RVDZzp0
オト屋「おいおい、 なんだか考え込んじゃってるぜ?大丈夫なのか?」

カメ男「……」

男「今だけいくらでも待つと言った」

オト屋「ほぉ……」

男「この感覚…、最高だな」

男「俺が書いたあいつの為の脚本を、今あいつは必死で考えている……」

男「これからあいつは、演技という形で、俺に返事をくれるんだ」

男「たまらないな」

オト屋「ほんっと、あんたは生粋の映画監督だよ……」

女「いけます!!」

オト屋「…おっ」

男「良い顔だ。このカットがアップじゃないのが残念でならない」


310 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 02:52:46.37 ID:E9RVDZzp0
ちょっと仮眠



311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 03:01:33.22 ID:ds6F5MqE0
なんという・・・


312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 03:07:07.41 ID:GVAcI4Tj0
俺たちも男みたいにいくらでも待つだけの度量があるか試されているのか


313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 03:49:09.75 ID:5y93TCye0
純粋に面白い
ちぢれ頑張れ、応援してる


314 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 04:26:43.41 ID:E9RVDZzp0
女「(あそこに、トウマがいる)」

女「(憎い、トウマ……)」

男「いくぞ、……テスト!!」

男「よぉーい、………スターァッ!!」

 カンッ!

女「…ふぅっ」

 タッタッタッタッタッタ……

女「(トウマ……)」

 ザッ……ザッ……

女「(絶対に、ゆるさない。この、形見の小刀で……)」

男「カッーーット!!」

女「っ!?」


315 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 04:56:08.02 ID:E9RVDZzp0
男「演出はOKだ。…撮影は?ちゃんと止まってからすり足で近寄る演技を追ったか?」

カメ男「……当たり前だ。ちゃんとパンした」

男「音は?」

オト屋「引き絵で音に期待しなさんな。…ま、遠めながらも小気味よい走りと、色っぽい足音が録れた」

男「…よし、カット1、OKだ!」

女「……」

女「……あはっ、やった……やったんだ、私」

男「さぁ、次からは巻いていくぞ。また同じように走れ!今度はカメラがもっと寄るカットだ」

女「はいっ!いくらだってやります!」

女「(ユキお父さんの形見の小刀。彼女はこれで、トウマを倒すために、ずっとずっと、頑張ってきた)」

女「(そんな、ひたむきで、決して逃げないユキのように……なれたかな?)」

女「(ユキだって、本当は復讐なんてしたくないんだよね。でも、私と同じで不器用なんだ……)」

女「(それだけは、分かったんだぁ……)」


316 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 05:10:21.47 ID:E9RVDZzp0
友「よかった…。女ちゃん立ち直ったみたい」

セイ作「いやはや、一時はどうなることかと」

友「まったくです」

セイ作「偉いですね、女さんが倒れたとき、駆けつけたかったでしょう?」

友「…えへへ、本当は。でも、やっぱり、そういうのは監督……男さんの役目だと思って」

セイ作「その通りです。友さんも、だいぶ撮影の事が分かってきましたね」

友「…そんな、これくらいで。あの、カンッ!ってなる奴の名前も分からないんですよ私」

セイ作「あぁ、あれはカチンコですよ」

友「TVでよく見るやつだとは思ってましたけど…カチンコって言うんですね。ふむふむ」

セイ作「あれは、まぁ色々役割がありましてね…結構重要なんです」

セイ作「カットナンバーを書き込んで、撮影する前に撮ったり、叩く音で本番開始の共通意識になりますし」

セイ作「…本来はカチンコの音とカチンコがあわさる瞬間の画を合わせて、音と画を同期させるのが役割なんですが」

セイ作「今回の撮影は画も音もDVテープの中に一緒に入れてしまってるので、同期は元からあっているので、カチンコを叩く瞬間を映してはいないですね」


317 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 05:26:13.78 ID:E9RVDZzp0
男「カーーット!」カンカンッ

男「…よし、OKだ!」

女「ふぅ……」

男「次、カット6…。カメ位置はあっちだ。」

カメ男「分かった」

男「女はしばらく休みだ。…ほぼ走る演技だったが、良かったぞ」

女「は、……は、はいっ!ありがとうございます!」

男「うむ。また後でしっかりな」

女「(…ん、私……やれてる。にひひっ…うれしい)」

友「女ちゃんっ、お水はいかがですか?」

女「ありがとう友ちゃん……わ、おもしろい。ストローつきペットボトルだ」

友「服にこぼさないように、だって。私が作ったんだよっ」


318 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 05:46:57.70 ID:E9RVDZzp0
セイ作「……」ニコニコ

男「どうだ?」

カメ男「…逆光だ」

男「…だな。どうする?」

カメ男「背景はつぶしたくない…な?」

男「あぁ、もちろんだ」

ダン裕「ふぅ…やれやれもうすぐ出番かァ」

女「結局、スタンドインしてくれたの、セイ作さんでしたね」

ダン裕「どちらかと言えばオト屋の方が似てるのにネェ。やっぱりお仕事忙しいのかナ」

男「友っ、カポックだ!」

友「…カポック?」

セイ作「あぁ、友さん。朝持ってもらった大きな発泡スチロールですよ」

友「あれのことですか。今もって来ます!」


319 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 05:55:11.88 ID:E9RVDZzp0
友「カポック、持って来ました!」

カメ男「……セイ作。このカット、友さん借りる」

セイ作「どうぞどうぞ」

友「えっと…何をすれば?」

カメ男「……カポックの使い方を説明する」

カメ男「……カポックは、光を反射させて明るくさせる」

カメ男「今、セイ作の顔は逆光だから、暗い。セイ作の顔を明るくしなくてはいけない」

カメ男「……カポックを、いろいろ動かしてみろ」

友「えっと……?あ、いま一瞬セイ作さんが明るく…」

カメ男「そう。そのセイ作が明るくなる場所で、じっとカポックを持っていて」

カメ男「…ただし、本番中は絶対動かない」

友「わかりました……やってみます」

セイ作「しかし…なかなか、まぶしいですね」

男「そろそろいけそうか?」

カメ男「もう少し、だ。今露出の調節をしてる」


320 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 06:06:52.26 ID:E9RVDZzp0
女「…あの大きい発泡スチロール…カポックっていうんですか?…どこであんなに大きいの手にいれてくるんでしょうか」

ダン裕「あぁ、セイ作に聞いた話だと、ホームセンターで買ったらしいョ」

女「ホームセンター?ああいうのも売ってるんだ…」

ダン裕「セイ作はホームセンター大好きだよ。撮影に使えるものがいっぱいあるしネ」

ダン裕「あの発泡スチロールは、カメ男に頼まれて買ったって言ってたケド…なんか、200円くらいだったらしいヨ」

女「200円?…へぇ」

ダン裕「撮影に必要なものって、ピンキリなのよネェ。セイ作、今テープ類を大量に腰に付けてるでショ?」

女「あ、そういえば……」

ダン裕「あの中には100均で買えるものから、1000円以上する特殊なテープもあるからネェ」

女「1000円するテープってあるんですか!?…うひゃぁ」

ダン裕「たしか、パーマセルテープっていったかなぁ。粘着力弱いけど、剥がすの楽なんだよネ」


321 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 06:24:11.50 ID:E9RVDZzp0
カメ男「……これで、どうだ」

男「うん、良いじゃないか。背景の林も表情もしっかり映ってる」

カメ男「…なら、カメラは決まった」

男「…よし、セイ作。その位置バミッとけ」

セイ作「わかりました」

男「ダン裕、出番だ」

ダン裕「待ってたヨ!」

セイ作「選手交代、ですね。よろしくお願いします」

ダン裕「バミリ、ありがと。セイ作のバミリはいつも分かりやすい」

セイ作「そんな。それほどでもないですよ」

セイ作「…バミリは友さんにも後でやってもらうと思いますが」

セイ作「役者さんの立つ位置や動く目標なんかを、このテープで地面に印をつけてあげる事をバミリというんですよ」

友「はいっ。それくらいのことなら、いつでもやれますよっ!」

セイ作「あとでテープを貸しますからね。多分、これから女さんのスタンドインをやる機会も多いでしょうから、度々バミってもらうと思いますよ」


322 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 07:07:06.93 ID:E9RVDZzp0
やべげんかいごめ


323 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 08:19:28.28 ID:lm4ddwKxO
落とさせないよ!


324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 09:25:02.39 ID:Y/kUIkIk0
ほし


325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 10:49:54.35 ID:qfVK8KAk0



326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 12:14:34.64 ID:OLAruHKs0
ho


327 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 13:01:18.14 ID:bnbLlTZR0
女かわいい 


328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 14:00:47.91 ID:NavRd0ZcQ



329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 14:02:47.79 ID:S6+Thdlz0
まだ残ってたのか、支援


330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 14:39:49.96 ID:NavRd0ZcQ
保守


331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 15:32:24.97 ID:bnbLlTZR0



332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 16:53:05.71 ID:0QYj5I8A0



333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 17:52:09.27 ID:OLAruHKs0
ほしゅ


334 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 18:21:47.84 ID:UQ1f/djo0
 サッサッ……サッサッ……

ダン裕「……ふぅ」

男「カットッ!」

 カンカンッ

男「…よし、俺は問題ない」

カメ男「……大丈夫だ」

オト屋「俺もだ。木を削る音とため息。しっかり録らせてもらった」

男「うむ。…よし、次に行くか」

カメ男「…いいカポックだった」

友「ほんとですか?また必要になったらいつでも言ってください」

カメ男「……あぁ」

ダン裕「んー、すんなり行き過ぎて逆に気持ちわるいですネ~」

男「演技的には問題ないぞ。…残念だが」

ダン裕「残念って……普通は喜ぶでショ?」


335 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 18:26:25.17 ID:UQ1f/djo0
男「さてな。たまにはお前の演技をコテンパンにしてみたくなる時もある」

ダン裕「やれるもんならやってるといいネ!俺様の演技につけいるスキなんて1mmも無いんだからネ!」

男「なんだ1mmもあるのか」

ダン裕「…言うねェ」

男「舌が回らなければ監督はやっていけないのでな」

ダン裕「役者の滑舌も舐めない方がいいんだゼッ!」

オト屋「あぁ~、また始まった。進行止まんなきゃいいんだが…」

セイ作「大丈夫ですよ。ちゃんとカメ男さんは次のカットのカメ位置に移動してくれてますし」

セイ作「緊張感も大事ですが、こういう時間があってもいいでしょう」

オト屋「…あぁ、そうだ。…友っ」

友「はいっ、なんでしょうか?」

オト屋「次、マイク持ってみるか?」

友「えっ、…いいんですか私で」


336 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 18:42:17.65 ID:UQ1f/djo0
オト屋「いいもなにも、俺は毎回でもマイクを持って欲しいぐらいだぜ」

友「えぇっ?オト屋さんが自分で持ったほうが、きっときれいに録れますよ」

オト屋「そうもいかないんだな」

オト屋「俺はマイキングよりも、ミキシングという重要な作業があるんだよ」

友「ミキ…シング、ですか?」

オト屋「そう。…あー、まだ教えてなかったな」

オト屋「マイクのコードを辿ってみてくれ。…俺の腰に付いてるコイツに繋がってるだろう?」

オト屋「コイツは、ミキサーっていうのさ。電池式で野外でも使えるから、ミキサーの中でもポータブルミキサーっていう種類になるな」

友「ふむふむ。…それで、これはどうしてマイクに繋げる必要があるんですか?」

オト屋「メインは音の大きさの調節だな。マイクの音を直接ビデオカメラに入れてしまうと、大きさの調節が出来ないだろう?」

友「…なるほど」

オト屋「だからマイキングよりも、適切な大きさの音をカメラに送ってあげる仕事…ミキシングの方が重要なんだ」

オト屋「もちろん、マイキングの時点で良い音を拾ってくれないとダメなんだけど、それは音を聞いてる俺が指摘すればいい話だからさ」


337 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 19:05:02.85 ID:UQ1f/djo0
ダン裕「…いや、だから~。やれるもんならやればいいんだヨ~」

男「こっちの台詞だ。かってに人の台詞を盗るな」

ダン裕「ぐっ……何時の間に脚本ができていたのダ」

カメ男「……カメ位置、ここでいいか?」

男「よっし、見せてみろ。セイ作、スタンドインだ」

セイ作「わかりましたよ」


女「…ダン裕さんっ」

ダン裕「おぉ、お嬢さん。どうしたんだい?」

女「なんだか、基地で一人でいるのが寂しくなっちゃって…」

女「それにしても、男さんと仲がいいんですね?」

ダン裕「俺と男が?…ハッハ、見かけによらずお嬢さん冗談が上手だナ~」

女「いやぁ、別に冗談ってわけじゃ……」

ダン裕「男のヤツは、人間として最低だョ」

ダン裕「鬼畜とはマサに男のことダヨ!…さっさと畜生道に堕ちればいいんダ!」


338 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 19:22:33.40 ID:UQ1f/djo0
女「えと……なにか過去に男さんとあったんでしょうか?」

ダン裕「ムッ……なんでそう思う?」

女「(そりゃ、そこまで男さんのことを悪く言うなら、そう思うしかないでしょ…)」

女「いやぁ、なんとなく、です。なんとなく。……アハハ」

ダン裕「お嬢さん勘がするどいヨ。…男と俺は、何を隠そう……」

ダン裕「腐った縁で繋がれちまっているンだ!」

女「(腐った縁って……腐れ縁のことかな……?わ、わらうとこかな……?)」

女「そ、そうなんですか…ふ、うふふっ」

ダン裕「…ホントは今すぐにでもそんな縁切っちゃいたいンだよ?…俺まで腐っちゃうからネ!」

ダン裕「……でもネェ。男のお父さんには随分お世話になったらなァ……。そうもいかないんだよ」



339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 19:26:00.19 ID:bnbLlTZR0
見てるようううううううううふふ


340 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 19:33:43.34 ID:UQ1f/djo0
女「男さんの、お父さんに……ですか?」

ダン裕「そうそう」

ダン裕「男のお父さんはネェ……何を隠そう……なんと……あの……っ!!」

女「あの……?」

男「おい、ダン裕。テストやるぞ!」

ダン裕「オット、ごめんいまいくヨ~」

女「あ……」

ダン裕「フフ。…残念。また後でだヨお嬢さん」

男「さっさとしろ。まともに働かない癖に、一丁前にだらだらとはな」

ダン裕「別にダラダラしてないサー。今行く、今行く」

女「(男さんのお父さん、か……)」

女「(どんな人なのかな?)」

女「(やっぱり、映画関係の仕事とかしてるのかな……?)」


341 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 19:48:35.76 ID:UQ1f/djo0
オト屋「…うん、いい持ち方だよ友ちゃん」

友「ほんとですか?…でも、これでちゃんと出来てますか?」

オト屋「ダメなときは俺が言うから大丈夫」

オト屋「俺が何か言わない限りは、友ちゃんは安心してそのまま持ってていいんだ」

友「…なるほど。わかりました、安心してマイク持ちますっ!」

オト屋「あー、でも無理にカメラに近づけて、マイクを映りこませちゃったりするのは良くないから、それだけは気をつけてね」

カメラ「…映りこむか不安だったら、俺に聞け」

オト屋「…だとさ」

友「あ……はいっ。」

オト屋「このカットは台詞が無いし、ちゃんと動作音を録れればいいから。無理して近づける必要ないからね」

友「は、はい……」

オト屋「まぁ、そう固くならないっ。安心して間違えなって」

オト屋「友ちゃんがミスっても責任は俺にあるんだからさ!」

友「そんなこと言われたら、余計にに間違えられないですよぉ……」


342 :ちぢれopenβ:2010/02/07(日) 20:10:27.63 ID:UQ1f/djo0
 2時間後

セイ作「…では、この辺りでお昼にしませんか?」

男「そうだな。…よし、20分休憩を入れる。その後はカット14からだ」

セイ作「おにぎりとパンを買ってきてありますから、各自好きなものを食べてくださいね」

友「女ちゃんお疲れ様っ!一緒に食べよ」

女「友ちゃんこそ、お疲れ様」

友「ん~、そんなに疲れてないよ?…むしろ、楽しいくらい」

女「ほんと?……実は、私もかも」

友「そっか……にひひっ。パンにする?おにぎりにする?」

女「パンにしようかな」

友「じゃあ、私もーっ」

女「(そういえば、結局ダン裕さんに、男さんのお父さんのこと聞き忘れちゃってるなぁ…)」

女「(なんかダン裕さんはすっかり忘れちゃってるみたいだし……後でちゃんと聞いておこう)」


343 :ちぢれ:2010/02/07(日) 20:15:23.23 ID:UQ1f/djo0
たまにエッチなSSが恋しくなるのぅ…むらむら

ごめんなさいまたしばらくPCから離れますごめんなさい


344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:19:42.04 ID:2jEngsbi0



345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:35:13.66 ID:bnbLlTZR0
3


346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:38:21.71 ID:TVZlZDbm0
名前が果てしなく気持ち悪いです


347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 21:13:03.48 ID:DvyzEpeh0
しじみ


348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 21:46:05.39 ID:bnbLlTZR0
しみじみ


349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:05:30.14 ID:WMga9zKo0
染み付く


350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:13:47.15 ID:BHG5sXMv0
話は面白いのに


351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:21:55.28 ID:sK6H8xrH0
                      .,-、 ,-、
             ________     .i  i/ /.-、
        ,,..-''''""    "'''=_-.._i  i  / ,/
       ,,''"            ヽ  `ー-._/
      /    ,riiニヽ   ,riiニヽ  |     }
     i __         ^ 、    } ノ ,,,.ノ
     | | |      ト----イ   /~ ̄
  ___.!,| ヽ、      `ー‐´  /
. (..__.i    ヽ        _/
.(___|  ーノー―--..__ ヽ、
 (____、_,, '        ̄~


352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:50:53.86 ID:bnbLlTZR0



353 :ちぢれ:2010/02/07(日) 23:08:26.26 ID:PjlR48UV0
タフマンうめぇ

ちぢれは名前も性格も気持ち悪いですもっと言ってビクンビクン
登場人物の名前は後悔してます

遅い&書く時間短くてごめんなさい
最下位意識を失うまで最下位


354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:26:19.62 ID:aXgEYuFW0
私怨


355 :ちぢれ:2010/02/07(日) 23:31:42.53 ID:PjlR48UV0
女「友ちゃんあっというまに色々覚えちゃってるね。すごいすごい」

友「そうでもないよ。…正直頭パンクしそう。先輩に囲まれて、あれやこれや…いっぱい言われるし」

友「でも、私にしてみたら女ちゃんの演技の方がすごいと思うけどなぁ……」

男「女っ、午後から本格的にアクションだ」

男「午前中みたいな事はもうないとは思うが、リハーサルと違って、地面はマットじゃないからな」

男「…くれぐれも、ケガだけはしないでくれ」

女「大丈夫です。もう、しないですよ。……たぶん」

男「たぶん、か」

女「まぬけなんで……えへへ」

男「お前とやれてよかったよ」

女「……えっ?」

男「できるだけこちらも最悪の事態にはならないようにするが、…常に危険を察知するようにしてほしい」

男「…ちゃんと、撮り終えたいんだ。お前のお陰で、きっと良いものが撮れる」

女「ふふっ……そうですね。頑張って、……まぬけ、卒業します」

男「そうしてくれると助かる。まぬけな女優は、見ていてハラハラする」


356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:55:35.73 ID:i5BYnmuA0
すごくたのしく観させてもらってるぜ 支援


357 :ちぢれ:2010/02/07(日) 23:55:47.41 ID:PjlR48UV0
男「…ま、用件はそれだけだ。食事中悪かったな」

女「いえ、…午後もよろしくお願いします」

女「(…男さん。お礼を言うのはこっちの方ですよ)」

友「むふふ」

女「ん?」

友「男さんって……何考えてるか分からないけど」

友「結構良い人そうだね?」

女「うん……実は、そうなんだよね」

友「……」

友「女ちゃんの最高の理解者、か……」ボソッ

女「…ん?」

友「いやぁ、やっぱりどんなに美味しいご飯でも、おふくろの味には敵わないよねぇ……」

女「(友ちゃんが食べてるパン、あんまり美味しくないのかしら…?)」


358 :ちぢれ:2010/02/08(月) 00:26:13.26 ID:hYVkBSSZ0
男「…本番ッ!」

男「よぅーっい、スターッ!」カンッ

女「……死んで。…………死んで!!」 

 シュッシュッシュッ ヒュッ!

ダン裕「……っぐ、…う……」

男「カット!」カンカンッ

男「…うん、動きは二人ともいい」

男「問題は、ユキの台詞だな。もっと切実で、詰まった感じが欲しい」

男「何年も追っていた親の敵が目の前にいるんだ」

男「もっとこみ上げるものがあってもいい。もしくは、こみ上げてくるものを押さえてもいい」

女「…あ」

男「できそうか?」

女「はい。…やってみます」


359 :ちぢれ:2010/02/08(月) 00:39:02.63 ID:hYVkBSSZ0
オト屋「うん、台詞ちゃんと録れてるよ」

友「ほんとですか?…よかった」

オト屋「次は…どうだな、ユキの台詞の後は、全体の動きを録る様にマイクを向けてくれないか?」

友「…となると」

 スッ……スッ

友「こんな感じですか?」

オト屋「うん。それでばっちりだ」

友「じゃあ、これで行きます」

オト屋「よろしく頼むよ」

男「カメ男、もう一度いけるか?」

カメ男「……いつでも大丈夫だ」

男「よし、テイク2だ!」

男「テイク2。……よぅーっい、スターッ!」カンッ


360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:45:42.10 ID:Jt38LstjQ
支援


361 :ちぢれ:2010/02/08(月) 00:55:23.70 ID:hYVkBSSZ0
男「…ふぅ。カット26、OKだ」

男「セイ作、今何時だ」

セイ作「15時です」

男「…まだ、いけるな」

男「よし、予定通り28カット目まで撮る。その後は撮りこぼしている部分を速攻で撮って行くぞ」

セイ作「はい。把握しました」

男「次は手持ちだ、カメ男」

カメ男「……分かってる」

男「そうか…」

ダン裕「さっきの台詞よかったヨ。ちょっとピリリときた」

女「ありがとうございます。…でも、きっと男さんの指導がいいんですよ」

ダン裕「相手役が良い、の間違いジャない?」

女「ふふ、それもありますよ。もちろん」

女「(いままだ撮影中だし、男さんのお父さんのこと聞くのは止めた方がいいよね…)」


362 :ちぢれ:2010/02/08(月) 01:28:22.53 ID:hYVkBSSZ0
男「…テスト、いけるか?」

オト屋「いけるぜ」

カメ男「……ん、大丈夫だ」

男「よし…」

男「これからカット27を撮る」

男「ユキが小刀が振り下ろし、トウマに避けられた瞬間、返す手で振り上げる動作を、手持ちのカメラで追う」

男「…難易度が高い。テストを一回やったあとは、本番だ。カメラを回していく」

男「数うちゃあたる…だが、有効な時もある。テイクが重なるかもしれないが、皆頼む」

男「女。…演技は、大丈夫だな?」

女「監督にいっぱい教わりましたから」

男「ふふ。…よし、いくぞ」

男「テスト」

男「よぅーっい、スターッ!」カンッ


363 :ちぢれ:2010/02/08(月) 01:40:03.85 ID:hYVkBSSZ0
女「っあ!」

 ビュンッ

ダン裕「くっ!」

女「…」ニヤリ

 シュッ!

ダン裕「っ!?」

男「カット!」カンカンッ

男「…カメ男」

カメ男「ダメだ」

男「何回欲しい」

カメ男「5回。それでなんとかする」

男「わかった。…次からカメラ、回していくぞ?」

カメ男「あぁ」


364 :ちぢれ:2010/02/08(月) 01:50:13.85 ID:hYVkBSSZ0
男「…カット!」カンカンッ

男「チェックする。しばらく待機だ」

女「(チェック…?この撮影はじまってから、まだ一回もやったことないよね…?)」

カメ男「…今出す。……これだ」

男「……」

男「こうなるか」

カメ男「まだ、決まりじゃない」

男「…よし、もう一回好きにやってみてくれ」

カメ男「分かった」

男「テイク2いくぞ。いいか?」

女「はいっ!」

ダン裕「いつでもドゾドゾ」

オト屋「あいよー」


365 :ちぢれ:2010/02/08(月) 02:01:51.33 ID:hYVkBSSZ0
男「カット!」カンカンッ

男「どうだ?」

カメ男「……こうなった」

男「……」

男「…ううむ」

カメ男「どうしたいんだ?」

男「…小刀を追い切れてないのは、これからどうにかなりそうか?」

カメ男「おそらく。あと3回もらえれば」

男「うぅむ…だが、それにしても……」

カメ男「見にくいだろ?…俺の手持ちなんてこんなものさ」

男「もっとやれるはずだ」

カメ男「……」


366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 05:03:39.18 ID:muk9xvMR0
落ちそう


367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 05:04:00.49 ID:355bXoWe0
ほしゅ


368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 06:58:29.98 ID:aETtjF7d0



369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 08:07:30.40 ID:JJ4skgg0O
保守


370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 08:21:15.97 ID:Jt38LstjQ



371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 09:22:24.07 ID:4zDZhVmu0
ほしゅ


372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 10:24:41.43 ID:FsqVx5Y80
フォッシュ


373 :ちぢれ:2010/02/08(月) 11:28:02.37 ID:hYVkBSSZ0
おそようございます(´д`)
栄養剤って飲みすぎると気持ち悪くなるんですね。

保守ありがとうございました。
1時くらいから続きを書かせていただけるとうれしいです。


374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 12:22:39.27 ID:viJ0QcFz0
ほしゅ


375 :ちぢれ:2010/02/08(月) 13:02:40.72 ID:hYVkBSSZ0
男「カット!」カンカンッ

女「……ふぅ」

男「……」

男「カメ男、テイク5終わったぞ。どうだ?」

カメ男「…なんとか追いきれる。…が、追いきるので精一杯だ」

男「そうか」

カメ男「すまん」

男「…女が同じ演技に疲れてきてる。早めに終わらせたい」ボソッ

カメ男「…ん」

男「なんとかするが……あと、二回で終わらせる」

カメ男「……分かった」

男「うむ。信じてるぞ」


376 :ちぢれ:2010/02/08(月) 13:36:21.64 ID:hYVkBSSZ0
男「…ちょっと、疲れてきたか?」

女「いえっ、そんなことは」

男「だれしも、何度もテイクを重ねると集中力が落ちていくものだ」

男「現に今のテイクは、少し精細に欠いていた」

女「精細…」

男「回数を重ねて集中力が切れると、留意すべき細かい点が慣れに変わっていくものだ」

男「次のテイクは初心に帰って、するべき事を頭の中で整理してみろ」

女「はいっ!」

男「…よし。いけるようになったら言ってくれ」

男「あとは…カメ男」

カメ男「……あぁ」

男「貴重な、残り2テイクだ。やはり、これ以上は多分無理だ」

男「女も限界だが、日の色も光量も変わってきてるのは、お前も良く分かってるだろう?」

男「無駄にするようなら撮り方を変える」

カメ男「……そうか。分かった」


377 :ちぢれ:2010/02/08(月) 13:55:10.39 ID:hYVkBSSZ0
男「カットッ!」カンカンッ

男「…演技、よかったぞ」

女「ありがとうございますっ」

カメ男「……もう一度やらせてくれ」

男「わかった」

男「……次が最期だぞ?」

カメ男「なんとかする」

男「…信じて良いんだな」

カメ男「やるしかない」

男「…そうだな」

男「テイク7だ!」

男「…女、今の感じだ。…だが、全く同じにする必要は無い。今回も初心に帰れ」

女「はいっ。……やれるとおもいます」


378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 14:13:59.26 ID:tC9j4si30
台本みたいだな


379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 15:01:39.65 ID:UO/BcSom0
ほっしゅ


380 :ちぢれ:2010/02/08(月) 16:07:57.78 ID:hYVkBSSZ0
男「本番ッ!」

男「よぅーっい、スターッ!!」カンッ

女「っあ!」

 ビュンッ

カメ男「……」

 ズルッ

カメ男「っ!?」

 バタッ

男「カット、カメ男っ!!」

カメ男「……ぐあ」

男「くっ」

カメ男「あ……す、すまん」

男「馬鹿野郎!!」

カメ男「ぐぅ……」


381 :ちぢれ:2010/02/08(月) 16:21:47.90 ID:hYVkBSSZ0
女「(え……男さんが、怒鳴って…?)」

男「なんで、こけた!…なんで今こけた!!」

カメ男「すまない」

男「……はぁ」

男「どうする。もう一度やるか?…それとも、カメ位置を変えるか?」

カメ男「男が決めてくれ。監督はお前だ」

男「ならもう一度このままだ」

カメ男「わかった」

男「次こそ、頼むぞ」

カメ男「……俺を、かいかぶりすぎだ」

男「なんだと」

カメ男「いや……、やれると言ったのは俺だ」

カメ男「だから、やる」

男「そうだ。お前がやれると言ったから、俺もこのカットを手持ちにしようと思ったんだ」


382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 16:45:29.82 ID:GE+8P+vu0
キミー「え?ちょww 私?」

DJ「はぁ?なんでそっちのバカのほうが女優に抜擢されるの?」

キミー「まぁ私の美貌のお陰よね~」

ミシェル「画面に性格は映らないからね」



って思ったのに全然違った


383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 16:54:26.61 ID:Atb6TmY90
支援


384 :ちぢれ:2010/02/08(月) 16:54:32.39 ID:hYVkBSSZ0
カメ男「…やる」

男「あぁ。テイク8だ」

カメ男「みんな、すまない。もう一度やらせて欲しい」

女「そんなっ」

オト屋「カメ男のせいじゃねぇよ。誰かのミスは全体のミスだ」

セイ作「そうですよ。もっとカメ男さんの足元を、よく見ておけばよかったんですが…」

ダン裕「こんなことイチイチ気にしてたら撮影なんてできなイって!」

友「ミスの多さなら、私の方が多いじゃないですかぁ」

カメ男「……ありがとう」

男「……よし、テイク8だ」

男「各自問題ないなら始めるぞ」


385 :ちぢれ:2010/02/08(月) 17:17:34.79 ID:hYVkBSSZ0
男「カット!」カンカンッ

男「……どうだ?」

カメ男「……今までで、一番いい。が、使えるかはわからん」

男「もうどう撮れていても、8回の中のどれかを使うしかない…」

男「次のカットだ。はやくしないと日が沈むぞ」

カメ男「…ん」

女「(男さん、ちょっと余裕ないのかな…)」

女「(すこし気持ちが張り詰めてるきがする)」

ダン裕「今日撮る大変なカットは、これで終了だヨ。やっとだネ」

女「あ、はい。…すごい不安でしたけど、なんとか来れました」

ダン裕「んじゃ、最期まで気合入れてこうゼ!」

女「そうですね。がんばりますっ」

カメ男「……」

女「あ……」

女「(たぶんカメ男さん、落ち込んでる…)」


386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 17:32:29.68 ID:UO/BcSom0
支援


387 :ちぢれ:2010/02/08(月) 18:40:37.45 ID:hYVkBSSZ0
 一時間後

男「…そろそろ限界か?」

カメ男「光量が足りない」

男「よし、ならば今日の撮影はここまでだ。皆、よくやった!」

女「おつかれさまです」

オト屋「おつかれ、お嬢ちゃん」

ダン裕「オツカレー」

カメ男「……」

友「みなさん、おつかれさまです。お茶をどうぞ~」

オト屋「おぉ、ありがとよっ。今日はよくマイクもってくれたな。助かったぜ」

友「ひひっ、おやすいごようです」

オト屋「また明日もたのむぜぃ」

女「(やっと終わった)」

女「(あ、なんか……)」

女「(わたし、結構疲れてるかも)」


388 :ちぢれ:2010/02/08(月) 19:49:59.48 ID:hYVkBSSZ0
女「……」

男「…おい」

女「あ、男さん…おつかれさまです」

男「初めての撮影で、疲れたろ?」

女「そうですね。気がつかないうちに、色々溜まってたみたいで…」

男「そうか。…まぁ、片付けは俺たちにまかせて、とりあえず休んでろ」

女「じゃあ…お言葉に甘えて」

男「うむ」

オト屋「友ちゃん、コード巻いといて!」

友「あ、はいっ」

オト屋「できるかな?」

友「順まき…でしたっけ?大丈夫だと思います」

オト屋「そか。じゃあ巻き終わったら、雑巾で拭いておいて欲しい」

友「りょうかいですっ」


389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 20:02:46.62 ID:BsdeOdeF0
おい右を見ろ→              下を見ろ↓
       下を見ろ↓                  ←左を見ろ
               右を見ろ→                             下を見ろ↓

                        右を見ろ→        下を見ろ↓

↓下を見ろ                ←左を見ろ ↑上を見ろ            ←左を見ろ

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右を見ろ→              下を見ろ↓
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↓下を見ろ                ←左を見ろ ↑上を見ろ            ←左を見ろ

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 支援


390 :ちぢれ:2010/02/08(月) 20:24:48.29 ID:hYVkBSSZ0
女「…なんだか、悪いですね。皆さんも疲れてるでしょうに」

ダン裕「そうダネ。…まぁでも、役得~役得」

セイ作「ダン裕さん、いま大丈夫ですか?」

ダン裕「バリバリおっけーだよ?」

セイ作「今後のスケジュールの件でちょっと伺いたいんですが、ちょっといいですか?」

ダン裕「ナニナニ?」

女「……」

女「(一人になっちゃった)」

女「(どうしよ……)」

女「(みんな、てきぱき片付けてる)」

女「(あ、でもカメ男さんは……)」



391 :ちぢれ:2010/02/08(月) 20:29:33.03 ID:hYVkBSSZ0
女「お手伝いしますよっ」

カメ男「……大丈夫だ」

女「そうですか?…友ちゃんはオト屋さんやセイ作さんのお手伝いをしますけど」

女「カメ男さんのお手伝いはあまりしないじゃないですか?」

女「機材色々あるのに、カメ男さんは一人で全部やってますし」

女「手伝えることがあったら、手伝いますよ」

カメ男「……じゃあ」

カメ男「そこの三脚を基地まで運んでほしい。俺はカメラをもっていくから」

女「わかりました。お安い御用ですっ!」

女「よいしょーっ」

カメ男「ありがとう」

女「そんな…水臭いですよ」

カメ男「……ん」

女「(やっぱり、元気ないんだろうなぁ)」


392 :ちぢれ:2010/02/08(月) 20:43:44.30 ID:hYVkBSSZ0
カメ男「……」

女「……あのぉ」

カメ男「……ん?」

女「あんな男さん、初めてみました」

カメ男「……そうか。たまに、あるんだ」

カメ男「あいつは……俺に、というより、自分に怒ってたんだと思う」

女「自分にですか…?」

カメ男「作品を自分の思うとおりに作るのは難しい」

カメ男「あいつは自信の影で、常に自分の至らなさを責めているんだ」

カメ男「そういう自責の鬱憤が、あの時爆発したんだと思う」

カメ男「……もちろん、引き金は俺だ」

カメ男「ほんとは、あいつはあれ位で、あんな声を出すやつじゃないんだ…」

女「男さんのこと、よく分かってるんですね」

カメ男「どうだろう」

カメ男「…まだカメラマンと監督の理想の関係には届かないのは確かだ」



393 :ちぢれ:2010/02/08(月) 20:57:04.31 ID:hYVkBSSZ0
女「(理想の関係、かぁ)」

女「(カメラマンともそういうのがあるんだ。女優と監督だけじゃないんだなぁ……)」

女「えっと…ということは、あれは別に、カメ男さんを怒ってたわけじゃないんですよね?」

カメ男「…怒っていたといえば、怒っていた」

女「そうですか……」

女「カメ男さん、なんだか落ち込んでるように見えたので、あれがショックだったのかと思ったのですけど」

カメ男「……落ち込んでるように、見えるか?」

女「はい」

カメ男「……そうか」

女「元気だしてください。いいじゃないですか、一度や二度の、あれくらいのことっ!」

カメ男「そうなんだが……」

カメ男「やはり俺は実力が無いのだと、思い知らされもしたんだ」

女「カメ男さん……」


394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 21:44:38.09 ID:HVaqIk2lP
面白いな


395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 22:07:01.35 ID:n80+0mc80
おい


396 :ちぢれ:2010/02/08(月) 22:25:16.26 ID:hYVkBSSZ0
カメ男「……才能が無いのかもしれない」

女「なんでですか…なんでそんなのわかるんですか!?」

カメ男「わかる」

カメ男「……自分の限界を知るっていうことは、才能が枯れているのと一緒だ」

カメ男「天才に生まれたかった」

女「天才ですよ!…カメ男さんぐらいカメラが使える人は、同年代に全然いないじゃないですか」

カメ男「……ふっ」

カメ男「天才っていうのは、あいつの……男の父親の事を言う」

女「天才…?男さんのお父さんが……」

女「やっぱり、映画関係のお仕事なんですか?」

カメ男「あぁ。……山石井監督を知っているか?」

女「えぇ…名前だけなら」

カメ男「もう引退して長い監督だ。…十数年前までは、一世を風靡していた」

女「その、山石井監督が……」

カメ男「いや、違う」


397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 22:25:38.92 ID:M6YLEczA0
支援するよ!!続き楽しみ!


398 :ちぢれ:2010/02/08(月) 22:34:10.11 ID:hYVkBSSZ0
カメ男「山石井監督の撮影監督をやっていた男」

カメ男「それが、あいつの父親だ」

カメ男「……そして、俺の尊敬する人だ」

女「撮影監督。…カメラマンなんですね」

カメ男「あの人のカメラの動きや位置は、俺なんかには真似しようも無い」

カメ男「……それくらい、天才なんだ」

女「そんなにすごい人なんですか?」

カメ男「……山石井監督の撮影監督を辞めてから、山石井監督はぱったり映画が撮れなくなってしまった」

カメ男「他のカメラマンでは、あの人の代わりはできなかった」

女「そんなに……。道理で」

カメ男「男がすごいのが頷ける、か?」

女「えっ……あ、はい」

カメ男「確かにあいつは凄い。自分でも言っているが、あいつは天才だろう」

カメ男「……だが」


399 :ちぢれ:2010/02/08(月) 22:44:16.01 ID:hYVkBSSZ0
女「……?」

カメ男「いや、なんでもない」

カメ男「三脚ありがとう。そこにおいて」

女「……はいっ」

女「……」

女「えっと」

女「聞かないでおこうかと思いましたけど、やっぱり気になります。何を言おうとしてたんですか?」

カメ男「……そのうち分かる」

女「でも、あの」

カメ男「二つ話そうと思っていた」

カメ男「そのうちの一つ……俺の愚痴だ」

カメ男「撮影中、俺は常にあいつの父親と比べられてるんだ」

カメ男「自分でさえ、尊敬する人の足元に及ばない事を自覚しているというのに」

カメ男「……あいつは俺に、父親の像を求めてくる」

女「カメ男、さん……」


400 :ちぢれ:2010/02/08(月) 23:00:26.77 ID:hYVkBSSZ0
女「あの……。ごめんなさいっ!」

女「私なんかがその事を聞いて、何かできるはずないのに」

女「勝手な好奇心で……その……あのっ」

カメ男「いいんだ」

カメ男「……愚痴なんて滅多に言えないから」

カメ男「俺もあいつと同じで、溜め込みすぎちまってるみたいだ」

カメ男「ははっ」

女「聞くだけなら、いつでも…いつでもしますからっ」

女「わたし愚痴聞くの好きなんでっ」

カメ男「……やさしい」

女「ふぇっ!?」



401 :ちぢれ:2010/02/08(月) 23:12:28.71 ID:hYVkBSSZ0
カメ男「……」ニコッ

女「(あ…笑った。いつもムスッってしてるカメ男さんが……)」

男「おい、女。もう撤収だ!」

女「あ、はーいっ!」

女「あ……す、すいません。なんか…」

カメ男「……」

カメ男「……さっき言おうとした、もう一つのこと」

カメ男「もう少ししたら、きっと、分かる」

カメ男「……俺の口からは、やっぱり言えない」

女「わかりました。わざわざありがとうございます」

カメ男「……ん」

女「ほんとに愚痴聞くの好きなんですからねっ、いつでもビシッバシッ受付中ですからっ!」

女「それではっ」

カメ男「……」

カメ男「綺麗に、映す。……彼女の魅力を、カメラに……」


402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 23:53:47.98 ID:a4+RPcxm0
寝る前保守
お前ら後は頼んだぞ


403 :ちぢれ:2010/02/09(火) 00:20:11.70 ID:Esym6RR90
女「(カメ男さんも、オト屋さんも、すごい人で…)」

女「(でも、私なんかよりもよっぽど努力してるのに、実はすっごく悩んでいて…)」

女「(そして……)」

男「早めに森林を出て、着替えに行っていていいぞ。…日が暮れての冷えは、その服ではこたえる」

女「はいっ。…えっといいんですか、私だけ……」

男「あぁ、いい。……ダン裕は男だし。他の奴らはスタッフだ」

女「ですよね…いつも悪いです。あはは…」

男「……カメ男と何を話していた?」

女「撮影お疲れ様です、って。色々とまぁ、どんな風に撮ったとか、聞きました」

男「そうか……」

女「どうしました?」

男「いや、なんでもない」

女「(そして……)」

女「(この人も、いっぱい…悩んでるんだ)」


404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 00:20:24.49 ID:j2cI0O/C0
ほしゅ☆


405 :ちぢれ:2010/02/09(火) 01:06:22.07 ID:Esym6RR90
女「うそ…ついちゃったな」

女「(でも、男さんのお父さんの事を聞いてた、なんて……)」

女「(言えないよね)」

女「(たぶん、男さんの悩みは、お父さんのせいもあるだろうから)」

女「嘘だって、ばれてるんだろうなぁ……たぶん」

友「おまたせーっ。あ、いつもの格好だぁ」

女「うん。…先に一人でごめんね」

友「いいよぉ。んー、でもっ、さっきまでの短いスカートをもうちょっと見てたかったなぁ」

女「な、なんで見たがるのよっ」

友「そりゃ、女ちゃんの太もも綺麗だし…にひひっ」

セイ作「友さん、機材の類を学校に持って行きますから。このカポックもお願いします」

友「りょーかいですっ!」

女「私も何か持ちます」

セイ作「大丈夫です……と言いたいところですが、僕が今もっているものを頼めますか。まだ基地に持ってこなくてはいけないものもあるので」



406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 01:55:24.80 ID:JL1/TUOa0



407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 02:51:35.23 ID:Jzl0+Ioc0
しゅ


408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 03:53:58.03 ID:bK0uyDVKO
ほっ


409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 06:58:36.87 ID:M8Fo0r+a0



410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 07:38:38.17 ID:j2cI0O/C0



411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 08:39:44.52 ID:+s2QpWCjQ



412 :ちぢれ:2010/02/09(火) 09:53:38.89 ID:Esym6RR90
最近勝手に落ちてごめんなさいいいいいい
ノロマでごめんなさい今日は夜まで書けなくてごめんなさい投稿速度異常に遅くてごめんなさい

なんだよ今回の……なんなんだ……orz
保守並みの投稿速度とか俺なんなの?ゴメンナサイ


413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 10:27:14.36 ID:Jzl0+Ioc0
自虐も良いけど
さっさとしないと落ちる。もう1週間だぞ?


414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 10:38:50.59 ID:bK0uyDVKO
今一週間ルールでもあんの?


415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 10:43:06.18 ID:Jzl0+Ioc0
>>414
確か8日で落ちるはず


416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 10:49:02.23 ID:bK0uyDVKO
うっそまじ

期待


417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 11:41:34.62 ID:RkCx639B0
保守


418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 12:09:30.39 ID:RkCx639B0
ほしゅ


419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 13:38:03.81 ID:RkCx639B0
保守


420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 14:34:35.81 ID:RkCx639B0
ほしゅ


421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 14:54:36.76 ID:bK0uyDVKO
ほし


422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 15:34:08.95 ID:RkCx639B0
保守


423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 16:26:12.07 ID:kvPmDPPQ0
ほしゅ


424 :さとうきび列車 ◆xvndEVA/8E :2010/02/09(火) 16:31:17.72 ID:HDfRWKZYP
ラズベリー賞受賞おめでとう


425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 17:25:50.62 ID:+s2QpWCjQ
保守


426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 18:21:30.74 ID:deoNyD3U0



427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 19:24:41.28 ID:bK0uyDVKO
ほすっ


428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 20:15:27.64 ID:Lh+HSbR50
ぽしゅ


429 :ちぢれ@20時間以内に書ききる:2010/02/09(火) 20:25:35.40 ID:Esym6RR90
友「なんなら私が基地までもどりましょうか?」

セイ作「そんな。悪いですよ」

友「私たちが先に学校へ行っても、機材をどこに置いたらいいのか分からないですし」

友「何を持っていけばいいのか教えていただければ、速攻でとってきますからっ!」

セイ作「そうですか…。では、友さんに一任します」

セイ作「ほかのスタッフが持っていかないものは、制作部のものですから、残った荷物はすべて回収してください」

セイ作「…どんな小さなゴミでも、残してはいけませんよ。出来るだけ現場を撮影前と同じ状態にしてください」

友「わかりましたっ!」

セイ作「友ちゃんの荷物は僕が持っていきますよ」

友「あっ…よろしくお願いしますっ」

友「ではっ、行ってきます!」

セイ作「よろしくおねがいします」

セイ作「……行きましょうか女さん」

女「はい」


430 :ちぢれ@20時間以内に書ききる:2010/02/09(火) 20:32:47.78 ID:Esym6RR90
セイ作「はじめての撮影はどうでしたか?」

女「そうですね……」

女「楽しかったです」

セイ作「そうですか。…それは、よかった」

セイ作「オト屋さんが言うには、楽しい事が一番、らしいですから」

セイ作「もちろん僕もこの説におおむね賛成ですよ」

女「セイ作さんはどうでしたか?」

セイ作「色々と冷や汗はかきましたが、ひとまず初日を無事終えて、今は安心しています」

セイ作「…そして、楽しかったですよ」

女「ですよねっ」

セイ作「えぇ」

セイ作「楽しくなければ、やりませんよ」


431 :ちぢれ:2010/02/09(火) 20:45:34.30 ID:Esym6RR90
女「皆さん、やっぱり楽しんでるんですよね」

セイ作「……そうですね。どちらかといえば」

女「どちらかといえば?」

セイ作「娯楽ではないですからね。楽しいだけではありませんよ」

セイ作「特に僕なんて、制作部という立場上、自分を殺さなくてはいけない局面ばかりですから」

女「そうですよね…。でも、セイ作さんのお陰で私たちは安心して撮影に臨めるわけですしっ」

女「本当にすごいと思います!」

セイ作「そうでしょうか?こんなこと、誰にだってできますよ」

女「そんなことないですよ。私にはできないです」

女「自慢じゃないですが、学級委員すらまともにできないんですよ?」

セイ作「ははは、女さんはおもしろいですね」

セイ作「…やることは、もしかしたら学級委員より簡単かもしれませんよ」

女「えっ!?絶対無いですよそんなのっ。セイ作さん、いつも忙しそうにしてるじゃないですか」


432 :ちぢれ:2010/02/09(火) 20:57:29.15 ID:Esym6RR90
セイ作「はは、忙しくしてるのは、僕が仕事が出来ないからですよ」

女「そんなぁ。セイ作さんは謙遜上手ですね」

セイ作「謙遜と嘘は紙一重ですが、僕が言っているのはどちらでもなく、本当の事ですよ」

女「うぅ…。鉄壁ですね」

セイ作「はは、またいつでも挑戦してください」

女「次こそは、セイ作さんがすごい人だって、認めさせてみせますっ!」

セイ作「よしてください。本当にすごいなら……」

女「なら…?」

セイ作「……そうでした」

セイ作「先ほど、カメ男さんと話していましたね」

女「えぇ、まぁ」

セイ作「カメ男さんはなにか言ってましたか?」

女「(カメ男さん落ち込んで宝心配してるのかな?……セイ作さん、優しいなぁ)」


433 :20時間じゃ間に合わないジャン:2010/02/09(火) 21:16:40.19 ID:Esym6RR90
女「特に気になる事は言っていなかったような気がします」

セイ作「そうですか……」

女「…やっぱり、心配ですか?」

セイ作「えぇ。撮影におけるカメ男さんのポジションは非常に重要ですからね」

セイ作「その分責任が多いですし、プレッシャーもまた格段に違います」

セイ作「カメ男さんはすばらしい才能をお持ちですが、……ですが」

女「……」

セイ作「……」

女「……男さんとのこと、悩んでるみたいでした」

セイ作「そう、ですか。…やっぱり」

女「でもきっとカメ男さんなら、大丈夫だと思うんです」

女「さっき、笑ってくれたんですよ。…私、カメ男さんの笑っているところ初めて見ちゃいました」



434 :ちぢれ:2010/02/09(火) 21:23:49.23 ID:Esym6RR90
セイ作「カメ男が笑ったんですか」

女「えぇ」

セイ作「彼が笑うって言ったら……ニヤッ……ってな具合だと思うんですが」

女「全然そんな感じじゃなかったですよっ!」

セイ作「なんと……」

セイ作「確かにここ最近のカメ男はおかしいです。具体的な明言は彼の為に避けさせていただきますが」

セイ作「彼は変わりました」

女「どうしてでしょうねぇ」

セイ作「…そうですね、思い当たる節は」

セイ作「さしずめ、女さんといったところでしょう」

女「私ですか?…えっ、え……どうしよう、思い当たる節が全然ないですっ!」

セイ作「ははは、いいんですよ。カメ男さんだけじゃないです」

セイ作「女さんと友さんには、スタッフの皆が色んな影響をたくさんもらってますよ」


435 :ちぢれ:2010/02/09(火) 21:39:32.82 ID:Esym6RR90
女「私だって、皆さんに色んな事を教わってますっ」

セイ作「…そうですよ。だから、カメ男の事も特別なことじゃないんです」

セイ作「いや、そういう事にしておきましょう」

女「はぁ…」

セイ作「本当に今回は、いい作品が出来上がりそうです」

セイ作「……みんな、女さんのお陰ですよ」

女「や、やめてください。私だって、参加させてもらってすごく幸せなんですから」

女「感謝される理由にはならないですよっ」

セイ作「ははは、女さんも謙遜上手ですね」

女「うぅ…」

セイ作「……さ、学校に着きました。部室の鍵を開けるので、そこに荷物を入れてしまいましょう」

女「はいっ」

セイ作「友さんが心配ですからね。ちょっと、急ぎましょう」


436 :ちぢれ:2010/02/09(火) 21:48:10.61 ID:Esym6RR90
 部室

女「この荷物はここでいいですか?」

セイ作「えぇ、適当に置いて大丈夫ですよ」

女「あっ…そういえば」

女「カメ男さんから聞いたんですけど」

セイ作「なんでしょう」

女「男さんのお父さんが、撮影監督だっていう話です」

セイ作「……」

女「びっくりしちゃいましたよー。やっぱり、血は争えないですね」

セイ作「そうですか。カメ男が、そんなことを……」

女「…?」

セイ作「その事は、男には言わない方がいいですよ」

女「どうして、ですか?」

セイ作「それは……」



437 :ちぢれ:2010/02/09(火) 21:56:42.01 ID:Esym6RR90
セイ作「…僕の口から言って良いのかどうか」

女「そんなに敏感なことなんですか」

セイ作「いずれ分かることだとはおもうんですが…」

セイ作「……」

セイ作「…男さんのお父さんは、もうすでに、亡くなられているんです」

女「……」

セイ作「それだけです。…なので、男さんの前でそういう話題は避けた方が良いと思いまして」

女「…そう、ですか」

セイ作「大丈夫ですよ。……本人はそれほど気にしている様子ではありませんから」

女「……」

セイ作「やはり、言うべきでは無かったですね」

女「そんなっ!…聞いたのは私ですし。教えていただいて…良かったです」

女「男さんに聞く前で…逆に……ぎゃくに……」

セイ作「……」


438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 22:06:43.81 ID:/pU2RlYwO
規制解除キタァァァァァ


439 :ちぢれ:2010/02/09(火) 22:10:35.91 ID:Esym6RR90
セイ作「すいません。……すいませんでした。また、僕は……。どうしていつも」

女「セイ作さんは悪くないですよ。…それに、大丈夫ですよっ。そんなに気にする必要もないですし」

セイ作「……ごめんなさい、友さんが心配なので現場にもう一度戻っています」

セイ作「帰ってくるまで、そのソファーで休んでいてください」

女「そんな。……一緒に行きます」

セイ作「明日も撮影です」

セイ作「……疲れている上に、僕は大変な事をしでかしてしまった」

セイ作「お願いします。体と心を、どうかご自愛ください」

セイ作「お願いします……っ!」

女「……ほんとに、気にしないでください」

女「では、お言葉に甘えて、少しやすませてもらいますね」

女「がんばってください」

セイ作「…………それでは」

女「……」

女「(なんだろう、この、モヤモヤ)」


440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 22:19:23.20 ID:mR/aIXK90
紫煙


441 :ちぢれ:2010/02/09(火) 22:32:18.32 ID:Esym6RR90
女「(男さん……)」

女「(男さんのお父さん……)」

女「(……)」

女「(男さんはなんで)」

女「(映画を作るんだろう……)」

女「(なんでかな……)」

女「(お父さんのこと、関係あるのかな)」

女「(お父さんが居ないって)」

女「(どんな気持ちなのかな……)」

女「(……)」

女「(知りたい……なんでだろ……)」

女「(なんで…だ……)」



女「………ろ…」

男「……」


442 :ちぢれ:2010/02/09(火) 22:47:12.66 ID:Esym6RR90
女「……」スー スー

男「……ふぅ」

男「……」ジッ

女「……んっ」

女「ぁ……、あぅ」

女「ふぁ……」

男「やっと起きたか」

女「え」

男「おはよう」

女「え…?」

女「おは、よう……ございます?」

男「うむ」

女「……な」

女「ななななななななななんでっ!!?」


443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/09(火) 22:50:19.11 ID:+s2QpWCjQ
支援


444 :ちぢれ:2010/02/09(火) 22:52:34.16 ID:Esym6RR90
男「説明が必要か?」

女「……」コクリ

男「お前が部室で寝てた。皆先に帰った。今はもう日が暮れてからだいぶたつ」

男「以上だ」

女「……」

女「…もしかして、ずっと寝顔見られてましたか?」

男「当たり前だろう」

女「ひっ!?」

女「やだっ…やだやだやだっ…最悪さいあくだよぉおおっ!!」

男「ふはっ!」

男「今更だろうがっ。…監督は女優の微から細まで周知していてもなお足りない位だ」

男「寝顔などどうという事は無い」

女「おっ、男さんはどうでも良いかもしれないですけど……けど、けどおおおっ!!」


445 :ちぢれ:2010/02/09(火) 23:06:02.23 ID:Esym6RR90
男「まぁ、いい。さっさと帰るぞ」

女「ま、まままってくださいっ!……かが、みっ……」

男「大丈夫だ。寝癖はついてない」

女「ほんとですかっ!?」

男「早く帰りたいからな。そういうことにしておこう」

女「わああああ、ちょっとだけ待ってください、ちょっと、ちょっとでいいんで!」

男「うるさいヤツだな…守衛に見つかったらどうするんだ。分かった、待ってやるから静かにやれ」

女「は、はい……」


女「……ふぅ」

男「今は夜だろうが。お前のアホ毛など誰も見ておらんぞ」

女「そういう問題じゃないんですっ」

男「難しいヤツだな」

女「…男さんは、主演女優の女心も分からないんですか?」

男「分かっているさ。…その思考が理解出来ないと言ってるんだよ」

女「むぅ……。どうしてセイ作さんといい、こんなに口が上手い先輩ばっかりなんでしょうか…」ボソッ


446 :ちぢれ:2010/02/09(火) 23:17:00.60 ID:Esym6RR90
女「ひとつ、聞いて良いですか?」

男「なんだ」

女「…どうして、起こしてくれなかったのでしょうか」

男「主演女優がスヤスヤお休みになられていたら、誰も起こすに起こせ無くてな」

女「ええと……なら、どうして男さんが…?」

男「女優のワガママを聞いてやるのは、誰よりもまず監督だからな。他のスタッフをつき合わせる訳にはいかない」

女「ワガママ……」

男「御幣があるか?」

女「……むす」

男「他に質問はないのか?」

女「ありませんよ。…ぷんっ」

男「なら、次はこちらが質問させてもらおうか」

男「セイ作とカメ男から聞いたそうだな」

男「親父の話を」

女「…え」


447 :ちぢれ:2010/02/09(火) 23:33:01.16 ID:Esym6RR90
男「…セイ作が、俺に謝ってきたよ」

男「女優に、いらぬことを吹き込んでしまった」

男「俺のテリトリーを、汚してしまった…ってな」

女「…そうですか」

男「カメ男もそのあと、すぐにな」

男「俺の親父の話をしたのは元々自分だから、自分に責任があるって言い出しやがった」

女「みなさんに、悪い事をしてしまいました…」

男「はっ!」

男「あいつらが弱いんだよ。それくらいのことで、俺の映画が揺らぐとでも思っているのか?」

男「…天才だぞ?俺は」

女「……」

男「俺のテリトリーだかなんだかしらないが、汚したければ汚せばいいんだよ」

男「ダン裕は、お前に俺の親父について関心を持たせたとは言っていたが、悪びれもしてなかった」

男「それで、いいんだよ。ダン裕ってところが癪だが、いいんだ」

男「はぁ……」


448 :ちぢれ:2010/02/09(火) 23:46:56.16 ID:Esym6RR90
女「皆さんは、みなさんなりに……」

男「分かってる!……分かってんだよ」

男「お前の女心なんかよりも、よっぽどな」

女「……」

男「くそっ!!」

女「男さん……」

男「…明日、演技に集中できそうか?」

女「……」

女「ごめんなさい」

女「たぶん、男さんを見る度に色々考えちゃうかもしれません」

男「…そうか。…そんなに、俺の親父が気になるか」

女「男さんのお父さん、というより……」

女「男さんが」


449 :ちぢれ:2010/02/10(水) 00:02:18.36 ID:Esym6RR90
男「……あ?」

女「あ、いえっ……て、てて訂正しますっ!」

女「そ、そのっ…」

女「男さんの天才の秘密が知りたいですっ!!」

男「……」

女「……」

男「……はぁ」

女「だ、だめ……でしょうか?」

男「いいよ」

男「……思えば、お前とはほとんど気楽な話をしていなかったな」

男「身の上話で明日の演技が良くなるくらいなら、俺はいくらだって披露してやる」

男「…どんな三文映画よりもつまらないからな。覚悟しておけ」


450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 00:17:52.85 ID:CYWa+DlPO
支援


451 :ちぢれ:2010/02/10(水) 00:42:25.80 ID:FWBuuvEa0
男「今年で、10年前になるな。…親父が死んだのは」

男「俺が7歳の時だ」

男「…だが、親父が死んだ日は、今でもはっきり覚えているし」

男「あの頃親父が言った言葉も、まだ耳に焼き付いている」

男「……以外かもしれないが」

男「親父はな、俺に映画のことを何一つ教えなかったんだ」

女「えっ……?じゃあ…」

男「あぁ、俺はほとんど独学で、映画制作を勉強した」

男「俺のことを純粋培養だとか勝手な事を言ったりするやつも居るが…」

男「俺は親父に、映画作りのイロハを教わっちゃいない」

男「…まぁ、そんなことされてたら、俺は天才の壁すら越えていたかもしれんがな」

男「ちょうどよく、おさまるところにおさまったと言うべきか」

女「あ、はは……」

女「(自分で聞いておいてだけど、この自信は本当にどこから来るんだろう…)」


452 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 01:10:36.59 ID:/CU+cwza0
以外って・・・


453 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 01:18:17.65 ID:jXPhzvQ60
もっとあんだろ御幣とか
その辺は許してやれよ


454 :>>452そのミスは常連さんおえぇぇ:2010/02/10(水) 01:21:00.14 ID:FWBuuvEa0
女「…となると、男さんのお父さんが、なぜ映画の事を教えなかったのかが気になります」

男「それは、あれだ」

男「親父は押し付けたくなかったみたいなんだ」

女「…なるほど」

男「やさしかったよ。そういう人なんだ」

男「そんな親父の思いの反面、俺は親父が撮影監督だという事を誇りにしていた」

男「…だから、親父の死をきっかけに、俺の生き方は決まっちまった」

女「でも、どうしてお父さんと同じ撮影じゃなくて、監督に?」

男「…作りたいものが、どうしても作りたいものが…あったんだ」

男「そういうのは、監督じゃなけりゃできないだろ?」

女「……もう、それは作れたんですか?」

男「さてね」

男「ただ、言えることは…」

男「目標ってのは、達成したそばから、また次の目標なんてものが出てきちまうんだよ」

男「キリが無いんだ」


455 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 01:25:25.93 ID:9FC9IJNDO
追いついた

支援


456 :ちぢれ:2010/02/10(水) 01:47:42.48 ID:FWBuuvEa0
女「…そういえば」

女「ダン裕さんが、男さんのお父さんにお世話になったって…」

男「あいつ、そんな事まで言ってたのか」

女「えぇ、まぁ……」

男「あー、あいつな……役者暦15年以上あんだよ」

女「そんなにっ!?」

男「立つのもやっとの頃から、ちょくちょくTVとか映画とかに出てんだ」

男「…まぁどれも脇役以下の仕事しかもらってないんだがな」

男「親父が目ぇつけて、親父が撮影の映画に子役として何回か出ててな」

男「まぁ、そんなこんなで少なからず昔から俺とも親交があったんだよ。…残念なことに」

女「実は、すごい人だったんですね、ダン裕さんって……」

男「別にすごくは無いだろ。…事務所に一時入ってたが、社長だかとケンカして辞めちまったし」

男「演技以外は、どうしようも無い奴だ」

女「…演技は、認めてるんですね」

男「それがあいつの取り柄だからな」


457 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:00:00.37 ID:uagmysdX0
ほすしとく


458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:09:59.45 ID:Fgn24SFC0
あと10時間で8日になるぞ


459 :ちぢれ:2010/02/10(水) 02:20:27.93 ID:FWBuuvEa0
男「そういや死ぬ際で、ダン裕の事も言っていたな」

男「…親父はダン裕の事を、もっと撮りたがっていたよ」

女「あの…お亡くなりになったのは、やはり、過労…とかでしょうか?」

男「過労もあったかもな」

男「…だが、直接な死因はガンだった」

女「え……」

男「ちょうど、山岩井監督から独立して、監督として映画を一本撮ろうとしていた時だった」

男「親父の、初監督作品となる予定だった」

男「ダン裕をはじめとして、…何人かの役者はもう、決まっていた」

男「だが……」

女「ガンが見つかったんですね」

男「そうだ。……結局、自分の好きなものを作ろうとした瞬間、ぽっくりいっちまったんだ」


460 :ちぢれ:2010/02/10(水) 02:30:14.52 ID:FWBuuvEa0
女「…それで、男さんはお父さんの意志をついで…」

男「さっき、言ったろ?」

男「…俺は、撮りたいものがあったから、今監督をやってるんだ」

男「カメ男に親父レベルの撮影を要求したりしてる時点で、親父の影を追っていないとは言えないが…」

男「やりたくない事をやっているつもりは無い」

女「……ふふっ」

男「笑うとこか?」

女「違いますね。…でも、なんだか、おかしくて」

男「…変な奴だな」

女「男さんに言われたくないですよ」

男「……そろそろ、帰ろう。明日に響く」

女「はいっ……。なかなかの三文映画でしたよ?」

男「お前が俺の女優じゃなきゃ、チケット代で1500円貰ってるところだ」


461 :ちぢれ:2010/02/10(水) 02:37:53.38 ID:FWBuuvEa0
男「正門は警備員がいるからな。このフェンスを乗り越えるが…大丈夫か?」

女「ふふっ、これでも小学生の頃は木登りが得意だったんですよ」

男「そうか。…っと」

男「…ほら、お前も登れ」

女「はい。……ドキドキしますね」

男「はやくしないと警備員がやってくるぞ」

女「焦らせないでくださいよっ。…んしょ」

女「ん……しょっと……ひああああっ!!」

 ガシャーンッ

男「あぶっ!!」ギュッ


462 :ちぢれ:2010/02/10(水) 02:42:26.15 ID:FWBuuvEa0
女「ひ、あ……」

男「……ふぅ。お前って、ほんとにマヌケなんだな。今まで怪我してないのが不思議なくらいだ」

女「あ、あの……」

男「おれが抱きとめなかったら、今頃……」

女「え、えっと……その……」

男「あ……」

女「ぅ……」

女「(か、顔……近い……)」

男「ま、まぁ…いい。…立てるよな?」

女「……」コクリ

男「そ、そうか……。なら、い、いくぞ…。さっきの声で警備員が来るかもしれん」

女「はぃ……」


463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 02:46:05.57 ID:f94L+73/O
何だよこれ
マジなんなのどんだけ~








支援


464 :ちぢれ:2010/02/10(水) 02:52:14.92 ID:FWBuuvEa0
 女宅

女「ただいまー」

父「あぁ、女か。遅かったじゃないか」

女「うん。ちょっと、撮影でね」

父「撮影?…なにやってんだ?」

女「えっと…映画撮ってるの」

父「ほぉー。…父さん昔は映画狂でなー、いやあ、もう一度学生になれるなら、父さんも映画撮ってたろうなぁ」

女「…そうだ、父さん山石井監督って知ってる?」

父「山石井だって!?…知ってるも何も、お父さんの青春と言っても過言じゃないぞ!」

女「ほんとに?DVDとかビデオとか、うちにないの?」

父「そりゃ、あるってもんじゃないよ。当然あるよ」

父「そうそう、山石井監督と言えばなー」

   ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

女「え、それって……。まさか……」


465 :ちぢれ:2010/02/10(水) 03:00:07.91 ID:FWBuuvEa0
  3時間前 帰り道

友「やっと、終わりましたねっ!」

セイ作「まだ初日ですけどね。明日もよろしくお願いします」

友「それはもちろん、こちらこそよろしくです」

友「…でも、女ちゃん大丈夫でしょうか」

セイ作「どうでしょう」

友「え゛……ダメなんですか?」

セイ作「それは、男さん次第だと思いますよ」

友「…そうですか」

セイ作「……」

友「あの……ちょっと、疑問に思ったんですけれど」

友「なんで女ちゃんに、男さんのお父さんの話をしたんですか?」



466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:00:43.35 ID:x7oaop900
しえん


467 :ちぢれ:2010/02/10(水) 03:07:48.40 ID:FWBuuvEa0
セイ作「どうしてそう思うんですか?」

友「…その、言いにくいんですが」

友「セイ作さんは、多分……言わないほうがいいって、分かっていたと……思うんです」

セイ作「……ははは」

セイ作「友さんは鋭いですねぇ」

友「そんな…」

セイ作「たまに」

セイ作「……たまに、魔が差すんです」

友「……魔?」

セイ作「そのまま…悪魔のことですよ」

セイ作「もっと言うとですね。…制作部としての僕じゃない僕。…それが悪魔なんです」

セイ作「その悪魔がですね、たまにささやいてくるんですよ」

セイ作「……反射的に、悪魔の言う事を聞いてしまうんです」


468 :ちぢれ:2010/02/10(水) 03:16:31.26 ID:FWBuuvEa0
友「ごめんなさい……その、よく分からない……です」

セイ作「そうでしょうね」

セイ作「……友さん、映画作りはどうですか?楽しいですか?」

友「え?…はい。楽しませてもらってます」

セイ作「これからも、映画を作りたいですか?」

友「……」

友「はいっ。こんな楽しいこと、他では無いですから」

セイ作「…そうですか」

セイ作「なら、僕の事をすこしだけ教えておきます」

セイ作「……僕は元々、監督になりたかったんですよ」

友「セイ作さんが、監督……ですか」

セイ作「えぇ。おかしいですか」

友「いえっ、……見てみたいです。セイ作さんの作品」

セイ作「ふふ、お世辞でもうれしいですよ」

友「そんな意味では…」


469 :ちぢれ:2010/02/10(水) 03:25:32.03 ID:FWBuuvEa0
セイ作「…言っておきますが」

セイ作「僕には、監督の才能がありません」

友「……」

セイ作「それだけならいいのですが」

セイ作「…監督になりたい欲求だけはいっちょまえに持っているんですよ」

セイ作「作品のすべてを自分の思い通りにしたいのですよ」

セイ作「……ですが、才能がないので、そんなことままなりません」

セイ作「ですから、僕は制作部に転向したんですよ」

セイ作「自分の思い通りにできなくとも、作品のすべてに関わっていく為にね…」

友「……どうして、そんなことを私に」

セイ作「あなたがこれから映画をやっていくなら、知っていたほうが良いと思ったからですよ」


470 :ちぢれ:2010/02/10(水) 03:39:13.76 ID:FWBuuvEa0
セイ作「もちろん、僕は制作部の喜びを知っています」

セイ作「スタッフの皆に、心置きなく仕事をしてもらうための部署です」

セイ作「……僕には才能がありませんからね。才能のある……例えば、男さんのような方の支えになれれば、それに優る喜びはないんですよ」

セイ作「そうなんですが……」

友「自分を出したくなってしまうんですね」

セイ作「そういうことです…」

友「いいじゃないですか!」

セイ作「……どうしてですか?」

友「映画って、皆で作りますよね?…だったら、映画が監督のものだなんて、そんなのおかしいじゃないですか」

友「作ったみんなのものですよ!いろんな意見があって当然ですし、セイ作さんのような方が居て当然じゃないですか」

友「監督って、そういう色んな人たちの想いとかをまとめるのも、仕事のうちですよね?」

友「…だったら、監督が許す範囲で、セイ作さんはもっと制作部らしからぬ事もしていいと思いますっ」

友「この際、監督にこっそりやっちゃっていいと思いますっ!」

友「……じゃないと、なんだか皆で作ってる意味が薄れて……さびしいです」


471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 03:40:18.67 ID:x7oaop900



472 :ちぢれ:2010/02/10(水) 03:50:51.41 ID:FWBuuvEa0
セイ作「……友さん」

セイ作「ありがとうございます」

友「あ、い、いや……」

友「すいませんっ!…調子に乗ってしまいました!!」

セイ作「友さんは、不思議ですね。…思えば、色んな事を喋ってしまいました」

セイ作「…すこし、恥ずかしいです」

友「で、でも……セイ作さんの事を知れて……私は、うれしかった……ですよ?」

セイ作「…この際、世界初公開の僕の秘密を一つ、教えてあげますよ」

友「…えっ、いいんですかそんなの聞いちゃって!?」

セイ作「いいんですよ。…いえ、聞いてください」

セイ作「……僕はこれからも、長い間制作部でやっていこうと思いますが」

セイ作「死ぬまでに、一度だけ監督になります。…どんなに才能がない僕でも、一生に一作くらいなら良いものが作れるでしょう」

セイ作「…どうです?ちょっとネガティブですけれど、素敵じゃないですか?」

友「撮る時になったら、私も呼んで下さいね。絶対、…絶対っお役に立ちますからっ!!」


473 :ちぢれ:2010/02/10(水) 04:01:43.69 ID:FWBuuvEa0
セイ作「…そだとしたら、友さんがスタッフ一号です」

友「いいですね、それ」

セイ作「二人だけの秘密ですよ」

友「はいっ。女ちゃんにも言いませんっ!」

セイ作「……」

セイ作「…ようやく、踏ん切りがついた気がします」

セイ作「友さん、ほんとにありがとう」

友「わたしは、ただ……」

セイ作「…?」

友いいいいえっ!特に意味も無く……そ、そうですっ、セイ作さんは、映画制作の楽しさを教えてくれた恩人でもありますからっ!」

友「で、ですからっ!きょうはこの辺でっ……お疲れ様ですっ」

 タッタッタッタ……

セイ作「……」

セイ作「……人生っておもしろいですね」

セイ作「こういうのを映画にしたいんですけどね。……男さんなら、どう作りますか……?」


474 :ちぢれ:2010/02/10(水) 04:20:08.20 ID:FWBuuvEa0
 次の日 撮影2日目

ダン裕「がぁあああっ!!」

 ヒュッヒュッヒュッヒュッ

女「…っ!…つぅっ!?」

ダン裕「去ねぇぇっ!」

 シュッ!

女「…チッ!」

 ピョンッ……スタッ

女「……」

男「カーーーットッ!!…演出OK!」

カメ男「カメラOK」

オト屋「音、OKだ」

女「…で、できました。できましたよっ、バク転!」

男「…やったな。よく、がんばったな」

女「はい。………はいっ」


475 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:20:47.71 ID:x7oaop900
シエンタ


476 :ちぢれ:2010/02/10(水) 04:27:14.82 ID:FWBuuvEa0
友「もーっ、かっこよかったよっ!」

女「えへへ…」

友「やっぱり、バク転できてたんじゃないっ…もったいぶっちゃってぇ」

女「びっくりさせたかったし……それにしても、成功率そんなに高くなかったからさ」

友「…すごいなぁ、この短い期間でバク転ができるようになっちゃ生んだもんなぁ…」

女「友ちゃんも絶対できるよぉ」

男「…ふぅ、セイ作、今日のリミットはあとどれくらいだ?」

セイ作「30分もないのではないでしょうか」

男「…そうか。よし、今日のメインのカットはここで終わる」

男「後は、取りこぼしていたアップだ!」


477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 04:54:45.08 ID:p9mSVnbI0
えっと…書き貯めは一切ないのかな
落ちるぞ


478 :ちぢれ:2010/02/10(水) 05:21:09.88 ID:FWBuuvEa0
 次の日 撮影3日目

女「かえせ……」

女「かえせええっ!!!」

ダン裕「……ぐぅっ!」

男「カーット!!」カンカンッ

男「…カメラどうだっ!?」

カメ男「いけると思う」

男「そうか。一応チェックしてもいいか?」

カメ男「あぁ。……ここからだ」

男「……」

男「いい。……いいじゃないか!」

男「そうだ、こういう手持ちだよ。…カメ男、お前は最高だな!!」

カメ男「……まあな」ニヤッ

男「はははっ!……よし、次のカットだ」

女「(カメ男さん調子いいみたい……よかった)」


479 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:26:11.27 ID:imkRMdv9O
寝る前支援


480 :ちぢれ:2010/02/10(水) 05:32:19.64 ID:FWBuuvEa0
 次の日 撮影最終日

女「聞きたくないっ!!」ガタガタガタ

ダン裕「聞けっ!!」

ダン裕「お前の糞親父が俺のカカアを犯し、殺したっ!!」

ダン裕「……カカアを…………っ」

男「カーット!」カンカンッ

男「二人とも、良い演技だ…」

女「…へへ」

ダン裕「いい震えだったネ!」

女「ダン裕さんの表情も、すごかったですよぉ」

男「…カメラと音は問題ないか?」

カメ男「大丈夫だ」

オト屋「あぁ」

男「…よし、OKだっ!…次のカットに行く」


481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:32:44.97 ID:bU/RVQJa0
しえん


482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 05:41:18.75 ID:x7oaop900
カカアwww


483 :ちぢれ:2010/02/10(水) 05:49:31.09 ID:FWBuuvEa0
女「(あぁ、すごいな……。もうすぐ撮り終えちゃうんだ…)」

女「(ついこの間まで、撮り終えるビジョンなんて、全然見えなかったのに)」

女「(…バカみたい。ちゃんと、撮れたじゃない)」

男「いけるか?」

女「はいっ」ニコッ

男「……ぁ」

女「…どうしました?」

男「いや、……なんでもない」

男「時間がギリギリだ。いきなり本番で、カメラを回していくから、そのつもりで」

女「はい」

男「ダン裕も、いいな」

ダン裕「おっケい」

男「…よし、シーン7、カット8…」

男「本番ッ!……よーっぃ、スターッ!」カンッ


484 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 06:01:11.96 ID:IAfTSRAX0
保守しときますね


485 :ちぢれ:2010/02/10(水) 06:06:46.62 ID:FWBuuvEa0
女「……あぁ………あ……」ガタガタガタ

ダン裕「……」

女「ずっと、ずっと……あの日から、ずっと、私は……っ」

女「なんで……どうして……?」

女「私は……いままでの私を……どこに向ければいいの!?」

ダン裕「俺も、そう、思った」

ダン裕「手を汚さずにそう思えたお前が、俺は羨ましい」

男「カットッ!」カンカンッ

男「……ふぅ」

男「こうもすんなり行くと、怖いな」

男「OKだ」

女「やった」

男「台詞、…上手くなったな」

女「何度でもいいますよ。…男さんの教え方が上手いんですっ」

男「ははっ、…よし、次だ!時間無いぞっ!!」


486 :ちぢれ:2010/02/10(水) 06:21:15.52 ID:FWBuuvEa0
 夕方

男「……次は、シーン8のカット1」

男「つまり、ラストカットだ」

オト屋「おぉー、やっとここまできたか」

ダン裕「ふひぃー、長かったネ」

男「ロケ場所は、少し歩いたところの崖。…今マジックアワー…夕景になったばかりだ」

男「これを活かした撮影を行いたい」

男「…とはいっても、マジックアワーは1時間と持たない。すみやかに移動してくれ」

友「セイ作さんっ、基地ごと移動ですか?」

セイ作「基地は私がみてますから、最低限の荷物で行って来てください」

友「了解ですっ」

女「(いよいよ、か……)」

女「(うれしいような、かなしいような……)」


487 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 06:30:51.14 ID:n7yykwuA0



488 :ちぢれ:2010/02/10(水) 06:33:58.49 ID:FWBuuvEa0
女「きれい。こんな所が、この街にあったなんて」

ダン裕「ロマンチックだワぁ……」

男「…カメ男、建物類は絶対に映りこませるなよ」

カメ男「……分かってる」

オト屋「友ちゃん、このカットは台詞もないし、たいして動かない」

オト屋「…まぁ、気持ちでいいから、あいつら二人にマイクを向けておいてくれ」

友「楽勝ですねっ」

オト屋「だな」

男「どんどん光量が落ちてくるな……」

カメ男「もう少しで、準備ができる」

男「…よし、カメラの準備が出来次第、撮っていくぞ!…気持ちよく一発でクランクアップだ」

オト屋「いぃねぇ、この感じ。気持ちが良い」

オト屋「……んー、今までの苦労がリフレインしてくるぜ」


489 :ちぢれ:2010/02/10(水) 06:44:14.77 ID:FWBuuvEa0
カメ男「いけるっ!」

男「よし、…配置につけっ!」

男「……いいな。シーン8、カット1」

男「本番っ!……よーっい、スターッ!」カンッ


女「(…いま、私の後ろで最期のカメラが回ってる)」

女「(もう、終わりなんだ…)」

女「(やっと……)」

女「(バク転頑張ったよ。あがり症も克服した。…台詞もアクションも、がんばって覚えた)」

女「(……ぁ)」

女「(あぁ、そうか)」

女「(今のこの気持ち、たぶん、最初のご褒美だ……)」



490 :ちぢれ:2010/02/10(水) 06:51:38.01 ID:FWBuuvEa0
男「カットッ!」カンカンッ

カメ男「問題ない」

オト屋「音OK」

男「……よし」

セイ作「……監督、これ…」

男「流石。仕事がはやいな」

友「…ありゃ、セイ作さん、基地にいるはずじゃ」

男「……女」

女「はいっ!」

男「クランクアップだっ、受け取れっ!!!」

 バサッ!

女「えっ!?……ふぇええ?…は、花束……っ!?」


491 :ちぢれ:2010/02/10(水) 07:02:49.83 ID:FWBuuvEa0
男「最高だった。…俺の見る目は間違いなかったが、それ以上に、お前の努力と才能が素晴らしかった」

男「ありがとう」

女「そんなっ、や、やだっ…あらたまっていわれると……」

オト屋「お嬢ちゃん、おつかれっ!…良い演技だったぜ」

セイ作「お疲れ様です。頑張りましたね」

友「女ちゃんサイコーだよおっ!おめでとう!」

ダン裕「おつかれネ!…また一緒にやろうっ」

カメ男「…よかった。……ほんとうに、よかった」

女「みんな……」

女「私なんかの為に……」

女「お礼を言うのは、わたしのほう、で……あ、あれっ…」ポロポロ

女「やだ、なんか、…あはっ……恥ずかしいな…あれ…」


492 :ちぢれ:2010/02/10(水) 07:13:52.30 ID:FWBuuvEa0
女「…ど、どうしよ……あぅぅ……」

ダン裕「…おい、男っ!お前お嬢さん泣かすとは良い度胸じゃネーか!」

男「おう。…まぁそういうな。お前のためにも花束を用意してある」

男「…ま、お疲れといったとこかな」

 バサッ

ダン裕「…おぉ、ありが………」

ダン裕「って……これ全部造花じゃネーーか!!!!」

男「なんだ、セイ作。造花を買ってきたのか」

セイ作「はい、男さんに言われたとおり」

男「…だ、そうだ。うらむなら機転を利かせないで俺の言うとおり買ってきた、セイ作をうらむんだな」

ダン裕「ムキーーッ!!」

女「あはっ……あはははははっ」

女「きもちいですねっ……。こんなに気持ちいいの……私、初めてですっ!!」

男「あぁ」

男「……俺もだ」


493 :ちぢれ:2010/02/10(水) 07:18:12.73 ID:FWBuuvEa0
 次の日 学校

女「……」

女「……」

女「……」

女「……」

友「ねぇ、女ちゃん」

女「……ん?なあに?」

友「退屈だねぇ」

女「…ん」

女「……そだね」

友「放課後、部室に顔出してみようか」

女「そうだね」

女「……」


494 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 07:20:53.15 ID:9FC9IJNDO
もしもし

支援

ガチャッ


495 :ちぢれ:2010/02/10(水) 07:28:21.48 ID:FWBuuvEa0
 放課後 部室前

 ガチャ ガチャ

友「開かない。……まだ誰も来てないみたい」

女「そっか」

友「うん…」

女「…待つ?」

友「……ちょと、待ってみようか」

女「…」

友「…」

女「…」

友「…」



496 :ちぢれ:2010/02/10(水) 07:35:19.50 ID:FWBuuvEa0
セイ作「…友さんに、女さんにじゃないですか」

セイ作「昨日までお疲れ様です。どうしました?」

友「今日は活動しないんですか?」

セイ作「そうですねぇ。機材の清掃が残ってるので、もう少ししたらカメ男とオト屋がくると思いますよ」

友「そうですか…」ホッ

女「…じゃあ、私たち手伝います」

セイ作「…いいんですか。撮影終わったんですから、自由な時間を謳歌していてもいいんですよ?」

友「…いやぁ、謳歌するような時間の使い方ができないもので…」

女「…あの」

セイ作「どうしました?」

女「男さん…は?」

セイ作「あぁ、彼なら家で編集をしていると思いますよ」

女「そうですか…」

セイ作「なんでも、部室のPCより家のPCの方が性能がいいとかで…」


497 :ちぢれ:2010/02/10(水) 07:42:45.05 ID:FWBuuvEa0
  部室

カメ男「カメラを…?」

女「はい、教えてほしいんです」

カメ男「……別にいいが。どうして」

女「私、ずっと演技ばかりやってましたから…何か機材を使えたらと思って…」

カメ男「……そうか」

カメ男「なら、簡単なことだけ教える」

カメ男「…それ以上は、興味があったらまた聞いてくれ」

女「はいっ!よろしくお願いしますっ」


498 :ちぢれ:2010/02/10(水) 07:59:17.47 ID:FWBuuvEa0
カメ男「カメラの基本的な4つの機能をおしえる」

カメ男「…とりあえずこれだけ覚えれば、あとは応用になるから」

女「はいっ」

カメ男「『絞り』、『ピント』、『ズーム』、『ホワイトバランス』」

カメ男「この4つは、ビデオカメラだけでなく、スチル…写真のデジタルカメラにも共通している」

カメ男「なぜなら、ビデオカメラは一秒間に約30枚や24枚の写真を撮って、動画にしているようなものだからだ」

カメ男「さて…まずは『絞り』だ。アイリスという呼び方をする場合もある」

カメ男「カメラのここで操作できる…何が変わる?」

女「明るさが変わります!数字が小さくなるほど、画面があかるくなっているようなきがするんですが…」

カメ男「その通り」

カメ男「絞りとは、カメラの受光部にあてる光の量を調節する値だ」

カメ男「値…F値というのだが、それが小さいほど、光量を調節する穴が大きく開いて、画面が明るくなるようになっている」

女「……なるほど。明るさの調節が、絞りなんですね」


499 :ちぢれ:2010/02/10(水) 08:10:00.20 ID:FWBuuvEa0
カメ男「…次に、ピントだ」

カメ男「焦点の事だな。…ここで操作できる。何が変わる?」

女「…画面がぼやけたりはっきりしたりします!」

カメ男「そうだな。ピントを合わせるとは、対象物をボケさせないではっきりさせる事を言う」

カメ男「カメラのレンズの焦点が合っている位置が、一番はっきりと映せるんだ」

カメ男「…その焦点位置から、離れていくにつれて、どんどんボケて映ってしまう」

女「…ふむふむ」

カメ男「そして、ズームだ」

カメ男「…ズームで画面をアップにしたりできるのは、言わなくてもわかるだろう」

カメ男「ただ、ピントの要素と組み合わせると、色々とおもしろいことが出来る」

カメ男「……例えば、限界までズームをしてみてくれ」

女「…こうでしょうか?…あ、画面がボケボケです……」

カメ男「普通、ズームすればするほど、焦点が合う範囲が狭くなる」

カメ男「逆に、広角……ズームしなければ、焦点があう範囲が広くなる」

カメ男「風景写真にピントが合いやすいのは、広角で撮っているからなんだ」


500 :ちぢれ:2010/02/10(水) 08:19:45.41 ID:FWBuuvEa0
カメ男「…最期に、ホワイトバランスだ」

カメ男「光に、色んな色があるのは知っているな?」

女「はい。…夕日の光と昼間の光では全然ちがいます」

カメ男「たとえば、蛍光灯と白熱灯では、色は全然ちがう」

カメ男「…白熱灯のほうが、かなりアンバー…赤いのだ」

女「そうだったんですか……」

カメ男「そういった色の違いが、撮影の度にあってはいけない」

カメ男「光の色を揃えることができるのが、ホワイトバランスだ」

カメ男「……白いものに赤い光を当てると、赤色になる」

カメ男「だが、ホワイトバランスをとると、その赤色を基準に白色を決めるから、赤い光が当たっていても白いものは白に見えるのだ」

女「むむ……難しいです」

カメ男「すまん、教え方が下手だ……」

女「そんなことないですっ。丁寧にやっていただいてうれしいですっ!」


501 :ちぢれ:2010/02/10(水) 08:25:00.18 ID:FWBuuvEa0
女「……」

カメ男「…まぁいい」

カメ男「適当にカメラを触ってみるのが一番だ」

カメ男「……第一、俺もそうやってカメラを覚えた」

女「そうですね、そうしてみます」

カメ男「男は、編集か……」

女「セイ作さんが言うには、そうらしいです…」

カメ男「……不安だ」

女「えっ?どうしてですか?」

カメ男「撮ったものが使い物になるかどうかは、つなげてみないと本当のところはわからない」

カメ男「……この、撮影終わった直後の時間は、胃が痛くなる」


502 :ちぢれ:2010/02/10(水) 08:35:12.52 ID:FWBuuvEa0
 次の日 学校

女「……」

女「……」

女「……」

友「…暇だねぇ」

女「……うん」

友「…ふぅ」

女「……」



503 :ちぢれ:2010/02/10(水) 08:40:29.81 ID:FWBuuvEa0
友「今日は、部室行ってもだれもいないらしいよ」

女「…そうらしいね」

友「……どうしよっか」

女「…うーん」

友「……」

女「……」

友「あーーっ!!いけない、いけないっ。つい最近まで、健全な帰宅部精神の持ち主だったじゃないっ!」

友「それが、何よ、…うつ病みたい」

女「……」

友「…はやく、出来上がったのみたいね」

女「…うん、見たい」

友「もどかしいね」

女「うん…」


504 :ちぢれ:2010/02/10(水) 08:49:24.43 ID:FWBuuvEa0
 次の日 朝

女「…いってきまーっす」

女「……」

女「……はぁ」

 ブーッ ブーッ ブーッ

女「(このバイブ音…電話だ)」

女「…男さんからっ!?」

女「はいっ!!」

男『おーっ、女か!』

男『ラッシュができた!すぐに俺の家に来い!』

女「…ラッシュ?」

男『荒めにだが、全部のカットを順番通りにつなげた奴だよ』

男『はやくこいっ、一番最初にみせてやるから!』


505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:18:36.41 ID:6WTuqPYG0
支援


506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 09:42:19.86 ID:mDMty/LGO
支援


507 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 10:03:54.55 ID:mDMty/LGO
面白いな


508 :ちぢれ:2010/02/10(水) 10:15:17.71 ID:FWBuuvEa0
女「はい、えっと…ここをまがって…」

男『そう、そこの正面にある家が俺の家だ』

女「わかりまし……」

男「おーーいっ!」

女「(お、男さんっ!…ベランダから大声出しちゃって…ご近所迷惑ですよぉおお)」

女「……あはは」

男「玄関開けたから、かってにあがって!」



509 :ちぢれ:2010/02/10(水) 10:20:22.07 ID:FWBuuvEa0
 ガチャ

女「…おじゃまします」

女「(小奇麗だなぁ。大きな家だし……すごい)」

男「おぉ、よく来た。2階だ。こっちこっち」

女「あ、はいっ」

女「(脱いだ靴はちゃんとそろえないとだよね…)」

女「(……)」

女「(あれ…)」

女「(わたし、緊張してる……かも)」

女「……」

女「あぅ…」


510 :ちぢれ:2010/02/10(水) 10:27:29.28 ID:FWBuuvEa0
女「……しつれい、します」

男「おぉ。悪いな、学校サボらせちまって」

女「いえっ!…いいんですっ!」

女「……むしろ、うれしかったです」

男「えっ?」

女「い、一番に見せてくれるって…」

男「あぁ……」

男「だって、そうだろう」

男「……この映画は、お前の映画だ」

男「だれよりもまず、女に見て欲しいよ」



511 :ちぢれ:2010/02/10(水) 10:34:22.53 ID:FWBuuvEa0
女「……」

男「…どうした?」

女「う、うれしくて……」

女「その……」

男「はは、お前…撮影の時よりも固くなってるな」

女「うぇ!?」

男「どうした?…自分の映ってる姿を見るのが怖いか?」

男「……それとも」

男「はじめての俺んちで緊張してるか?」

女「(たぶん、どっちもです…)」

男「安心しろ。母さんは仕事だ」

女「(そうか…お母さんは、お仕事に……ほっ)」

女「……」

女「(え?)」


512 :ちぢれ:2010/02/10(水) 10:42:43.82 ID:FWBuuvEa0
女「(ってことは……いま、この家は男さんと二人きり……)」

男「まぁ、もったいぶってもはじまらまい。早速ラッシュを流すぞ?」

女「ははははいぃっ!!」

男「……はぁ」

男「そんな固くなって見るなよ」

男「あがり症は治ったんじゃないのか?」

女「そ、そう、いわれましても……」

男「撮影の時を思い出せよ。どうやって治してた?…そんな固くなってたら、ちゃんと見れるものも見れないぞ」

女「(撮影の時……)」

女「(にげない……いいわけ、しない……って)」

女「(……)」

女「(そうだよ。別に、二人きりだからって、気にする必要ないよね。…逆に、意識しすぎちゃ変だよ)」

女「…大ジョブですっ。お願いします」

男「ん、良い目だ。…それじゃ流すぞ」


513 :ちぢれ:2010/02/10(水) 10:52:14.05 ID:FWBuuvEa0
 タッタッタッタッタッタ……

 ザッ……ザッ……

女「(苦労した1カット目。あっという間に過ぎちゃった…)」


  サッサッ……サッサッ……

トウマ「……ふぅ」

トウマ「……」


女「(ダン裕さん…すごく、映えてる。やっぱり、すごいよ……)」


ユキ「……っ!」

 プスッ

トウマ「…な!?」

ユキ「……チィッ!」


女「(ここからアクション……。うまく、できてるかな)」


514 :ちぢれ:2010/02/10(水) 10:58:21.08 ID:FWBuuvEa0
 シュシュッ シュッシュシュッ

ユキ「…ふっ…はあっ!…たああっ!!」

トウマ「う…ぐぅっ……く…」

ユキ「っあ!」

 ビュンッ

トウマ「くっ!」

ユキ「…」ニヤリ

 シュッ !

トウマ「っ!?」


女「(わわ…苦労したカットが…パッパパッパ移り変わっちゃって…)」

女「(でも……何、このリズムとスピード感…)」

女「(何回もリテイクして手持ちで撮った所も、…すごく、いい……。私の演技の下手さとか、カバーしてくれてる)」

女「(すごい……)」


515 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:04:55.71 ID:wuQodSIe0
スレの寿命って8日ルール? 無制限?
8日ならもう落ちちゃうね


516 :ちぢれ:2010/02/10(水) 11:10:07.11 ID:FWBuuvEa0
女「(あ……この辺りから、台詞が多いんだよね)」


ユキ「うそ……」

トウマ「ウソなものか」

トウマ「これは元々、俺のものだと言っている」

ユキ「返して…それは、父さんの……」

トウマ「俺が握らせた」

ユキ「……ちがう…」

ユキ「かえせ……」

ユキ「かえせええっ!!!」


女「(は……)」

女「(はずかしいぃ……)」

女「(なんか、私の声じゃない……。予想はしてたけど)」

女「(録った声って、全然違うんだなぁ…やっぱり)」


517 :ちぢれ:2010/02/10(水) 11:27:23.07 ID:FWBuuvEa0
トウマ「手を汚さずにそう思えたお前が、俺は羨ましい」

ユキ「…何も知らなければ良かった」

トウマ「許せ」

ユキ「バカな。出来るはずがない」

トウマ「…もうすぐ、橋ができる」

トウマ「お前が俺を殺そうとひた走っている時」

トウマ「俺は一人で木を削り、縄を結い、橋を作っていた」

トウマ「はは、滑稽だな…。お互いに」


女「(あぁ……)」

女「(終わってしまう……あっという間だった)」


518 :ちぢれ:2010/02/10(水) 11:33:39.75 ID:FWBuuvEa0
男「……どうだった?」

女「もっと……」

女「もっと、演技が上手くなりたいです」

男「そうか」

女「はい」

男「…俺は」

男「作る度に、自分の未熟さを思い知る」

男「今度も、…自分が天才だとほざいてる奴が監督をしていたかと思うと」

男「吐き気がする」

女「そんなっ…」

男「だが」

男「……俺は、こうやっていくしか、自分を慰められないんだ」


519 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:37:22.06 ID:VS/8ag9Y0
支援


520 :ちぢれ:2010/02/10(水) 11:40:23.98 ID:FWBuuvEa0
女「…それは、男さんのお父さんの為ですか」

男「…っ!」

男「…それで?」

女「男さんは、お父さんの言葉を耳に焼きつけてるって言ってましたね?」

女「お父さんに、いったい何を…?」

男「なんだっていいだろう」

女「男さん…私、この前知ったんです」

女「私……女優をやったのは、今回が初めてじゃなかったんですよ」


521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:42:07.22 ID:COq/nvLb0
>女「(今のこの気持ち、たぶん、最初のご褒美だ……)」
不覚にもこの一文にぐっときた支援


522 :ちぢれ:2010/02/10(水) 11:49:41.19 ID:FWBuuvEa0
男「……」

女「あの時、……学校の廊下で初めて会った時よりも前に、男さんは私の事を知っていませんでしたか?」

男「そんなはずはない」

女「そうですか……」

女「本当に、そうですか?」

男「なんで、そんな事を聞く」

女「…10年前、私が子役として、男さんのお父さんの初監督作品に出る予定だったからですよ」

男「……」

女「お父さんからたまたま聞きました」

女「本当に、私がこの映画に出演したのは、偶然ですか…?」

女「私を主演女優にと誘ってくれたのは、偶然ですか?」


523 :ちぢれ:2010/02/10(水) 11:57:51.62 ID:FWBuuvEa0
女「勘違いしないでくださいね」

女「…私は、男さんを責めてなんていないですよ?」

女「むしろ、その逆で……すごく感謝してるんです」

女「…だからこそ、本当の事を知りたくて」

男「……」

男「はは」

男「ははははっ」

男「…親父に、間際にいわれたよ」

男「俺の跡を継いでくれとさ…」


524 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 11:58:19.83 ID:VS/8ag9Y0
しえん


525 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:06:59.43 ID:FWBuuvEa0
男「……そんなこと、ボロボロの身体で懇願されたら」

男「言われたとおりにするしかないだろう…?」

女「……」

男「……察しの通り」

男「俺は、親父が使おうとしていた役者を必死になって調べたし、女のことは、とうの昔から知っていた」

男「親父が作りたかった映画を、俺の手で……」

男「俺は、それだけを糧に……ずっと……」

男「ずっと、ずっとずっとずっと!!!」

男「……そして、これからも」

女「……男さんなりの、敵討ちなんですね」

女「お父さんの、敵を討つ為に……ずっと、ひたむきに……」

女「まるで……」

男「はは、……笑っていいぞ」


526 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:17:09.48 ID:FWBuuvEa0
男「……もっと、もっと、できたはずだ」

男「こんなんでごめん…」

男「親父、ごめんよ…親父……」

女「……男さん」

男「…だが」

男「だが、これだけは信じてくれっ!!」

男「…俺は、女を親父が使うはずだった子役だからと言って、安易に今回の主演女優に決めたわけじゃないっ!」

男「女が、俺と同じ学校に入ってきたのは、単なる偶然だ…」

男「……その偶然を確かめに行った日、…あの、廊下で会った日」

男「俺は、……俺はっ!!」

女「…男さんは、あの時から、すごい不思議な人で」

女「時々、付いていけない様な時もありましたけど」

女「……でも、誰よりも私の事を分かってくれていて」

女「どうしてですか?」

男「…ど、どうしてって…」


527 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:26:44.90 ID:FWBuuvEa0
女「どうして、私の事をそんなに知っていたんですか?」

男「…女は、…こういっちゃなんだが、魅力的な女優だ」

男「だから、手に入れる為に……」

女「…男さん、セイ作さんに前に言われたんです」

女「私なりの、監督と女優の理想の関係を探すように」

女「男さんにはじめ冷たくされた時は、あぁ、こういうものかって思いました」

女「…でも、それから、男さんは冷たいだけじゃなくて、ちゃんと私に優しくしてくれました」

女「立ち直れなかった時に手を握ってくれましたし…、落ちてくる私を受け止めてもくれました」

男「あ、あれは…」

女「…だから、私なりに考えたんです」

女「監督と女優の……理想の関係」

男「……」

女「…男さんは、どうして……私の事をそんなに知っているんですか…?」

女「男さんは……女優とどういう関係でありたいって思ってますか…?」

女「聞かせて、くだ、さい……」


528 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:34:54.71 ID:FWBuuvEa0
男「俺は」

男「……他人はともかく…自分を知られるのは好かない」

男「だが、俺の気持ちを別としてだな……」

男「客観的な意見を述べれば」

男「……女は、女優としても…女性としても、最高だと、思う」

女「……」

男「も、もういいだろうがっ。……これ以上はノーコメント、だ」

女「ぁ……」ポロポロ

女「……ご、ごめんなさいっ!」

女「…あ、あの…しゅ、集中力っとぎれちゃってえと…そのっごめんなさいっ…」

女「柄にもないことばっかり言って……や、やっぱり私っ、まぬけで、あがり症でぇっ!!」

女「うぅ……」



529 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:42:32.57 ID:FWBuuvEa0
男「……ふぅ」

男「まったく、世話の焼ける女優だな」

女「撮影中、私が男さんのお父さんと、関係があるって知って…」

女「それでずっと、ずっと気になってて……」

女「でも、聞けなくて……」

男「…そうだったか」

女「ごめんなさいっ……でも、ちゃんと応えてくれて……うれしかった。うれしかったです」

男「……また」

男「俺の映画に出てくれよ」

男「……なんだったら、また女の為に書いても良い」

男「そして、…いつか、俺が俺自身の映画を作れるようになったら」

男「また、一緒に作ろう」

女「……はい。……はいっ!」

女「私はずっと、ずっと……男さんの女優ですから」


530 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:47:43.44 ID:FWBuuvEa0
オト屋「くっ……」

オト屋「アクションの音作りがこんなに難しいなんてな……」

オト屋「友ちゃん、もう一回だ!」

友「またですか」

友「……もう、豚肉叩くのはこりごりですよぉ」

友「手が血まみれです……」

オト屋「頼むよ。あとでその豚肉でなにか料理作ってあげるからさっ!」

友「げ…え、遠慮ししときます」

オト屋「あーっくっそ!…やっぱ後で苦労するんだよなこんちくそうっ!」

オト屋「音はいつもこうだよっ!ぐああああ撮影前にもっと休んどきゃよかったあああ」

友「あわわ、分かりました。叩きますよぉ…叩くので、頑張りましょうっ!」

オト屋「その肉もったいないから、食べるのも手伝ってくれ……」

友「あぁ、やっぱりそういう事でしたか…」


531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 12:48:00.64 ID:VS/8ag9Y0
支援


532 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:51:49.97 ID:FWBuuvEa0
カメ男「(……今回の俺のカメラの動き、やはり全然あの人には敵わない)」

カメ男「(…どうしたら、勝てるだろうか…)」

カメ男「(……やはり)」

カメ男「……ンッフ」

女「……え」

カメ男「……」ジー

女「きゃっ!ど、どこ撮ってるんですかーーっ!!」

カメ男「……ふくらはぎ」

女「ひっ!?」

カメ男「美しい……」

カメ男「デリシャス」

女「なななななな!?」

カメ男「(……やはり、俺が勝てるのはこの分野だな…)」

カメ男「(俺の天下は近い……っ!)」


533 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:55:56.02 ID:FWBuuvEa0
ダン裕「…ふひぃ、終わった終わった」

男「…どうだった?」

ダン裕「俺の演技が最高だったネ!」

男「…ほぉ」

ダン裕「…あと、お嬢さんの演技もなかなか良かったネ!」

男「…ほぉ」

男「それ以外にはないのか?」

ダン裕「……ソウダナ」

ダン裕「そろそろ親父を卒業できそうか?」

男「……そうだな」

男「いままで、ありがとうな」

ダン裕「ふっふ。なぁに……」

ダン裕「代わりといっちゃなんだが、受験勉強教えてくれヨ!」

男「後輩に教わろうとしてどうする……」

ダン裕「後輩だろうがいいんジャ!…ホントにケチだな!!」


534 :ちぢれ:2010/02/10(水) 12:59:09.51 ID:FWBuuvEa0
セイ作「…友さん、髪切りましたね」

友「あ、わかりますか?」

セイ作「えぇ。可愛くなったんじゃないですか?」

友「ほんとですかっ?…うれしいなぁっ!」

友「…でも、女ちゃんほどじゃないですよね?」

セイ作「……さて、どうでしょう」

友「む。…はぐらかしましたね」

セイ作「…それより、ホントに入会していただけるんですか?」

友「えぇ、どうせ帰宅部で暇だったですし……」

友「映画作るの楽しいですし…」

友「それに……」

セイ作「……?」

友「いえっ……なんでもないですっ。掃除がんばりますっ!」

セイ作「ははは、かわいらしいですね」

友「……うぅ」


535 :ちぢれ:2010/02/10(水) 13:02:29.02 ID:FWBuuvEa0
男「新しい脚本だっ!」

女「わっ……。分厚い」

男「……夜なべして書いた。眠い」

女「おつかれさまです。…じゃあ、よませてもらいますね」

男「……あぁ……」

男「……」スースー

女「……ふふっ」

女「これじゃ、いつぞやの逆ですね」

女「ねがお、かわいい…」

女「……」

女「男さん」

女「……大好きですよ」

女「ふふっ」


536 :ちぢれ:2010/02/10(水) 13:03:43.85 ID:FWBuuvEa0
あとがき

眠い

8日ルールなの本当に

どうしてこうなった

ありがとうございました


537 :ちぢれ:2010/02/10(水) 13:04:57.94 ID:FWBuuvEa0
まだかける…?


538 :ちぢれ:2010/02/10(水) 13:08:12.52 ID:FWBuuvEa0
書ける……!やった!!

俺必死すぎワロタ


539 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:08:56.96 ID:C6l6j2IZ0
かけ…かくんだ!


540 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:09:33.92 ID:BUisBLyc0
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/handicap/1261232957/l50


541 :ちぢれ:2010/02/10(水) 13:10:48.23 ID:FWBuuvEa0
一応これでおわりです…

ギリギリすぎて適当でそうは見えないかもしれないですけど


脱力…


542 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:18:42.96 ID:DIxoHeT40
投げなかっただけマシ


543 :ちぢれ:2010/02/10(水) 13:27:03.03 ID:FWBuuvEa0
途中何度もスランプ入った時は死にたかったですね
よく投げなかった俺

というかむしろ

保守支援に感謝です


544 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:27:52.52 ID:s4wFSVlc0
乙!
楽しく読ませてもらいました

内容は全然違うけど、岡野史佳の「太陽の下で待ってる」を思い出したなぁ


545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:31:17.99 ID:UpT6y68iQ
始めのうちは登場人物の臭すぎるセリフに違和感があったけれど、
ストーリー的には魅力的だったので読んでいたら

いつの間にか登場人物のセリフがすんなりと入ってくるようになって
ああ、俺はこの話に入り込んできてるんだな…と思った

つまり何が言いたいかと言うと、
「面白かったよ!お疲れ様!」


546 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 13:39:29.69 ID:aLqCxkC3O
乙!おもしろかった


547 :ちぢれ:2010/02/10(水) 13:53:46.03 ID:FWBuuvEa0
ウワー
ありがとうございます
見苦しいかもですがレスさせてください

>>544
ググってみました少女漫画っ
今度BOOKOFFで見つけたら読んでみます

>>545
キャラが臭いのは「個性立たせてみよう!」の失敗でした…
うれしいですありがとうございます

>>546
こんな遅筆なSS読んでいただいてありがとうございました!


548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:10:51.83 ID:K6o1rskbO
>>1
乙!


549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:11:02.00 ID:tGFADWdl0

これ1週間以上前からやってたのかよ


550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:13:37.44 ID:mlDi8zVSO
乙!良かったぜ!!


551 :ちぢれ:2010/02/10(水) 14:14:25.16 ID:FWBuuvEa0
>>548
SS書くようになってから乙の字がたまらなく好きです。

>>549
一週間以上毎日PCとにらめっこでした…


552 :ちぢれ:2010/02/10(水) 14:16:09.77 ID:FWBuuvEa0
>>550
ありがとうございます
書いた甲斐がありました


553 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 14:36:51.65 ID:COq/nvLb0
台詞の臭さが演劇体験者なのかなって感じだったけど
面白かった乙!
もう一度見直すと臭く感じないふしぎ!


554 :ちぢれ:2010/02/10(水) 15:23:52.16 ID:FWBuuvEa0
>>553
いやはや、そこはかとなくわざとらしいというか
実際にこんな口調の奴ら居たら気持ち悪いですよね

ありがとうございます。演劇はごにょごにょ


555 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:30:32.54 ID:p9mSVnbI0
前はエロエロだったね


556 :ちぢれ:2010/02/10(水) 15:31:55.03 ID:FWBuuvEa0
>>555
今もエロエロが書きたいです!
次は絶対エロにします!

今回は映画制作のイロハが書きたかったので、エロは無しにしようと決めてました


557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 15:59:23.00 ID:Gj5SPL/P0
ちぢれの過去作品ちょっと教えてくれ


558 :ちぢれ:2010/02/10(水) 16:03:01.98 ID:FWBuuvEa0
妹「お姉ちゃんを卒業するね」
妹「お兄ちゃんを強姦する」
妹「やだっこの格好…同人誌のエッチなシーンと一緒っ」
妹「寝るまで私とおしゃべりしよっ」
姉妹幼友女「おちんちにれちゃやだ…やだぁっ!…んんっ!」
幼女「わたしがコスプレイヤー幼女だよ☆」
ボーカロイドを育てるゾ(18禁ver)
ボーカロイドが届いたゾ(18禁ver)
恋愛シュミレーションゲーム『ボカロけ』(18禁ver)
女「男として、好きだ。付き合ってくれ」

とかでしょうかね


559 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 16:10:56.16 ID:Gj5SPL/P0
thx
そういえば今年の頭くらいに
女「男として、好きだ。付き合ってくれ」
は見かけた気がする

探してみるか…


560 :ちぢれ:2010/02/10(水) 16:15:33.38 ID:FWBuuvEa0
>>559
それはお正月早々に書いた奴です
これからもちぢれをよろしくおねがいします


561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:13:33.29 ID:ssTgyH0EO



562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/10(水) 17:16:24.38 ID:zJdO1DFN0
面白かった!乙乙!!!!


563 :ちぢれ:2010/02/10(水) 17:36:09.63 ID:FWBuuvEa0
>>561
ありがとうございます

>>562
だぶる乙うれしいですありがとです。


さすがに頭がふらふらしてきました…
みなさんありがとうございましたお休みなさい

>>558はだいたいスレタイでググると
何かしらでてくるみたいです
よかったらどうぞ


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